終盤に粘りを見せるもあと一歩及ばず　リーグ戦初黒星を喫する

　前節、学習院大戦で劇的な勝利をし２連勝を飾った早大女子ラクロス部。目標の関東大学ラクロスリーグ戦（リーグ戦）ファイナル４進出に向けた最初の山場となる、明大戦に臨んだ。ポゼッションのスタイルをとる明大に対し、早大は苦戦を強いられる。３点ビハインドで迎えた最終第４Ｑ（クオーター）に粘りを見せ１点差まで迫るも及ばず、リーグ戦初黒星を喫した。

３得点の活躍をした木村

　第１Ｑは明大のポゼッションと個人技に苦しむ。最初のドローを取られると、明大にじっくりと攻め込まれる。何度かショットを防ぐが、個人技でディフェンスを破られ先制点を与えた。さらにそこからミスが絡み、もう２失点許す。早大はなかなかドローを取ることができず、ほとんど攻撃ができないまま第１Ｑを終えた。第２Ｑ、早大は反撃に出る。序盤は相手にチャンスを与えたものの、Ｇ山本芙結主将のセーブからチャンスを作り、ＭＦ横幕円香（文構２＝神奈川・公文国際学園）が得点。さらに再び山本のセーブからボールをつないでＭＦ木村彩乃副将（法４＝東京・早実）が得点し１点差まで詰め寄る。しかし、２Ｑ終了間際に追加点を許し２点ビハインドで前半を終えた。

仕掛けを図る川崎

　第３Ｑは守りの時間が続く。最初のドローを取られると、そのまま攻め込まれて反則によるフリーシュートを与えてしまう。それを決められ５点目を許す。その後はピンチを作るも山本のセーブや相手のミスで点は与えなかった。１点でも返したいアタックは、ＡＴ櫻井あか里（商４＝東京・早実）がショットを放つも相手ゴーリーに阻まれ、無得点で３Ｑを終えた。一矢報いたい最終第４Ｑ、早大は執念を見せる。開始直後のドローを取ると一気に攻め込みチャンスを作る。一度はボールロストをするが、激しいライドで相手選手のパスミスを誘い、ＭＦ川崎ひかる（法４＝東京・立川国際中教校）が１点を返した。さらにその後のドローは取られるも、激しいプレスからボールを奪い、それをつないで木村が流し込み１点差とした。この勢いで同点に追いつきたい早大だったが、次のドローを取られてそのまま攻め込まれ、２点差に広がる追加点を許した。その後、木村の今日３点目となるゴールで１点は返すも反撃はそこまで。強豪・明大に一歩及ばなかった。

痛い黒星となった

　木村が「終始明治のペースでやられてしまった」と語るように、なかなか自分たちの流れを作ることができなかった早大。ドローの確実性や序盤の複数失点など、ファイナル４進出に向けて短い期間で改善しなければならない課題がいくつか見つかった。それでも、早慶戦の際にも課題として挙がった「終盤の粘り強さ」をこの試合では体現できたように、一戦一戦を通じてチームが成長していることは間違いない。ここからは負けられない戦いが続く。厳しい状況ではあるが、次戦ではさらに成長した山本組に期待していきたい。

（記事、写真　田中駿祐）

コメント

Ｇ山本芙結主将（スポ４＝静岡）

――今日の試合を振り返っていかがですか

　試合を始める前からこの試合が山場だという思いがあったので勝ち切りたかったのですが、序盤から相手のポゼッション時間がすごく長くなってしまって、早稲田の得点力を発揮する場が作れなかったというところが悔しいなと思います。

――今日の試合はファイナル４進出に向けての大きな山場だったと思いますが、チームとしてどのような準備をしてきましたか

　相手は中へのカットが強いというのがわかっていたので、カットへの対応というところは特に練習の中で時間を割いてやってきました。クリアの部分も、相手の強いダブルを突破できるように時間を割きましたが、なかなか試合では苦戦してしまってスムーズにボールを運べなかったというところが悔しいポイントかなと思います。

――明大はボールを保持する攻撃ということでなかなか自分達の時間にできなかったと思います。そうした中で守備や攻撃面でどういった共有をしていましたか

　事前情報で相手のキーマンの62番と７番がワンが強いというのがあり、ビビって引いてしまっていたり無駄に寄せすぎてしまったりして、相手の思うようにディフェンスの形を崩されてしまっていたので、新しいことを始めるというよりももう一度自分達の自信を確認して、高い位置で当たって１対１で勝負をするというところは毎Ｑ間に確認しました。ボールを奪いにいくディフェンスは、Ｑを重ねるごとに修正はできていたのかなと思います。

――最終Ｑの粘りに関して、どのように感じていますか

　チームで取った点だったなと思います。４Ｑが始まる前に、ライドの部分で全員で前から奪いにいこうと背水の陣のような感じで、全員が同じゴールを目指して動けていたからボールを前線で奪ってショットまでつなぎ切れたと思うので、苦しい中でもＭＦ、ＡＴが頑張ってくれたところがチームとして心強いなと思いました。

――次戦に向けての意気込みをお願いします

　次戦の中央はまだ負けなしで試合に臨んできますし、去年２部で今年１部に上がってきた勢いのあるチームなので、その勢いに飲まれずに早稲田のラクロスを貫けるようにやっていきたいと思います。

ＭＦ木村彩乃副将（法４＝東京・早実）

――今日の試合を振り返っていかがですか

　最初に３失点したというところでシナリオ通りにはいかない苦しい展開になったなと思います。終始明治のペースでやられていて、ディフェンスセットが長くなってしまったというところが敗因としてはあるのかなと思います。

――３得点されていましたがご自身の得点について振り返っていかがですか

　正直シュートシーンはあまり覚えてはいないです。ああいう試合展開の中で、２年生からリーグ戦に出させていただいている私がいかないといけないというところはずっと思ってプレーをしていたので、そういう攻め気が最終的には得点につながったのかなと思います。

――相手がボールを保持する時間が続きましたが、攻守両面についてどのようなことを意識していましたか

　ディフェンスの部分では自分のところでボールを奪いたいと思っていたので、１Ｑはあまりできなかったですが２Ｑからは上げめにディフェンスにつくことは意識していました。アタックの面は先ほど言ったように自分が中に切り込むぞという気持ちでいました。

――最終Ｑの粘りにについてどのように感じていますか

　早稲田が課題というか、やっていこうと言っていた粘り強いラクロスが体現できたのかなとは思います。

――次戦に向けての意気込みをお願いします

　今日負けてしまったということでこれからは一戦も落とせない試合が続くので、気持ちを切り替えて次の試合に向けて準備を進めていきたいと思います。