全国の舞台で躍動、石田主将がベスト4に入る

日本拳法

 先日行われた東日本大学選手権で2連覇を達成し、波に乗る早大は全国の猛者が集う全日本学生個人選手権に挑んだ。男女合計9人が出場した今大会。男子の部では石田勝希主将(スポ4=大阪・初芝立命館)がベスト4、下島海(創理4=東京・巣鴨)がベスト16入りを果たし、女子の部では新井咲里(国教4=埼玉・不動岡)がベスト8に名を連ねた。

 早大をけん引したのはやはり主将の石田だった。4回戦までは早々と2本を先取し勢いを付け臨んだ準々決勝。だがこれまでとは異なり手ごわい相手に対してなかなか一本を取り切ることができない。それでも「自分のテンポでやろうと思っていた」と、素早く突きと蹴りを繰り出すプレースタイルを貫くと、残り30秒を切ったころに一瞬の隙を見逃さず先制。その一本を守り切り準決勝へと駒を進めた。決勝を目前に立ちふさがったのは昨季の今大会覇者。一筋縄ではいかない相手に、粘りを見せるも突きで2本を奪われてしまいあえなく敗退。ベスト4で戦いは幕を閉じた。優勝という目標にはあと一歩届かなかったものの「記憶に残るような試合ができたかなと思う」と語るように、自分自身だけでなく後輩たちにとっても大きな意味を持った試合になった。

「自分のテンポでやろうと思っていた」と語った石田(左)

 一方、同じく4年の下島。2回戦では組み倒してからの胴突き一本、3回戦では突きで一本を取り、組み技と打撃中心の立ちをうまく使い分け勝ち進んでいく。迎えた4回戦では相手の足を払いバランスを崩したところで面突きを決め先制。このままもう一本を狙うが、面突きで2本を取られてしまい逆転負け。「相手の攻撃を待つというパターンしかできなかった」と積極性を欠いてしまったことが敗北につながった。下島はベスト16という結果に対して「まだ先に行けたかなと思うのでそこは悔しい」と口にする。だが前期は思うようなプレーができなかった下島にとって、この結果は復調の兆しとも言えよう。今シーズンも残りわずかだが、最後には納得のいくプレーを見せてくれることに期待が高まる。

復調の兆しに期待が高まる下島(右)

 今大会では4年生の奮闘が光ったが、早大が最大の目標としている府立(全日本学生選手権)は7人制の団体戦。「チームのレベルアップというのをあと1カ月の課題としてやっていきたい」(石田)。優勝のため、チーム全員の成長が必要とされている。まずは次なる戦いである東日本大学新人戦、東日本総合選手権でどこまで力を発揮できるか。府立に弾みをつけるための重要な一戦が待ち構えている。

全国制覇を目指す早大

(記事 伊藤なつ実、写真 田中智)

コメント

石田勝希主将(スポ4=大阪・初芝立命館)

――この結果についての率直なお気持ちを教えてください

1回戦からきょねんの3位の人とあたって、自分はその相手に勝ったことがなくて。そこで勝てて良かったですし、勢いがついたのかなと思います。

――きょねんの結果を上回りましたね

そうですね。最終学年でもあったので後輩たちの前でかっこいい姿を見せたいと思っていました。負けてしまったんですけど、記憶に残るような試合ができたかなと思います。

――きょうの調子はいかがでしたか

引退まであと1ヶ月ほどで結構追い込んでいたので調子は良かったです。

――準々決勝を振り返っていかがでしたか

やっぱり準々決勝くらいまで上がってくると強い選手なので、その中でもしっかり勝てたというのは自分の中で良かった点だと思います。

――焦りなどはありませんでしたか

特にはなかったです。自分のテンポでやろうと思っていたのでそこは大丈夫でした。

――惜しくも敗れてしまった準決勝の試合内容はいかがでしたか

準決勝はきょねんのチャンピオンだったので、戦ったことはなかったんですけど、自分の力がまだまだ足りなかったという感じです。

――試合の中で課題は見つかりましたか

自分の個人のレベルアップもそうなんですけど、府立(全日本学生選手権)は団体戦なのでチームのレベルアップというのをあと1カ月の課題としてやっていきたいと思います。

――主将として他の選手の方々の結果についてはどのように捉えていますか

負けてしまったので一人一人の課題はあると思います。自分が言うよりかは個人個人それぞれがわかっていると思うのでそういうところを練習でつぶしていけたらもっと成長できるんじゃないかと思います。

――次の試合へ向けての意気込みをお願いします

次の土曜日にまた試合があるのでそこで個人戦は最後なので優勝して府立につなげたいと思います。

下島海(創理4=東京・巣鴨)

――久しぶりの個人戦でしたが、試合を終えていまのお気持ちをお願いします

まだ先に行けたかなと思うのでそこは悔しいです。

――今シーズンの中で調子は良い方でしたか

そうですね、前期はすごく悪かったのですが後期に入ってからはある程度動きが良くなってきたと思うのでこの調子であと2試合しかないですけど頑張って調子を崩さないようにしていきたいです。

――決め手で組み技が多かったようにも思えたのですが

そうですね、立ちがうまい選手に対しては組み中心で攻めていって組みが強い選手に対しては立ち中心で攻めていくような作戦がいいかなと思っていたので考えた通りにできたので良かったと思いました。

――試合内容の中で満足のいかなかった点、次回こうしたいという点はありますか

最後の試合では特に相手の圧力にびびってしまってあまり力を出せずに相手の攻撃を待つというパターンしかできなかったので、相手の圧力があったとしても自分から攻めていきたいです。

――4年生ということで府立(全日本学生選手権)が最後の試合になりますが、それに対する意気込みをお願いします。

最後の試合なので優勝したいです。

新井咲里(国教4=埼玉・不動岡)

――今日の結果に対してどのようにお考えですか

もともとベスト4が目標だったので一歩それに届かなくて悔しいです。

――4年間を通して全国での最後の個人戦になりましたがどのようなお気持ちで臨まれましたか

あまりいっぱい考えると緊張してしまうのでただ全力を尽くそうかなと思って臨みました。

――今日の試合運びのポイントは

出てくるのが関西勢で、真っ直ぐに突っ込んでくるタイプの選手が多かったので、横に回りながらフェイントをかけてそこを狙う感じにしようかなと思いました。

――作戦通りに戦うことはできましたか

そうですね、3回戦で負けてしまったのでうまくいかなかったところもありました。もっと攻める姿勢が大事だったのかなと思っています。

――次回に対する意気込みをお願いします

来週は東日本(東日本総合選手権)なので、優勝を目標にもう少し自分から攻めていくスタイルをつくることですね。最後の府立(全日本学生選手権)に対しては関西対策というのをもう少ししっかりしたいです。同志社大と戦うことが決まっているので同志社大を研究して対策していきたいです。

――府立では男子が早大というチームとして出場しますが、新井さんから応援メッセージをお願いします。

悔いの残らないようにやりきってこい、という感じですね。