前期最後の大会である東京都選手権が行われた。今大会は段の部で上位に残った者に、9月に大阪で開催される全・総合選手権への出場権が与えられる重要な大会。そのような中、段の部Bに出場した中山拓也(基理4=智弁和歌山)がベスト4という成績を残し、全・総合選手権への切符を獲得。一方、級の部では大栄卓磨(文構2=上智福岡)が準優勝、女子の部では新井咲里(国教4=埼玉・不動岡)が優勝し、強さを見せつけた。
1、2回戦を順調に勝ち抜き、準々決勝に駒を進めた中山。組み技を得意とする相手に抑え面突きで一本を先取されてしまうが、そのわずか5秒後に突きを操り出し同点に戻す。その後も落ち着いた試合運びを見せ機会をうかがう。そして残り10秒になった時だった。相手の体勢が崩れたところを見逃さずにカウンターで2本目を奪い見事勝利。だが続く準決勝では面突きで一本を奪うも、2本連続で取られてしまい敗北。優勝を狙っていた中山はベスト4に終わり肩を落とすとともに、試合後には「もっと蹴りで取れたら良かった」とプレースタイルへの反省を口にした。
敗れるも全国への切符を掴んだ中山(左)
大栄は1回戦で延長戦の末に判定勝ちを収めると、2回戦では同期の中楯寛人(社2=神奈川・逗子開成)と対戦。開始わずか15秒で2本を奪い快勝したが、次の準決勝には同じく同期の高橋世駿(社2=東京・早稲田)が立ちふさがった。試合は両者一歩も譲らず延長戦へ。1分間の延長戦でも勝負はつかず、またもや判定勝ちで決勝進出を決めた。「きょねん準優勝したので、ことしは優勝を狙っていた」という大栄だが、組み技を積極的に仕掛けてくる相手に苦戦。抑え面突きで一本を取られるも、気迫十分の胴蹴りで応戦する。互角の戦いを見せるが最後はやはり組み技に対応できず、抑え胴突きを決められ勝負あり。昨季と同じ準優勝で大会を終えた。
自分の思い通りの試合運びができたと語る大栄(右)
すでに出場を決めていた石田勝希主将(スポ4=大阪・初芝立命館)、新井に加えて中山の計3人が全・総合選手権に臨む。社会人も多く参戦し、一筋縄ではいかない試合が予想される。だがこの夏のオフ期間に課題を修正し相手を圧倒する姿を見せてほしい。また他の選手たちもそれぞれが、後期を万全の状態で迎えるべく鍛練を続けることだろう。実りの秋が楽しみだ。
(記事 伊藤なつ実、写真 田中智)
コメント
中山拓也(基理4=智弁和歌山)
――この大会にはどのような目標で臨まれましたか
1位と2位が総合(全・総合選手権)に出られると聞いていたので、とりあえず決勝まで残って総合に出たいなと思って臨みました。
――惜しくもベスト4に終わりましたがいまのお気持ちを教えてください
とても悔しいです。でもベスト4まで総合に出場できることに変わったらしいので頑張りたいです。
――きょうの調子はいかがでしたか
もっと蹴りで取れたら良かったなと思います。パンチスタイルになってしまったので、後期は蹴りも入れていきたいです。
――3試合目は逆転勝ちになりましたが、どのようなことを意識してプレーしていましたか
組みで一本取られたのですが、もともと相手は組みが強いとわかっていたので、あまり近づき過ぎると駄目だなとは思っていました。一本取られた後は何が何でも取り返してとりあえず同点にしないとと思ってやっていたら、ちょうどカウンターのようなかたちで取れたので、あの時は安心しました。
――準決勝を振り返っていかがですか
1本目はいい感じで取れたのですが、取り返された2本のうち1本目のパンチは、きのう練習に来てくれた沼沢さん(沼沢祐典、平26教卒=大阪・清風)に注意されていたかたちで取られてしまいました。いまのままだったらこういうパンチをもらうぞって言われていたそのままだったので、意識してそういうのを無くしていかないといけないと思いました。
――今大会で前期は終わりになりますが、ここまでについてはどう評価していますか
東日本(東日本大学リーグ戦)の時には大事なところで勝てなくてチームも負けてしまうことがあったりしました。前期をリセットするのではなくて、前期の悔しい思いをそのまま持って後期につなげたいと思います。あとこれからオフに入りますが、いままでオフ明けはすごい太ってしまったりしたので、後期はこのまま太ったりしないで過ごしたいなと思います。
――この夏で強化していきたい点はありますか
絶対に太らないというのは注意します。実家に帰ると太ってしまうので。
――後期へ向けての意気込みをお願いします
後期は8月の終わりから始まって11月までと短いので、しっかり駆け抜けたいと思います。
大栄卓磨(文構2=上智福岡)
――試合を振り返っていかがですか
きょねん準優勝したのでことしは優勝を狙っていたのですが、負けてしまって悔しいです。
――きょねんと比べて成長した点はありますか
この技で一本取ろうとか自分で狙って試合運びをできるようになったことは成長したところだと思います。
――決勝戦を振り返っていかがですか
相手は組み打ちが強くて、僕は逆に組み打ちが弱いので組まれる前に胴突きで一本取ろうと狙っていたのですが、うまく決まらなかったので自分の力不足かなと思います。
――大栄選手は打撃メインのプレースタイルが得意ということでしょうか
はい、そうですね。
――苦手な組み技を克服するためにはこれからどういった練習をしていきたいですか
ことしは夏合宿と関西遠征があるので、そこでもう少し組み技を練習します。あとOBの方が土曜日に組み技の練習をしてくださっているので、それに参加して組み打ちが強くなるようにしたいです。
――後期の目標を教えてください
11月にある府立(全日本学生選手権)という一番大きい大会でスタメンとして出場することです。
――これからへ向けての意気込みをお願いします
後輩もできて責任も生まれたので、もっといい試合ができるように頑張るので応援よろしくお願いします。