９月に行われる総合選手権の予選会を兼ねた今大会。本選出場の切符を懸けた戦いとなる段の部には１１人が出場した。団体戦メンバーである中山拓也（基理３＝智弁和歌山）が初戦で敗退したものの、順調に勝ち上がった４人がベスト８に進出。下島海（創理３＝東京・巣鴨）が３位入賞を果たし、総合選手権への出場権を獲得した。
「ちょっと気まずかった」（下島）。初戦を突破した下島を待ち受けていたのはワセダの先輩である猪又健一郎（創理４＝東京・早実）と土嶋悠太（創理４＝東京・早実）。お互いのことをよく知るだけに、同士打ちはどちらが勝ってもおかしくはなかった。しかし、猪又には開始からわずか２０秒のうちに面突きで一本を取るとそのまま逃げ切り勝利。続く土嶋には延長戦の末に判定勝ちをもぎ取った。この時点でベスト８に残ったのはワセダが４人、明大が３人、中大が1人と、『関東三強』の力を見せつける結果となる。しかし、優勝が期待された石田勝希副将（スポ３＝大阪・初芝立命館）が準々決勝で敗れるなど、もう一つ上のカベを越えることができない。ベスト４には明大から３選手が進出し、実力の差がはっきりと表れた。そんな中、ワセダから唯一準決勝に進んだ下島は決勝進出こそ逃したが、３位決定戦では強敵を相手に苦戦するも、時間無制限一本先取の延長戦開始直後に抑え面突きで一本。明大の表彰台独占を阻止する３位入賞を果たし、一矢報いる結果となった。
３位に食い込んだ下島（左）
また、級の部では１年生の大栄卓磨（文構１＝上智福岡）が健闘。決勝では体格差で劣る相手に圧倒され優勝こそ逃したが、準優勝に輝いた。女子の部には留学を終え、１年ぶりの公式戦となった新井咲里（国教３＝埼玉・不動岡）が出場。ブランクを感じさせない勝負強さを見せる。決勝は延長戦となり、「体が戻っていなくてきつかった」と言いながらも、軽快なフットワークから一瞬の隙を突く胴突きで一本勝ち。復帰戦を見事優勝で飾った。
相手の隙を突く新井（右）
今大会の結果により下島と新井が総合選手権への切符を獲得。すでに出場を決めていた西野誠士主将（社４＝大阪・清風）を加えた３人が本選へ挑む。「精一杯これからも練習して全力を出したい」（下島）。その言葉通り、今回破ることのできなかったカベを乗り越えるためにこれからの期間でさらなるレベルアップは不可欠だ。修練の夏を越え、９月には一味違った姿を見せてほしい。
（記事 中澤佑輔、写真 高橋千秋）
４人が入賞を果たす
結果
▽級の部
準優勝
大栄卓磨
３位
早川文明（教３＝千葉・市川）
２回戦敗退
中楯寛人（社１＝神奈川・逗子開成）
森和将（社１＝千葉・東邦大東邦）
１回戦敗退
高橋世駿（社１＝東京・早稲田）
▽段の部Ｂ
３位
下島海
ベスト８
土嶋悠太
沼沢祐典（教４＝大阪・清風）
石田勝希
ベスト１６
猪又健一郎
松田道明（基理３＝東京・早実）
２回戦敗退
中山拓也
田中健博（商２＝東京・国分寺）
三橋啓吾（スポ２＝千葉・成田）
１回戦敗退
佐藤仁彦（教４＝東京・大泉）
欠場
川向勇志（国教２＝広島・ＡＩＣＪ）
▽女子の部
優勝
新井咲里
コメント
下島海（創理３＝東京・巣鴨）
――きょうの試合を振り返っていかがですか
勝てて良かったです。
――３位という結果についてはどのようなお気持ちですか
本当は決勝まで行きたかったんですけど、色々な事を考え過ぎてしまって負けてしまったので、次の大会ではしっかり頑張っていきたいです。
――きつかった試合はどれですか
２連続で先輩とあたったことですね。ちょっと気まずかったんですけど、勝てて良かったです。
――９月の全・総合選手権への意気込みをお願いします
初めて全・総合選手権に出れるので精一杯これからも練習して全力を出したいです。
新井咲里（国教３＝埼玉・不動岡）
――留学を終えて部活動に復帰後初めての大会でしたが
結構体が戻っていなくてきつかったんですけど結果的に優勝できたので良かったなと思っています
――きょうの良かった点は
復帰したばかりで打撃が速くなかったので、相手が来たところを返すとか、組みで体格を生かした試合をしようかなと思ってやりました。
――課題は見つかりましたか
打撃がまだまだ課題が多いので、これからオフに入るのでその間に体力作りと、筋力もトレーニングして上げていかなければいけないと思っています。今度は関西で試合があってそこで勝てないと意味がないのでがんばっていきたいです。
――全・総合選手権へつながる結果が出たと思いますが
女子は人数が少ないのでみんな出られるんですけど、いい足掛けにはなったかなと思います。
――今後の抱負は
オフにちゃんとトレーニングしようと思います。来週から１ヶ月ぐらいオフなのでその間にさぼらないで練習したいです。