新体制初戦は悔しさが残る大会に

日本拳法

新体制に移り初めての公式戦で拳士達が躍動した。今年はチームの柱であった橋本周平(平30社卒=大阪・清風)が抜けチームとしても更なるレベルアップが求められる中、男子は予選リーグを全勝で突破。しかし決勝リーグでは圧倒的な力を持つ明大、中大を前に実力を発揮しきれず悔しい結果となった。女子は学連選抜の一員として出場した大石知奈(先理2=広島女学院)が優勝する嬉しい結果となった。

女子は、慶大、立大、駒大との合同チームを組み学連選抜として出場することとなった。予選リーグの初戦・青学大戦では先鋒を任された大石和奈(先理2=広島女学院)は格上の相手に好戦。悔しくも残り9秒で一本を奪われてしまい、初戦を白星で飾ることはならなかったが、その後もチームは予選リーグを勝ち進み決勝戦へ進出。優勝を懸けた決勝戦の舞台では初戦の相手である青学大との再戦となった。この試合では中堅を任された大石だったが一本を奪うことができず悔しい負けを喫する。個人としては勝ち星を挙げることができず悔しい思いをしたが、チームとしては青学大に勝利し見事に優勝。大会運営史上初めて学連選抜が優勝することとなった。

格上相手に善戦する大石

決勝リーグへ進むためには予選リーグのブロックを1位通過しなければならない男子は初戦の立大戦を不戦勝の2勝を含む6勝1敗、駒大戦は7人全員が二本勝ちを収め予選リーグ最終戦である慶大戦を迎える。1年時から試合に出場してきた先鋒の森川晋平(スポ2=奈良・青翔)が開始31秒と57秒でそれぞれ押さえ込み面突きを決め幸先よく勝利を収める。続く次鋒の小坂怜亜(教3=大阪・関西福祉科学大高)は積極的に攻めるもなかなか旗が上がらず苦しい戦いとなった。しかし残り39秒で面突きを奪った小坂は残り28秒で鮮やかな面蹴りを決めガッツポーズを繰り出した。ところがワセダ同様、慶大も予選リーグ突破がかかっていたため一筋縄では終わらない。3勝3敗で迎えた運命の大将戦。迎えた小川友太朗(商4=広島・基町)は自身の強みである組み技を活かした戦いぶりで試合の流れを作り、相手を押さえ込んでからの胴突きを2本連続で決め勝利した。接戦を制した早大は決勝リーグへ駒を進めることとなった.迎えた決勝リーグ、初戦の相手は昨年の王者・明大。いきなり強敵と対戦することとなったワセダは先鋒から中堅までで4敗。唯一、小坂は残り9秒で2本目の胴突きを奪い勝利するも、副将、大将も好機をものにできず敗戦。大柄な選手が揃う明大を前に奪えた本数は小坂の2本のみ。結果としては1勝6敗で明大戦を終えた。2試合目の中大戦も2勝4敗1分で敗れこれ以上負けられない中迎えた国士舘大戦。先鋒の小坂は開始早々リードを許すが、その後立て続けに2本を奪い前の試合から続く悪い空気を断ち切る。しかし次鋒、中堅と敗れ迎えた参将戦、森川は冷やりとする一蹴りを浴びたもののその後押さえ込み面、面突きを次々と奪い勝利。流れを取り戻した早大は副将、大将ともに2本勝ちを収め3位入賞が確定した。

小川は今大会において敢闘賞を受賞した

3位という結果をどのようにとらえるかと問うと「最悪です。3位と言ったら聞こえはいいのかもしれないですが、一方で内容はどうかというと1位と2位の差を明確に感じたというのは事実」というコメントを出した森主将。その言葉の通り、3位入賞は果たしたものの優勝した明大、2位の中大は今回の参加チームからは頭一つ抜きんでていた。それは試合の結果が何より明確に表している現実だ。今回悔しい結果となってしまったワセダが一年間をかけて挑戦していく宿敵になるであろう。しかし今大会においては小川が敢闘賞を授与されるという嬉しいニュースもあった。悔しさを最初に味わったからこそ、チームとしてさらなる前進を期待することもできる。来月の大会では個人戦となるが、今大会での悔しさをぶつけるべくリベンジを誓う。

(記事 柴田侑佳 写真 藤本壮汰)

結果

▽女子団体戦

予選リーグ

 2位通過

一回戦 対青学大 1勝2敗 

●先鋒 大石和奈(先理2=広島女学院)

2回戦 対国士舘大 1勝1敗1分
●先鋒 大石和奈

決勝リーグ

優勝

準決勝 対中大 2勝1敗

●中堅 大石和奈

決勝 対青学大 2勝1敗

●中堅 大石和奈

※女子は早大、慶大、立大、中大で学連選抜チームを結成

▽男子団体戦

予選Dブロック

1位通過

1回戦 対立大 6勝1敗

〇先鋒 森川晋平(スポ2=奈良・青翔)

〇次鋒 田部井達也(スポ3=東京・日大二)

〇参峰 毛利公名士(商2=東京・つばさ総合)

〇中堅 小川友太朗(商4=広島・基町)

●参将 田中照将(商2=東京・麻布学園)

〇副将 小坂怜亜(教3=大阪・関西福祉大高)

〇大将 森裕紀(政経4=早稲田渋谷シンガポール)

2回戦 対駒大 7勝

〇先鋒 森川晋平

〇次鋒 小坂怜亜

〇参峰 田部井達也

〇中堅 茂木蔵人(社4=東京・早実)

〇参将 森裕紀

〇副将 田島崇行(教4=埼玉・浦和)

〇大将 小川友太朗

3回戦 対慶大 4勝3敗

〇先鋒 森川晋平

〇次鋒 小坂怜亜

●参峰 田部井達也

●中堅 毛利公名士

〇参将 森裕紀

●副将 田島崇行

〇大将 小川友太朗

決勝リーグ

3位

1回戦 対明大 1勝6敗

●先鋒 小川友太朗 

●次鋒 森川晋平

●参峰 田部井達也

●中堅 伊藤天晴(人4=東京・世田谷)

〇参将 小坂怜亜

●副将 毛利公名士

●大将 森裕紀

2回戦 対中大 2勝5敗1分

〇先鋒 小川友太朗

●次鋒 伊藤天晴

〇参峰 森川晋平

●中堅 田部井達也

△参将 小坂怜亜

●副将 田島崇行

●大将 森裕紀

3回戦 対国士舘大 5勝2敗

〇先鋒 小坂怜亜

●次鋒 毛利公名士

〇参峰 森裕紀

●中堅 田島崇行

〇参将 森川晋平

〇副将 田部井達也

〇大将 小川友太朗

コメント

森裕紀(政経4=早稲田渋谷シンガポール)

――この大会はチームとして目標はどこに設定されていましたか

それはもちろん優勝です。12月にある全国大会に向けての第一歩として捉えていました。

――結果は3位でしたがどのように捉えていますか

最悪です。3位と言ったら聞こえはいいのかもしれないですが、一方で内容はどうかというと1位2位との差を明確に感じたというのは事実なので、その事実をしっかり受け止めたいです。

――1位2位との差は具体的にどういうところで感じましたか

そもそも選手層の厚さですよね。また選手の技術量であったり身体の強さなどすべての面で差があったのかなと思います。

――この大会での収穫はありましたか

収穫は今のままだと最後の大会で全国優勝するというのは夢のまた夢だと痛感したことです。もうちょっと練習方法からまず見直して、部員の練習に対する取り組み方や姿勢をもう一度組み立て直さなきゃいけないなということがわかったことです。

――主将として意識していたことはありますか

主将として全勝したかったのですけどそこがまず叶わなかったというのは残念です。しかしそこまで主将は意識していなくて部員の一人としての意識でのぞみました。

――来週も大会がありますが意気込みをお願いします

個人戦なんですけど、その大会で成績を残すと全国大会に進めるのでその切符を多くのワセダの選手にとってほしいと思います。

小川友太朗(商4=広島・基町)

――敢闘賞受賞おめでとうございます

ありがとうございます。

――きょうの試合を振り返ってもらえますか

個人としては去年の試合で勝てていた選手に負けたので心残りがあるんですけど、団体として見た時に経験者の2人と僕と主将の森(裕紀、政経4=早稲田渋谷シンガポール)の4人が軸としているんですけど、残りの3枚っていうのが課題であって、そこがまだ固まらないというのは反省するところかなと思います。

――優勝した明大や準優勝の中大とは差があるように感じましたが埋めていくために個人としてどういうところが課題としてあげられますか

まだまだ反応が遅いというか、俊敏に動けるようになるというところかなと思います。

――最上級生になって心境に変化はありましたか

今までは一つ上にすごく強くて精神的に柱となっている橋本(平30社卒=大阪・清風)さんがいたんですけど、その方が引退されたのもあって僕と森裕紀の2人でその立場になっていこうと言ってきましたし取り組みもしてきました。

――来週、矢野杯がありますが意気込みをお願いします

全国大会に出れるように頑張っていこうと思います。