伝統の早慶戦で快勝! 

日本拳法

ことしで36回目を迎える早慶戦が早大合気道場で開催された。初めに下級生による個人戦、続いて本戦である団体戦が行われた。近年苦しい戦いが続いていた団体戦だったが、ことしは5勝1敗1分けとし伝統の一戦を制す。個人戦には5名が出場し、三澤拳士郎(商1=大阪・八尾)が2位に輝いた。

個人戦は両大学の1年生が出場し、トーナメント形式で進められた。三澤の初戦は笹井健司(社1=岡山・津山)。試合開始直後に面突きで1本奪った後、すぐさま2本目も面突きで決め勝利。続く2戦目も田中悠之介(社1=早稲田佐賀)との対戦となり、2戦連続で早大対決となった。面突きで1本取った後は組みに持ち込み、抑え込み面膝蹴りで制した。決勝戦では開始直後に胴突き、面突きと立て続けに奪われ敗戦。優勝は逃したが、2位に輝いた。

早大対決となった三澤の初戦

応援部によって会場が盛り上がる中団体戦が始まった。先鋒の田部井達也(スポ2=東京・日大二)は序盤で面突きを決め優位に立つが、中盤面蹴りで1本取られ、引き分けとなる。続く次鋒戦は敗れ、なかなか早大のペースに持ち込めない。しかし、参鋒の森川晋平(スポ1=奈良・青翔)が胴突きで相手を下すと、続く中堅、参将戦も良い勢いのまま勝利。団体戦の勝敗は副将戦の小坂怜亜(教2=大阪・関西福祉科学大高)に任せられた。小坂は面突きで1本奪うが、その後蹴りを決められ1対1とされる。しかし追いつかれた直後、素早いパンチで胴突きを決め勝利。この時点で早慶戦の勝利が確定した。最後の大将戦には橋本周平主将(社4=大阪・清風)が出場。「気負うことなく試合ができた」と語ったように、大柄な相手との対戦だったが冷静に胴突きと面突きを決め、今大会を勝利で締めくくった。

大将戦に出場した橋本主将

東日本選手権では4勝3敗と接戦を繰り広げた慶大に対し、今回大きく勝ち越せたことは収穫となっただろう。一方で上級生中心の本戦では危なげなく勝利したものの、1年生の個人戦ではまだまだ課題が見つかる結果となった。来年以降に向けて指導の強化が求められる。ことしの集大成である全日本学生選手権まで残り約2週間。悲願の優勝を目指し、早大日本拳法部は突き進む。

(記事、写真 森原美紘)

※掲載が遅れ、誠に申し訳ございません。

結果

▽個人戦

2位

三澤拳士郎(商1=大阪・八尾)



2回戦敗退

田中悠之介(社1=早稲田佐賀)



1回戦敗退

毛利公名士(商1=東京・つばさ総合)

田中淳(先理1=神奈川・浅野)

笹井健司(社1=岡山・津山)



▽本戦

△先鋒 田部井達也(スポ2=東京・日大二)

●次鋒 齋藤龍之介(法4=埼玉・早大本庄)

○参鋒 森川晋平(スポ1=奈良・青翔)

○中堅 小川友太朗(商3=広島・基町)

○参将 森裕紀(政経3=早稲田渋谷シンガポール)

○副将 小坂怜亜(教2=大阪・関西福祉科学大高)

○大将 橋本周平主将(社4=大阪・清風)

コメント

橋本周平主将(社4=大阪・清風)

――きょうの試合を振り返って、いかがですか

慶大とはことし3度目の対戦で、全部僅差でしか勝てていなかったので、きっちり4人以上勝って勝利できたので良かったなというのが正直な感想です。

――早慶戦への思い入れはありますか

ほぼ毎年早慶戦は苦戦していていつも大将戦で決着、という試合展開が多く、ことしもそうかなと思っていたのですが、ことしは大将戦の前で決着したので気負うことなく試合ができたかなと思います。

――個人戦をご覧になって、下級生の戦いぶりというのはどのように捉えていますか

下級生の指導に関しては慶大のほうが一枚上手だったのかなと思っています。個人戦で優勝された戸嶋選手(隆介、慶大)は突きも蹴りも組みも総じてうちの1、2年生よりもレベルが高かったと思います。

ご自身はどのような気持ちで大将戦に挑まれましたか

完全勝利です。相手がこうすれば良かったということなしに、実力でねじ伏せようという感じです。

――大将戦では何か作戦はありましたか

体が大きい選手だったので、胴を中心に攻めていこうと考えていました。左を打ったときにガードが上がるクセがあったので、腕を上げさせて胴を攻めようと考えました。

――チームとしての作戦は何かありましたか

1本を取りにいこうということですね。いつも中途半端に攻めていったり、中途半端に守ったりしていたので、それをやめて勝ちにいこうということです。負けたら負けたでリカバリーはきくので、しっかり取りに行こうと話しました。

――今大会を経て得られた課題はありますか

危ないなと思う場面はどの試合にもありました。全国大会ではもっとレベルの高い選手たちと同じような状況で戦うのが予想されるので、取られない方法というのをもう少し詰めていく必要があると思っています。

――最後の締めくくりである全日本選手権に向けて一言お願いします

最後の集大成として、優勝目指して、やることをやって大会に臨みたいなと思っています。