終盤に底力を見せ初戦突破!

女子ラクロス

第36回 関東学生リーグ戦 1部Aブロック

Team 1Q 2Q 3Q 4Q 合計
早稲田大学 2 2 1 3 8
学習院大学 3 2 0 0 5

得点者

1Q

横幕円香、西川佳

2Q

星川陽恵、神谷彩乃

3Q

水野文萌

4Q

齊藤莉果子、西川佳、水野文萌

 「柏原組」は関東学生リーグ戦(リーグ戦)の初戦に臨んだ。『学生王者』を目標に掲げる柏原組は、まずブロックを2位以上で突破しなければならない。初戦の相手は、昨季2部から1部への昇格を果たした学習院大。絶対に負けられない試合であったが、試合は中盤まで学習院大にペースを握られ、早大は追いかける展開に。それでも第3Q(クオーター)で追いつくと、最終Qで3点を奪取し、辛勝を収めた。

再三の好セーブを見せたG柏原陽菜乃主将(創理4=東京・大妻多摩)

 今試合では時間を短縮し、各Q12分で行われた。第1Q、最初のドローを学習院大に取られると、速攻でショットまで持ち込まれるが、ここはG柏原陽菜乃主将(創理4=東京・大妻多摩)のセーブで先制点は許さない。攻撃権を手にした早大は、ゴール裏を使ったパス回しで相手のファールを誘い、フリーシュートを獲得。AT横幕円香(文構4=神奈川・公文国際学園)がこのフリーシュートを確実に決め、先制点を挙げた。このまま流れに乗っていきたい早大であったが、パスミスで相手に攻撃権が渡ると、ハードなディフェンスも虚しく、フリーシュートを与えてしまう。またもG柏原の好セーブで得点を防いだが、ボールを奪うことはできず。早大ディフェンス陣を振り切って放たれたショットで、同点に追いつかれた。そしてその2分後、ゴール左から再び突破を許し、一瞬で逆転を許してしまった。それでもその直後、MF脇田萌衣(教4=東京・白百合学園)がドローを取ると、AT水野文萌(創理3=埼玉・早大本庄)、AT西川佳(文構4=東京・東洋英和女学院)へとボールが渡り、一気に前線に攻め立てる。AT西川がフリーシュートを獲得すると、ここを決め切って再び同点に追いついた。しかし今度は学習院大。1Q終了間際、ゴール左から、早大のマークが甘くなっていたゴール右横の選手にボールが回り、放たれたショットはゴールに突き刺さる。1点ビハインドで第2Qへ。

 第2Q最初のドローを制した学習院大は、勢いのまま前線に攻め立て、フリーシュートを獲得。しかしここでフリーシュートをせず、ゴール前でフリーになっていた選手にパスを出し、もらった選手は即座にショットを放った。これはG柏原も反応できず、4点目を献上。開始1分で2点差をつけられる。後がなくなった早大は3分、AT星川陽恵(スポ4=埼玉・浦和一女)がゴール裏から回り込んでショットを放つと、これがゴールに収まり1点差に詰め寄る。すると今度は6分、AT星川のランクリアから、AT横幕、MF神谷彩乃(文構2=神奈川・桐蔭学園)とボールがつながり、MF神谷のフリーシュートで試合を振り出しに戻した。なんとか勝ち越し点が欲しい早大だったが、痛恨のパスミスで学習院大に攻撃権を与えると、アンセット状態の自陣に攻め込まれ、再び勝ち越しを許した。その後も学習院大ペースでゲームは進んだが、G柏原の再三の好セーブもあり、1点差のまま試合を折り返した。

シュートを放つAT西川

 G柏原主将が「仲間を信じてやろう、しっかり落ち着いていこう」と話して臨んだ後半戦。早大は押され気味だった前半とは打って変わり、第3Q開始から積極的な攻撃を見せる。相手に攻撃の機会をほとんど与えないまま、開始5分、AT横幕が1on1をかけてディフェンスをずらし、ゴール前のAT水野にボールが渡ると、水野はカットで中に入り込み、ショットを放つとこれがゴールに吸い込まれ同点弾に。このプレーにチームも会場も最高潮の盛り上がりを見せた。完全に早稲田ペースの中で、なんとか相手を突き放したいところだったが、相手のゴーリーセーブにも阻まれ、追加点を取ることはできず。結局第3Qはこの1点のみで収まり、勝負の行方は最終第4Qに委ねられることになった。

 運命の第4Q。勝負が決まるこの12分間で先手を取ったのは早大だった。MF脇田萌衣(教4=東京・白百合学園)がドローを獲得すると、開始1分、MF齊藤莉果子(先理4=東京・小山台)のショットシーンで学習院大がファールを取られ、フリーシュートの機会が巡ってくる。会場中が固唾をのんで見守る中、齊藤が放ったショットは力強くゴールネットを揺らした。ついに早大は勝ち越しに成功。さらに、ゴール裏でボールを受けたAT西川が「得意とする場所で回ってきて、ここは決めるしかない」と相手の隙をつくロールシュートを展開。これには相手ゴーリーも反応できず、大きな追加点を手に入れた。すかさず学習院大はタイムアウトをとったが、タイムアウト明けも攻撃権を保持した早大は、AT水野の2度目のカットからのショットで突き放した。前半はうまくハマり切らなかったディフェンス陣も、DF山田麻由(商3=東京・国立)を中心としたプレッシャーディフェンスや、G柏原が2連続でフリーシュートをセーブするなど、終わってみれば後半は学習院大に1点も許さない守りを見せた。早大は最後まで攻撃的な姿勢を見せたまま、ゲームセット。8-5で白熱した試合を制した。

試合終了後、集合写真に収まる「柏原組」

 終盤までどちらに転ぶかわからない展開だったが、最終Qには意地を見せ、学生王者に向け一歩前進した柏原組。しかし、中盤まではパスミスなどの拙攻や、難なくショットまで持ち込ませてしまうディフェンスなども多く見られ、課題の残る試合であったことも確かだろう。柏原組が次に迎え撃つのは、昨年のリーグ戦で逆転負けを喫した東農大。1週間前に行われた明治学院大戦で18-3と大差で圧勝するなど、非常に手強い相手ではあるが、今試合の最終Qのような攻撃をすることができれば、勝機は見えてくる。リベンジに燃える彼女たちの激闘に期待だ。

(記事 長屋咲希 写真 植村皓大、髙岡紗也)

試合後インタビュー

G柏原陽菜乃主将(創理4=東京・大妻多摩)

――今日の試合を振り返ってください

 3Qまで同点で、結構接戦だったのですが、早慶戦で課題にしていた修正力をしっかり体現して、4Qで勝ち切ることができたので、チームとして成長した試合だったなと思います。

――相手の攻撃はいかがでしたか

 スカウティングをしていて、キーマンや、それぞれのポジションの強い選手は把握していました。ただ、最初の方はなかなかこっちのディフェンスがヒットしなくて、強い相手だったなと思います。

――好セーブがたくさん見られましたがご自身のプレーを振り返っていかがですか

 早慶戦でみっともないセーブをしたので、リーグ戦では切り替えて、絶対にセーブでチームを助けたいという思いでここまで練習してきました。なのでそれがしっかり成果として出たのは良かったと思います。

――前半を終えてチームで話したことはありますか

 チームとして自滅してしまうところが課題だったので、そこは絶対勝つという強い思いを持って、仲間を信じてやろうと、しっかり落ち着いていこうというのは話していました。

――今日の試合での課題と収穫を教えてください

 今回入りが良くなくて、ファールだったり、こちらのせいで相手にやられることが多かったので、入りからしっかりやっていくというところです。4Qで上げられたのはすごく良かったので、これからは1Qも上げて4Qも上げるというところを意識してやっていきたいと思います。

――東農大戦に向けて意気込みをお願いします

 昨年負けて、すごく悔しい試合だったので、今年は絶対に勝ちます。応援よろしくお願いします!

AT西川佳(文構4=東京・東洋英和女学院)

――今日の試合を振り返ってください

 まず初戦勝ち切れて、ひとまずほっとしています。リーグ戦5戦を通してのいいスタートを切れて良かったです。

――2点目のロールショットのシーンを振り返ってください

 3Qまで点を決めては決められ、と苦しい試合展開だった中で、つむぎ(齊藤)のフリーシュートをきっかけに少し早稲田に流れが来ていたので、点差を離してチームを余裕を持たせたいと思っていたところで、自分にボールが回ってきて。裏の得意とする場所で自分にボールが渡ってきて、周りもスペースを開けてくれたので、ここは決めるしかないと思って打ちました。

――今日の試合での課題を教えてください

 周りをしっかり見てコントロールするというところはまだできていないと感じました。今後の4戦を通して成長していかなければいけないなと思います。

――東農大戦に向けて意気込みをお願いします

 農大戦も学生王者に向けて絶対勝ち切らないといけない試合だと思うので、まず自分でもちゃんと得点を決めるというところと、今回の課題でもある、周りを見てコントロールするという部分も頭に入れながら、絶対に勝ち切りたいと思います。

AT水野文萌(基理3=埼玉・早大本庄)

――今日の試合全体を振り返っていかがですか

 初めは1点差で負けていたり、3Qまで同点という展開でした。絶対今日の1試合は落とせない中で、早稲田らしくない厳しい展開だったのですが、3Qまでで悪かったところをしっかり4Qで修正できたので、チームとして最後まで戦って勝てたと思います。

――2得点を決めましたが、それぞれの得点を振り返っていかがですか

 あまりここまで調子が上がっておらず、今日も1on1で戦うのはちょっと厳しいと思ったので、カットを狙っていこうと思っていました。それが2点につながったので、 ワンをかけてずらしてくれた先輩方に感謝していますし、自分もいいタイミングでカットできて、しっかり得点できたのは良かったです。

――今日の試合での課題と収穫を教えてください

 ディフェンスからアタックにつなぐクリアの部分でのミスが多く、流れが悪くなっていたことなど、目立ったミスを減らしていかなければならないことが課題です。それから相手のスカウティング通りのことをやられてしまったので、もう少し準備の部分を詰めてやっていきたいと思います。