本場のプレーから貴重な経験を積む

女子ラクロス

 ラクロスの本場・アメリカの大学との親善試合が行われた。昨年度の関東学生リーグ戦ファイナル4進出校のみに与えられたボストン大との対戦機会。男子部はこれまでに海外のチームと戦ったことはあったが、女子部は今回が初である。相手は全米代表も輩出している強豪校で「胸を借りるつもり」(G水谷菫主将、スポ4=東京・青稜)と臨んだ一戦だったが、開始直後からボストン大の破壊力の前になすすべ無く、点差が一方的に広まっていく展開に。後半、数少ないチャンスで得点を重ねたものの大差で敗れる結果となった。

得点を許し天を仰ぐG水谷主将

 早大は試合開始のドローからボストン大の圧力に屈してしまった。屈強なフィジカルを生かされてボールを奪われると、すぐさま豪快なゴールを決められてしまう。パワフルかつ繊細なボストン大の攻撃は衰えることなく早大に襲い掛かる。なかなかボールを保持することが出来ず、自陣に釘付けられて防戦一方となってしまった。結局1度もシュートをうつことなく、0-7と圧倒され前半を折り返す。

 後半も前半の流れをそのままにボストン大が試合を支配する展開となったが、中盤になるにつれ早大も意地を見せ始める。相手のミスからグラウンドボールを拾うとすぐさま速攻を仕掛けた。最後にパスを受けたMF鳴澤眞寿美(社3=福島・富岡)が相手ゴーリーとの1対1を落ち着いて決める。さらにAT辻本麻亜(スポ3=北海道・札幌月寒)にもゴールが生まれ、なんとか一矢報いることに成功。それでも前半に喫した大量失点が響き、2-10と力を見せつけられた。

意地のゴールを奪ったMF鳴澤

 結果は完敗だったが、得たものは大きなものがあった。試合後に相手選手と話し、練習方法やラクロスへの考え方を聞いたという水谷主将は「勉強になった。違う世界を知れた」と語る。普段の練習だけでは絶対に触れることができない、トップレベルのプレーを体感できたことは間違いない。今回の貴重な経験は、日本一へと突き進む選手たちを一段階上へと引き上げてくれたはずだ。

(記事 御船祥平、写真 浦井拓也)

ボストン大の選手たちとの集合写真

結果

●2-10ボストン大(得点者:鳴澤、辻本)

コメント

G水谷菫主将(スポ4=東京・青稜)

――きょうの試合の位置づけというのはどのようなものだったのでしょうか

海外の選手と試合ができるというのはめったに無いことなので、胸を借りるつもりでというか、色んなことを吸収できればいいなと思ってやりました。

――実際に試合をしてみての感想は

結果としてはボロ負けと言えば、ボロ負けだったんですけど、普段やっている相手と違う部分があって、まだまだこんなにうまい人がいるんだなということを実感しました。

――具体的に感じた違いとは

やっぱりフィジカルの部分でもそうですし、1対1を仕掛けてきて、その空いた所にさばくというのがすごく速くて、私たちが今までやってきた練習だと歯が立たないし、遅れてしまうというのが分かりました。

――海外のチームと対戦してみて得られたものはありますか

試合が終わった後に相手の方と少し話させてもらったんですけど、そこで練習方法であったり、考え方を聞けたので、そういう意味では勉強になったというか、違う世界を知れたなという思いはあります。

――改めて世界のチームと戦えた意味を教えてください

本当にいい機会だなと思っています。きょねんファイナル4に進めたことで日本の代表として戦えたということはすごく幸運なことだと思っています。

MF鳴澤眞寿美(社3=福島・富岡)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

世界では戦っていけない、その一言だけです。

――アメリカの大学の印象は

何と言ってもパワフルで、スピードも体幹ともに日本人にはないものをもっているなと感じました。

――得点を挙げられましたが、そのシーンを振り返ってみて

いい形で仲間が前にきてくれ、しっかりことしのテーマであるブレイクで意思疎通をとれて得点を挙げることができたので良かったのかなと思います。

――U-21の代表の際とワセダとして戦って違いはありましたか

やはりワセダとして戦った方がチームとしてお互いのことは良くわかっているはずなのに、個々の部分の技術のミスやボールの所有時間が少なかったりという部分はワセダとして詰めていかなければならないと思いました。またワセダは相対的に身長が低いので、その部分でドローが取りきれなかったです。しかし意思の疎通に関してはワセダとしてもっともっと高められるなと実感したので、練習を励んでいきたいなと思います。

――今後に向けて一言お願いいたします

日本ではもちろんのこと世界をあっと驚かせるようなラクロスをしたいです。