東北大にトリプルスコアで圧勝! AT水野は4得点の活躍

女子ラクロス

第15回全日本大学選手権大会 1回戦

11月17日 岩沼市陸上競技場

Team 1Q 2Q 3Q 4Q 合計
早稲田大学 3 3 4 5 15
東北大学 1 2 2 0 5

得点者

1Q

田中美亜、星川陽恵、水野文萌

2Q

水野文萌、横幕円香、星川陽恵

3Q

横幕円香、水野文萌、増田明香、神谷彩乃

4Q

増田明香、神谷彩乃、八澤百子、水野文萌、西川佳

 前節の関東大学リーグ戦FINALで明大を下し、関東1位通過で全日本大学選手権への出場を決めた『柏原組』。シーズン目標とする「学生日本一」に向けて、東北大との1回戦に臨んだ。前半は相手ゴーリーの好セーブに阻まれ、思うように得点することができない。反対に、東北大には少ないチャンスをものにされ、5点差から2点差まで詰め寄られる不穏な展開に。しかし後半からは立て直し、得点を量産。終わってみれば15-5と、大差をつけて圧勝した。

勝利を喜ぶ選手たち

 最初のドローを制した早大は、MF田中美亜(スポ4=東京・国立)のランクリアから敵陣深くに攻め込む。MF脇田萌衣(教4=東京・白百合学園)がゴール前に入り込み、ショットを放つが、ここは相手ゴーリーに阻まれた。攻撃権は東北大に渡ったが、早大の激しいライドにより、東北大はクリアできず。AT水野文萌(創理3=埼玉・早大本庄)のチェックで再びターンオーバーすると、ゴール前でフリーになっていたMF田中にボールが回り、そのままシュート。早大は開始2分で貴重な先制点を挙げた。6分には、MF田中から、ゴール前にカットインしたAT星川陽恵(スポ4=埼玉・浦和一女)へのパスが通り、2点目を決めた。しかし続く攻撃では早大の自陣でのパスミスから東北大にチャンスを与えると、早大のディフェンスセットが整わないうちにショットを決められた。第1Q(クオーター)終了1分前にAT水野がフリーシュートを決めて、3-1で最初の15分を終えた。

 ここまで全てのドローを制している早大。2Q最初のドローも取り切ると、速攻を仕掛ける。MF五十嵐杏子(文3=神奈川・相模原)がディフェンスを振り切りショットまで持ち込むが、ここも東北大ゴーリーにセーブされた。ディフェンスセットに入った早大は、ダブルで相手選手を圧迫するなど、1Qに引き続き相手の攻撃を封じ込める。ロングパスがグラウンドボールとなり、ここを拾った早大は、開始1分、AT水野のタイミングをずらしたショットで4点目を挙げた。その直後には、AT横幕円香(文構4=神奈川・公文国際学園)がゴール裏から回りこんでショットを決めた。さらに3分には、AT星川が技ありのバックシュートを見せ、6点目。リーグ戦・明治学院大戦以来得点のなかったAT星川の、復活を印象付けるショットとなった。早くも5点差をつけた早大。このまま相手を圧倒する展開を見せるかに思われたが、5分に東北大がフリーシュートを決めると、そこからは相手に攻撃権を握られる展開が続く。試合開始からゴーリーについているG星井萌子(スポ2=東京・駒場)も好セーブを見せるが、9分、グラウンドボールがゴールに入ってしまい、あまりにも不運な形で得点を許した。嫌な流れを断ち切りたい早大は、残りの6分間でなんとかショットを決めたいところだったが、相手の固いディフェンスに、ターンオーバーを繰り返す。ショットに持ち込んでも相手ゴーリーの再三の好セーブにやられ、最後まで得点を奪えず。6-3で試合を折り返した。

ショットを放つAT水野

 迎えた後半、最初のドローで今試合初めてポゼッションを逃すと、開始1分、早大のマンディフェンスも及ばず、ロールでのショットを許した。東北大は2Qから続く3連続得点で、ついに2点差にまで詰め寄られた。あとがない早大は、4分、AT横幕がライドでボールを奪うと、そのまま一人でディフェンスを突破し、バウンドシュートを決めた。続くプレーでは、ドローを獲得したMF増田明香(法3=東京・国学院久我山)からのドローブレイクで、AT水野が上からのショットで得点。さらに直後の攻撃では、MF増田のゴール右隅を狙ったミドルシュートを決め、意地の3連続得点で再び突き放した。9分には、こぼれ球を押し込まれる、またも不運な形の失点があったが、12分にはMF神谷彩乃(文構2=神奈川・桐蔭学園)も得点を挙げ、5点差で最終第4Qに突入した。

 4Qは、早大が関東王者としての力を十分に発揮する15分間となった。まずは3分、MF増田がゴール右からショットを決めると、5分にはMF脇田のパスを受けたMF神谷がゴール左に回りこみ得点する。9分には速攻から、AT八澤百子(スポ3=東京女学館)も明治学院大戦以来の得点を挙げた。ディフェンスでも、試合途中からゴーリーについたG柏原陽菜乃主将(創理4=東京・大妻多摩)のセーブでチームを盛り立てると、13分には相手のルーズボールをAT水野が拾い、一人でショットまで持ち込んで今試合自身4点目のショットを沈めた。最後はAT西川佳(文構4=東京・東洋英和女学院)が落ち着いてロールショットを決め、15-5で圧勝を収めた。

ボールを運ぶMF増田

 完全アウェーの雰囲気の中で、初戦を完勝した『柏原組』であったが、想定していたスコアには及ばず、MF増田は「関東王者としての意地を全く見せられていない」と厳しい表情を浮かべた。準決勝で迎え撃つ相手は、5大会連続全国大会出場校の南山大。1回戦の北大戦では、13-4とこちらも圧勝を収めており、『柏原組』の学生日本一に向けて大きな障壁となることは間違いない。しかし、早大はここまで名だたる強豪を倒して勝ち進んできた。チーム力をしっかりと発揮できれば、南山大も倒せない相手ではない。今試合で浮き彫りになった課題を修正し、東京ホームで迎える準決勝の舞台では、さらに一回り成長した『柏原組』の姿を目に入れることができるだろう。

(記事 長屋咲希 写真 植村皓大、髙岡紗也、廣野一眞)

試合後インタビュー

G柏原陽菜乃主将(創理4=東京・大妻多摩)

――今日の試合を振り返ってください

 全員出場でき、10点差で勝てたことはとてもよかったと思いますが、修正すべき課題が多く見つかった試合でした。

――今回は普段あまり出場していない選手も出場していた印象でしたが、この試合はどんな位置付けで臨まれていましたか

 今回の試合は全員出場し、学生王者になるために圧倒するという目標を立てていた試合でした。

――序盤は相手の勢いに飲まれそうになる場面もありましたが振り返っていかがでしたか

 完全アウェイであったり、グラウンドが天然芝であったりという環境面の部分で思い通りにいかなかった部分もあると思います。しかしそれだけではなく、自分たちのやるべきことが明確になっていなかったり、圧倒しなきゃという気持ちが強くなりすぎて結果的に自分達を追い込んでしまった部分もあると思います。

――後半のプレーを振り返っていかがですか

 ハーフタイムの時にやるべきことなどをしっかり話せたため、後半は前半よりもチームとして共通認識をとって挑めたのではないかと思います。本来であれば前半からやっていきたかったことですが、しっかり修正できたところはよかったと思います。

――6日後には南山大との試合になりますが、どんな展開を想定していますか

 南山大学は全国大会10回目の出場の学校であり全国大会という舞台には慣れていると思います。チームの組織的な部分にも強みを持ったチームなので、個人だけでなくチーム力も問われてくる試合になるかなと思います。

――最後に準決勝に向けて意気込みをお願いします

 東北戦で出た課題を残りの少ない練習でしっかり修正して勝利し必ず決勝に進みます!応援のほど宜しくお願いします。

AT星川陽恵(スポ4=埼玉・浦和一女)

――今日の試合を振り返ってください

 15点という点数を入れられたのですが、目標には及ばず、課題の残る試合となりました。ショット数は多かったにもかかわらず、セーブされた本数が多かったため、次の試合ではショット効率にこだわっていきたいです。

――序盤の相手ディフェンスはいかがでしたか

 ダブルが飛んできたり、ホットの寄せが早かったり、自分たちのペースが乱されるようなシーンが多かったです。ですが、これまでの経験から徐々に修正することができて得点に繋げることができたと思います。

――後半オフェンスはどのように修正していきましたか

 ブレイクで決まるシーンを増やすことができたのが得点につながったと思います。ドローの後や、クリアからそのままアンセット状態で点を重ねることができて、練習してきたことを発揮できたと思います。

――ご自身は明治学院大戦以来の得点となりましたが振り返っていかがですか

 体調不良などもあり、練習が思うようにできなかったことが続き、チームにとても迷惑をかけました。ですが、練習の中で自分の役割を全うできるようになり、それが得点につながったと感じています。

――6日後には準決勝ですが、間隔としてはいかがですか

 期間としては非常に短いですが、東北戦で見えた課題を潰し、レベルアップする時間は十分あると思うので、これまで以上に練習に集中して取り組んでいきたいと思います。

――最後に準決勝に向けて意気込みをお願いします

 学生王者に向けて大事な一戦になってくるため、これまでの試合から学んだことを生かして、できる限りの準備をして臨みたいと思います。

MF増田明香(法3=東京・国学院久我山)

――今日の試合を振り返ってください

 私たちが元々予想していたスコアより、かなり失点してしまったし、私たちも点を取れなかったのが良くなかったです。前半は全然自分たちのペースに持っていけなくて、後半は少しずつ立て直すことができたのですが、やはり入りの甘さが課題に上がりました。自分たちのしたいラクロスが全然できなかったので、勝って嬉しいのですが、それより次に向けてまた気を引き締めていかなければという思いが強いです。

――2得点挙げられましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

 最近は点を決められてなくて、個人的に決めなきゃいけないなと思っていたので、決められて単純に嬉しかったです。

――好アシストが目立っていましたが、何か意識はされていましたか

 元々フィードを出すのは好きなのですが、味方がいいところにいてくれて、私は出すだけでした。味方の位置取りに感謝しています。

――オフェンスでの課題点を教えてください

 ちょっとしたパスキャミスがターンオーバーになって、ディフェンスセットになってしまったりして。私たちは難しいことをしない方がうまくいくのですが、今回は多めにパスを入れてしまったりして相手にミスを誘われるような場面が多かったです。なので、自分たちの強みである個々の1on1の脅威などをもっと出していけたらいいのかなと思いました。

――最後に準決勝に向けて意気込みをお願いします

 今日は私たちのしたいラクロスを100パーセント体現することはできなくて、勝った喜びよりも、関東王者としての意地を全く見せられていない心残りがあると思っています。なので、次の試合は全てを出し切って、12月15日に自分たちのピークを持ってこられるような最高の勝ち方ができたらいいなと思います。