ブロック最終戦で快勝、ファイナル4へ望みをつなぐ

女子ラクロス
前半 後半
早大 12
日本女子大
▽得点者
溝本4、柿本3、辻本2、鈴木、曲道、小谷

 前節では惜しくも日体大に敗れ、自力での関東ファイナル4進出の道が絶たれた早大。関東学生リーグ戦(リーグ戦)の最終戦となったこの日、日本女子大戦に臨んだ。相手に大差をつけての勝利が求められた中、前半から着実にゴールを重ね相手を突き放していく。後半も攻撃の手を緩めず12―1の快勝。ファイナル4進出へ望みをつないだ。

  「この試合に懸っている」(MF日置綾香、政経4=埼玉・早大本庄)。4年生にとって引退の可能性もあるこの試合、負けるわけにはいかなかった。開始早々、AT柿本菜実(スポ4=東京電機大)のゴール前でのシュートが決まり先制すると、そのまま早大は果敢に相手ゴールに襲い掛かる。しかし、降りしきる雨によりグランドコンディションは悪く、両チームパスミスなどが目立ち、ボールをうまく収められない。12分には、相手にフリーシュートを決められ1-1。直後に1点を返すも、ファールにより早大のマンダウンを取られるなどして思うようにペースを握れないまま試合が進んでいく。そんな中、「途中ではバタバタしたが、中で修正できた」(堀切梓沙、スポ3=東京・成蹊)と言うように、徐々に試合を支配し始めたのは早大だ。18分にはAT鈴木杏奈(スポ4=東京・日大二)のフリーシュートが決まり3-1とすると、再び日置、柿本とゴール前での素早いパス回しから続けざまに得点を重ね5-1。前半を折り返す。

2得点を挙げた辻本

 突き放しにかかりたい後半、積極的なオフェンスが功を奏す。後半開始1分、MF溝本ほのか(政経4=埼玉・早大本庄)がゴール左にショットを突き刺すと、前半2得点を決めた日置もボールを奪ってからゴールへと駆け上がり、追加点を決め7-1。10分には、MF曲道楓(スポ3=東京・国分寺)がゴール右でパスを受けシュート。12分、溝本がゴール前混戦の中ショットを突き刺し9-1。なお早大の勢いは止まらず、応援席も一層の熱を帯び始める。AT小谷英里(国教2=東京・大妻多摩)のフリーシュート、溝本が2点を加え終わってみれば12得点。一方で、大量得点の陰に見られたDFの堅守。相手のボールを積極的に奪いに行く姿もみられ、ゴール前までボールを運ばせない。後半は無失点で試合終了し、文句なしの快勝で試合を終えた。

攻撃の起点を作った小谷

 リーグ戦を通して、最も結果の求められる試合であっただけに「11点差をつけて勝てたので、ホッとしています」(DF西真理子(スポ4=茨城・竹園)と、戦いを終えた選手たちも安堵(あんど)の言葉を口にした。攻撃では12得点、守備ではわずか1失点と攻守ともに充実した戦いを見せ、現状で出来うる最善の結果を残した早大。次週に行われる立大の結果次第でファイナル4進出を果たせるかが決まる。決まっても強豪ぞろいの至難の戦いとなるが、「自分たちの力を出し切れば通用する」(堀切)と自信をのぞかせる。大舞台で躍進する早大の姿を望まずにはいられない。

(記事 久保田有紀、写真 田島光一郎)

コメント

MF日置綾香(政経4=埼玉・早大本庄)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

皆がミスをフォローしてくれたりして、自分の役目はあまり果たせなかったとは思うのですが皆の力で勝ったなと思っています。

――大差での勝利でしたが攻撃陣の調子はいかがでしたか

結構ブレイクとかも練習してきて良いかたちがあって、また最後のショットをこだわってやってきたので、そこをしっかり皆が決めきってくれてよかったです。

――ファイナル4進出に向けて後がない状況でしたが、試合前のチームの雰囲気はいかがでしたか

チームというか4年生の間でも、この試合に懸かっているしきょうしかやるべきことは果たせないという話もしていたので、ここで出し切るという気持ちでした。

――これで立大の結果次第となりましたが、いまの心境はいかがですか

もう祈るしかないですね。

――ここから何を強化していきたいですか

トレーニングも(ペースを)上げてファイナル4に向けて練習量も増やしていく期間だと思うので、それを信じて一週間やります。

――大雨の中での試合でしたが何に気をつけましたか

合宿などでも雨の中やっていたので雨は結構慣れていて、また相手の日本女子大は土のグラウンドで雨では絶対に練習できない環境にあったと思うので、雨は逆に好都合でしたね。

――では最後にファイナル4に向けて意気込みをお願いします

自分の強みを生かしてチームの勝利のためになることをしていくというのと、4年生なので意地を見せられるように頑張ります。

MF堀切梓沙(スポ3=東京・成蹊)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

雨がすごく降っていて、状況的にグラウンド環境とかがいい状態ではなかったのですが自分たちの1週間目標としてノルマとして掲げてきたことをしっかりとやりきれたから結果は出せたかなと思います、

――大差での勝利でしたが、試合は満足のいく出来だったということですか

途中でもバタバタしたりして相手も自分たちも結構バタバタしている場面が多くてそういう意味でも自分たちのペースを作り切れなかった時間があったと思うのでそこは中で修正できたのではないかと思います。

――きょうの試合に懸ける思いというものはどのようなものがありましたか

自力でのファイナル4進出ができないことが先週の試合で決まってから自分たちの中でファイナル4に向けての最高の準備をするしかないと思っていたので、その思いがきょうの試合で出てたかなと思います。

――ここまでのリーグ戦を振り返っていかがでしたか

リーグ戦始まる前から、始まってからはあっという間と言っていたのですが実際始まってから初戦の立教戦からきょうまで一瞬で終わってしまって。ほんとにリーグ戦ってあっという間に終わってしまうんだなと感じました。

――リーグ戦でも積極的にゴールに向かうシーンが見られましたが、ご自身のプレーはいかがでしたか

積極的にゴールに向かう姿勢は見せていたのですが、それを得点に結びつける力が私にはなかったかなと思うので、そこは相手にとってもっと怖い選手になれたらいいなと思います。

――ファイナル4ではどのような戦いをしていきたいですか

ファイナル4に出てくる学校は全て強豪校なので。でもしっかり自分たちのやるべきことをできれば通用すると思うので、それを大きな舞台でやるべきことを出し切る。先週の日体戦でも大事な試合で自分たちのいつもできることができなかったのでファイナル4ではしっかりそういうこともやって。2年連続でファイナル4敗退なので、しっかりとやるべきことをやってこのチームでもっと上の景色を見に行きたいなと思います。

DF西真理子(スポ4=茨城・竹園)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

とりあえず、私たちがファイナル4に進むための11点差をつけて勝てたので、ホッとしています

――前半は5-1で終えましたが、どのように考えていましたか

コーチからも良いペースで点は重ねられているので、後半はディフェンスは無失点でオフェンスは点を取りにいこう、ただ焦らずにいこうとお話があったので、その通りやろうと言っていました。

――ディフェンスとしてはきょうの1失点という結果はどのように捉えていますか

本当にいままで失点を多く重ねてしまっていたので、この試合を1失点に抑えられたのはすごく良かったと思います。ただ、ファールがかさんでしまったので、そこは改善しなくてはいけないなと思っています。

――4年生ということで、最後のリーグ戦になりましたがブロック戦を終えてどのような気持ちが強いですか

本当にあっという間に始まったら終わっている感じで、ただここで引退とは思っていなくて、日体大に頑張って来週勝ってもらって、ファイナル4、ファイナル、その先の日本一までやっていきたいと思っています。

――この先、ご自身ではどのようなプレーがしたいですか

相手に嫌われるような嫌なディフェンスをできたらいいなと思っています。