前半 | 後半 | 計 | ||||||||
早大 | 6 | 2 | 8 | |||||||
東大 | 2 | 7 | 9 | |||||||
▽得点者 青柳2、江川2、阿部2、佐久間、大仲 |
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「ふがいない試合だった」(AT小野真礼、社4=千葉・成田)。4年生とBチーム、Cチームが出場したこの試合。前半はワセダがゴールを次々に決め圧倒するも、後半は相手のペースに飲み込まれて7失点を喫し敗北。あすの早慶定期戦(早慶戦)に向けてチームに弾みをつけることはできなかった。
立ち上がりは完璧だった。「前半はすごく良い流れに持っていけた」(青柳)。試合開始のドローのグラボを取ると、パスも上手くつながり相手にボールを触れさせない。そして前半5分にMF青柳七瀬(スポ2=千葉・国府大女学院)が先制点を決めると、前半7分までの間に一挙4得点。その後も誰かがボールを落としたときにはグラボを取り、カバーしあいながらAT江川千恵(国教4=神奈川・川和)のランニングシュートなどで得点を重ね、前半15分で6-0までリードを広げる。終盤は東大がフリーシュートなどで2点を決め、6-2で前半を折り返した。
この日2得点を決めた青柳。最後のフリーシュートを決め切れなかった悔しさをあらわにしていた
後半開始のドローは東大が奪い、そのままシュートを放つがG辰巳紗希穂(社4=埼玉・早大本庄)が弾く。リバウンドを取ったワセダはAT阿部彩香(スポ4=神奈川・横浜国際)がゴールを決めた。しかしこのあとワセダが大失速。前半の華麗なパス回しとはうって変わり、パスが通らなくなる。グラボを取ってカバーしたいところだが、グラボも東大に取られ、そのまま相手がゴールを決めるという繰り返し。じわりじわりと点差を縮められ、後半13分にAT大仲音華(政経2=東京・早実)のゴールで1点を追加するも、流れを引き寄せることはできず。グラボやパスキャッチといった基本基礎の部分でのミスが続き、後半20分についに同点に追いつかれる。残り90秒で青柳が放ったフリーシュートは相手Gにはじかれ、その後ワセダのファールから東大ボールでリスタートすると、東大が速攻をしかけて駆け上がり、シュート。一度はGがはじくも押し込まれて8-9。自分たちのミスから失点という悪い流れを絶ち切ることができないまま、試合終了のホイッスルが場内に響き渡った。
大逆転を許しての敗北が決まった瞬間、肩を落とす選手たち
前半の良い流れがうそのような後半の大量失点。「基礎が足りなかったことが一番の敗因」(小野)。後半の疲れが出てくる時間帯にグラボやパスキャが徹底できなかったこと、またチームメイトのミスをカバーできずにボールを奪われるという展開を繰り返してしまったこと。前半の調子で後半も戦えていれば防げたことであるだけに、選手たちの顔には悔しさがにじみ出ていた。疲れたときの基本基礎、およびチームメイトのミスのカバーという課題をどこまで修正できるか、今後に期待したい。エンジの戦士たちよ、ワセダの底力はこんなものではないはずだ。
(記事 小川由梨香、写真 寒竹咲月、茂呂紗英香)
コメント
AT小野真礼(社4=千葉・成田)
――試合を終えて、今のお気持ちを聞かせていただけますか
きょうは勝てた試合だったので本当に悔しいです。あと選手を辞めて学生コーチとして出さなければならない4年生が二人いて、きょうとあしたの試合がユニフォームを着て戦える最後の試合で、その二試合が終わってコーチに専念するので、その二人のためにもきょうは絶対に勝つという意気込みでやっていたんですけど、最後の最後に逆転されて負けるというふがいない試合だったので悔しいです。
――きょうの試合でのゲームプランは何かありましたか
きょうの試合は4年生とBチームが先に試合に出て、点差が開いたら4年とCチームが出て、また点差が詰まったら違う選手が出るという形で。前半は4年とBチームが出て、そこに少しCチームが混ざっていて、後半はCチームのメンバーも結構入れられていたんですけど、後半に追いつかれたところで4年とBチームに戻したんですけどそこで点数を決め切れなくて。きょうは全員出るというのが目標でした。
――前半、特に試合序盤はワセダペースで、一時6点差までリードを広げました。前半の戦いぶりをどうご覧になりますか
声を出すことと、グラウンドボールを取ることが私たちのきょうの二つの絶対の目標で、前半はドローのグラボから取ることができて、グラボを取ることで流れを持って来られてパスキャッチもつながって、点数を決められたと思います。
――前半終盤に2点を返されて6-2で折り返しましたが、ハーフタイムでここを修正しようなどのお話はされましたか
前半は割と良い形で終わったので、6-2というスコアはないものとして、もう一回一からグラボをしっかり頑張ろうと。今までの試合は、グラボを取れた試合で勝てたというのが多かったので、後半もしっかりグラボを取ろうというのは意識をしていました。
――後半はまさかの7失点となりました。後半を総括していただけますか
後半の要因はグラボを取れなくなったこと。疲れもあったんですけど、その中での基礎が足りなかったことが一番の敗因だと思います。
――前半に上手くできていたものが後半は発揮できなかったというのは疲れなどの自分たちの要因だけでしょうか。相手には後半に何か変化がありましたか
相手は後半に逆転しなければならなかったので勢いはあったんですけど、戦術を変えてくることは特になくて。私たちは前半は誰かがミスをしても別の人がフォローしていたんですけど、後半はミスをした人に対してフォローした人もミスをしてしまって負の連鎖を絶ち切れなくて。それはCチームの子が出たからというのは関係なくて、全体的に基礎が足りなかったかなと思います。
――後半の失点はミスを拾われてそのまま決められるという場面もありましたね
相手のキーマンが分かっていて対策もバッチリだったのに、ただ自分たちのミスを修正しきれなかったことがすごくふがいないです。
――後半のディフェンス時間が長い中で、何か声を掛けたり、このようなプレーを心がけたというのはありますか
後半はパスキャミスが増えてしまったので、点数を決められたときに一回一回DFのところに行って、パスキャだけだからそこをしっかりつなごう、無理ならパスキャではなくて走ってつなげようというのを言っていました。
――後半にワセダのタイムアウトがありましたが、そのときもそのような話をされていたのですか
そうですね。ディフェンス時の当たりが少し弱かったので、そこをしっかり突くというのと、パスキャだけだからそこをしっかり頑張ろうという話をしました。
――自分たちの良くないところは分かっているけれども、それが上手く直せなかったということでしょうか
そうですね。基礎が足りなかったです。
――きょう感じた課題を改めてお伺いしてもよろしいでしょうか
疲れたときのパスキャなどの基礎力が課題なんですけど、それに気づいて後半しっかり修正することも課題だと思います。あしたも試合があるので、それに向けて反省したいと思います。
――あしたへの意気込みをきかせていただけますか
私はあしたの早慶戦は女子高校戦の方に出場するんですけど、きょうの反省をしっかり生かして、あしたは圧勝して学生コーチになる二人に良い気持ちで終わらせてあげたいと思います。そして私たちの勝利をそのまま大学戦の方にもつなげたいと思います。
G辰巳紗希穂(社4=埼玉・早大本庄)
――率直な現在のお気持ちは
とにかく悔しいです。前半も大差でリードしていたので絶対に勝ち切るという気持ちで後半臨んだんですけど、結果的に一点差で負けてしまったのですごく悔しい気持ちです。
――どのような意気込みで試合に臨まれましたか
明日に早慶戦という大事な試合を控えていたので、その勢い付けになるように早稲田に流れを持ってこようという気持ちでメンバー全員で気合を入れて臨みました。
――辰巳選手ご自身としては試合を振り返っていかがでしたか
振り返ってみると、結構止められたなという場面もありましたし、チーム全体を冷静にさせられたかなということもあったので、反省点が多くあります。
――後半、連続失点を許す場面が見られましたね
基本・基礎の部分で、後半体力がなくなってきているときにしっかり切り替えてというのができなかったのがあの大量失点に繋がったと思うので、どこかで一回切り替えてというのが必要だったかなと思います。
――タイムアウト中に、何か声掛けなどはされましたか
全員気持ち切り替えて、流れをワセダに持ってくるようにと切り替えたかったです。
――あすの早慶戦へ向けて、意気込みをお願いします
女子高戦の方に出させて頂くのですが、きょうの反省を生かして、それこそワセダに流れを持ってこられるように女子高戦も大学戦もしっかり勝ち切って、10年ぶりの勝利をつかみたいと思います。
MF青柳七瀬(スポ2=千葉・国府台女子)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
前半はとても調子が良くて、皆も活気良くて良い攻めだったりとかアタックの時間が長かったので何本もシュートを打てたりすごく良い流れに持っていけたのですが、後半は疲れが少し見えてグラボ(グランドボール)の寄りが甘くなって相手にグランドボールをとられてからの流れが緩くなってしまって、それはやはり疲れからくるものがありましたし、メンバー交代によるつり合わせが上手くいかなかったりとかあってアタックセットになってもその一本を決めきれなかったことが敗因だったかなと思います。
――今回の試合はどのような気持ちで臨まれましたか
明日が早慶戦なので早慶戦に向けて下のチームから底上げができるように勢い付けとして絶対に圧勝して明日に繋げるというモチベーションで皆きょうの試合に臨みました。
――後半はディフェンスに入る時間が長く、オフェンスに入る時間が短くなってしまいましたが、そのような中で意識されたことはありましたか
私が意識していたのはどうしてもグラボが取れなくてディフェンスセットになってしまっていたのでグラウンドボールになったら寄って取りきるというのを意識していました。ですがそれがなかなか皆できなくて、疲れが見えたのですが声は絶やさないようにして守りきるというのと後ろからチェックをしてマイボ(マイボール)にするというのを意識していました。
――ご自身の得点シーンをどのように振り返られますか
一本目は相手のファールで凄く良い位置でリスタートをもらえたので絶対に決めると思って決めました。二得点目は阿部さん(阿部彩香、国教4=神奈川・横浜国際)からのパスが凄く良い位置でもらえたのでディフェンスがずれていって、そして私がたまたまフリーになれたので絶対にカットにいこうと思って、そこで良いパスが飛んできたのでそのまま決めることが出来ました。
――決めたときのお気持ちは
ショットは苦手意識があったので2点決められたときは良かったと思いました。後半もこの勢いでしっかり決めきりたいなと思いました。
――フリーシュートを決めることができませんでしたがご自身で振り返っていかがですか
フリーシュートは同点だったので絶対に決めなきゃいけないと思って相手の前に入って打とうと思って相手の前には入れたのですが力んでしまっていつも通り打てなくて、緊張して打ってしまったなと思います。絶対に決めきりたかったところなので凄く悔しかったです。
――きょうの反省点は
ライド、相手ボールになってから相手に進ませないというディフェンスは頑張れたのですが、そこで体力を失ってディフェンスセットで声が出しきれなかったのと寄り潰しきれなかったところが自分の反省点です。あとグランドボールが全然取れていないのでもっとグラボを取りたかったのと後半はライドで疲れた分アタックが上手くガツガツいけなかったのでもっと仕掛けていって決めきるシーンを作れたら良かったかなと思いました。
――今後の意気込みを教えてください
私はまだ下のチームにいるのでらいねんは絶対早慶戦に出るという気持ちも込めてきょうは勢い付けしたかったのですができませんでした。らいねんには自分たちが早慶戦の舞台に立てるように、きょうも基礎の面のミスが目立ったので基礎の面では絶対にミスをしない人になるというのと、チームの勢い付けになるようなプレーができる人になれるように技術面では基礎を潰す、苦手なディフェンスを潰すことを頑張って練習していきたいと思います。