実力を発揮し毛利、小川が4位入賞

日本拳法

個人戦である矢野杯争奪第31回東日本大学個人選手権が行われた。東日本の大学生の頂点を決める今大会に早大からは級の部に3人、段の部に6人、女子の部に1名が出場。級の部では毛利公名士(商2=東京・つばさ総合)が、段の部では小川友太朗(商4=広島・基町)がそれぞれ4位入賞。しかしながら、揃う強豪相手に苦戦を強いられた早大は目標であった全国への切符を掴むことはかなわなかった。

 「調子としては絶好調でした」級の部で躍進を見せた毛利は試合後にこう語った。初戦を危なげなく制した毛利、2回戦では序盤は苦戦こそしたものの鮮やかな面蹴りを決めると間髪を入れず胴突きを決め初戦に引き続き2本勝ちを収める。3回戦では先制するもののその後相手に一本を奪われてしまった。一本を取り返すための猛攻を見せるも時間内に決着がつかず、勝負は延長戦にもつれ込むことに。しかし組み合いを制した毛利は相手を抑え込んで面を突き準々決勝進出を決めた。準々決勝でも勝利を掴んだが、続く準決勝では力及ばず2本負け。順位決定戦へとまわることとなった。迎えた3位決定戦、毛利は格上相手に善戦するも残り33秒で力及ばず敗退、目標としていたトロフィーにはあと一歩及ばなかった。

蹴りを繰り出す毛利

 先月の東日本大学リーグ戦で敢闘賞を受賞した小川は今大会も勢いそのままに得意の投げ技で多くの強敵たちを討ち取った。初戦から得意の投げ技から抑え込みの形での打撃を決める戦法で2本勝ちを収めると、2戦目も同じ流れで2本を奪い、そのまま危なげなくベスト16へ進出。しかし、ベスト8以上の猛者たちは小川を警戒し研究を重ねてきたため小川は思うように自分のペースを作りきることができない。試合の間に技の試行錯誤を重ねるも、強力な小川の投げ技を警戒して相手選手は全く間合いに入ってこようとしなかった。「調子は決して悪くはなかったのですが、相手の研究のほうが一枚上手だったと思います。」試合後にはこう振り返った小川は取られた本数を取り返すことができないまま、3位決定戦で敗れ個人戦を終えた。

得意の投げ技で果敢に攻める小川

それぞれの実力を出し切った大会となったと捉える選手もいる中で、その結果にただ悔しさ、歯がゆさを感じる選手がいたこともまた事実である。チームとしては、目標にかかげていた全国大会に向けての切符を掴むことができなかった結果は無念なものとなった。また出場した部員たちもを全力を尽くして健闘したもののあと一歩、相手に及ばなかった試合も多くあった。しかし敗戦の空気を長く続けることはならない。次戦はまた団体戦で頂点を目指すこととなる。試合の良い結果も悪い結果も次へ活かそうとするのがワセダの日本拳法部。今回個人レベルで見つけた課題を次戦までに修正することはなるか。目標とする全国制覇へ、来月の大会へ照準を定める。

(記事、写真 柴田侑佳)

結果

▽男子級の部

4位 

毛利公名士

2回戦敗退 

田中照将(商2=東京・麻布学園)

▽男子段の部

4位 

小川友太朗

3回戦敗退

茂木蔵人(社4=東京・早実)

森川晋平(スポ2=奈良・青翔)

小坂怜亜(教3=大阪・関西福祉科学大高)

1回戦敗退

田部井達也(スポ3=東京・日大二)

伊藤天晴(人4=東京・世田谷学園)

▽女子の部

1回戦敗退

大石和奈(基理2=広島女学院)

毛利公名士(商2=東京・つばさ総合)

――きょうを振り返ってみていかがですか

結構自分の力は出し切れたと思います

――調子はどうでしたか

絶対調でした

――きょうはどのような目標をもって大会に臨まれましたか

きょうはせっかく遠くまで来たので、トロフィーを持って帰りたくて。そのために3位以内を目指していたんですけど最後に(順位決定戦で)負けしまったので手ぶらで帰ることになりました。少しだけ悔しいですね。

――今後の目標をお願いします

近いところで言うと、7月に選抜の全日本があるので団体に入ることです。団体戦のメンバーとして出場してチームの力となれるようになりたいです。

小川友太朗(商4=広島・基町)

――きょうを振り返ってみていかがですか

やっぱり最後(順位決定戦)が悔しいの一言に尽きますね。全体的に自分の得意な技で押し切れていたと思うんですけど最後だけは相手との相性の問題で結構自分がいつも突かれている弱点を突かれて負けてしまったので…悔しいです。

――4位という結果はどのように受け止めていますか

それもさっきのミーティングで言われていたんですけど、3位と4位ではだいぶ違って。3位なら全日本に、本当に日本で1番の大会に繋げることができたので悔しいです。

――先ほど仰っていた得意な流れというのは投げ技からの抑え込みという形になりますか

そうですね。特にきょうは自分の得意としているところを相手にぶつけることができたんで良かったです。最後も正直自分では惜しかったなと思っているので、やはり相手の研究の方が1枚上手だったと思います。

――最後に今後の意気込みをお願いします

次の団体戦が、全国大会になるのでチームの主軸として主力として全勝を目指していきたいと思います。