篠原組始動。初戦を白星で飾る

女子ラクロス
1Q 2Q 3Q 4Q
早大 11
明学大
▽得点者
吉見4、網島2、倉田2、今井、山邊、上野

やっとこの時がきた。コロナウイルスの影響を受け、大学ラクロス界も春に行われる大会は全て中止に。秋になり練習も徐々に再開された今、例年とは異なり「関東学生ラクロス2020特別大会」という名称で関東の頂点を決める。すっかり秋らしい陽気となった10月4日、早大女子ラクロス部は約1年ぶりに公式戦の舞台に姿を現した。

初戦の相手は明学大。試合冒頭からMF吉見彩(スポ4=早稲田渋谷シンガポール)の連続得点で明学大を突き放すかと思われたが、中盤で差を縮められ、第4クォーター(Q)ではリードをも許してしまう。しかし、MF山邊七菜子(基理3=東京・日本女)のフリーシュートを皮切りに、5連続得点の猛攻で勝負あり。見事公式戦初戦を勝利で収めた。

逆転ゴールを決めたMF網島ひかり

 

約1年ぶりの実戦はMF山邊七菜子のドローから始まった。ボールをおさめたのは明学大。「公式戦が今シーズン初めてだったので、少し緊張もしていた」(吉見)と選手それぞれに固さが見られ、先制されてしまう。しかし、最初こそ相手にボールを持たせてしまったものの、第1Q開始5分、MF網島ひかり(スポ4=埼玉・富士見)の得点から早大が4連続得点で圧倒する。
 続く第2Qも勢いそのままに明学大を突き放すかと思われたが、明学大もこのままでは終わらない。キープレイヤーを抑えきれずに、じりじりと差が詰められて5-3で前半を折り返す。

 

第3Qになってもその状況は変わらず、ミスやファウルが重なり思うようなプレーができない早大。AT倉田瑠々(文構3=東京・早実)のまくりシュートが決まり光が差したかに思われたが、ノータイムで明学大にゴールを割られ、6-6と同点で第3Qを終える。
 迎えた最終クォーター。悪い流れを断ち切れず、開始1分で明学大に失点を許し、リードされてしまう。すかさず早大はタイムアウト。「みんなで絶対勝とうという気持ちで入った」(吉見)と気合を入れ直す。すると、第4Q3分、MF山邊七菜子がフリーシュートをしっかりと決め同点に。MF吉見からAT倉田への鮮やかな連携プレーも飛び出すと、こうなったら止まらないのが早大。圧巻の5連続得点で、11-8と約1年ぶりの公式戦に白星を飾った。

白星を喜ぶ選手達

 早大らしいプレーができない時間が長かったが、無事初戦で白星を手に入れた早大。しかし、「普段試合をやってない選手への対応力が今日足りなかった」というDF篠原夕依主将(国教4=東京・筑波大附属)の言葉の通り、課題は多い。次戦は2週間後。相手は、昨年の全日本大学選手権(インカレ)の覇者、立大。恐れることはない。「立教は2年の時と3年の時で負けてしまっているので、三度目の正直」と吉見は意気込む。篠原組の戦いはまだ始まったばかりだ。

(記事 内海日和、写真 後藤泉稀)

コメント

DF篠原夕依主将(国教4=東京・筑波大附属)

――今日の試合を振り返っていかがですか

早慶戦とか六大学戦とか毎年ある試合が今年はコロナの関係でできなくて、このチームで初めての公式戦だったので、その意味では難しい試合でした。勝ち切れたのはよかったのですが、大差で勝って次の立教戦につなげたかったので、その意味では反省の残る試合でした。

―見えてきた具体的な反省点はどのようなところですか

普段試合をやってない選手への対応力が今日足りなかったのかなと思っています。最初何点か取られたタイミングで、自分たちの中で修正する対応力をもっとつけていられたらよかったと思います。それと、緊張しちゃっていて声も普段より静かだったかなって思うので、その意味で盛り上げていけたらよかったなと思いました。

――自粛期間中から今日までチームのモチベーションを保つために意識した点はありますか

7月中旬からチームで集まって練習ができるようになりました。チームではシスターという各学年2人ずつの縦割りのチーム制度があるのですが、それまではそこで一緒にトレーニングをしたり、反省点を共有したりしていました。あとは、ビデオミーツを全体でやったり。ラクロスから離れないようにというのは意識していたのと、普段コミュニケーションとらない子ともランダムにつくったグループで話すなど普段できないこともやっていました。

――今日の個人的な振り返りをお願いします

私自身出し切れた感が全くなくて、DFだからみんなを信じて待ってる時間が長かったなと思います。もっと積極的にボールを奪うようなディフェンスができたら、こっちの流れになっていたのかなとも思うので、次の試合は自分のところで落とすぞという気持ちでやりたいです。

――最終Q、6-7と相手にリードを許した展開でタイムアウトをとりましたが、そこではどのような話をされましたか

試合の最後の方は、「楽しもう」とすごい言っていました。その時は負けると思っていなかっただけに、全員焦っていて、気が気じゃなかったのですが、そこで落ち着いて自分たちのプレーができたのはよかったと思います。

――最後に次戦への意気込みをお願いします

立教は昨年の全学優勝校なので、厳しい試合になるとは思うのですが、自分たちがこれまでやってきたことや、チームのみんなを信じて、絶対勝つ気持ちで、フィールドに立つ一プレーヤーとして、主将として頑張ります。

MF吉見彩(スポ4=早稲田渋谷シンガポール)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

コロナウイルスの影響で六大戦や早慶戦ができなかった中で、公式戦が今シーズン初めてだったので、少し緊張もしていました。今まで準備してきたことをやり切ろうという気持ちでこの試合に臨んだのですが、勝てたのでよかったです。

――この大会の位置付けはどのようなものだと考えていますか

四年間の集大成であり、最後の大会として全力を出し切ろうという気持ちです。

――4得点と大活躍でしたが、ご自身ではこの結果をどのように感じますか

試合の入りから、早稲田の強さを見せていくためにどんどん 1on1を仕掛けていこうという話はしていました。自分でしっかりとそれを体現して、背中で見せていけたのはよかったと思います。

――ショットの前はどのようなことを考えるのですか

少しディフェンスがずれた瞬間などを狙って、一気に仕掛けています。

――9点目のAT倉田瑠々選手との連携プレーは普段から練習されているプレーですか

瑠々は合わせのプレーが上手いので、ボールを持っているときに瑠々の位置を確認しながら合わせることを練習してきました。練習したきたことの成果が出たかなと思います。すごくうれしかったです。

――第4Qで逆転された際、すぐにタイムアウトが取られました。そこではどのような話をされたのですか

自分達がやるべきことは 、グラブで負けていたので、グラブで最後まで追ってマイボールにするということを徹底させることでした。そこで、みんなでもう一度気合を入れ直して「絶対勝とう」という気持ちで入りました。

――この試合で出た課題は何ですか

アタックはやりたいプレーはできたのかなと思っています。しかし、それまでのミスが目立ってしまって、ミスした後のフォローがしっかりできずに相手に取られてしまうシーンが多くありました。アタックはしっかりとポゼッションを意識して、落ち着いて自分達のやりたいプレーをやるというのが今後の課題です。一方、ディフェンスは相手のキーマンが明確だったのですが、そこでずっと点を決められ続けてしまいました。試合の中でちゃんと修正をして、ディフェンスのポジショニングを変えることやフォローを徹底することを次の試合では頑張りたいと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

立教は2年の時と3年の時で負けてしまっているので、三度目の正直というところです。昨年度立教は学生日本一だったのですが、そのような先入観を持たずに、しっかりと自分達のやりたいことをやって楽しみたいと思います。