東京六大学交流戦(六大戦)の開幕により、早大ラクロス部の新シーズンが開幕。新体制『山本組』は、2016年以降届いていない関東学生リーグ戦(リーグ戦)『Final4進出』を目標として始動した。決勝で立大には及ばなかったものの、法大、東大に勝利し山本組の初陣を準優勝で終えた。
攻撃陣をけん引したAT櫻井
3月12日は2試合が行われた。初戦の相手は法大。早大は前半にAT櫻井あか里(商4=東京・早実)などのゴールで2点を先取しペースをつかむ。後半は打って変わって競り合いとなるも、MF木村彩乃副将(法4=東京・早実)のゴールなどで早大が逃げ切り4-3で勝利した。続く2回戦、東大戦は早大が序盤から畳み掛け、ゴールラッシュを見せる。MF星川陽恵(スポ2=埼玉・浦和一女)の2得点など、下級生らの活躍もあり9-0の快勝。翌日の決勝進出を決めた。
東大戦で2ゴールを挙げたAT上野美桜(国教3=東京・立川国際))
13日の決勝の相手は強豪立大。立大は1Q序盤から2得点と攻め込む。「自分たちはチャレンジャーとして挑んだので、ビビらずに戦えた」とG山本芙結主将(スポ4=静岡)が振り返るように、早大も果敢に攻めるがなかなか立大ゴールをこじ開けることができない。続く2Qも決め切れず、さらには終盤に失点を許し0―3と苦しい状態で前半を折り返す。一矢報いたい3Q、早大はAT松本彩雨(商4=兵庫・鳴尾)のゴールで1点を返すも、すぐさま立大が反撃。最終4Qは開始直後にMF木村のゴールで再び1点を返すも、その後は連続失点を許し、最終スコアは2―7。立大に力の差を見せつけられた結果となった。
指示を出すG山本
新体制の初陣について、G山本主将は「組織での連動した守り方や、攻め所を共有しながらのアタックセットがあまりできていなかった」と攻守における課題を挙げる一方、「ベンチ入りのメンバー全員が試合に出ることができるような回し方をしていたので、良い経験をたくさん積めた大会になった」と振り返る。今シーズンはまだ始まったばかり。『山本組』は今大会で積んだ経験を糧に、早慶定期戦優勝、そして目標の『Final4進出』へと突き進んでいく。
(記事、写真 田中駿祐)
▽1回戦 〇4―3 法大(木村彩乃、櫻井あか里、松本彩雨、脇田萌衣)
▽2回戦 〇9―0 東大(上野美桜2、拝原花歩2、星川陽恵2、茅野汐莉、田中美亜)
▽決勝 ●2―7 立大(木村彩乃、松本彩雨)
コメント
1日目
AT櫻井あか里(商4・東京・早実)
――今日の2試合を振り返っていかがでしょうか
1試合目の法政戦はシーソーゲームで、ここを勝たないと明日には繋がらなかったので、絶対に勝つという気持ちで臨みました。途中苦しい状況が続きましたが、全員が攻め気を持って最後までゴールに向かえたのでなんとか1点差で勝つことができたのかなと思います。
――新チームの出来についてはどのように感じていますか
戦術なども決まっておらず、まだまだ未完成の部分は多いです。ただ、今年は決まったメンバーだけではなく全員が戦力になるというところを目標にしてやって、その面では全員が試合に出てしっかりと成果を出せたので手応えを感じています。
――2試合合計13得点と攻撃陣が好調でしたが、冬の期間はどのような練習を行なってきましたか
基礎的な練習をすごく行なってきました。オフ期間は素振りなどの基本の部分、そして練習が始まってからは、ショットを基礎の部分から積み上げてきました。今日はそれがしっかりと生かせたのかなと思います。
――ご自身を起点とした攻撃が多かったですが、どのようなことを意識していましたか
今日はアシストでチームに貢献できたかなと思っていて、自分が攻めてディフェンスを引きつけることによって、周りの味方がすごく走り込んでくれたので、そこでうまく攻撃が回ったのかなと思います。
――2試合の反省点はどのような点でしたか
反省点はたくさんありました。特に、ここで一本決めたいという場面でのミスが増えてしまい、なかなか自分達の流れに持ち込めなかったという部分ですかね。次からはそういった簡単なミスを減らしていきたいと思います。
――最後に決勝に向けてひと言お願いします
次に当たる相手はどこも強豪校なので、そこにしっかりと勝って次に繋げられるように頑張っていきたいと思います。
2日目
G山本芙結主将(スポ4=静岡)
――今日の試合を振り返っていかがでしょうか
立教は格上の相手で、自分達はチャレンジャーとして挑んだので、無駄にビビらずに戦えたかなとは思います。それでも、ボールマンへのディフェンスの圧が足りなかったり、自分たちがミスをしてしまったりして崩れていったので、思ったように自分達のやってきたことが発揮できなかったのは悔しかったです。
――早い時間に先制されて難しい試合展開でしたが、チーム内ではどのようなことを共有していましたか
最初から無失点で勝てる試合ではないと思っていたので、そこまで焦らなかったです。点を取られても同じやられ方をしないように修正していくことや、ここでもう1点返せば大丈夫とあまり落ち込まずにできたかなとは思います。
――今大会を振り返っていかがでしょうか
この大会は、試合に出るメンバーをあまり固定せずに、ベンチに入った全員が試合に均等に出られるような回し方をしていたので、いい経験がたくさん積めた大会になったかなと思います。
――大会を通じてチームとしてどのような課題が見つかりましたか
まだ基礎的な練習しかできておらず、ディフェンスの組織での連動した守り方や、攻め所を共有しながらのアタックセットがあまりできていなかった部分が課題だと感じました。これから個々の力を磨くと共に連携の部分も磨いていき、早慶戦、リーグ戦へと繋げていけたらなと思います。
――新チームの印象はいかがでしょうか
新チームは人数が少なく、下級生がトップチームに入ってくる割合もすごく多くなってきているので、フレッシュさがあるなと思います。また、現時点でできないことはあるのですが、できないことばかりに目を向けずに、良いところにフォーカスして褒め合うという良い雰囲気が作れています。そういった前向きな力を伸ばしつつ、新しい早稲田を作っていけるチームかなと思います。
――今年度のスローガン『貫く』にはどのような意味が込められていますか
『貫く』というスローガンには順番があり、『ビジョン』、『行動指針』、『目標』、『スローガン』となっています。ビジョンが『彼我の原動力となれ』という、自分が誰かの原動力になってほしいし、私の原動力は誰かであってほしいということが部の中で回っていけたらいい組織になっていけるというものです。行動指針は、『向上心を持ち続ける』、『役割を全うする』、『感謝を忘れない』と3つあり、これらはビジョンを達成する上で必要な行動を具体的に挙げたものになっています。目標は『リーグ戦Final4』進出です。今までは日本一という目標でしたが、長期的に早稲田が日本一になるために必要なものとして、このチームではその直前のFinal4が一番良いと思い、目標にしました。ビジョンと行動指針を新しく作り、目標を新しく変えるなど、いろいろと変革がある中でも貫くもの、人としてビジョンや行動指針で示した『こうあるべき』という姿はぶらさないでほしいということです。コーチ陣も変わり、本当に新しいことが多い中でも、人としてこうあるべきところは貫いてほしい、それが結果的にはリーグ戦Final4という目標達成に繋がっていくという意味が込められています。
――最後に今後に向けてひと言お願いします
自分達は常にチャレンジャーの気持ちなので、挑戦する気持ちを忘れずに、慶應、明治、立教、日体大のFinal4の一角を崩す大番狂わせをしていきたいと思います。
MF木村彩乃副将(法4=東京・早実)
――今日の試合を振り返っていかがでしょうか
自分達が今までやってきたことがしっかりと発揮できず、すごく悔しかったです。また、課題がたくさん見つかった試合だなと思います。
――この大会を振り返っていかがでしょうか
まずは、こういったコロナ禍で大会を開催できたこと、そしてここに関わってくれた人たちにすごく感謝したいです。チームとしては、振り返った時に課題がたくさん見つかったという部分と、自分たちが今年度からやろうとしている、全員が試合に出るという部分は、結果はどうであれできたので、山本組の良いスタートが切れたのかなと思います。
――今日の試合の得点シーンを振り返っていかがでしょうか
自分はどちらかというとディフェンス寄りのプレイヤーですが、点にも絡めたというところは、これからの自信にも繋がりますし、昨日も得点ができて良いイメージが持てたので、これからの練習にも生かしていきたいなと思います。
――今日の試合ではチームとして決め切れない場面が多くありましたが、その部分はどのようにしていきたいでしょうか
パス、キャッチといった基本的な技術の面のミスが多く、アタックのセット時間が長く作れなかったのが課題かなと思っています。また、ショットも今まで練習しているフェイクやタイミングをずらすといったところができず、相手のゴーリーからしてテンポのわかりやすいショットが結構多かったのかなと思ったので、もう少し余裕を持ってアタックもプレーできるように、トップチームの基礎の面をもう少し向上させる必要があると感じました。
――最後に今後に向けてひと言お願いします
早慶戦、リーグ戦と大きな大会も残っているので、チーム全員が一丸となって、サブチームもトップチームも、先輩も後輩も関係なく、目標に掲げているFinal4に進出するためにこれから全員で頑張っていくつもりなので応援のほどよろしくお願いします。
DF池崎真佳(商4=東京・早実)
――今日の試合を振り返っていかがでしょうか
ディフェンス面では、相手にボールを回されている間にしっかりと奪いたかったのですが、その奪いどころがなく、終始相手のペースに飲まれてしまったなと思います。
――今大会を振り返っていかがでしょうか
この大会ではいろいろな人を試合に出して、みんなにチャレンジをしてもらうようにしていました。また、山本組初の試合というところで、とにかくいろいろなことにトライしようという大会にしていました。その中でしっかりと決勝に勝ち残ることができたのは自信になったとは思います。ただ、やりたいことはまだまだできていないと思うので、課題の見つかった大会になったかなと思います。
――ディフェンス面に関してはどのような課題が見つかりましたか
ボールを回された時にどこで狙うのかという部分と、やはり同じやられ方をしないという部分で、試合の中でどう修正していくのかという点はしっかり練習の中でやっていきたいなと思います。
――そういった課題を潰すにあたり、どのように練習をしていきたいですか
もっとチーム内でのコミュニケーションが必要だなと思いました。もっとダブルを狙いたかったので、視野外からディフェンスがもう一枚飛ぶという入り方の部分を練習できるようにしたいなと思っています。
――最後に今後に向けてひと言お願いします
Final4に入るためにはまだまだ立教などの格上を倒していかなければいけないので、しっかりと練習をして、早慶戦、Final4としっかりと勝てるようにしていきたいと思います。