あじさいが見ごろを迎える中、ことしも高幡不動尊で奉納試合が行われた。ワセダからは5名が出場し、それぞれが春から磨いてきた技を披露する。普段対戦する機会のない自衛隊も多く出場する厳しい試合になったが、級の部では田島崇行(教2=埼玉・浦和)と宮脇希(教3=神奈川・山手学院)がベスト16に入る活躍を見せた。
段の部には齋藤龍之介(法3=埼玉・早大本庄)、眞鍋周(教4=香川・大手前)の2名が出場。今大会は出場者が多いため、試合時間が通常の半分である1分30秒に制限された。両者とも一瞬の隙を突かれ序盤に1本を決められる。徐々に近づくタイムリミットのなか1本を取り返すことができず、1回戦敗退に終わった。級の部ベスト16の宮脇は初戦から積極的な攻撃を仕掛ける。2対0で危なげなく勝利すると、2回戦を不戦勝とし、3回戦へ進出。しかしここでは中盤に胴膝蹴りにより先手を打たれる。最後まで粘りを見せるものの、1本を取ることができず敗北を喫した。
打撃を決める宮脇(左)
今大会、ワセダで最も勝利を積み重ねたのは田島だ。田島は初戦、開始30秒ほどで面突きを決め1本取る。残り1分の時間を使い切り、1対0で逃げ切った。2戦目は手に汗を握る試合となった。開始直後、相手に1本を奪われる。このまま2本目を奪われないように攻めの姿勢を見せ続ける。その攻めが功を奏し、1本奪い返すことに成功。その後も2本目も取り、2回戦を突破する。1本目、2本目ともに面突きが決まった。3戦目は序盤からなかなか攻撃が届かず、守りに入ってしまう。「組み技には気を付けようと思っていました」と戦略を立てていた田島だったが、大柄な相手にその組み技で倒された後面突きを決められ敗れる。3回戦敗退となったが、社会人相手に健闘した。
得意の拳で攻める田島(右)
今大会はワセダの全選手が初戦から自衛隊と対戦し、苦しい試合を強いられた。一方で強敵と対戦することで得たものもある。「対戦する前はあまり自信がなかったのですが、思ったよりも勝つことができました」と田島は振り返る。自信を得ることができたという点において、大きな意味をもつ大会となった。今大会は主将をはじめとする選手の欠場が目立ったが、次の団体戦には出場する見込みだ。レベルアップしたワセダに期待がかかる。
(記事、写真 森原美紘)
※掲載が遅くなり、申し訳ありません
結果
▽段の部
1回戦敗退
眞鍋周(教4=香川・大手前)
齋藤龍之介(法3=埼玉・早大本庄)
▽級の部
ベスト16
宮脇希(教3=神奈川・山手学院)
田島崇行(教2=埼玉・浦和)
1回戦敗退
伊東天晴(人科2=東京・世田谷学園)
コメント
田島崇行(教2=埼玉・浦和)
――今大会は自衛隊も出場する試合でしたが、振り返っていかかですか
初めて自衛隊の人と戦いました。戦う前は怖かったのですが、そこまで怖がることはないのかなと思いました。
――今大会の目標はありましたか
僕は出場できる試合が2年生なので少ないので、試合経験を積んで、技を試すことができればいいなと思って出場しました。
――2戦目は最初に1本を奪われる展開となりましたが、精神面に影響はありましたか
焦ったら動きが悪くなってしまうと思ったので、落ち着こうと思いました。組み技だけは警戒して、拳でとっていこうと思っていました。
――最後の試合は、どのような作戦を考えて挑みましたか
以前合同練習で対戦したことのある相手でした。普段の練習から左構えの人が苦手なので、ずっと練習してきたのですが、踏み込みが浅くなってしまい、パンチが届かないということが多かったです。ここでも組みには気を付けていました。
――課題は見つかりましたか
課題は組まれたときの対応です。今後はもっと面突き以外の技も試していけたらと思いました。
――今後にむけた意気込みをお願いします
1年を通した目標としては、公式戦にメンバーとして出場することです。とりあえずは、来週の昇段級試験で初段に合格することを目標にやっていきます。