1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 計 | ||||||
早大 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | |||||
慶大 | 4 | 0 | 0 | 2 | 6 | |||||
▽得点者 櫻井、倉田 |
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昨年の中止、5月からの延期を経てようやく開催された早慶ラクロス定期戦。前回大会は6500人を超える集客だったが、今大会は新型コロナウイルスの影響で無観客試合となった。早大ラクロス部は2年前の早慶戦で、アベック優勝の感動を味わっているものの4年生中心に「自分たちの代で勝つ」と挑んだ。昨年の大会中止もあり、「今年こそは」と意気込む。早大は第1Q(クォーター)に4失点を喫するが、その後DF(ディフェンス)陣が立て直し、2—4で最終Qを迎える。果敢にシュートを打つも相手の好守に阻まれ決まらず、さらに追加点を許す。2−6でゲームを終え、早慶戦連覇は叶わなかった。
得点を決め、ガッツポーズA T倉田
早大は最初のドローを取り、ゴール付近にボールを運ぶ。しかし相手G(ゴーリー)の好セーブにより得点にはつながらない。試合開始4分、先制のゴールを揺らしたのは慶大だった。その後、第1Q終盤に立て続けに3得点を許し、早大にとって振るわないスタートとなる。DF陣は今年、攻めのディフェンスを目標に掲げていたが、試合の入りでこれを表現することができなかった。DF鈴木明日葉(スポ4=埼玉・浦和一女)は「入りでは慎重になってしまい、相手に合わせてしまった結果失点が続いた」と振り返る。しかし早大DFはその後立て直しに成功し、攻撃的なディフェンスを体現する。続く第2、3Qは無失点に抑え、オフェンスの奮起を待つこととなった。
前半は無得点に終わった早大だったが、ついに第3Q開始2分、待望の得点が生まれる。相手の反則を誘い、フリーシュートを獲得したMF櫻井あか里(商3=東京・早実)が見事にスタンシューを決め、一点を返す。その後、引き続きシュートを打ち込むも、相手Gの鉄壁の守りに苦戦を強いられる。しかし第3Q11分、MF山邊七菜子(基理4=神奈川・日女大付)からのパスをA T倉田瑠々主将(文構4=東京・早実)が受け、相手DFの空いたスペースからショットを決める。主将の得点で流れに乗りたい早大。迎えた最終Q、2点を追う早大はボールへの寄りの強さを見せ、早大ゴール前での混戦が続く。しかし、Q開始6分、相手に隙を突くスタンシューを決められ、さらに突き放された。その後、残り5分で決定的な追加点を許し、2—6で試合終了。待ちわびた宿敵・慶應との一戦は悔しい結果で終わった。
積極的ディフェンスでボールを奪いにいくD F鈴木
倉田組が始動してから約半年、前半の山場ともとれる早慶戦では、チームの成長や課題に気付かされた。AT倉田主将は決め切りの部分を課題として挙げ、「相手のセーブに対するショットの打ち方の切り替え、判断技術が足りなかった」と振り返る。ディフェンスが理想の形を体現できていた分、試合はオフェンスのショット決定力に左右されてしまった。例年通りにいくと夏には全国につながるリーグ戦が開幕する。今回はリーグ戦に向けて、現状を知り、結果と向き合う機会になったに違いない。シーズン後半では、倉田組のさらなる躍動が見られることを願う。
(記事 後藤泉稀 写真 早稲田大学女子ラクロス部提供)
AT倉田瑠々主将(文構4=東京・早実)
――今の気持ちをお願いします
やっぱり悔しい気持ちが一番大きいです。何度か延期になって、やるかやらないか分からなかったのですが、一つの節目として伝統の早慶戦に勝つこと、自分たちの代で勝つというのを目標にしてきて、いい試合とは言えないような試合をしてしまったので、やり切れなかった、悔しい気持ちが大きいです。
――2-6という結果ではありましたが、試合の内容や展開を振り返っていかがですか
一番の敗因としては、自分たちのミスで相手に流れを持たせてしまったことだと思います。AT(アタック)であれば、シュート本数では負けていなかったのですが、完全にG(ゴーリー)に止められてしまっていて、決めきれなかったところで相手にとって良い流れをつくってしまいました。DF(ディフェンス)が修正を加えてくれて、後半も点数をセーブできていたのに、ATが点を決め切れなかったのが、今回の敗因の大きいところです。あとは、グラウンドボールやパスキャッチなど基本的なところでのミスが、相手の流れに拍車をかけてしまったかなと思います。課題は明確になったとは言えど、そこができていないと自分たちの力をまず出せなかったなと思います。
――ゴールの守りの固さに対して、何か対策はされていたのですか
Gが上手というのは、聞いていました。試合が始まってみて、ゴールにいくまでの形は良かったんですけど、こういうセーブだからこういう打ち方にしようという最後のテクニックの部分というか、判断を切り替えるという技術が足りなかったかなと思います。みんないつも通りの自分が持っているショットでしか戦えなかったから、Gがテクニック的に上手だったこともあり、太刀打ちできなかったのかなと思います。
――今試合はフリーシュートに持ち込む機会が多かったですよね
相手が一対一のマンツーディフェンスではなくて、空間を守るゾーンディフェンスだったので、自分たちの戦術でもフリーシュートに持っていくということをポイントにしていました。そこに持ち込めていたのは良かったのですが、展開的に自分たちが劣勢になってしまった時に、フリーシュートの決定率があまり高くなかったので、なかなかそこで勝負をかけられませんでした。今日も本数は打ったと思うんですけど、そこでの決定率は低くて、自分たちの首を絞めてしまいました。シュート率全般なんですけど、フリーシュートを含めショット率を上げていかなくてはならないと思いました。
――リーグ戦に向けて意気込みをお願いします
負けてしまったことは悔しいのですが、同じ早慶戦はできないし、あとはリーグ戦しか残っていません。もう一回、4年生を中心にチームでの雰囲気づくり、ボール一球に懸ける思いを見直して、今回一番課題であった基礎の部分をチーム全体で底上げをします。リーグ戦では日本一を目指してやっているので、自分たちを見つめ直して、ゼロからスタートするつもりでこの敗戦を糧に日本一獲れるように努力していきたいです。
MF山邊七菜子(基理4=神奈川・日女大付)
――今の気持ちをお願いします
悔しいの一言に尽きますね。
――2-6という結果をどのように受け止めていますか
最初の1クォーター(Q)で点差が離れてしまいましたが、チームの中ではそこで諦めることなく、ラクロスは10秒で点を決められるので、チームとしては上昇志向で前向きにやっていました。早稲田も調子を戻すことができたんですけど、最後は1Qの点差の部分が響いてしまったのかなといいう感じです。
――早慶戦前のインタビューで、目標ややりたいプレーをお話されていましたが、それは体現できましたか
練習からより厳しくすることや一つのボールを追いかけるというところをチームとしてはポイントにしてやっていたのですが、慶應の選手よりも一歩の寄りというのが甘かったです。ディフェンスは練習してきたことが表現できたかなと思うんですけど、アタックでは決め切るべきところでシュートを決めきれなかったことが試合展開として早稲田の流れを持ってこられなかった敗因かなと感じています。
――ドローやその後のプレーについて振り返りをお願いします
慶應のドロワーの選手が昨年のリーグ戦でランキング上位に上がるような選手だったので、その選手に対して自分自身もどうやったら勝てるのかを考えて、自主練でも自分の得意なドローを上げられるようにやってきました。練習の中でもグラウンドボールに対して枚数を寄せることや、飛び出しのところをこだわってきたので、最初のところ、早稲田が取れていたところは練習の成果が出ていたと思います。途中相手に連続で取られてしまったんですけど、最後立て直せたのは練習の成果がでたのかなと思います。
――リーグ戦に向けて意気込みをお願いします
まずは負けた悔しさと、見つかった課題を厳しくやっていきたいと思いますし、個人としても今日は得点に絡むことができなかったし、決め切るべきところを決めきれなかったので、より自分に対して厳しく詰めるべきところは詰めながらチームとして一丸となって頑張っていきたいです。
DF鈴木明日葉(スポ4=埼玉・浦和一女)
――今の気持ちをお願いします
一度延期されてからの、早慶戦ということで気持ちも入っていました。去年開催されなかったこともあって今年こそはという思いが強かった中で今日の試合に向けてチームとして盛り上がっていた中で勝てなかったというところが悔しかったです。あとは負けた原因というのは修正できるようなミスで自分たちの流れをつくりきれなかったこと、流れを相手に渡してしまったプレーが多かったので、そういった形で負けてしまったのが悔しいです。
――流れを渡してしまったプレーというのはどのようなプレーですか
ディフェンスの部分で自分たちが積極的にプレッシャーをかけていって攻めのディフェンスをDFとしてはやっていました。試合の入りのところから、自分たちが攻めきれずに相手に合わせてしまって失点を続けてしまったりとか、自分たちがせっかく守って奪ったボールをつなぎ切れずにミスして相手のボールになってしまったりだとか、相手のミスを誘えてもそのボールを取りきれなかったりだとか。そういったところで自分たちの流れをつかみ切れずに相手のボールを持つ時間が長くなってしまったという印象です。
――1Qで4失点した後の2、3Qでは無失点に抑えていますが、何か変化があったのですか
今年は攻めのディフェンスをするというのを目標に掲げてやっていたのですが、やっぱり試合の入りのところでは慎重になってしまって、1Qでは相手に合わせてしまった結果失点が続いてしまったというところがありました。1Qが終わった後にそういったところは修正しようということで、2Qからは今まで練習してきたディフェンス主導で積極的にプレッシャーをかけにいくディフェンスが体現できるようになったかなと思います。
――事前のインタビューでもおっしゃっていた攻めのディフェンスは表現できたという印象ですか
2Q以降は相手にミスを起こさせたり、ボールを落とさせたりするまでのところはすごく体現できたのかなと思います。
――リーグ戦に向けて意気込みをお願いします
今日の試合で途中からやりたかったディフェンス自体はできていたので、それを入りからできるように精度を上げていくことに加えて、落とさせたボールを取り切る力がなかったりだとか、せっかく奪ったボールをATにつないで得点を取るという力がなかったりだとか、単純な基本的な技術のところが足りなかったことがこの試合の反省としてあります。基本的なところから見直していって自分たちがやりたいラクロスを体現するためにも基礎的な技術を上げてしていくのと、今回悔しい気持ちを味わったので、このままでは終わらないという気持ちでリーグ戦に向けて気持ちを切り替えてやっていきたいです。