リベンジならず惜しくもベスト4に

日本拳法

 今季最初の大会となる全日本拳法選手権大会が開催され、ワセダは現役部員とOBから成る混合チームで出場した。1回戦、2回戦は順当に勝ち上がったが、関大に敗れ昨年より順位を落としベスト4という結果に終わった。

 関西の強豪校や自衛隊員も多く出場する今大会。昨季ワセダは準優勝を成し遂げ、今回は優勝を狙い臨んだ。1回戦、2回戦は負けなしで確実に勝ち上がっていく。そして3回戦は予想されたとおり苦戦を強いられる。だが先鋒の中山拓也(理3=智弁和歌山)が一本を決め、流れを手繰り寄せる。副将までで2勝2敗と、緊迫した試合運びを見せ、すべては大将の中村泰人(平23年度スポ卒=奈良・橿原)に委ねられた。お互い一歩も引かない戦いぶりだったが、先に一本を取られてしまう。だが残り11秒になったところで起死回生の胴蹴りを決め、五分に戻す。これで相手にも焦りが生まれたのか、時間切れになるかというとき面蹴りが決まり、劇的な勝利を得る。

胴蹴りを放つ中山(左)

 迎えた準決勝。ワセダは先鋒の安田大作コーチ(平23スポ卒=大阪・柏原)が1勝をもぎ取るが続く3人が一本も取れず、手も足も出ない状態だった。この時点でワセダの敗退は決定したが、大将の石田勝希(スポ3=大阪・初芝立命館)が一矢報い意地を見せた。

果敢に攻める石田(左)

 優勝という目標は達成できなかった。だが西野誠士主将(社4=大阪・清風)を欠き、ベストメンバーではなかったことを考えれば、よく健闘したといえるだろう。次の大会まで1ヵ月半。きょう見つけた課題を克服し、レベルアップした拳士たちの姿を期待したい。

(記事 伊藤なつ実、写真 目黒広菜)

結果

※早大のみ

▽1回戦 対黒稜館 〇1勝4分

先鋒 〇中山

次鋒 △石田

中堅 △下島海(理3=東京・巣鴨)

副将 △猪又健一郎(理4=東京・早実)

大将 △中村

▽2回戦 対拳錬会 〇3勝2敗

先鋒 〇中山

次鋒 〇石田

中堅 〇下島

副将 〇猪又

大将 △安田

▽3回戦 対第1普通科連隊STRONG 〇3勝2敗

先鋒 〇中山

次鋒 ●下島

中堅 〇石田

副将 ●安田

大将 〇中村

▽準決勝 対関大 ●2勝3敗

先鋒 〇安田

次鋒 ●中山

中堅 ●中村

副将 ●下島

大将 〇石田

コメント

中村泰人(平23年度スポ卒=奈良・橿原)

――きょうの試合を振り返って

全然体が動かなかったです。

――結果について

思っていたよりは良かったんじゃないかと。3回戦で戦った相手に、ライバルの明大が負けていたので、そこに接戦をものにして勝てたことが良かったです。

――現役部員と一緒に試合をしていかがでしたか

めっちゃ楽しかったです。

――部の雰囲気は

のびのびやれていたと思います。

――部員に伝えたいことは

ワセダって推薦の制度が整っていなくて、経験者が少ないんです。でも頭使ってみんなで意見出し合って練習して、最終的には推薦者が多いチームに勝ってほしいですね。

石田勝希(スポ3=大阪・初芝立命館)

──今季初めての大会でしたが

自分は副将としてチームを引っ張っていかなければならないし、練習のメニューも自分が立てていたので、これで勝てなかったら自分のせいだなと思って、みんなの期待も強い中でやっていました。

──昨季のこの大会では準優勝でしたが、今季はベスト4という結果でした

きょうのメンバーでよくここまで頑張ったなとは思っています。

──ベストメンバーでなかったということですか

そうですね。主将(西野誠士、社4=大阪・清風)が就職活動でいなかったりしたので。

──石田選手自身は負けなしでしたが、コンディションはいかがでしたか

体調は悪かったですね。

──良かった点があれば教えてください

手数が多く出せましたし、踏み込んでパンチとかも打てていたので、よかったかなと思います。

──課題があれば教えてください

もう少し遠い距離から一本とれるような技をいろいろ見つけていきたいなと思っています。

──東日本大学リーグ戦に向けての意気込みや目標を教えてください

ことしは東日本大学リーグ戦、全国大学選抜選手権と団体戦で1年間通して全冠を目指しているので、優勝しかないです。