第３回に迎えるのはＭＦ田中美亜（スポ３＝東京・国立）とＭＦ脇田萌衣（教３＝東京・白百合学園）。２人とも３年生ながら攻撃では不可欠な存在となっている。今季、ＭＦの戦術幹部も務めている２人に、オフェンス面を中心にリーグ戦への抱負を伺った。
※この取材は６月20日に行われたものです。
（３年生は）仲良しで同期愛が強めの人が多い（田中）
対談に臨む２選手
――まず、他己紹介をお願いします
田中 彼女の名前は脇田萌衣（以下、萌衣）です。３年のＭＦで戦術幹部のクリアリーダーです。一言で表すと女子ラクロス部で一番アツイ女です。というのも、見た目はふわっとしているのですけど、ラクロスのことやチームのことを考えていて内に秘めるものがとてもすごいからです。プレー面では『萌衣ロール』という、萌衣特有のダンス部出身を生かした華麗なロールを持っていたり、細かいダッチ（ステップ）で相手を抜き去ったりと絶対的な信頼を置ける選手です。
脇田 彼女の名前は田中美亜（以下、美亜）です。３年のＭＦで同じく戦術幹部でクリアの担当をしています。とにかく足が速くて、一度走ったら誰も追いつけないぐらいです。アタックではその足を生かしたプレーや、ディフェンスも相手と対峙するときに速さを生かすプレーがすごく強みな選手です。最初は結構無口であんまりしゃべらない子なのかなと思っていたのですけど、美亜もラクロスへの愛が強い子です。ラクロスのことになると一気に話し始めて、止まらないくらい戦術のこともチームのこともたくさん考えているので、結構圧倒されます。そういうところが一緒に戦術幹部としてやっていくうえで楽しいですし、すごく信頼している素晴らしい選手だと思います。
――お互いの第一印象と、今の印象を教えて下さい。
田中 第一印象から今も相変わらず、いつまでもいい人です。先ほども言った通りラクロス愛がすごく強いです。
脇田 美亜は最初、本当に心を開いてくれていなくて（笑）。すごくおとなしい、しゅんとした子だなと思っていたのですけど、今年からよく関わるようになってからは、めちゃくちゃ喋る子だなと思っています。
田中 今年からなの（笑）。
脇田 特に今年からです（笑）。やっぱり、ラクロスが好きなので、一緒にいて楽しいなと思います。
――お二人がラクロス部に入った経緯を教えて下さい
脇田 最初はラクロス部のことをあんまり知らなかったです。高校が一緒だった友達で早稲田に入った子に、「ラクロスに興味があるから体験会についてきて」と言われて、ついていくだけならいいか、と思って行ってみたら想像以上に楽しくて。ラクロス部の雰囲気も良くて、そこに引かれて入部したというかたちです。
田中 東伏見の近くに住んでいるので、なんとなく東伏見でやっている体育会ないかなと調べていたらラクロス部を見つけて。体験会に行ってみたら、一発目でとても楽しくて、一緒に体験をした同期もいい人だったので即決しました。
――今のポジションを選んだ経緯はありますか
田中 １年生の頃は攻めと守りを両方経験するために、皆がＭＦをやるのでそのままというかたちです。あと、私は陸上をもともとやっていて走るのが好きで、フルコートを走り回ることができるＭＦが向いているのかなと思ったのもあります。
脇田 ＭＦは攻守ともやることができるし、ドローというＭＦならではの役割もあるのでどれも頑張りたいなと思ってＭＦにしました。
――３年生はどういった学年ですか
田中 とにかく仲良しで同期愛が強めの人が多いです。
脇田 プレーのときも同期がいるから頑張れるという思考の人が多くて、皆でお互いに高め合って協力しながらやっています。
自分たちがチームを引っ張っていかなくては（脇田）
――昨年の関東学生ラクロスリーグ戦（リーグ戦）で印象に残っていることはありますか
田中 ４年生のすごさを感じました。去年のＭＦは４年生３人で、圧倒的に安心感がありました。そのプレーを近くで見ていたので、３人がいなくなったＭＦ陣を私たちが作らなきゃというのを自覚しました。
――ポジションリーダーという役職に就かれていますが、内容はどういったことをやられるのですか
脇田 私はライドリーダーですが、今までライドは戦術を持ってやっていなかったのを今年から始めて。今年はアタックオールアラウンドという全局面で攻めるというのを目標に掲げているので、それに合わせてライドで奪うという戦術を新たに導入しました。その型を作ってみんなで試行錯誤しながら、精度を高めてやっているという感じです。
田中 やることがクリアになったという点以外は、ほとんど同じです。
――実際にやってみて苦労したことはありますか
脇田 頭の中だけだったら結構うまくいくのですけど、実際に全員でやるってなると思ったよりうまくいかないことが多くて。特にクリアライドはフルコート全員でやるので、その全員が戦術を理解していないといけないところに苦労したことも結構あります。ただ、チームの皆は理解が速くて伝えた戦術をすぐに飲み込んで体現してくれて、それが試合でうまくいったときはやりがいがありますし、楽しいです。
田中 相手に合わせた型で運ばなきゃいけないのですけど、それがうまくいかなくてミスが続いたこともあります。逆にコミュニケーションが取れてやりたいかたちで運べたときは楽しいです。
――今シーズンのここまでのご自身のプレーを振り返っていかがですか
脇田 去年までは４年生についていって、その代わりに少しでもなれたらいいなという気持ちでやっていたのですけど、今年は自分たちがチームを引っ張っていかなくては、という気持ちになっています。今年立てた目標を体現できるようにアタックオールアラウンドを頭にいれながら、全局面で安定したプレーができるように心がけています。
早慶戦でパスを出す脇田。４Ｑでは得点も決めた
田中 同じになるのですが、今年はＭＦが４年生1人であとは３年生で、上級生が少ないので自分もしっかり頑張らなくてはという気持ちで頑張っています。プレー面では、去年と比べて周りとしっかりコミュニケーションが取れるようになって。共通認識を持って自分がやりたいことを発信したり、逆にチームメイトの強みや武器を生かせるような声掛けをできるようになったりしました。
――目標のＦＩＮＡＬ４に向けて何か必要なことはありますか
脇田 早慶戦で出た課題として挙げられるのは、入りの弱さがあります。やはり、前半でやられてしまって後半、何とか巻き返す場面が多いです。それを克服するために、今は新しいメニューを考えていたり、試合を想定した練習を毎週取り入れたりしています。入りの弱さを改善できたら、ＦＩＮＡＬ４も目指せるかなと思います。
田中 ラクロスではボールを落とす機会が多い中で最近の練習試合でも課題に挙がっているグラボ（グラウンドボール）をしっかり取りきることが、自分たちのポゼッション時間、得点、勝利に繋がると思います。練習でも、グラボを取りきる練習をしていて、1人で取るのではなくてチームとして取りきって攻撃に繋げようという気持ちでリーグ戦まで頑張っています。
――ご自身のプレーの持ち味はどういったところだと思いますか
田中 陸上をやっていたこともあってスピードを、１on１だったり、グラボの駆け抜けだったり、ディフェンスの対峙力だったりで、生かしているところです。
早慶戦で自慢を脚力を生かして走る田中
脇田 私はダンス部出身なこともあって、ロールを極めているところです。また、対人競技をやったことがなかったので、ダッチ（ステップ）を自分なりに研究して、得意な間合いやダッチの踏み方を見つけてアタックで生かしたいです。それ以外にもダウンボールの寄りや、ドローで混戦が起きた時の取り切りなどボールへの執着心を忘れずにプレーしたいなと思います。
流れが悪い時に断ち切るプレーを（田中）
『金井組』で勝ちたい（脇田）
――リーグ戦ではどのような部分で貢献したいと考えていますか
脇田 戦術幹部としては、ライドを任されているのもあってライドがうまくいっているのか、試合中にしっかり分析して変えるべきなのか継続すべきなのかの状況判断をできるようにしたいです。個人的に、アタックでは周りとのコミュニケーションを取って、点を入れたり周りを生かすプレーをしたりしたいなと思います。ディフェンスも、声掛けをみんなでしながらチームとして相手から守り抜きたいです。
田中 ほぼ同じです（笑）。クリアリーダーなので、試合中にミスがでた時にしっかり修正できるよう状況判断をしていきたいです。また、個人としては自分が点を取れるように、周りを生かせるようにしたいです。いろいろな局面があると思いますが、流れが悪い時に断ち切るような力強いプレーをして、調子がいい時はガンガン攻めるようにしたいです。
――最後にリーグ戦の意気込みをお願いします。
脇田 『金井組』でやはり勝ちたいので、ＦＩＮＡＬ４にいくという目標に向かってボールへの執着心を忘れずに、ボールを追いかけ続けたいなと思います。
田中 ＦＩＮＡＬ４にいくためには勝たなくてはいけないので、一試合一試合勝利に貢献できるように全力で頑張ります。
――ありがとうございました！
（取材 廣野一眞 編集・写真 飯田諒）
リーグ戦に向けて意気込みを書いていただきました！
◆ＭＦ田中美亜（たなか・みあ）（※写真右）
2002（平14）年10月29日生まれ。東京・国立高出身。スポーツ科学部３年。お笑いタレントの、フワちゃんが大好きだという田中選手。「生きる抗うつ剤」とも称されるフワちゃんの雑誌を、同期に貸してあげることもあるそうです！
◆ＭＦ脇田萌衣（わきた・めい）
2002（平14）年４月21日生まれ。東京・白百合学園高出身。教育学部３年。学年でも屈指の甘党だという脇田選手。オフの日や試合が終わった後には、よくスイーツビュッフェに行って甘いものをたくさん食べるそうです！