勝負所で集中力を発揮し勝利!

女子ラクロス
前半 後半 延長前半 延長後半 サドンデス
早大
明大
▽得点者
溝本3、日置2、鈴木2、堀切

 5月に行われる早慶定期戦での8年ぶりの勝利と日本一を狙う早大女子ラクロス部の勝負のシーズンが幕を開けた。今季最初の公式戦である東京六大学交流戦。予選は3年生以下で挑むなど、チーム力の向上を図ってきた。その結果、予選3位で決勝トーナメントに進出。予選2位の明大との準決勝に臨んだ。前半は早大ペースで試合を進めるも、後半に巻き返され延長戦へ。ここでも両者譲らず、サドンビクトリーに突入すると、早大が得点を挙げ、8-7で勝利を収めた。

前半、試合の主導権を握ったのは早大だった。先取点は許したものの、落ち着いた立ち上がり。この日のゲームキャプテンを務めるMF溝本ほのか(政経4=埼玉・早大本庄)が5分にシュートを決めると、チームは一気にギアを上げる。10分の間に5得点の集中攻撃を見せ、前半終了の時点で5-2。しかし、後半は一転して苦しい展開。自陣でのプレーが増え、失点が重なる。失点後のドローから、溝本が一人でゴール前まで駆け上がり、この日3得点目となる圧巻のゴールを決めるも、流れは変わらない。明大の猛追の前に、後半残り約20秒の土壇場で追いつかれる手痛い失点。7-7の同点で延長戦へと突入する。

3得点を挙げたMF溝本

 早大は延長に入って、前半で見せた積極的な攻撃を取り戻す。ボールを支配し、チャンスを演出。AT鈴木杏奈(スポ4=東京・日大二)やMF辻本麻亜(スポ4=北海道・札幌月寒)などショットを多く放つが、惜しくもゴールを奪えない。そのまま両者一歩も譲らず、サドンビクトリーへ。しかし、ここまでの長い戦いが嘘のように勝負は一瞬にして決着がついた。この試合に終止符を打ったのはAT日置綾香(政経4=埼玉・早大本庄)。サドンビクトリー開始直後のドローを奪うと同時にディフェンスの裏に抜け出す。快足を飛ばし、相手ゴーリーと1対1。迷いなくクロスを振った。「自分が決めてやるという気持ちで臨みました」と語るように、プレッシャーのかかる場面での集中力を発揮し、8-7で勝利をつかみ取った。

勝利を決めたAT日置に駆け寄る選手たち

 劇的な勝利に沸いた選手たちであったが、すでに気持ちは次に向いていた。決勝の相手は因縁のライバル・慶大。本当の勝負は5月に行われる早慶定期戦と位置づけ、次戦はその前哨戦となりそうだ。後半は守備に課題が見えたが、試合全体としては「一人一人がゴールに行こうという姿勢」(溝本)が随所に現れているのは良い傾向。さらに磨きをかけるとともに、課題も克服し、8年越しの念願の白星へ。早慶の熱い想いを賭けた戦いは、もう始まっている。

(記事、写真 田島光一郎)

コメント

MF溝本ほのか(政経4=埼玉・早大本庄)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

前半で早大ペースになっていたことを、後半ひっくり返されたということが今後の課題です。しかし、延長戦ではマイボールの時間が長かったですし、そこで決めきらなければならない一方で、やっぱり結果として勝てたことは良かったと思います。

――前半の攻めはうまくいきましたが、何が良かったですか

一人一人がゴールに行こうという姿勢が、練習していた通りできたことです。

――後半は守備の面からみて、いかがでしたか

前半に攻撃の時間が長かった分、後半は守備の時間帯が長くなってしまいました。その中で崩れたところをしっかり相手に攻められてしまったというのが課題です。取れるところのボールをしっかり取ったり、クリアをしっかり運べていれば守備に時間をもっと減らせて、失点も減ったのかなと思います。

――明大には予選で敗戦を喫していましたが、どこを修正しましたか

やはり、一人一人がゴールに向かうというところと、ドローとグラボを取ることにこだわって1か月やってきました。後半はそこが取れなくなっていたので、まだまだではあるのですが、チームとしては少し変わってきたのかなと思います。

――サドンビクトリーに入る前はチームではどのような話をしていましたか

これは決められたら終わりなので、最初のドローを絶対取ろうと言っていました。結局、そこを取って、日置が最後まで持ち込んでくれたので、そこの集中力はこの時期にとても良い練習になったかなと思います。

――決勝は慶大と当たりますね

5月18日にも早慶定期戦があり、その早慶戦で勝つことが目標なので、明日からはそれに向けてしっかりやっていきたいと思います。

AT日置綾香(政経4=埼玉・早大本庄)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

もっと早い段階で勝ちきれたというのはあったのですが、最終的に勝てて良かったです。

――前半は良い攻めができていましたが、チームではどういう話をしていましたか

まずは、自分がどう攻めるかというのを練習から意識してやっていました。自分が得点を取ってやるという気持ちでみんながゴールに迎えているから、相手のディフェンスが崩れだしたりしたと思うので、それは良かったなと思いました。

――後半は苦しい展開となりましたが、いかがでしたか

ディフェンスが守り切ってマイボールにできたボールを簡単に失ったりしてしまったのが守備の時間が長くなってしまった原因でした。そこはアタックも改善すべきところだと思います。

――延長戦では、それまでの悪い流れをどのように切り替えましたか

とりあえず立て直そうということと、とにかく勝ちにこだわることはチームで話していました。こういう厳しい場面では1点を争う苦しいところなので、踏ん張ろうとみんなで言っていました。

――サドンビクトリーに入る前はどのような気持ちでしたか

最初に行われるドローとグラボはどちらが取るか分からない場面で、勝負の分かれ目だと思ったので、そのところは本当に意識して入りました。その結果、ボールを取れてショットまで行けたので良かったです。

――最後の勝利を決めたシーンはどのような想いでシュートを放ちましたか

まさか、あんなに良い形でチャンスが来るとは思っていなかったのですが、自分が決めてやるという気持ちで臨みました。初めてだったので、すごく嬉しかったですね。

――きょうの試合で見えた良かった点と課題を教えて下さい

良かったところは、最終的に勝ちきれたところですね。課題としてはもう少し早い段階で勝ちきれなかったことです。個人としては、自分でゴールを狙いに行く意識が出てきたのは良いのですが、そうすることによって相手のディフェンスが厚く守ってくるので、それに対して良いタイミングでさばく技術をつけたいなと思います。