前半 | 後半 | 計 | ||||||||
早大 | 3 | 2 | 5 | |||||||
日大 | 2 | 1 | 3 | |||||||
▽得点者 西村3、名児耶、鳴澤 |
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8月11日の明大戦が雷の影響で中止になった早大。この日行われた日大戦が実質的には関東学生リーグ戦(リーグ戦)の初戦となった。序盤、日大に立て続けに2点を奪われ、厳しい滑り出しを強いられる。しかしその後は果敢に攻め、前半残り6分から3本のゴールを決め逆転。そのまま流れをつかみ後半にも加点した早大が勝利し、リーグ戦1勝目を手にした。
同点ゴールを決め喜ぶMF名児耶(左)
試合開始早々、ゴール前でのファウルから日大にあっさりと先取点を与えてしまう。続けて、日大の得意としている速い攻撃に対応できずに5分にも1点を失う。攻撃面では前半途中までチャンスは多くつくるものの、決定力に精彩を欠き1点が遠い。しかし、前半残り6分からワセダのゴールラッシュが始まる。まず反撃の口火を切ったのは、AT西村佳那子副将(スポ4=東京・西)。ゴール裏からゴール前に入り込んでのシュートで1-2とする。さらに、AT鈴木杏奈(スポ3=東京・日大二)の左サイドからのパスをゴール前に走り込んできたMF名児耶優希(スポ4=東京・大妻女)がそのまま流し込み、鮮やかにゴールネットを揺らして2点目。前半終了間際には西村がセンターラインの左サイドからゴール前まで一人で駆け抜け、勝ち越しとなる3点目をもたらし、3-2でハーフタイムを迎える。
主導権を握った早大は、後半に入っても着実に得点を重ねる。4分に西村がゴール前の混戦の中からこの日3得点目となるゴールを決めると、10分にはMF鳴澤眞寿美(社3=福島・富岡)が華麗なステップで3人を抜き去り、難しい体勢から自身待望の得点を挙げた。守備面では何度かピンチを迎えるも、G水谷菫主将(スポ4=東京・青稜)のナイスセーブや高い位置での2人がかりのディフェンスなどで日大の攻撃を阻んでゆく。終盤に1点を返されたが、最後まで集中力を切らすことなく5-3で勝利を飾った。
3得点を挙げる活躍を見せたAT西村
連携のとれた攻撃でチャンスをつくり、幾度となく相手ゴールに迫った早大。しかし、終わってみれば5-3。もう1、2点のダメ押し点を加えられなかったことに対して、鳴澤は「勝ちに満足するなというメッセージとして捉えたい」と気を引き締めた。試合の入りなど各所に課題は見られたが、リーグ戦全勝に向けて確かな一歩を踏み出した。
(記事 田島光一郎、写真 浦井拓也)
コメント
川上順久女子部ヘッドコーチ(平10理工卒=東京・早大学院)
――きょうの試合を振り返って
きょうはオフェンスで結構いいシチュエーションを作れていたと思うのですが、決めきれませんでした。もし決めきれていればもう少し楽な試合展開になっていたと思うのですが、かなり難しい試合となってしまいました。
――昇格してきた日大のイメージはいかがでしたか
日大のイメージは付属校からプレーしている選手も何人かいてパスなどはうまいのですが、一人一人個々で攻めてくることもあって、チームで組織的に守れば守れるだろうと思っていました。
――そのような考えの中での立ち上がりの2失点で追いかける展開となりましたが
オフェンスで攻めていたのですが、決めきれずたまたま相手に2点決められて、苦しい展開ではありましたが厳しいとは思っていなかったです。
――その後、西村選手(佳那子、スポ4=東京・西)を中心に連続5得点を挙げ、逆転を果たしましたが
その前に決まらなかった点が、1点決まれれば決まり始めるかなと思っていたので想定通りでした。
――実質的には初戦ということでしたが
きょねん出ていなかった選手はやはり浮き足立っていたというか、少しミスも見られましたのでそこが初戦の難しさだったのかなと思います。
――後半最後にダメ押しの点数が入らず、苦しい展開ともなりましたが
あの辺をこれからしっかりやっていかないと最後の方で勝ち切れないと言いますか、難しい試合になっていくと思うので、しっかりと決めきれるようなチーム作りをしていかないといけないと思います。
――先ほど選手から誕生日プレゼントをもらっていらっしゃいましたね
学生からの気持ちを温かく受け取って、次からの試合に身につけて臨みたいと思います。
――次戦に向けて一言お願いします
次戦もしっかり勝利に向けて頑張りますので、ぜひとも会場まで足を運んで応援していただけると嬉しいです。
G水谷菫主将(スポ4=東京・青稜)
――明大戦が雷で途中中止となり、実質的には初戦となった日大戦で勝利を収めました。どんなお気持ちですか
内容的には反省する部分がいっぱいありますが、初戦を勝てたことでホッとしています。
――序盤は0-2とリードを許す展開となりました
入りが大事だということはコーチからも言われていてわかっていたのですが、相手が得意としている速い攻撃にやられてしまいました。どうにか踏ん張りたいという気持ちでした。
――しかし5連続得点を奪い逆転。ご自身も好セーブが光りましたが、意識していることはありますか
ありがとうございます(笑)。自分はキーパーなので、苦しい時にボールを持って攻撃しに行ったりはできません。なので、声でチームを盛り上げていくということは意識しています。
――夏合宿では具体的にどのような練習をしましたか
リーグ直前ということで、チームとしての意識統一をしました。こういうときはこのように攻めるということのすり合わせをやりました。
――さきほど「反省する部分がある」という話もありましたが、それは具体的に
やっぱり入りの部分であったり、自分たちのミスで自分たちの首を絞める展開だったと思うので、いかに自分たちのミスなく自分たちのペースにしていけるかという部分はこれからずっと課題になると思います。
――明大戦が中止になりましたが、この日大戦への調整はうまくいきましたか
そうですね。明大戦中止ということを聞いたときは控室でも「えっ」と驚きもありました。でもリーグ戦は1戦1戦重みは変わらず、どの試合も負けてはいけない試合だと思うので思っていたよりはできたと思います。
――4年生として最後のリーグ戦もいよいよ始まりましたね
本当に早いなという気持ちで、それを言うのも早いと思うんですが(笑)。ここまでくるのも早かったなという感じだったので、必ず結果を出したいです。
――次は日女体大戦です。今後のリーグ戦に向けての意気込みを
どの試合も一戦一戦重みは変わらないので、日本一に向けて日本一にふさわしいチームになるための練習をこれからもしていきしっかり勝っていきたいです。
AT西村佳那子副将(スポ4=東京・西)
――きょうはリーグ戦の実質的な初戦ということでしたが、どのような気持ちで臨まれましたか
日大は圧勝できる相手という話だったんですけど、とりあえず自分たちがやってきたことをやりきろうという話はしていました。
――明大戦が雷で流れましたが、調整は上手くいきましたか
気持ち的な部分はちょっと調整が難しかったんですけど、やってきたことは日大でも試すのは一緒だったので、そこは大丈夫でした。
――前半の序盤0-2と苦しい状況で、シュートが決めきれない部分がありましたが
そうですね。シュートの精度は前からの課題だったので、そんなに気にせずやっていて、連続失点というところはちょっと想定外だったんですけど、シュートの本数はある程度確保できていたので、この調子でやったら入るだろうなという気はしていました。
――ご自身は3得点を挙げましたが振り返ってみて
調子良かったなと。後半は、自分の打ちたいタイミングでしっかりうてたので、最初のミスからは修正できたので、そこは良かったかなと思います。
――ATリーダーとしては、チーム全体の攻めはどうだったでしょうか
一人ひとりが狙う姿勢というのは前よりもついてきたので、そこは良くなっていると思うのですが、やっぱりまだ精度が高くありません。外してしまって尻込みしてしまうという場面はたくさんあったと思うので、外しても自信を持ってやっていけるようなチーム作りを今後は意識してやっていきたいと思います。
――夏合宿で重点的に取り組んだことはありますか。またそれは試合で生かされましたか
基礎練というよりは組織練で、チームのすり合わせをメインにやっていました。明大に向けてやっていたので(生かされたかと言うと)ちょっと違うところはあったんですけど、ベースのところは変わらないので、その点では生かせたかなと思います。
――次の試合に向けて一言
全勝目指しているので、圧勝していきたいと思います!
MF名児耶優希(スポ4=東京・大妻女)
――日大に勝利しリーグ戦白星発進となりました。いまのお気持ちは
全然モヤっとしてます。結果は勝ったものの試合内容が悪すぎたので嬉しいという感じはあまりないです。
――きょうは序盤2点を追いかける展開となりました
それまでこっちのATがシュートを決めるべき状況でも決められなくて、シュートが入れば全然挽回できると思ってので大丈夫だと思っていました。そろそろシュートを決めたいし、入れてほしいなという気持ちでした。
――そのなかでご自身は2点目のゴールを決めましたが、このシーンを振り返って
冷静でした(笑)!相手DFを引きつけたATの子が冷静に(ボールを)キープして私のところにパスをくれたのでもうあとは決め切るだけでした。ナイスなアシストでした!
――5連続得点で勝利を収めたわけですが、きょうのチームとしての戦い方はいかがだったでしょうか
ATに関してはちょっとミスが目立ちましたね。まだリーグ戦は始まったばかりで慣れていないのかなという印象もありましたし、ATはミスを減らしていけたらなと思います。ディフェンスは先ほどコーチもおっしゃっていたのですが、どんな相手でも失点を3点以内に収めることができたことが良かったです。なので、これをそのまま続けていって連携したディフェンスをもっと洗練されたものにしていけたらいいなと思います。
――リーグ戦に向けて夏合宿にしてきたことは
とにかく合わせること、連携などのすり合わせをしました。
――4年生として最後のリーグ戦が始まりました
絶対勝ちたいですね。2年生の頃から出させていただいて、リーグ戦も3年目を迎えました。いつのまにか4年生になっちゃっていましたね。2年生のときの4年生の先輩も、3年生のときの4年生の先輩も負けていったのを間近で見ていたので、先輩たちの思いをのせて勝っていきたいと思います。
――日女体大戦へ向けて意気込みを
勝ちます!!!
MF鳴澤眞寿美(社3=福島・富岡)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
勝ったのですが、内容的には納得いくものではなかったので、これから反省して次につながるように修正していきたいと思います。
――実質的には初戦ということでしたが
以前の明大戦での10分間がことしのリーグ戦がどのようなものかを肌で感じて体験できたことが、この試合での緊張を和らげることにつながったので初戦だったのですが個人的には緊張なく臨めました。
――調整という部分では難しい面もあったと思いますが
ずっと夏は初戦の明大戦に向けていろいろ準備してきたこともあって、いきなり日大に切り替えるということではチーム全体として、ちょっと時間がかかった部分はあったのですが、それでもしっかりと準備をして勝つということに関してはこだわれたので良かったです。
――立ち上がりに2失点して追いかける立場になりましたが
立ち上がりはワセダの課題でありますが、それでも私的にはそれでも焦らないでいつも通り練習してきたことをやれば追いつけると信じていたので、そういう思いで頭はクールに冷静に対応して確実に安全に一本ずつ取ろうと話合うことができたので本当に良かったです。
――得点を挙げられましたがそのシーンについてはいかがですか
私のポジションは点を取りたい、取りたいと動いてはチーム全体としては点を挙げることができないポジションだと思うので、仲間と連携を取りながら相手を引き付けたところで仕掛けて勝負する。きょうのところではその目的は達成できたと思いますが、ショットをチャンスでしっかりと決めきれていないところとかはまだまだ課題があると思います。個人技というところではまだまだ甘かったなと感じました。
――ダメ押し点を決めきれなったことは
まだまだ甘いということですね。初戦やリーグ戦にとどまらず日本一になるにあたっては終盤に点を取られてはいけないし、点を最後取って終わることをやらなければいけないと考えると、まだまだ自分たちは弱いのだなと新たにわかったので、きょうはそういう意味では勝ちに満足するなというメッセージとして捉えたいと思います。
――次戦に向けて一言お願いいたします
きょうは勝ち星を挙げることができたという事実だけで終わりにして、次に向けてしっかり準備して、一からいい試合を作っていきたいと思います。