勝利のために、得点力は必要不可欠。関東学生リーグ戦(リーグ戦)ブロック戦を4勝1敗で突破した早大のオフェンス陣を支えるAT滋野夏穂(人4=東京・桐朋女)、AT畑田奈美(スポ4=東京・法政女)、AT中川真菜(スポ3=大阪・茨木)、AT大山咲里桜(人3=東京・国学院)の4人にファイナル4への意気込みを伺った。
※この取材は10月24日に行われたものです。
「リーグ戦の怖さを感じた」 (滋野)
学年を超えた仲の良さが伝わってきました!
――4勝1敗で終えたリーグ戦5試合を振り返って
滋野 リーグ戦全部を通して1つのことをするというよりは、負けた試合もあったんですけど、一試合一試合をしっかり戦いました。このチームが始まってからは勝った試合も危なっかしいことが多くて。流れが悪くても後半で修正してしっかり勝つという練習や試合を通してやってきたことをリーグ戦でもやって勝つことはできたんですけど、課題も残して(次戦に)つなげてという感じでやって来られたと思います。
中川 初戦以外は、勝ったのにみんな喜ぶというよりかはずーんとなっていたイメージがあります。あまり「勝った!」というように爆発的に喜んだ試合がなかったので、そこが私は悔しかったです。
滋野 快勝はなかったよね。
畑田 自分たちが目指すことは日本一なので、勝つことが当たり前みたいになっていたからこそ、課題のところに目が行きがちでした。勝ったうえで(試合の)中身を見ちゃうという感じでしたね。
大山 個人的には毎試合反省の残る試合になったなと思います。
高身長を生かしたプレーと安定感のあるパスキャッチが特徴の滋野
――自身のプレーに得点をつけるとしたら何点になるますか
畑田 難しいですね(笑)。40点ぐらいですね、一応厳しめにつけたんですけど。やっぱり5試合を通して自分がやりたいと思ったことができたり、練習してきたことが逆に通用しなかったりといろいろありましたが、チームの勝利もそうですし、自分のやりたかったことが何個かできたので、40点かなと。あとはこれからのファイナル4以降次第という感じです。
滋野 50点ぐらいかなと思います。ここにいる2人(中川、大山)とか、3年生がバンバン点を取ってくれるので、4年生の自分の役割かなと思っているのは、俯瞰(ふかん)して冷静に見ることかなと思っていて。そこの部分は結構やっているつもりでいるので、そこだけなら70点ぐらいつけたいと思います。ただATでもあるので、4年生としても大事なところでしっかり点を決めなきゃという点では全然活躍できていなくて、それも加味すると50点ぐらいまで下がるかなと思うので、ファイナル4ではちょっと上げていきたいなと思います。
――先輩方は厳しめな点数でしたが
中川 私は超微妙ですけど、48点ぐらいです。半分にはいかないぐらいかな。去年も試合に出させてもらったんですけど、そのときは本当に何もできなかったという印象が強くて。それに比べるとことしは「この試合でこういうプレーをしよう」と思ったことをできたときもあったり、逆に去年と同様何もできなくて悔しい思いをした試合もあって様々な感じだったんですけど、それをどちらも踏まえて、結果的には半分にも達してないかなという感じなので、まだまだここから上げていきたいです。
畑田 低いなあ。謙虚なのか自信がないのか(笑)。
中川 それもあります(笑)。
大山 じゃあ55点ぐらいで。私は毎試合得点を決めるというのが目標で、それが達成できた部分は自分的によかったと思うんですけど、いつも目標とする点数よりは取れていないので、そういう部分ではもう少し自分でできたことはあるんじゃないかと思っています。私は他の人に比べて人を生かす役割ができず自分で行くことしかできないので、その分点を取らなきゃチームに貢献できないと思っていて。1点とかじゃなくてもっと大量得点しなきゃ私の役割は果たせないんじゃないかという点では低めです。あと気持ちがプレーに出ちゃうので、ちょっと強そうな相手だと駄目なんじゃないかなというのが出てあまりグイグイ行けなかったりしたのがマイナスです。
――リーグ戦で一番印象に残った試合はどの試合ですか
大山 私言いましたよね、この質問来るって(笑)。
中川 じゃあ咲里桜からで(笑)。
大山 私は青学大戦です。その前の日体大戦は、前半は出られたのですが後半は全然出られなくてめちゃめちゃ悔しくて。次の青学戦が集客試合で、一番活躍した人がMVPを取れると分かっていたので、日体大戦が終わった後すぐにMVPを取ろうと決めて、家でもMVPのインタビューの練習をしていました(笑)。
一同 (笑)。
畑田 (インタビューの受け答えが)うまかったもんね(笑)。
大山 実際に青学大戦はその気持ちのままプレーしたら5試合の中で割と一番いいプレーができて、MVPも取れたので、自分が掲げた目標が達成できてチームにも貢献できた点で青学戦が一番印象が良かったなと思います。
滋野 私は開幕戦の成蹊大戦が一番記憶に残っています。いま咲里桜は自分が活躍したのが印象に残ったと言いましたけど、私は(各試合とも)平均した感じなのでそれ以外の部分で、やはりリーグ戦の怖さがあるんだなというのを実感した試合だったので。もともと成蹊大は格下という風に見ていて初戦は勝てるかなという感じだったんですけど、先制されて危ない試合だったので、やっぱりリーグ戦はうまくは行かないなと思ったのがいまでも記憶に残っています。
畑田 私は日体大戦が結構印象深いです。去年も日体大に負けてファイナル4に行けなかったし、個人的にも日体大は因縁の相手というか、負けが印象強いというか。ことしはことしのチームでメンバーも違うし方針も違うんですけど、負け続けていたので勝てないんじゃないかと思ってしまう自分もいました。でもチームとしても硬くなった時間もあったんですけど、そういう相手に勝てたというところで、ことしのチームは行けるんじゃないかと私の中で一区切りついたというか、ことしはことしなんだなと割り切れた試合だったので、日体大戦が一番印象深いです。
中川 私も夏穂さん(滋野)と同じく成蹊大戦が印象に残っています。2点先制されてチームの雰囲気的にやばいと思って、それがリーグ戦の怖さだなと見せつけられた感じがしました。そのときに成蹊大のベンチや応援席がすごく盛り上がっている光景がいまでも思い出せるんですけど、それを見たときに、「でも大丈夫、多分喜べるのもいまだけだ」という風に思ったのが印象的で。それがことしのワセダのチームの強さを信じていることかなと思って、これからことしのチームの強みを信じていこうと思えました。
――逆に初戦でビハインドからのスタートになったことがプラスに働いている部分もあるのではないでしょうか
畑田 自分たちらしいなと思いました。いつもボロ勝ちとか余裕がなくて、ちょっとプレッシャーがある方が力を発揮できる人が多いので、追い込まれた方が(力を出せる)というワセダらしさというのは感じます。
中川 よく相対的な強さって言ってますよね。絶対的じゃないけど相対的に強いっていう。
――歴史的勝利となった早慶戦を改めて振り返って
一同 懐かしい(笑)。
滋野 めちゃくちゃうれしかったっていう、ただそれだけです。
――緊張はされましたか
滋野 私はしなかったですね。その前にも一度日吉で慶大と(練習試合を)やっていましたし。なんで緊張しなかったんだろう。
畑田 自信があったからじゃない?
滋野 私は2回目(の早慶戦)だったんですけど、1回目の時はすごく緊張していました。試合開始のドローを上げていたんですけど、周りがすごくうるさいし、いつもよりボールが速く感じるくらいでした。でもことしはいつもの練習試合かなっていうぐらい結構落ち着いていました。
大山 私は1か月前ぐらいから毎日緊張していて、試合前は「どうしよう…」っていうくらいめちゃくちゃ緊張していたんですけど、試合が始まってからはもうすごく楽しくて、あんな大人数の前で試合ができることがこんなに楽しいのかと思いました。試合が始まってからは緊張はしてなかったです。去年2年生のときはベンチにも入れなくて観客席でビデオを撮っていたので、ことしはこの舞台に立てて良かったなと思います。
「のびのびプレーできるようになった」(大山)
ボールを持って駆け出したら誰にも止められないと称される大山
――自身のプレーや精神面で去年に比べて変化、成長した点はありますか
畑田 やはり私は最高学年になったことが一番大きいです。去年はどこか人に甘えるところがあって、最後の決定的な場面とかもちょっと逃げ腰になっちゃうことがあったんですけど、ことしになって自分が4年生になると、逆に「そういう場面をありがとう」と思えるぐらいの気持ちの変化はありました。
中川 私は去年2年生だったので下級生という感覚が抜けなくて、先輩についていくという感じだったので、とりあえず先輩にチームとして迷惑をかけちゃいけない、ミスしてはいけないという気持ちがすごく強かったです。それで自分のプレーも小さくなっているなと感じるときもあったし、その気持ちがチームに貢献できてないんじゃないかって(思わせて)すごく悩んだ時期もありました。でも3年生で上級生になって、そんな考えをしていたらチームも自分も強くならないと思ったので、もう自分でATとして点を取りに行くっていう姿勢にガラッと変わりました。
大山 去年はAチームとBチームの間という感じでAチームでも試合に出られず、でもBチームでもないという感じで、リーグ戦とかもベンチには入っているけどただベンチにいるだけで、他人事で自分と関係ないなと思っている部分もありました。精神的にもリーグ戦のときに「じゃあ咲里桜出ろ」と言われて「私出られません」と言ってしまって、後でコーチにかなり怒られたりとか、練習試合でも出ろと言われても急にお腹が痛くなっちゃったりと気持ちが弱い部分があったんですけど、ことしに入ってからは、「私が点を取って私がワセダを勝たせる」という気持ちが芽生えて、もうどうしても試合に出たいし点を入れたいっていう気持ちでやっています。ことしは先輩が「好きにやっていいよ」って言ってくださるので、のびのびプレーできるようになって、それで変われたんだと思います。先輩のおかげです!
畑田 なんでヨイショしてるの(笑)。
滋野 私は最上級生になって、去年よりも意外とラクロスを楽しめているというか、自分のプレーに集中できていると思っています。去年は3年生でAチームにはいたんですけど、自分の持ち味とかが迷走していてどうチームに貢献すればいいのか考えたりとか、あと幹部だったので4年生の幹部の方といろいろ密接に話し合ったりしていたんですけど、そういうところで4年生が苦労しているのに対し自分がどう支えたらいいのだろうとか、プレー以外の所で(考えることが)きょねんの方が意外とありました。ことしはチーム全体としての雰囲気がすごくいいというのもあるんですけど、後輩もすごく心強いので、意外と最上級生になったら難しいのかなと思っていましたが予想とは違って、私自身ものびのびできているのではないかと思います。
――プレー面でのお互いの印象についてお聞きします。畑田選手のプレーについてみなさんはどう感じられますか
滋野 けるさん(畑田)はすごい仕事人というか、出てきたときにしっかり結果を出す人だと思います。早慶戦のときにMVPも取っていますし、出てきたらやってくれるなと(思える)すごく心強い人です。
中川 私はATの中でもゴールの裏のポジションを一緒にやることが多くて、一緒にやる人は何人かいるんですけど、一番けるさんが安心感があってやりやすいです。グラボ(グラウンドボール)とかも慌てずにパッと取ってくれるので、すごく信頼してます。
畑田 かゆいなあ(笑)。いいよ、咲里桜もおいで。
大山 けるさんが裏目で私が上目なんですけど、何も言わずとも目で分かり合えるので、安定感がある仕事人だなと思います。
畑田 ありがとう(笑)。
――次は滋野選手です
畑田 夏穂はやっぱり同期というのもあって一番信頼していて、背も高いししっかり練習しているので実力があるんですよ。だからもっと行ってほしいと思うしできるんですよこの人は。最近は前よりももっと出てきているので、夏穂が活躍しているのを見るとうれしいし、やっぱりショットがうまいです。
中川 夏穂さんはショットがラクロスじゃないというか。本当にかっこいいんですよ!私が個人的にすごく好きなのが、夏穂さんがドローをセットしているときに、「夏穂さんドロー一本!」って言ったら、「はーい」って落ち着いたトーンで言うのがすごく落ち着きます(笑)。
一同 (笑)。
中川 本当に安定感があって私がどんなパスを出してもいつも取ってくれるので、(チームに)欠かせないです。
大山 夏穂さんはどんなに適当なパスを出しても絶対取ってくれますし、お二方が言っていたようにショットが上手くて、身長もあるからどんな角度でもコースでも入るのですごいと思います。夏穂さんがもっとゴールに向かえばもっと怖さを与えられると思います。あと視野が広いなと思って、ここで(パスが)欲しいなと思った所に必ずパスを出してくれるので、すごくありがたいです。いつもありがとうございます。
――続いて中川選手に参ります
畑田 真菜(中川)は柔軟というか、プレーが柔らかくて、キャッチしてから1on1という流れがスムーズで、自分がディフェンスだったら嫌だろうなって思います。こういう癒し系の見た目だけど、ゴールに対する強い気持ちもちゃんと持っているので、一緒にやっていて楽しいし、すごく信頼してます。
滋野 真菜の最初の印象はすごく上手だなというイメージで、キャッチも上手でショットも器用に入れるなと思いました。最近はゴールに向かう姿勢が強かったりと、うまいところと強いところのバランスがいいなと思っています。ここぞというときにはゴールに向かってまっしぐらで、一緒にATをやっていて心強いです。
大山 真菜は人を生かすプレーが上手だし、自分で行くところではちゃんと行くという両方を使い分けることのできるプレイヤーなので、私にない所がたくさんあってすごいなと思います。あと真菜はショットとかフェイクも上手で、そこも自分にない所です。
中川 ありがとう(笑)。
――最後に大山選手です
畑田 うちのエースで、やっぱり咲里桜がゴールに向かったら誰にも止められないので、見ていて「行っちゃえ!」って思うし、やっぱりそうやって咲里桜みたいな得点をガンガン取れる人がゴールに行ってくれると私たち他のATももっと頑張ろうって思います。あとやっぱり素直なので、活躍したらちゃんと喜ぶし…あ、これプレー面か(笑)。1on1が上手いです、エースです。
大山 ありがとうございます(笑)。
滋野 生粋のATだなって思います。うらやましいぐらいに恐れなくゴールに向かっていくので1on1はめちゃくちゃ怖いし、(ディフェンスが)薄いところで咲里桜に投げたら私は全部「ゴー」って言っちゃうし(笑)。「行っちゃえー」って感じでいつも見ているんですけど、最近はそれをしながらもしっかりパスとかも出せるので、さっきは「自分は周りを生かせない」とか言ってたんですけど、最近は全然できています。
中川 私が1on1を仕掛けてから無理だと思ったときは咲里桜へのパスで全てを託すことが多いので、そのときの安心感と言ったら(半端ないです)。私はゴール裏にいることが多いんですけど、咲里桜がショットに行くときの顔つきとかがめっちゃ怖いので、それが咲里桜の強さだなと思います。
畑田 怖いね、鬼だよね(笑)。
「ことしのATは仲良し」(畑田)
仲間に安心感を与えられる心強い存在、畑田
――普段の皆さんの印象やキャラクターについても順に伺わせてください。まずは畑田選手です。
滋野 ムードメーカー。人を笑わせたりするのがめっちゃ好きですね、結構滑ってるんですけど(笑)。でも本当にその場の空気を盛り上げてくれます。
畑田 他にあるでしょ、絶対(笑)。
滋野 えー、真面目になっちゃうなあ(笑)。でもめっちゃ真面目です、この人(笑)。欲がないというか超自立してる。これを頑張るって言ったらそれにしっかり時間をかけて自分で管理して、それでよく体調も崩したりするんですけど(笑)、信じられないくらい真面目な方です。
畑田 体調崩すよね。気を付けよう。
中川 けるさんは面白い路線で、後輩や同期にもそうですけどちょっかいを出してます。私が言うのもあれですけど、けるさんがそうしてくれるから4年生といまの3年も仲がいいのだと思うし、私たちの学年は先輩に(話しかけに)行けない人がいるので、けるさんを中心に先輩が(後輩のところに)逆に来てくれてすごく喜んでます(笑)。みんなのことを見てくれているなという感じです。
畑田 体調悪くなってきた(笑)。
一同 (笑)。
大山 けるさんは面白いしすごく真面目だなと思います。プレー面になるんですけど、毎日誰よりも早くグラウンドに来てショットの練習しているところとかめっちゃ尊敬できます。でも闇が深い部分もあって、そこも面白いです(笑)。
畑田 闇深いんですよねー。ファウルされるとちょっとやり返してやろうとか、そういうところはあります(笑)。
――滋野選手については皆さんどう思われていますか
畑田 夏穂はいい意味でも悪い意味でも適当なので、何か言っても軽く聞いてくれて、悩みも相談しやすいです。あとは後輩と関わるのがちょっと苦手なんですよ。でもことしのチームになってから彼女なりに一生懸命後輩に話しかけていて、かわいいなと思って見ています。あと試合中も私たち他のATとかが得点を決めるとすごく喜ぶんですけど、自分が決めたときは「あぁ」みたいな(笑)。ちょっと喜ぶのが下手くそで本当に自分よりも人を大切にするというか、もっと自分の評価を高くしてもいいんですけど、人のことは大切にしています。いい人です。
――畑田選手とは少し性格が違うのですか
畑田 真面目さが全然違うんですよ。私は生真面目で、(比べると滋野は)全然真面目じゃない(笑)。でも話していると気は合います。
中川 夏穂さんは優しいです。何でも話を聞いてくれるし、話しているときはいつも微笑んでくれているので、こんなお姉ちゃんがいたらいいなみたいにいつも思っています。そういう包容力があるので、ほっこりします。何でもしゃべれるし。私が1年生で先輩が2年生だった時の嬬恋(つまこい)合宿で、何かの試合のときに私がミスしまくってすごく落ち込んでいたときに、多分覚えていないと思うんですけど、夏穂さんが肩組んでくれて「大丈夫だよ」と言ってくれて…。
滋野 覚えてないよ!恥ずかしい(笑)。
中川 「夏穂さんが肩組んでくれた!」みたいな忘れられない出来事で、泣きましたそれで(笑)。私がひっそり泣いていたのに気づいてくれたんですよ。
大山 夏穂さんは、けるさんも言っていたんですけど適当な感じがすごく好きです。それでオンでもオフでもめっちゃ優しくて、人のミスとかも「大丈夫」って受け入れてくれるし、すごく優しいです。オフでは一緒にご飯行くとめっちゃ楽しいです。彼氏作りましょう(笑)。
滋野 やばいやばい、くだらない方向に進んでいく(笑)。
大山 でも夏穂さんはオフでもっと一歩踏み出して、世界広げてください(笑)。
――中川選手に参りましょう
畑田 真菜は本当に絵に描いたようなかわいい後輩です。かわいいんですよ(笑)。いつ見てもこのままニコニコしてますし、裏表がないんですよ。でも試合中は変顔をよくします。一生懸命になると顔が変になるんですよ。早スポさんが撮っていただいた写真にきっとひどい顔の写真があるはず。
中川 でもあれはひどいです本当に(笑)。
畑田 でもいつもこんな感じだし、本当に素直なので、かわいいです(笑)。
中川 ありがとうございます。
滋野 私は本当に後輩が苦手な人間で、この2人もちょっと怖いなと思っていたんですけど、真菜は本当に裏表がないというか。多分同期にも先輩にもそんなに差なく接してくれるような感じなので、「先輩!」みたいなスタンスで来られると私も「後輩」みたいに思うんですけど、真菜とかだと、平等にというか、私も自然に話せるなって思います。いい後輩です。
中川 うれしいです。
大山 真菜はやっぱり顔もかわいいし、中身もすごくほんわかしていてかわいいし、どんな話にも笑ってくれるし、すごくモテる感じです。女ラクの「彼女にしたい」ランキングNo1なんですよ。なので嫉妬します(笑)。性格も良くて、できた子です。
――大山選手はいかがでしょう
畑田 入学当初は先輩に対してのバリアというか、同期に対する態度と先輩に対する態度が全然違うというか、あんまり話しちゃいけないんだろうなという感じでした。でもだんだんと(心を)開いてきてくれたので、一緒のチームで同じポジションだから、思っていることも言ってくれるし、くだらないこともしゃべれるし、面白いし、このキャラもあるので、本当に咲里桜がいてくれるとチームが明るくなります。ことしATがすごく仲良しなんですけど、やっぱり咲里桜の存在は大きいなと思います。咲里桜がいてくれるとみんな安心するのかな、逆に安心できないのかな(笑)。なので、太陽じゃないけど太陽です。ATには欠かせない存在です。滋野 咲里桜は面白いと変人とが紙一重で、ATはことし本当に仲良くて、咲里桜をいじって楽しむみたいな感じが一般的な盛り上がり方なので、本当に欠かせないです。最近ご飯にも行ってくれて、めっちゃ楽しいんですよこれが(笑)。
畑田 いいなー、連れてってよ。
中川 咲里桜はみんなの輪の中心にいる感じですね。咲里桜がめっちゃテンション高いとみんなもテンション高くなるし、咲里桜の気分が沈んでいるとみんなもなんとなく気分が沈むんですよ。本当に中心にいるし、有名人です。学校でも、咲里桜っていう名前をみんな知っているみたいな感じで。
大山 マジで!?
滋野 悪目立ちじゃん(笑)。
中川 面白さは本当にずば抜けてるんですけど、咲里桜は人の気持ちをちゃんと考えてあげられる人で、一緒に泣いてくれる人なんですよ。そういう一面も持っているんです実は。
滋野 仲間思いです。
中川 見たら突然泣いているというときもあります。誰かのことを考えて。
畑田 3年生の中でAチームじゃない子とか、辞めそうな子とかとも一緒に泣くというか、すごいんですよこの人。一緒に悩むタイプというか、こう見えていい人です。情に厚い人です。
中川 あとやたらと心配性です。すぐ「自分の体調大丈夫かな」みたいな(笑)。総じて面白いです。
――ここまでは他己評価でしたが、次はご自身の趣味やはまっていることについてお伺いします
滋野 はまっていることかあ…。
中川 最近何してるっけ(笑)。
畑田 私は洗濯ですかね(笑)。洗濯自体は好きじゃないんですけど、柔軟剤にこだわりがあって、畳んでいるときにふわっていい匂いがすると成功したなって思うんですよ。それが幸せです(笑)。
一同 (笑)。
畑田 タオルとかも使っていていい匂いがすると「はあ~」ってなりますね(笑)。
滋野 地味だね(笑)。
畑田 生活の中心がラクロスだから、そういうことしかないんですよね(笑)。
滋野 私はけるとは違ってオフがあったらアクティブに遊ぶタイプなので、買い物に行ったり映画を観たりするんですけど、映画を観るのはすごく好きですね。オフの前日は契約して動画を見られるやつとかを夜中の2時くらいまで見ていたりします(笑)。
中川 私は友達と出掛けたり、用事がなくても1人でどこかに行くのが好きです。最近は原宿とか表参道あたりを散策したりしますね。
畑田・滋野・大山 かわいい~(笑)。
中川 あと空の写真を撮るのが好きです。千明(細見副将、DF、文構3=千葉・昭和学院秀英)とかに「お前メルヘンかよ」って言われて一時期やめていたんですけど(笑)、でもやっぱりいいなって思ってやっています。
畑田 たまに空の写真送ってくるよね(笑)。
中川 めっちゃ撮ります(笑)!
大山 私は女ラクと遊んでいます。ちょる(AT足立真菜、文構3=東京・国学院久我山)とともよ(MF中村知世、スポ3=東京・錦城)とちさ(DF冨田知沙、政経3=早稲田佐賀)と私あたりでご飯を食べたり、どっかに行ったりしています。
中川 ガチャガチャは?
大山 ガチャガチャは結構前に一時期はまって5000円くらい使ってました(笑)。
――何系のガチャガチャですか
大山 仏像コレクション(笑)。
一同 (笑)。
大山 今は女ラクの人と毎日同じ話をして過ごしてます!
――先ほど滋野選手と大山選手がよくご飯に行くという話をされていましたが、そのような学年を超えた交流は多いのですか
畑田 結構多いですね。よくAT会とかもします。ATメンバー7人くらいで、2年生の山田美帆(AT、社2=米国・サウスブランズウィック)の家が広いので、そこに先輩が押し掛けるっていう(笑)。
中川 そろそろまたやりたいです(笑)。
畑田 この間何やったっけ?
大山 タコパ?
中川 花火もやったり。
大山 やったね。
畑田 他にもポジション関係なく○○会みたいなのはやったりします。
――そういうときはやはり4年生のほうから声を掛けられるのですか
大山 その場の流れで。思い付いた人が名前を付けて。
畑田 でもよく練習後に一緒にお昼ご飯食べに行ったりもするよね。学年は関係なくって感じです。
――部全体で仲が良いですよね
畑田 3年生がなめてるんですよ(笑)。
中川 先輩たちが優しいから、気付いたら同期かと思っちゃう(笑)。
畑田・滋野 おいおい(笑)。
畑田 さっきも(対談後の)「色紙に何書く??」みたいな感じで話し掛けてきて(笑)。
中川 たまにぽろっと出ちゃいます(笑)。
畑田 しゅん(MF岩田菜央美、スポ3=神奈川大付)とかはタメ口なので(笑)。
――そんなに気にはされない感じですか(笑)
畑田 まあいっかって感じです(笑)。でも変に避けられるよりはタメ口で話し掛けられた方がうれしいです。心を開いてくれているのかなって思えますね。
大山 私は絶対(タメ口は)嫌ですね(笑)!!!
滋野 うちら緩いのかな(笑)。
畑田 かもね(笑)。
中川 先輩たちが本当に優しいんですよ。
「気を抜かずに走り抜けたい」(中川)
自らゴールを狙うだけでなく、仲間を生かしたプレーも得意な中川
――ファイナル4の相手は東海大ですが、勝負のカギはどこにあるとお考えですか
中川 東海大を黙らせること。違うかな(笑)?
大山 やっぱり波に乗らせないこと。
滋野 どんちゃんした感じのチームで勢いもあるので、そこに飲み込まれないようにしっかり自分たちの力を出し切ることがカギかなと思います。
――先制点も大事になってきますね
一同 そうですね。
畑田 でも先制点苦手なんですよね(笑)。先制点とられても「まあいけるかな」って思えちゃいますね。
――ファイナル4でのご自身の目標は決まっていますか
大山 必ず点を取ることです!
――何点取りたいと考えていますか
中川 いつもは言わないんですよね。
大山 うーん…。1点取れたらうれしいです(笑)。
中川 控えめ~(笑)。
――原選手(ひかり、MF、3=東京・成蹊)は「3点狙います!」とおっしゃっていましたが
大山 じゃあ私は4点狙います(笑)!
滋野 (原が)3点取るんだって、楽しみだ(笑)。
中川 私はもちろん点を取りたいですし、そのほかの面では相手のディフェンスを崩して、相手のディフェンスがワタワタしている場面をつくりたいです!
滋野 私は2点とか3点とか言わず、1点取りたいです(笑)。あとはさっきも言ったようにいつも通りのことをやるのが1番のカギだなって思うので、落ち着いたプレーで相手のディフェンスを崩していきたいと思います。
畑田 私もATである限り得点は取りたいです。あとはグラボ(グラウンドボール)とかパスキャ(パスキャッチ)とか、基礎のところで相手を圧倒できるように、この人に勝てないなって思わせるようなプレーをしたいです。
――注目選手を挙げるとしたらどなたですか
滋野 私は2年生の山田美帆さんに注目かなって思っています。東海大はドローがすごく強いんですけど、彼女もドローで結果を出してくれているので、いつもドローで勢いに乗っている東海大からワセダがドローを取れたら勢いに乗れると思うので、そこに注目かなと思います。
畑田 私は平野さん(響子、MF、スポ4=茨城・土浦二)ですかね。DFリーダーとして平野さんが率いるワセダのディフェンスを見てほしいです。ATも見てほしいんですけど、ディフェンスが強いワセダなので、ディフェンスにも注目してほしいです。
中川 私はGの小川みおさん(スポ4=東京純心女)です。ここぞというときにバンバン止めてくれるのがかっこよくて。AT側から見ていてもテンションが上がるし、逆に点を取らなきゃって思えますね。東海大のショットもうまいんですけど、それをバンバン止めてくれると思います!
大山 私もみおさんって言おうと思ってたのに…。
中川 被っちゃったね(笑)。
大山 じゃあ私はむぎさん(MF鳥羽麦穂、スポ4=)で!むぎさんは目立ったプレーをする選手ではないんですけど、すごくうまいんですよ。ゲームコントロールもできるし、視野が誰よりも広くて。むぎさんがパスをして、そのパスを受けた人がショットを打つ場面が多いので、むぎさんのゲームコントロールと視野の広さに注目です!
――では最後に、ファイナル4に向けての意気込みをお願いします
畑田 私たち4年はここから先は負けたら引退で、やっぱり4年間ずっとやってきたことをここで終わらせたくないっていう思いが強くて。あとかわいい後輩たちと一緒にまだまだラクロスしたいので、走れなくなるくらいまで全部出し尽くすつもりでやっていきたいと思います。
滋野 勝ったら初のファイナル進出、負けたら私たちは引退という厳しい状況になると思うんですけど、勝ったら歴史を変えられるという方にすごく楽しさを感じているので、絶対に勝ちたいと思っています。私はチームのみんなと喜ぶのが一番の目標というか、やりたいことなので、勝ってみんなでフィールドでよろこべたらいいなって思っています。
中川 チームとして日本一になるまですぐだと思うので、1戦1戦気を抜かずに走り抜けたいと思います。
大山 大好きな先輩たちをここで引退させるわけにはいかないので、自分たちの全部を懸けて東海大に勝って、日本一への道を作りたいと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 高橋豪、小川由梨香)
ファイナル4に向けた一言を書いてくださいました!
◆畑田奈美(はただ・なみ)(※写真左)
1994年(平6)11月5日生まれ。身長164センチ。A型。東京・法政女高出身。スポーツ科学部4年。けるさんと呼ばれ同期からも後輩からも慕われている畑田選手。対談中にほめられると「かゆい」と気持ちを表現されていました。突き抜けて明るく見えるようですが、実は生真面目で闇が深いようで…。とにもかくにもグラウンドでは早慶戦MVPの「仕事人」がワセダを盛り立てます!
◆滋野夏穂(しげの・かほ)(※写真左から2番目)
1994年(平6)7月21日生まれ。身長171センチ。B型。東京・桐朋女高出身。人間科学部4年。後輩が苦手とおっしゃっていた滋野選手ですが、後輩思いの優しい先輩だと分かるエピソードが次々に飛び出してきてどちらが本当か分からくなってしまいました。「バットを振るよう」だと評された女子部一の長身を生かした多彩なショットを決めて、喜びを爆発させてください!
◆中川真菜(なかがわ・まな)(※写真右から2番目)
1996(平8)年3月27日生まれ。身長157センチ。O型。大阪・茨木高出身。スポーツ科学部3年。「恥ずかしいからやめておきます」と言われてしまい今回は掘り下げられませんでしたが、料理が得意らしい中川選手。原宿・表参道散策に加え、女子力の高さが際立ちました。相手のディフェンスを崩してチャンスをつくりだします!
◆大山咲里桜(おおやま・さりお)(※写真右)
1995(平7)年3月30日生まれ。身長153センチ。A型。東京・国学院高出身。人間科学部3年。ことしの早慶戦あたりから、試合前にはG小川みお選手(スポ4=東京純心女)にブラウニーを作っているという大山選手。他の選手が頼んでも「みおさんに作ってるんだから!」と断っていました(笑)。大好きな先輩のため、ゴールを決めてチームを勝利へ導きます!