前半 | 後半 | 計 | ||||||||
早大 | 2 | 3 | 5 | |||||||
慶大 | 3 | 6 | 9 | |||||||
▽得点者 西村2、名児耶、竹田、鈴木 |
---|
21回目を迎える早慶定期戦がことしも幕を開けた。ここ数年慶大の白星が続き、ことしこそは雪辱を果たしたい早大。両者互角の戦いを繰り広げ、前半を2-3で終える。後半は、残り10分の時点で5―6と追いかける状況だったが、3連続得点を相手に許し、そのまま5-9で試合終了。ことしも悔しさを味わう結果となった。
この日も攻撃の起点となったMF西村
試合開始から3分が経過したところで、先制点を挙げたのは慶大だった。すぐさま、早大もMF西村佳那子(スポ4=東京・西)のゴールで同点に追いつくが、10分には慶大オフェンスに右サイドを突破され、中央へ切り込まれると、個人技での得点を許す。個の力が随所に見られた慶大に対し、早大は、正確なパス回しで相手ディフェンスを揺らし、フリーのスペースを生み出す。その空いたスペースでパスを受けたMF名児耶優希(スポ4=東京・大妻女)が押し込み再び同点。その後、1点を返されるものの、両者一歩も譲らず、2-3で前半を折り返した。
後半もリズムを崩さず、このまま逆転を狙いたい早大であったが、先に得点を挙げたのは慶大。しかしここで慌てることなく、早大は自分たちの攻撃リズムを作り出し、1点を取り返す。後半中盤にかけては、相手に支配され、守備での時間が長くなる。好機もいくつかあったが、なかなかフィニッシュまで持っていくことができない。逆にこの時間帯に2連続失点を受け、3-6となり3点差に。ここで西村、MF竹田夏未(教4=東京・早実)ら4年生のゴールで、再び1点差に迫るものの、最後までその勢いを保つことはできず、残り10分で慶大に再び2連続得点を許す。さらに、終了間際にパスカットからダメ押しとなるゴールを決められ、5-9で敗戦。終了間際に怒涛の攻撃を受け、後味の悪い結果となった。
MF鳴澤は最優秀選手に選出
悔しい結果となったが、試合内容を悲観視してはならない。「自分たちのやりたいことというのは明確になってきていると思う」。試合後、G水谷菫主将(スポ4=東京・青稜)はこう語った。個人技を発揮する慶大に対し連携プレーによるゴールシーンを多く生み出した早大。「ワセダのラクロス自体は良い形でできていると思うのでその精度を上げていくこと」(西村)と言うように、攻撃スタイルがしっかりと構築されていたが、あとは完成度の問題だろう。昨季の関東学生リーグ戦(リーグ戦)ではファイナル4の舞台で涙をのんだ。この敗戦から浮き彫りとなった課題を払拭し、今季こそ目指すべくは日本一。夏から始まるリーグ戦でその真価が問われる。
(記事 松田萌花、写真 荒巻美奈)
コメント
G水谷菫主将(スポ4=東京・青稜)
――きょうの試合を振り返って今の率直なお気持ちは
勝てる試合だったなというか、満足していないです。
――早慶戦に向けてチームの雰囲気はいかがでしたか
自分たちがやってきたことが間違っていないとみんな信じていて、雰囲気的にも自分たちがやるべきことをやれば勝てるという雰囲気ではいました。
――具体的に自分たちがやってきたことというのは
戦術的な部分は詳しくは言えませんが、苦しい時も自分たちで足を動かしたり、点が入るということはラクロスは絶対あることなので、そういう時に下を向かずにやろうということを心がけていました。
――前半を2-3で終えましたが、前半を振り返って
最初はディフェンスが遅れがちな部分もあったのですが、途中から対処できて、3点とられることは想定内でした。
――好セーブも多くみられました。ご自身の調子はいかがでしたか
慶應は角度のないところからのショットが上手で、普段だったら止めたいところも、止められなくて申し訳なかったなと思っています。
――全体を通して、ゴーリーからみたチームのディフェンスの動きは
相手に押され気味だったところはありましたが、対処できていたと思います。ただ、まだ個々の力が足りない部分がやはりあって、まずは一人一人が上げて、チーム力で勝つということが今後大事だと思います。
――きょうの敗戦の要因、何か感じていますか
やはりミスの多さだと思います。やってきたことが通用する場面も多くてそこはよかったと思うのですが、逆に大事な所でのミスが自分たちの首を絞めてしまったと思っています。
――きょうの早慶戦を経て、今後の意気込みは
今回、負けてしまったのですが、自分たちのやりたいことというのは明確になってきていると思うので、そこをしっかり全体で話していって必ず日本一をとりたいと思います。
――今季、主将としてチームをどう引っ張っていきたいですか
個性の強いチームなので、前に立って引っ張っていくというよりは、後ろから見守っていくような感じで頑張っていきたいと思います。
MF西村佳那子副将(スポ4=東京・西)
――試合を終えたいまのお気持ちは
勝てる試合だったとは思うので悔しいです。
――試合展開を振り返って
前半は1点ビハインドで折り返したのですが、それは想定内でした。点差を離されることも想定内でしたが、ルーズボールを拾えなかったのが痛かったですね。チームとしてはポゼッションをして確実に点を取るというスタイルでやっていたので、やり方は間違っていないはずなのにという感じでした。
――早慶戦に向けてチームで話していたことは
4月の六大学戦で勝っていたので、落ち着いてやればできるはずとは思っていました。1点1点確実にということをチームで共有してやっていました。
――ご自身は2得点をあげました。攻撃面についてはいかがでしたか
得点は2得点でしたが、良い形でシュートまで入れました。あとの精度については個人的に課題ではありますが、全体的に悪い形ではなかったのでそこは良かった点です。
――最後の早慶戦を終えて
やっぱり悔しいですね。ことしは絶対に勝てると思っていて、前日の練習もすごく調子が良かったんですよね。だからこの調子でと思っていただけに煮え切らない思いです。
――シーズン本番となる夏までに強化していきたい部分は
やっぱりルーズボールの支配率が悪いのでそこの精度を上げることと、ワセダのラクロス自体は良い形でできていると思うのでその精度を上げていくこと、あと常勝を目指します!
――今後への意気込みを
常勝ワセダの伝統をつくれるように次から頑張ります!
MF鳴澤眞寿美副将(社3=福島・富岡)
――きょうの試合を振り返って
ことしはしっかり準備をしてきました。戦術を確認して、相手に対応出来るようなラクロスというのを研究し続けて来たのですが、それが結果に出なかったことがすごく悔しいというか、努力がまだまだ足りないなと感じました。
――具体的にはどのような練習をしましたか
相手は日本代表の選手であったり、そういう個人技術が高い選手が多いため、その人によってどのように守備をしていくのかであったり、どのようにしてボールを運んでいくのかという部分を徹底的に練習してきました。
――最優秀選手賞を受賞されましたね
そういうことを意識せず、奢らず、とにかく貪欲にプレーすることを考えていて、賞を頂けたことは嬉しいですが、やはりワセダとして勝つことが一番の目的であって。もし勝った場合に最優秀選手賞を頂けたならとても嬉しかったですが、やはりまだピンとこないというか、悔しいという気持ちの方が強いです。
――試合後、チーム全体としてはどのようなお話がありましたか
ケイオーに対して、グランドボールという地面に落ちたボールに対して、フィフティフィフティで取り合う場面がまだまだ弱い、引き腰になっているという所が課題であると。しっかり課題が見えたことは良かったですが、それ以上に個人個人の基礎技術を見直さなければならないという原点に戻る反省が出ました。
――夏のリーグ戦にむけて一言お願いします
私はことし副将という立場でこのチームに携わっていて、きょうで一度私達の代の仕切りは終わるのですけれども、これからは信頼できる4年生と、頼もしい後輩、そして最高の同期と共に、この屈辱をはらすべく、日本一を取るためにきょうの試合を無駄にしないで、しっかり一から出直して、日本一になるための練習と努力をして行きたいと思います。
MF名児耶優希(スポ4=東京・大妻女)
――きょうの試合を振り返って、率直な感想をお願いします
力はもともと五分五分だったと思うのに、後半がうまくいかなかったので、煮え切らないという感じです。
――ご自身最後の早慶戦でしたが、どのような思いで臨まれましたか
私自身は最後だから頑張ろうという気持ちはなく、いつも通りみんなで勝とう、という気持ちでした。
――今回、得点に絡んでいらっしゃいましたが、そのシーンについてどのように思われますか
自分は普段あまり得点には絡まないのですが、今回は仲間のプレーからつなげられて、気持ち良く決められたので、仲間のおかげです。
――今後の夏以降に向けての抱負を、チームとしてと個人として、それぞれお願いします
チームとしてはもちろん日本一です。個人としては、誰にも耐えられるような、めっちゃ上手い選手になることです。
AT鈴木杏奈(スポ3=東京・日大二)
――きょうの試合を振り返って
試合は負けてしまいましたが、自分たちの力が及ばなかった、力で負けていたとは思いませんでした。もっとシュートを決めきる、グラブをとりきるといった細かい部分を詰めていければ勝てた試合だったので、とても悔しかったです。
――早慶戦への思いは
自分にとっての初めての早慶戦だったので絶対に勝ちたかったです。7年間勝てていない中で、もし勝てていたら本当にうれしかったと思います。
――得点シーンについて
練習通りに、一人がひきつけたスペースにうまく入り、パスコースもうまく空いたので、練習通りの攻めができ、得点に繋がったという印象があります。
――敗因と今後の抱負を
グランドボールという基礎面が負けていたと思う。基礎練習は自分でこなしていけると思います。これから数カ月、基礎練習を怠らず、リーグ戦の時には、追い抜かす勢いで頑張りたいです。