※掲載が遅れて申し訳ありません
1年生にとって2度目の新人戦となるウィンターステージが行われた。早大は2日に行われた予選リーグを連勝で突破すると、決勝トーナメント初戦では日体大と対戦。サマーステージに続いての対戦となったが1点差での惜敗を喫しここで2023年の戦いを終えた。
2日に行われた予選リーグで、最初に対戦したのは桜美林大など5大学の連合チーム。決勝進出に向け流れをつかみたい早大は、最初のプレーでボールを保持すると、MF神谷彩乃(文構1=神奈川・桐蔭学園)が速攻を仕掛けゴールを奪う。1年生ながらトップチームで夏にリーグ戦を経験した神谷が、電光石火の活躍で先制点をもたらした。勢いづいた早大はここから怒涛(どとう)の猛攻を見せる。続くドローも取り、先制点の立役者・神谷がMF髙橋希世子(国教1=埼玉・早大本庄)にパス。ゴール前で受け取って髙橋は思い切りシュートを放つと、ボールはゴールへと吸い込まれた。開始から2プレー連続でゴールを奪う。流れに乗り、続くプレーでMF星井萌子(スポ1=東京・駒場)がフリーシュートを獲得。確実に決めて3点目。さらに再び神谷がドローから自ら運びシュート。早くもこの試合2得点目を記録した。早大は開始1分で4ゴールを奪い、試合を決定づけた。終わってみれば二桁得点の10点をマーク。大事な初戦で圧勝を収めた。
ボールを運ぶ神谷
勝てば決勝トーナメントへの進出が決まる第2試合。青学大・横国大連合チームとの対戦となった。開始1分に星井が2試合連続となるゴールを決め先制する。その後、髙橋と神谷が1on1からシュートを決め3ー0で試合を折り返した。後半の序盤にも髙橋のゴールでリードを4点に広げる。ここまで順調に試合運びを見せてきた早大だが、6分に反撃を許し1点を返される。続く8分にも追加点を許して早大のリードは2点に。嫌な流れが漂い始めたが、なんとか追撃を振り切り逃げ切った。盤石の試合運びで連勝を飾り、決勝トーナメントへ進出が決定した。
パスを出す星井
決勝トーナメント最初の相手は、サマーステージ予選で敗れた日体大。第1Qは、日体大に先制を許すが、直後に神谷がフリーシュートの機会を得て、ここを確実に決め切り同点に。流れに乗っていきたい早大だったが、さすがはサマーステージ覇者の日体大。ゴール裏からのパスを通され、失点を許すと、1Q終了間際にも得点を決められ、1ー3と2点ビハインドで前半を終える。
ゴールを決め喜び合う選手たち
第2Q最初の得点は日体大に奪われるが、ここから早大の追い上げが始まる。ここまで突破できなかった日体大の堅いディフェンスに対し、星井が1on1を仕掛け、投じたシュートは見事ゴールに吸い込まれる。勢いに乗る早大は、髙橋が、相手ゴーリーのパスをカットし、そのままシュート。劇的なゴールにベンチの盛り上がりは最高潮に。日体大も意地を見せ、1点を追加され引き離されるが、終了間際、MF久保木麻由(スポ1=福島・安積)がフリーシュートを決め、1点差に詰め寄る。勝利への希望が見えたように思えたが、無情にもここで試合終了のホイッスル。あと一歩のところで勝利を逃した。
フリーシュートに臨む久保木
惜しくも難敵撃破とはならなかったが、サマーステージからの成長を発揮した1年生。リーグ戦を終えてからは引退を間近に控えた4年生との練習に励み、一歩ずつラクロスの向上に務めた。これから4年生と一緒に練習をすることはできないが、今まで共に積み上げた努力を糧に来年さらなる飛躍を見せることができれば、それが先輩への恩返しになるだろう。今年の春に早大ラクロス部で出会い、同じ時を過ごしてきた1年生。彼女たちがこれからどのような活躍を見せてくれるか楽しみで仕方ない。来年には最後の新人戦となるあすなろカップが控えている。サマー、ウィンターステージで培った技術と経験を生かして、目標を達成してくれることを期待したい。
(記事 廣野一眞、長屋咲希 写真 髙岡紗也、田中瑠花)
結果
予選リーグ
▽第一試合 ◯10ー0 桜美林大・大妻女子大・帝京大・関東学院・玉川大連合(早大得点者:神谷彩乃3、久保木麻由3、星井萌子、髙橋希世子)
▽第二試合 ◯4ー2 横国大・青学大連合(早大得点者:髙橋希世子2、神谷彩乃、星井萌子)
決勝トーナメント
▽準々決勝 ●4ー5 日体大(早大得点者:神谷彩乃、久保木麻由、髙橋希世子、星井萌子)
コメント
予選リーグ
MF神谷彩乃(文構1=神奈川・桐蔭学園)
――サマーが終わって、ウインターまでどのような意識で練習してきましたか
サマーの目標は優勝だったのですが、予選敗退という形になってしまい、その悔しさがずっと残っていました。そこから戦術を考え直して、 どうしたら勝てるかというのを常に1年生全員で考えながら練習してきました。
――今日の試合でチームとして意識したことはありますか
予選を必ず突破するんだという気持ちと、4年生の先輩方が、引退した後も1年生に付きっきりで一緒に練習してくださったので、感謝を伝えるために、今日は勝って、来週の決勝につなげたいという思いでプレーしていました。
――ご自身のプレーを振り返っていかがですか
自分は1年生で唯一の経験者で、自分が点を稼いで、流れを作っていきたいと思っているので、たくさん点を決められて良かったです。
――今日の反省点はありましたか
個人的にはディフェンスに課題が残りました。また、決勝に進むにつれて、より強い相手と戦うことになるので、どうやって体力を調整しながらコミュニケーションをとるかというのを、決勝までの1週間で考えたいと思います。
――ディフェンスの課題というのは具体的にどういったことですか
チームで狭く守る戦術をやっていて、その戦術をやるためには、流す方向を止めないといけないのですが、反対側に抜かれてしまい、フォローができないということがありました。この戦術にはお互いの声かけが必要で、そこが課題かなと思います。
――決勝に向けて意気込みをお願いします
サマーの屈辱を果たすためにも、決勝は絶対に勝ちたいです。そのためにこの1週間で、毎回の練習を振り返ったり、戦術を考え直すなどの、自分たちができることは全てやって勝利に繋げたいと思います。
決勝トーナメント
森田千咲子学生コーチ(文4=東京・東学大付)
――学生コーチから見てウィンターはいかがでしたか
予選リーグは戦術など自分たちがやってきたことが発揮できて、勝ちきれて良かったです。ただ課題が見つかったので、この決勝までの期間に修正をして準備をしてきました。しかも日体大はサマーで0ー4で負けてしまった相手なので、今回は絶対負けないように一層気合いを入れて、日体大対策として準備してきました。決勝に関しては、予選から決勝までの1週間の中で修正しきれなかった部分とか、いつもいつもミスをするところが最後に出てしまって、大きな1点につながってしまったなと思います。そこは甘さだったと思いつつ、サマーからウィンターまではすごい成長したなと感じました。サマーでは1点も取れなかったところを、1点差まで詰められたのはとても成長だと思いますし、良かったです。
――1年生はどういった学年ですか
気持ちで頑張るプレーを、絶対頑張ってくれる学年で、誰よりも気持ちが強い1年生だと思います。サマーの時は(ラクロスを)始めて数カ月の子たちで、技術的な部分では経験者に勝てないのは当然なので、グラボや声出しなど気持ちでどうにかなるプレーはやろうと言い続けました。それでウィンターまで来たので、基礎的なプレーであるグラボやボールを最後まで追うところはできる1年生だと思います。ウィンターでもその気持ちの強さがプレーの質を向上させてたと思うので、気持ちが強い学年だと思います。
――改めてラクロス部で4年間過ごしてみていかがですか
学生コーチになったこの1年間が私にとって一番学びのある1年間だったと思います。プレーヤーをやめて学生コーチになる中で、そういう選択をする人の大半は苦しんで選択をすると思いますが、私はすごいポジティブな気持ちで学生コーチを選択しました。コーチになって見える景色は選手の時と全然違いました。そこで得られた1年生のエネルギーや、自分自身のラクロスの考え方、物事の考え方とかもプレーヤーの時から突き詰めて考えられるようになりました。本当に学生コーチになって良かったと思いますし、なるためにはそれまでの3年間ちゃんとプレーをすることが大事でしたがそこも自分の中ではやり切った思えるので、総じて学生コーチになれて良かったです。
――1年生含めた後輩にどのような期待をしていますか
後輩全体には今年惜しくも達成できなかったFINAL4を、絶対に達成してくれるだろうなと期待というか確信しています。1年生に関しては、これからプレーに貪欲な先輩がいるチームになると思うので、その中で自分の強みを貫き通してほしいと思います。先輩たちの声かけとか負けずに自分たちのプレーを貫き通してほしいというところは期待しています。来年の早慶戦やリーグ戦(のメンバー)に食い込んでいってくれることをどの1年生にも期待しています。
――後輩に向けてメッセージをお願いします
すごく後輩を信頼しているので、来年さらに強くなってFINAL4に絶対行ってほしいなと思います。
MF星井萌子(スポ1=東京・駒場)
――ウィンターステージの予選と決勝を振り返っていかがでしたか
1年生全員の全体力が上がった状態でこの大会に挑むことができました。サマーの時と違い、今回は予選突破して決勝に上がることができたのとても嬉しかったです。決勝については、夏も日体大に負けて敗退したので今日はリベンジとして戦いました。結果的には勝利できませんでしたが、夏よりも絶対に成長した私たちでちゃんと戦うことができて、惜しい試合だったので次はちゃんと勝ち切れるように実力をつけたいと思います。
――自身のプレーについてはいかがでしたか
ディフェンス面では簡単に点を取られてしまう場面が多くありました。最終的に1点差で負けてしまったので、自分が止めていればという悔しい思いがあります。一方でオフェンス面では得点することができてよかったです。
――チームとしてサマーの時から成長できた点はなんですか
技術面では、引退した4年生に私たちの練習を付きっきりで見てもらったおかげで、いろんな局面で4年生と一緒に考えながらプレーすることができました。組織面では、いろんなところにリーダーを作り、チーム全員が違うリーダーをやっていたので、一人一人に責任感がより芽生えました。
――早稲田のラクロス部で1年間過ごしてみてどうでしたか
あっという間に感じました。やること全部が新しいことで、吸収できることがたくさんあるのが個人的に嬉しかったです。目指すべき上がいたので、それを追いかけるこの1年はすごく楽しかったです。
――あすなろへの課題について教えてください
チームを全体で力を底上げして、チーム全体の層を厚くすることです。それによって交代がより多くできるようになるので、より全力を出すことが出来ると思います。全体的な力をレベルアップしたいです。
――来年の意気込みをお願いします
あすなろで日体大に絶対勝ちます!