力の差を見せつけ、リーグ戦白星発進!

女子ラクロス
前半 後半
早大
成蹊大
▽得点者
原2、大山2、永廣2、小谷、平野響、中川

 5月に行われた早慶定期戦(早慶戦)で10年ぶりの勝利を上げた早大女子ラクロス部。日本一に向けて、2年ぶりの関東学生リーグ戦(リーグ戦)ファイナル4進出に期待がかかる。その初戦となったこの試合、序盤はディフェンスがうまく機能せず、成蹊大にいきなり2失点を喫してしまう。しかし、落ち着きを取り戻すと逆転に成功し、終わってみれば9-3。リーグ戦初戦を白星で飾った。

 ディフェンス陣が浮き足立ってしまった。相手のポゼッションから始まると、守備のかたちが整わないうちに、開始1分で先制点を献上してしまう。その直後にも自らのミスでチャンスを与え、再び失点。立ち上がりは安定感を欠いてしまった。しかし、タイムアウトで気持ちを整え、早大は徐々に調子を上げていく。8分にMF原ひかり(人3=東京・成蹊)がゴール正面からのショットに成功。12分にはAT小谷英里主将(国教4=東京・大妻多摩)が同点ゴールを決め、試合を振り出しに戻す。ドローでチャンスをつくれないながらも、MF平野響子(スポ4=茨城・土浦二)やAT中川真菜(スポ3=大阪・茨木)などが得点を重ね、ペースをつかんだ早大。5-2で前半戦を終えた。

2年生の永廣も、2得点の活躍

 好セーブが光った後半戦。成蹊大のオフサイドで好機を得た早大は、開始5分、平野響からパスを受けたAT大山咲里桜(人3=東京・国学院)が相手を巧みにかわしてシュート。相手にフリーシュートの機会を与える場面も見られたが、G小川みお(スポ4=東京純心女)がゴールを防ぎ、ピンチを切り抜けた。10分にはAT永廣めぐみ(スポ2=米国・ラファイエット)がリーグ戦自身初得点を奪取。「チャンスをもらったのでやり切らなければいけないという気持ちでした」(永廣)との言葉通り、12分にも永廣が追加点を挙げ、点差は7点に。終盤1点を失ったが、途中出場のG志賀彩世(人3=大分舞鶴)も堅守でチームに貢献。9-3で勝利をつかみ取った。

後半途中から出場した志賀も、スタメンの小川とともに好セーブを連発した

 下級生の活躍やゴーリーの鉄壁で点差を広げたこの試合。チャンスをしっかりとものにし、ピンチの場面でも相手を勢いづかせることはなかった。しかし、ほとんどを相手ボールにしてしまったドローには課題が残る。「オフェンスの機会に対して入った点数の割合としては悪くなかった」と川上順久女子部ヘッドコーチ(平10理工卒=東京・早大学院)が語るように、得点力のあるチームであるからこそ、ドローで多くの好機をつくっていきたいところだ。次戦の相手は2年連続で悔しい敗北を喫している日体大。自信を胸に、屈辱を晴らしてほしい。

(記事 後藤あやめ、写真 岡田静穂、中川歩美)

コメント

川上順久女子部ヘッドコーチ(平10理工卒=東京・早大学院)

――リーグ戦初戦となるきょうの成蹊大戦でしたが、どのような試合にしていこうとお考えでしたか

リーグ戦初戦ということもあり、我々もそうですし相手も硬くなることが十分あり得るので、戦術どうこうというよりはしっかりやってきたことをやって目の前の相手に勝っていこう、思いっきりやっていこうということをテーマに試合に臨みました。

――9-3での勝利となりましたが、この結果をどのように感じられていますか

序盤はやはり硬くなってしまってあってはいけないようなミスも続いたんですけど、1点取ることによって平常心を取り戻して、途中けが人も出ましたけど2年生を含め多くの選手を起用する中での9-3での勝利だったので、実のある試合だったかなと考えています。

――序盤に2点相手に先制されましたが、その失点は動きが硬かったことによるものなのでしょうか

2点取られた取られ方というよりは、その前のオフェンスだったり中盤でミスをしてディフェンスの機会を多くつくってしまったことが原因なので、致し方ない2点だったかなと思います。

――早慶戦からリーグ戦までしばらく期間が空きましたが、その間どのような点を強化されてきましたか

早慶戦でできたチームの強みにプラスして、層を厚くしたり選手の組み合わせのバリエーションを増やす工夫をしてきまして。きょうはまだその結果が出ていませんけど、その辺を徐々に精度アップしていけるようにはしてきました。

――けが人が出てしまった後、選手に動揺などは見られましたか

そうですね。動揺もあったのか、その後バタついてはいけない場面で4年生を含めてパスキャッチのミスだったりがあったので、そこは課題かなと思います。

――オフェンス陣は9得点となりましたが、得点力についてはかなり良い状態であると言えるのでしょうか

そうですね。オフェンスの機会に対して入った点数の割合としては悪くなかったと思います。あとはそもそものオフェンスの機会をどれだけ増やせるかというところだと思うので、その辺を詰めていきたいと思います。

――きょうはGのナイスセーブも多かった印象を受けました

特に後半は2人目のGを出して彼女が結構止めていたので、そこはチームとしても収穫だったと思いますし、本人の自信にもつながったと思うので良かったと思います。

――次は日体大との対戦になります

ここ2年苦杯を喫している鬼門の相手で、次が前半戦のヤマ場だと思うので、チームとしても日体大戦に合わせてピークをつくっていきたいです。

――次戦への意気込みを聞かせてください

ここ2年大事なところで(日体大に)負けてファイナル4に行けていないので、チーム全員で絶対に勝ちに行きたいと思います。

AT小谷英里主将(国教4=東京・大妻多摩)

――リーグ戦初戦となりましたが、きょうはどのような意気込みで試合に臨まれましたか

きょうは圧勝するという意気込みで、あと落ち着いてしっかり自分たちのペースを初戦から持っていけるようにというのを意識してやりました。

――実際に試合を終えてみて、今のお気持ちを聞かせていただけますか

しっかり圧勝できたことは良かったんですけど、課題も見つかるいい試合だったと思います。

――具体的な課題は何か見つかりましたか

最初のドローの課題や試合の入りだったり、自分たちのペースでなくなってくるときにいかに立て直すかということ、あとはハプニングが起きたときにみんなでもう一度立て直していくメンタル的な部分など、いろいろな課題が見つかりました。

――相手に2点先制されてしまいましたが、その時間帯のワセダのプレーをどう捉えていらっしゃいますか

ワセダは試合の入りが前からの課題で、今回も最初の入りは先制点を取られてしまうという結果だったのでそこもきょうの課題となってくるんですけど、良くも悪くも良くあることなので全員落ち着いて全然大丈夫だなという心持ちでいました。

――小谷選手自身もきょう得点を決められましたが、その時のお気持ちを覚えていらっしゃいますか

その時は1-2で負けていて、決めてとりあえずイーブンに持ち込まないといけない状況だったので、とにかく1点決めようと思いながら打ちました。

――後半にけが人が出てしまうハプニングもありましたが、その後のプレーに影響はありましたか

マンダウンもあったので、ちょっと気持ちがばらついてしまった時間もあったと思うんですけど、最後の最後にもう一回点を入れ始めた時にはしっかり立て直せたかと思います。

――2点先制されたあとはワセダが点を取り続けるという流れでしたが、試合の流れが変わるプレーや時間帯があったというよりかは自分たちの調子が上がっていったということなのでしょうか

そうですね。私たちとしてはバタついてしまったことも点を取り始めたこともいつも通りのことと思ってプレーし続けました。

――平常心が大事ということですね

そうですね。

――次の日体大戦はヤマ場となってくると思いますが、どのような点に気を付けていきたいですか

きょう見つかった課題をしっかりつぶしていって、日体大への対策もしっかり練っていきたいと思います。

――何点差をつけたいというイメージはありますか

厳しい試合になるかもしれないんですけど、私たちは1点でもリードして勝てれば良いと思っています。3点差くらいつけたい気持ちはあるんですけど、厳しい試合でも、1点差であっても勝ちに行きたいと思っています。

――最後に次戦への意気込みを聞かせていただけますか

2年連続で負けている日体大が相手ということで、ここで勝てばファイナル4への道が見えてくるので、全員でしっかり勝ちに行きます。

G小川みお(スポ4=東京純心女)

――きょうはリーグ戦初戦でしたが、どのような意気込みで臨みましたか

早慶戦(早慶定期戦)があったので、私たちが組織練をやっているところで、他のチームは基礎練習をやっていたりと当たり前のことを練習していました。早慶戦のない他のチームはそこにフォーカスしてやってきていたので、リーグ戦を迎えるまでは自分たちは基本技術などを中心にやって、それを踏まえた組織力の強化を、合宿なども含めてやってきました。

――リーグ戦直前の合宿はいかがでしたか

たくさんのOGさんが練習に参加してくださったので、まずは感謝を伝えたいです。グラウンドボールやショットなどの基本的なところは特にこだわってやりました。

――実際にはきょう戦ってみていかがでしたか

試合の入りの部分で自分たちディフェンスが少し浮き足立っていて、1失点してから平常心になりました。成蹊大の方が落ち着いてゲームコントロールをしてきたので、試合の入りが良くなかったなと思いました。

――2失点した後にタイムがありましたが

コーチに「自分たちのいつも通りのプレーをしろ」と言われました。まずは自分たち自身を落ち着かせて、やるべきことは何かということを明確にしました。

――フリーシュートなどピンチの場面での好セーブがありました

入りのフリーシュートの失点はしょうがないと思いますが、2失点目は止めるべきところだったので、自分的にはまだまだだと思っています。成蹊大の攻めに対してゴーリーからコントロールできなかったので課題ですね。

――初戦を終えて、克服していきたい課題は

次の日体大は過去2年間負けていて、因縁の相手でもあります。今のゲーム内容やドローには修正すべきところがあります。ディフェンスの入りの部分も直して、基本技術のところはもっと精度を上げていきたいです。 そこがちゃんとできれば十分戦える練習をしていると思います。

――次の日体大戦に向けて意気込みをお願いします

去年の日体大戦は勝てばファイナル4進出に望みがつながりました。最後自分がゴールに入らせてもらっていて、止めれば流れが来たかもしれないという場面で防ぎ切れずに、先輩を引退させてしまったということがすごく心残りです。直接戦えることはうれしいですし、借りをしっかり返したいです。去年のディフェンスがみんな残っているので、全員で戦っていきたいと思います。

MF原ひかり(人3=東京・成蹊)

――本日の試合がリーグ戦、初戦ということでどのような気持ちで臨まれましたか

負けたらこの夏が終わってしまうので、力を入れて臨みました。

――今日の試合で勝利をおさめての感想をお願いします

最初、デイフェンスで向こうのペースで持っていかれてしまったのですが、チームとしては落ち着いていたので、途中から自分たちのペースでやることができて良かったです。

――序盤で2点先制されて、チーム初得点が原選手でした。決められたときのお気持ちを教えてください

そのときは2点ビハインドで、とりあえず「自分がやらないと」という気持ちを持って臨もうというのは、ATの方でも話していたので、自分で点を決めにいこうという一心でした。

――その後逆転し、ワセダのペースで試合が進んでいってからの2得点目を決められて、そのときはどのような気持ちでショットを打たれましたか

そのときは自分たちのペースだったので安心して、ゴールできるか不安だったのですが、いかせていただきました(笑)。

――リーグ戦を通じての原選手個人の目標を教えてください

個人の目標としては1年生の頃から安定した頼れるプレーヤーになることが目標だったので、今3年生なのですが、チームに必要な存在として、ファイナル進出に向けて貢献できるように頑張っていきたいです

――次戦の日体大戦がヤマ場になると思うのですが、それに向けての意気込みをお願いします

きょうはもう終わったので、次の日体大戦に向けて全員で頑張っていきたいと思います。

MF永廣めぐみ(スポ2=米国・ラファイエット)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

最初、2点取られてワセダが後を追う感じになってしまってちょっとだけ焦ったのですが、その後にワセダらしいプレーをしていて、また私も試合に出させていただいてシュートを決めることができたので、いままで努力してきて良かったなと思いました。

――リーグ開幕戦でしたがどのような意気込みで臨まれましたか

私はベンチには入っていたんですけどスタートからは出られなかったので、いかにチームを盛り上げるかというのをまず考えていました。そしてもし試合に出られたら、全力でプレーしようという気持ちでいました。

――ピッチに入ったときのお気持ちをお聞かせください

チャンスをもらったのでやり切らなければいけないという気持ちでした。最初から私が得意とするゴリゴリのプレーをしました。

――リーグ戦初得点となりましたね

ピッチに入ってすぐにシュートを決めたときは夢かなと思いました。とてもうれしかったです。

――続けて2得点目を決められましたがいかがですか

1点でも取りたいという気持ちで臨んだのですが、まさか2点も取れるとは思っていなかったのでとてもうれしいです。

――きょうの試合で見つかったご自身の課題があれば教えてください

イエローカードを出してしまって、チームに大きな影響を与えてしまったので、そこは自分で抑えてしっかりディフェンスをつけるように、声掛けとかもしていこうと思いました。

――リーグ戦を通してのご自身の目標をお聞かせください

私は2年生で先輩方にいろいろ教わっている立場なのですが、リーグ戦を重ねるにつれて自分自身でも成長していけたらと思います。

――次の相手は日体大ですが、次戦に向けて一言お願いします

まずは自分の強みをアピールしていって、もっとワセダに必要とされるプレイヤーになりたいです。