リーグ戦初戦は日体大に力負け　ＭＦ脇田が３得点の活躍／リーグ戦　日体大戦

　７月15日、『金井組』はシーズン最大の舞台である、関東学生リーグ戦（リーグ戦）の初戦に臨んだ。このリーグ戦でＦＩＮＡＬ４（決勝トーナメント）進出を目標に掲げている『金井組』。強豪・日体大を相手に１Ｑからリードを許す中、ＭＦ脇田萌衣（教３＝東京・白百合学園）が３得点を挙げる活躍を見せるも、一歩及ばず。早大は自分たちのラクロスができずに５ー８で敗れた。

　今季、チームが課題としている立ち上がり。勝利のためには序盤から先手を取ることが求められる。しかし、開始２分に日体大のパス回しに翻弄（ほんろう）され、大事な先制点を許す展開となった。早めに同点に追いつきたい早大だったが、続く６分に自陣ゴール前で相手オフェンスのフィジカルに屈して追加点を奪われる。１Ｑ終了間際にも３点目を許して０－３で１Ｑが終了。「ずっと課題であったところが明確に出た」（Ｇ金井美穂主将、教４＝東京・神田女学園）と５月に行われた早慶定期戦（早慶戦）に続いて相手にリードを許すスタートとなってしまった。

ボールを持つＭＦ水野。この試合が初めてのリーグ戦出場となった

　早めに流れをつくりたい２Ｑ。開始直後にＭＦ脇田が左サイドから得意のダッチステップを生かして１on１を仕掛ける。ディフェンス陣を交わして放たれたシュートはゴールに収まり１点を返す。チーム待望の初得点は、ＭＦ脇田のショットから生まれた。さらに追い上げたい早大だったが、２Ｑ11分に、ゴール裏からゴール前の相手オフェンスにパスをつながれ再び３点差に。それでもその直後、ＭＦ田中美亜（スポ３＝東京・国立）が、脚力を生かして敵陣にボールを持ち込むと、自ら果敢に攻撃を仕掛ける。ディフェンス陣を振り切るとシュートを放ち、見事ゴールを決めた。２点差に詰め寄り、少しずつ反撃ムードをつくり出す。

俊足を生かしてボールを運ぶＭＦ田中。追撃となる２点目のゴールも決めた

　強豪・日体大の背中を射程圏内に捉えたように見えたが、３Ｑは再び日体大に押される展開となった。日体大は正確かつ速いパス回しで、早大ディフェンス陣を崩しにかかる。３Ｑの７、８分に追加点を奪われて２－６に。両チームの点差はこの試合最大の４点にまで広がった。早大に残された時間は４Ｑの15分。早慶戦の４Ｑで見せた、脅威の大逆襲を再現できれば、不可能な展開ではない。『金井組』の全員が逆転を信じて、最終４Ｑの戦いが幕を開けた。

コーチの話を聞く選手たち

　４Ｑで反撃ののろしを上げたのは、今季ＭＦの戦術幹部を務めるＭＦ脇田だった。開始直後に再び１on１からゴール前に入り込み、シュートを決める。早大の攻撃陣が日体大のディフェンスに苦戦する中、「根性で点を取りました」と意地を見せた。３分後にはまたもＭＦ脇田が、この試合３得点目となるゴールでついに２点差に。今季の戦いを象徴する、試合終盤の追い上げが始まったかのように思えた。しかし日体大の選手たちは落ち着いていた。直後に速攻からゴールを決めリードを広げると、３分後にも試合を決める１点を入れて食い下がる早大を突き放した。早大も諦めずにＡＴ横幕円香（文構３＝神奈川・公文国際学園）が１on１から突破しリーグ戦初ゴールを記録。最後に意地を見せて５ー８に追い上げたが、無念の試合終了。ＦＩＮＡＬ４に向けて大事な初戦を白星で飾ることはできなかった。

シュートを放つＭＦ脇田。３得点をあげる活躍で攻撃陣をけん引した

　早大も最後まで日体大を相手に追い詰め続けた。しかし結果的に見れば、苦手としていた序盤でミスも絡んでリードを許したことが、そのまま敗戦につながるかたちとなってしまった。どんな相手であろうと自分たちのラクロスをすることが、勝利への絶対条件だ。大事な一戦を落とし、残るは４試合。悲願達成に向けてこの負けをただの負けではなく、次に生かすことが必要である。次戦で対戦する立大も、ＦＩＮＡＬ４進出のためには絶対に負けられない相手。敗戦を糧に一回り成長した、『金井組』の逆襲に期待したい。

（記事　廣野一眞、写真　田部井駿平、渡辺詩乃）

 

コメント

Ｇ金井美穂主将（教４＝東京・神田女学園）

――今日の試合を振り返っていかがですか

　早稲田は（試合の）入りが課題、というところでずっと課題だったところが明確に出たという感じです。もちろん相手も強かったですが、自分たちがやらなければならないことを出し切れなかったです。

――試合前に日体大に関してチームで共有したことはありますか

　スカウティングや戦力分析などはしていましたが、日体大は毎年ＦＩＮＡＬ４に進んでいるということで、自分たちのベストの力を出さないと勝てない相手だ、という話を前日のミーティングでしていました。

――１Ｑで３点を取られた後、２Ｑに向けて何か話はありましたか

　自分たちは追い上げはできると信じていたので、まだ１Ｑということで沈んでいる感じよりは、ここから上げていこうという感じでした。

――金井主将から見て選手の動きはいかがでしたか

　あまり見られないミスと言いますか、早稲田が負ける時に出るミスが多かったかなという感じです。ただ通用するところは通用したのではないかと思ったりもしました。あと体力的に３、４ＱでＭＦ陣が厳しそうだなというところはありました。

――立大戦に向けて修正するところを含めて意気込みをお願いします

　修正するところは、ミスが目立ったのでミスをしないというところです。あと４戦しかない中１試合も落とせない状況で、次に戦うのが毎年ＦＩＮＡＬ４に行っている立大ということで、切り替えて絶対に勝ち切りたいです。

ＭＦ脇田萌衣（教３＝東京・白百合学園）

――今日の試合を振り返っていかがですか

　相手が強かったというより、私たちのやりたいことができなかったという印象が強く、悔しい気持ちが大きいです。

――ご自身の攻撃を振り返っていかがですか

　切羽詰まった試合展開だったので、点を決めなければいけないという気持ちでプレーしたのですが、いつもの早稲田のやりたいことがあまりうまくいかず、そこで焦ってしまってミスが続いてしまいました。そこは反省点だと思います。

――攻撃中に意識していたことは何ですか

　普段通りの早稲田を出すというのは意識していたのですが、相手に阻まれてしまって苦戦した部分が大きかったです。ですが、点を決めなければという気持ちから根性で点を取りました。

――立大戦に向けた意気込みをお願いします

　普段の早稲田ではできていることを試合で出せるように、相手を想定して、試合を想定してというのを強く意識して立教戦では早稲田のやりたいことができるようにしていきたいと思います。