強豪相手にあと一歩で勝利を逃す

日本拳法

 全国から日本拳法の強者が集う第30回全国大学選抜選手権が東京武道館で開幕した。東日本のみの大会とはまた違った雰囲気のある大会となった。一発勝負のトーナメント形式で行われたこの大会。応援部も応援に駆けつけ選手たちもいつもに増して気合が入る。初戦の大阪産業大を相手には危なげなく4勝1敗で勝ち進む。続いての相手は関大。関大に勝つことを目標にしていた早大。勝利まであと一歩のところまで追い詰めるものの、最後に一本を取ることができず惜しくも敗戦。

 組み合わせの関係で2回戦からの出場となった早大。2回戦の相手は大阪産業大。試合にエントリーした選手は3名と少なく2試合の不戦勝が発生するものの、出場する3選手は全員段持ちと油断のならない相手だ。先鋒は小坂怜亜(教2=大阪・関西福祉科学大高)。チームに流れを呼ぶ勝利が求められる。試合開始直後から激しい攻防を見せるもなかなか一本が奪えない。しかし残り40秒で胴蹴りを決め一本を取ると、残り10秒で胴突きを決め勝利をつかむ。次鋒、中堅は不戦勝で勝利し迎えた副将戦。格上の相手に挑んだ森裕紀(政経3=早稲田渋谷シンガポール)は開始19秒で幸先よく一本を奪う。相手に一本を奪われるものの最後は面突きを決めて勝利する。大将戦で橋本周平主将(社4=大阪・清風)がまさかの敗戦を喫するものの4勝1敗で大阪産業大相手に勝利し3回戦進出を決めた。

激しい戦いを見せた小坂

 迎えた3回戦。対戦相手は西日本の強豪校である関大。先鋒は小川友太朗(商3=広島・基町)。柔道の経験をいかした組み技で試合を有利に進め、相手を倒してからの面突きを連続で2本決めて勝利する。次鋒は1年生ながらメンバー入りしチームに貢献している森川晋平(スポ1=奈良・青翔)がつとめたものの惜しくも敗戦。1勝1敗となり勝った方が3回戦突破に王手をかけることができる中堅戦。小坂はパンチを多く繰り出し激しい戦いを見せるものの一本をとることができない。残り29秒の場面で相手に痛恨の一本を取られてしまう。残りの時間攻め続けるものの相手のガードを崩せず敗戦を喫する。あとが無くなった副将戦。負けが許されない厳しい状況。しかし森は強さを見せつける。わずか17秒で二本取る圧巻の内容で試合を決めて勝利。運命の大将戦につなげた。勝った方が突破となる大将戦。橋本は距離感を取りながらスキを伺うと胴突きを決めて先に一本を奪う。しかし試合を決める一本をなかなかとれないでいると、残り29秒に一本を取られ追いつかれる。「練習から不用意な一本をとられる傾向がある不安があった」と試合後振り返るように、その直後に面突きを決められ敗戦。最後に主将としての意地を見せることができず、試合後は悔しい表情を見せた。日本拳法の発祥の地である関西の壁に今年も苦しむ結果となった。

橋本は悔しい結果に終わった

この大会で準優勝した関大をあと一歩のところまで追い詰めるなどチームの力を見せつけた。橋本主将が語るように「決勝にいける力」はあるだろう。この試合で実感した関西とのわずかながら大きな差を埋めるための時間は多くある。秋の全日本学生選手権では一段階パワーアップしたワセダを見せてくれるだろう。

(記事、写真 藤本壮汰)

結果

▽男子の部

3回戦敗退

1回戦 組み合わせの関係で2回戦から出場

2回戦 対大阪産業大学 4勝1敗

◯先鋒 小坂怜亜(教2=大阪・関西福祉大高)

◯次鋒 森川晋平(スポ1=奈良・青翔)

◯中堅 小川友太朗(商3=広島・基町)

◯副将 森裕紀(政経3=早稲田渋谷シンガポール)

●大将 橋本周平(社4=大阪・清風)

3回戦 対関西大学 2勝3敗

◯先鋒 小川

●次鋒 森川

●中堅 小坂

◯副将 森

●大将 橋本

コメント

橋本周平主将(社4=大阪・清風)

――きょうの大会を主将として振り返って

対戦相手の関西大学準優勝していることもあって、あそこで勝てばチームは決勝に行くだけの力はあるのかなと思います。結果は僅差だったりで、そこでポイントを取れなかったというのが、我々と関西大学との練習量の差であったり、あるいは強さの差だなと正直思いました。

――関西大学との差ということですが具体的にどのようなところに差を感じましたか

一人一人がより一本にこだわってるのは関大の方が強かったと感じました。ワセダよりもとにかく一本とりたいという気持ちを前面に出して、リスクを負ってでも取りに来たというのがワセダと関大との差だなと感じました

――今大会の目標はどこに設定していましたか

関大を倒して最低でもベスト4には行こうという目標でした

――最後の試合、先に一本をとりながら勝つことができませんでした。あの試合を振り返ってもらえますか

ここ最近の練習でも不用意なところで一本を取られるという傾向がものすごい増えていて、1回戦でもそれが出ていたので不安なところはありました。それがここ一番の局面で出てしまったなと思っています

――来週にもまた試合がありますが意気込みをお願いします

昨年は準優勝でしたので、超えるためには優勝しかないので優勝目指して頑張ります。