1点が遠く、予選ブロックで姿を消す

女子ラクロス

 入部をしてから4カ月が経過し、フレッシュマンたちが早大女子ラクロス部の一員として初の公式戦である新人戦サマーステージに臨んだ。予選ブロック第1試合の大妻女大・埼玉大・東経大合同チーム戦では、AT倉田瑠々(文構1=東京・早実)の3得点を皮切りに、計7得点を奪って快勝。続く立大β戦は引き分け以上で予選突破が決まる試合であったが、序盤から2点のリードを許す展開に。その後反撃に転じるものの、立大βに追い付くことができずに敗戦。優勝を掲げた初の公式戦であったが、決勝トーナメント進出を逃す結果となった。

 予選突破に向けて弾みをつけたい大妻女大・埼玉大・東経大との初戦。「自分が先制点を取って流れをつくりたいと思っていた」と自らを奮い立たせた倉田が、左サイドから中央に侵入してショットを決めると、ここから早大のゴールショーが始まった。ゴール付近で相手のパスをカットした倉田が冷静に追加点を奪い、MF山邊七菜子(基理1=神奈川・日女大付)、MF中谷咲蘭(国教1=東京・淑徳)、AT進藤理子(スポ1=東京・青山)もしっかりとショットを決め切る。終始攻め続けた早大が、7−0と大量得点かつ完封で勝利を挙げた。

チームの得点源となった倉田

 引き分け以上で決勝トーナメント進出を手にすることができる立大βとの一戦。しかし、「警戒はしていたんですけど対応できなかった」とDF鈴木明日葉学年キャプテン(スポ1=埼玉・浦和一女)が言うように、勝利が絶対条件となる立大βの足が速い選手を捉えられず、試合開始後すぐに2失点を喫して試合の主導権を握られてしまう。早大は倉田がドロー後のプレーで敵陣を独力で突破して1点を返すが、山邊のフリーシュートは相手のゴーリーに阻止されて、1点ビハインドのまま時計の針は試合終了へと近付いていく。結局、立大βのカベを最後まで打ち破ることができずに1−2で敗戦し、1点に泣く予選敗退となった。

立大β戦で1点を返し、すぐさま同点ゴールを狙いにいく選手たち

 立大β戦後には涙をこらえ切れない選手たちの姿があった。引き分けでも予選を通過できるという事実が、かえって焦りを増幅させていたのかもしれない。ウインターステージ制覇に向けて、こうしたメンタル面の弱さの克服はもちろん、パス、ショット、グラウンドボールといった基礎的なスキルアップも欠かせない。「この悔しさを忘れないように次に向けて練習したい」(鈴木)。今大会で味わった悔しさを胸の奥に刻み込み、一日一日の練習を大事にしていきたい。

(記事 石井尚紀、写真 村上萌々子、加藤千咲) 

結果

▽予選Fブロック

1試合目

○7-0 大妻女大・埼玉大・東経大合同チーム(得点者:倉田3、中谷2、山邊、進藤)

2試合目

●1-2 立大β(得点者:倉田)

コメント

倉田結生子学生コーチ(国教4=東京・青山学院)

――サマーステージが始まるまでに1年生にはどのようなことを伝えてきましたか

ラクロスの技術の面と女子ラクロス部のチームの一員としての意識や気持ちの面を選手に伝えたいと思ってもう一人の南(佐久間、スポ4=東京・国分寺)と一緒にやってきました。

――1試合目は7-0と圧勝しました

得点にも表れているようにすごい勢いがあって、一人一人が攻め気を持ってゴールに向かえていたのが点差につながったところかなと思います。でも、グラボ(グラウンドボール)を取り切るところであったりとかで詰めが甘いところがあったので、そこを次の試合ではしっかりと修正していきたいと話していました。

――2試合目は立大βにリードを許してしまいました

1試合目と比べて、すごくプレッシャーにくるところがあって、選手たちが焦っていたなとか、自分たちのプレーができなくてもどかしくしているなと感じていました。1試合目でもグラボが取れないという課題があったんですけど、そこが試合中に修正できなかったというところが1-2で負けてしまったというところにつながったと思います。

――2試合を通して、このチームの良さはどこにあると思われますか

攻め気というところは、しっかり試合で負けていても見せられたかなと思います。あとは、ベンチの人もしっかりと声を出して全員で勝とうという思いはあったと思います。

――残りの新人戦に向けてはどのようにチームを強化していきたいですか

きょう他の試合も見て、このままじゃ駄目だなというのが1年生みんな感じましたし、私たちコーチも感じたので、一つ一つボールを取るところから、この悔しさをバネに練習中から相手を意識して、やっていく必要があるなと思いました。

――最後に今後の目標をお願いします

次の新人戦は必ず勝って、優勝することが目標です。

DF鈴木明日葉学年キャプテン(スポ1=埼玉・浦和一女)

――試合を終えて今の率直な感想をお願いします

とりあえず負けてしまって悔しいというのが一番です。

――第1試合は7-0での勝利となりましたが、振り返っていかがですか

やっぱり初めての試合ということもあって少し浮ついてた部分もあったんですが、点を決めていくにつれて、練習してきた自分たちがやりたいプレーができたので、それはすごく良かったと思います。

――第2試合の立大戦はいかがでしたか

最初に1点を取られてしまったことや10分という短い試合時間の中でどうしても焦りが出てしまって、練習してきたプレーができなかったこともあるし、立大戦では自分たちの力が出せなかったことだけではなくて、相手に対して足りてない部分が少しずつ出てしまったかなと思います。

――ディフェンス面はいかがでしたか

ディフェンスはどうしても足が速い人に一発で抜かれてしまうことが多くて、警戒はしていたんですけど対応できなかったことが失点の原因になってしまったかなと思います。

――今後に向けてどのように取り組んでいきたいですか

まずは今までの期間で立大など、(早大に)勝っていったチームと差が出てしまったのはどういう部分なのかをしっかり考えて、気持ちの面から負けないように切り替えていきたいと思います。その上で技術であったりとか今回足りなかった部分をしっかり成長させて絶対次は勝てるように、この悔しさを忘れないように次に向けて練習したいと思います。

MF倉田瑠々(文構1=東京・早実)

――今のお気持ちを聞かせてください

この4カ月間はサマー(ステージ)で優勝することを目標にやってきて、いろいろとコーチに厳しく指導されたことや、自分たちの足りないものがたくさんあって、それでもチームで一つになってやってきたんですけど、決勝のステージに立てなかったことが悔しいです。あとはあの試合で1点取っていれば、決勝に進めたわけなので、それは私たちに足りなかったものが何かあって、次のウィンター(ステージ)までには克服して、必ず決勝の舞台に立ちたいと思います。

――1試合目はご自身の3得点もあり、勝利を収めました

自分が先制点を取って流れをつくりたいなと思っていたので、先制点を決めることができたのは良かったです。そこからも相手よりボールを奪ったり、ショットを決め切れて、3点取れて良かったです。

――2試合目は2点先行される苦しい展開になりました

1点目は向こうがうまかったというのがあるんですけど、2点目はもったいないファウルで点を取られてしまったのは、守り方とかにいろいろと問題があっただろうし、そこから挽回できるチャンスがあったのに、挽回し切れなかったのは、自分たちの雰囲気や実力不足だったところがあると思います。2-2でもいいから勝ちたいという、相手に気持ちの面で負けているところもあったので、そういうメンタル的な面で強くなっていきたいと思いました。

――今後はどのようなプレイヤーになっていきたいですか

アタックをもっと強化して、ここぞというところで決め切れる選手になって、MFになりたいと思っているので、ディフェンスでは点を入れさせないようなワセダのカベになれるような、オールコートのプレイヤーになりたいです。

――このチームでの今後の目標をお願いします

三冠はもう無理になってしまったんですけど、二冠を目指して、これからチームの編成から考え直して、経験者とか関係なく、ワセダが強かったと思ってもらえるようなチームにしていきたいと思っています。