全国レベルの前に力及ばず、初戦敗退

日本拳法

 力の差を痛感させられた一戦だった。この日行われた全・総合選手権。各地方の予選を通過してきた強豪が集うこの大会に早大からは唯一、橋本周平(社2=大阪・清風)が出場した。全国レベルの選手たちといかに渡り合えるのか。この大会に照準を合わせ、夏の厳しい練習に耐えてきた橋本であったが、結果は惨敗。全国のレベルの高さに圧倒されたまま、初戦で姿を消すこととなった。

 

 7月に行われた東京都選手権で優勝を果たし、全・総合選手権への切符をつかんだ橋本。8月下旬から約1週間にわたって行われた合宿など、この夏は全国の舞台で勝つために自分を追い込んだ。一本を取るための練習はもちろん、東京都選手権とは違い体重による階級がない全国の大会に挑むためにウエイトトレーニングにも着手。体重を2キロ増加させ、一回り体を大きくさせた。

相手に圧倒され劣勢に追い込まれる橋本

 そして迎えた決戦の日。1回戦の相手は、高校時代に同じ舞台で戦ったことのある宮本真也(芦屋大)だ。試合序盤、橋本は得意の組み技に持ち込むために何度も足技を仕掛けたものの技が決まらず、もどかしい状況が続く。軽快に足を動かし積極的に攻撃に転じようと試みたが、体格で上回る相手の勢いに押され終始攻め切ることができなかった。両者一本を取れないまま、試合時間の3分が終了。判定に持ち込まれたが、結果は0-3で惨敗。橋本の全国での挑戦はここで幕を閉じた。

体格の大きな相手にも果敢な攻撃が光った

 「完敗だなと思いました」。橋本は試合を振り返り、こう答えた。レベルの高い相手を前に自分の拳法ができないまま終わってしまったこの大会。しかし、全国クラスの選手に圧倒されながらも一本を取られず踏ん張り続けた3分間は、橋本のこれからの糧となるであろう。これから早大日本拳法部にとって大事な秋のシーズンを迎える。「(次の大会である東日本選手権では)勝ちます。」その言葉には、2年生ながら早大を背負う橋本の意志の強さがあふれていた。

(記事 杉田陵也、写真 三佐川唯)

結果

1回戦敗退

橋本周平(社2=大阪・清風)

コメント

橋本周平(社2=大阪・清風)

――まずは今大会に向けてどのような練習をこの夏にしてきましたか

この大会はとてもレベルの高い選手が多いので、一本を取る技を磨こうと思っていて、技をいくつか練習していました。

――具体的にはどのような技を練習していましたか

突きと足技です。

――ウエイトなどはやっていましたか

体作りのメニューを普段の練習に取り入れて、体力増強にも力を入れいれていました。

――体重はどのくらい増えたのでしょうか

体重は2キロ増えました。

――レベルの高い大会でしたが、目標はどこに設定していましたか

1回戦の相手が高校時代からやっていて、僕たちの代で一番強かった選手だったのですが、その選手には絶対に勝ちたいなと思っていました。そこで勝って、次に体の大きい自衛隊に所属している選手とどれだけやっていけるかを試そうと考えていました。

――早大からは橋本選手が唯一の出場となりましたが、出発する時にはチームメイトからどのような言葉をもらいましたか

「頑張ってこい」と、その一言だけでした。

――きょうの試合は高校時代以来久々の相手との一戦になりましたが、やってみていかがでしたか

僕よりも向こうの方が練習を重ねてきたということで、府立(全日本学生選手権)ではリベンジしたいです。

――試合序盤は足技を仕掛ける場面が多かったように見受けられました

そうですね。僕の得意は組み技で、相手は組み(技)があまり得意ではないので、そこを狙っていました。

――かなり足を動かして、橋本選手から仕掛けていくことも多かったですが、そこも作戦としてありましたか

本戦の後すぐに判定ということで、判定も視野に入れて自分から仕掛けていこうと思っていました。

――0-3という判定結果についてはどうお考えですか

完敗だなと思いました。投げられましたし、コーナーにずっと詰められていました。相手の圧力に押されていたなと思いました。

――このレベルの高い大会の経験をチームにはどのように伝えたいですか

全国に出てくる選手はすごくレベルが高くて、僕も含めて早大はまだまだだと。レベルの差はかなりあるので危機感を持って、普段の練習に取り組んでいかないといけないということを伝えないといけないなと思います。

――次出場予定の東日本選手権に向けての目標を教えてください

勝ちます。