【男子ラクロス】「最高な景色を見ることができて本当に良かった」(野澤主将)/全日本大学選手権・優勝コメント集

男子ラクロス

 学生日本一。この称号を手にするために、どれだけ多くの大学が涙を呑み、対戦相手に想いを託してきただろうか。野澤組もまた、数え切れないほどの想いを背負い、決勝の舞台へとたどり着いた。自分たちのラクロスを追い求め、チーム一丸となって突き進んできた今シーズン。4年間の集大成となるこの舞台で、彼らは優勝という最高の結果をつかみ取った。数々の苦悩を乗り越えてきた選手らは、この大舞台で勝ち切ることができた要因をどう語るのか。今回は、試合後に聞いた彼らの生の声をお届けする。

嶋田雄二GM(平7卒)

―― 優勝した今の気持ちを教えてください

 まずは本当に嬉しいです。前回が2019年の6年前で、それ以来の全日本大学選手権優勝という結果になります。この6年間の努力がようやく実を結んだという意味で非常に嬉しいですし、あとは関東を2位通過して、最終的には優勝できて関東2枠というのは維持できたので、関東代表としての責任は果たせたかなと思います。

――早稲田を日本一に導くまでどんなチーム作りをして来ましたか

 半場涼介HC(令2卒)と野澤組の幹部陣と基本的にはグラウンド全体を使ったようなフルコートのオフェンスで、全員で攻めることを中心としてやってきました。それが一年かけてようやく形になったと思います。試合の中でもそういうシチュエーションがありましたし、あれが早稲田のラクロスの1番の醍醐味なので、それが出せたのは良かったです。

――この1年間、選手の戦いぶりを評価していかがでしたか

 もうほんとにみなさんすごいですね。人としても選手としても成長してるというのは一年をかけて感じました。Aチームの選手だけじゃなくてBチームもCチームも一年生も、全てのカテゴリーで優勝できたのいうのは、やっぱりチームとしての強さがあったのかなと感じました。

――シーズン当初、学生日本一、さらには全カテゴリー優勝という最高の景色を見られると思っていましたか

 想像はできればいいなとは思っていましたけど、もちろんなかなかそこまでというのはやれるとしてもハードルというか、可能性は低いなとは思っていました。実際にそれができたというのは、本当に想像以上の成果を出してくれたと思います。その過程も本当に良かったんじゃないかと感じています。

――2月に控える川崎ファルコンズとの試合に向けて

 終わったばっかりでなんとも言えないんですけど、社会人のチームは本当に強いので、早稲田らしさをしっかり出せるような試合展開にできたらなと思います。そこはもちろん勝つことを目指して、残りの1カ月半で早稲田らしさをどこまで出せるかということにフォーカスしてやっていきたいと思います。

野澤想大主将(政経4=東京・桐朋)

―― 優勝した今の気持ちを教えてください

 いろいろな想いを背負ってきたので、その責任を果たせたのはすごく安心していますし、最高の景色を見ることができて本当に良かったなと思います。

――名大の対策はどんなことをしてきましたか

  もちろん名古屋大さんの特徴というのはスカウティングして、分析はしていたんですけど、それよりも自分たちがここまでやってきたことをしっかり伸ばしてやり切れるようにっていう準備の方にフォーカスしてやってました。

――僅差の中、勝ち切った要因はなんだと考えますか

 リーグ戦も最初の三戦は全部一点差で、そういった熾烈な僅差の戦いを勝ち切って得た経験もあると思います。あとは一年間通じて、特に早慶戦後からですけど、「どんな状況でも同じマインドメンタルでやるべきことをやり続ける」、それはみんなで意識してやってきたので、接戦をものにできた理由もそこにあるのかなと思います。

――主将として最後の1分はどんなことを考えながらプレーしていましたか

 もちろん優勝というところはちらついていました。でもそこに思考の矢印が行ってしまうとブレちゃうと思ったので、とにかく次のプレー、そして次起こることを考えていました。

――4年間の集大成となったこの試合の総括を教えてください

 関東の戦ってきたみんなの想い、福岡大学、岡山大学、関西会場などたくさんの想いを背負っていました。あとは早稲田を応援してくれるみんなの想いも背負っていたので、勝ち負けというよりもとにかく戦い抜くこと、その皆さんに恥じないプレーをすることが自分たちのやりたいことでした。それができて本当に良かったなと思いますし、結果でも報いることができて本当に安心しています。

――2月には学生王者として川崎ファルコンズとの一戦が控えています。意気込みをお願いします

 ファルコンズはもちろん強い相手ですが、今度は学生全員の想いを背負って戦う試合になると思うので、怯むことなく、自分たちの強みを最大限活かしていい試合ができればいいなと思っています。

中原健太副将(商4=東京・早大学院)

――優勝した今の気持ちを教えてください

 嬉しいという気持ちが一番最初にあります。一年間日本一になるという目標のために試行錯誤し続けたので、それが結果として報われて本当に良かったなと思います。

――名大への対策はどんなことをしてきましたか

 OF陣の方に名古屋OFを実際にやってもらうことで対策してきました。名古屋はオンボールの脅威やボールの動きから得点することが強みでしたが、そこをうまく対策することができたかなと思います。

――前半の立ち上がりはどうでしたか

 チームとしてなかなか点が入りませんでした。またDFとしても痛い形で2失点3失点してしまったという点で、なかなか重くて苦しい展開だったなと思っています。

――僅差の中、勝ち切った要因は何だと思いますか

 3Q以降のところでみんなでもっと走っていこうと話していました。早稲田のペースになるように、DF陣からも積極的に攻めていくところをやっていったところだと思います。

――副将として最後の1分はどんなことを考えながらプレーしていましたか

 優勝というところがちらつきはしたんですけど、最後の1分はやることを変えずに今まで通りにやるということをみんなに伝えました。

――2月には学生王者として川崎ファルコンズとの一戦が控えています。意気込みをお願いします

相手は社会人のナンバーワンというところで、すごく格上であることは認識しています。その上で自分たちの強みというところを活かして戦っていければなと思っています。

小川隼人(政経4=東京・早実)

――優勝した今の気持ちを教えてください

 本当に苦しい試合展開だったんですけど、なんとか今までやってきたマインドセット的な部分だったり、終盤相手に追いつかれそうになっても常に今できることをやり続けることだったりをやり抜けたことが本当にこの結果につながったのかなと思います。

――MVPに選出された時の気持ちを教えてください

 正直8番の長田謙伸君(政経3=埼玉・大宮開成)かなと思っていて、自分の名前が呼ばれた時は正直びっくりしました。

――自分のこの試合1番のビックプレーはどこだったと思いますか

 チームの3点目で、自分が左のジャンシューを打った時になかなかロースコアで停滞しているゲームから個人技でむりやりねじ込んだのが自分的にはすごい良かったかなと思っています。

――オフェンスが満遍なく機能していましたが、そこはプラン通りでしたか

 今年はずっと、誰が出ても常に点の取れるオフェンス組織を目指してきました。実際今日は10人しかボックスに入れてないんですけど、それ以外の14人も他大学だったらスタメンで出てるような選手ばかりです。そこは本当にみんな頑張ってきたと思いますし、今回ボックスに入れなかった人たちの想いも背負ってみんなには出てもらっているので、その人達が点を取れたのは良かったなと思います。

――僅差の場面も多くありましたが、その時はどういったマインドでしたか

 簡単に言うと一喜一憂しないこと、勝ち状況であっても負け状況であっても、常に次の点を狙い続けることを意識していました。本当にシンプルなことなんですけど、難しくて。やっぱり最後2点差の状況で、4Qの終盤は守りに入りたくなっちゃうと思います。そういう場面でも、次の一点を狙い続ける姿勢を全国の舞台でも見せることができたので、本当に良かったなと思います。

 2月には学生王者として川崎ファルコンズとの一戦が控えています。意気込みをお願いします

 びびってたら何もできないので、自分たちの強みであるフルフィールドで、そこはガンガン全部攻めたいと思ってます。個人としても落とされてもどうでもいいというか、本当に攻める姿勢は常に持ち続けて、誰が相手であろうと常に次の一点を狙い続けたいと思います。

花井コルトンヘイズ(国教4=アメリカ・マッキントッシュ)

――優勝した今の気持ちを教えてください

 気持ちはシンプルに嬉しいです。最高のチームメイトとスタッフのおかげで日本一になることができました。

――準決勝で課題にしていたマインドセットの部分は本日いかがでしたか

 今日は試合前にいろいろなことを考えていて。審判に対して何かあっても、自分のプレーに集中して頑張っていこうと思いました。相手のチームは泥くさいプレーが得意なわんですけど、僕らもそこを頑張れば優勝できると思っていました。

――第3Q序盤の同点弾を振り返っていかがですか

 シンプルに小川さんが1on1で上手く避けてくれて、僕もシンプルに得意なカットインをできて。本当にいつも通りみたいな感じでできました。

――この接戦を勝ち切れた要因は

 なんか、(自分たちは)1番上手いじゃないですか。今年全然負けたこともないし、負けるなんて思ったこともないです。野澤くん、小川くん、一人一人が1番上手いと思ってて、別に僕がちょっと上手くいかなくても他のチームメイトがなんとかしてくれると思ってて。絶対優勝できるという気持ちでやれたことですね。負ける訳ない、みたいな感じでプレーしてました。

――2月に控える川崎ファルコンズとの一戦への意気込みをお願いします

 川崎ファルコンズを倒して、川崎ファルコンズに入ります!

多田倫太郎(創理4=埼玉・早大本庄)

――優勝した今のお気持ちをお願いします

 シーズン初めから目標としていた日本一を6年振りにやっと達成できて嬉しいです。

――僅差の場面でのフェイスオフがたくさんありましたが、その時はどのような心境でしたか

 4年間やってきたことを出し切って、自分を信じてやり抜くことだけを考えていました。

――フェイスオフの強さが勝負の鍵になったと思います。ご自身のプレーに点数をつけるなら何点でしょうか。またその理由も教えてください。

 90点です。今年の中で1番か2番目くらいに良いパフォーマンスが出来たのですが、点が取れなかったので。次のA1では点を取って100点にしたいと思います。

――2月には学生王者として川崎ファルコンズとの一戦が控えています。意気込みをお願いします

 社会人相手なので厳しい戦いになると思いますが、最後まで自分たちがやってきたものを出し切れれば良いかなと思います。

内田玲央(商3=東京・國學院久我山)

松下晴紀(法4=埼玉・早大本庄)

※二人でインタビューに応じていただきました

――優勝した今の気持ちを教えてください

内田 気持ちはやっぱ最高です!野澤組は最高の先輩です!

松下 1年間やってきたことが報われて、嬉しいです。

――本日の名大戦試合全体を振り返っていかがですか

内田 自分は個人的にあんまり良いパフォーマンスではなかったんですけど、最後までちゃんとやり切れたことは良かったなと思います。

松下 リードされる時間もあったんですけど、個人としてもチームとしても焦らず目の前のことに集中できたのが良かったかなと思います。

――本日の勝利で今年の早大は全カテゴリー優勝を達成しました。こちらについては

内田 1番(早大が)強いとなったので、もう本当に嬉しいです。今日出ていなかった同期の姿とかを見てもすごい励みになっていたので、最高のシーズンでした。

 全チームがしっかり強くなるということは野澤組全体で最初から目指していた目標だったので、そこを果たせたのは良かったなと思います。

――2月には学生王者として川崎ファルコンズとの一戦が控えています。意気込みをお願いします

内田 相手のファルコンズさんはすごい強いと思うんですけど、学生としてのフレッシュさとスピードで頑張っていきたいと思います。

松下 相手は格上ですが、自分たちの強みである攻めの姿勢を貫いて最後まで戦いたいと思います。

長田謙伸(政経3=埼玉・大宮開成)

――優勝した今のお気持ちをお願いします

 一年間やってきたことが結果として結びついたので最高です。

――一瞬も気の抜けない試合展開でしたが、相手のオフェンスはどう感じましたか

 事前のスカウティング通り、とにかく縦に速くて、どんどんショットを打ってくるチームなのですごく怖かったです。

――第4Qでは素晴らしいセーブが連発しましたが、手応えとしてはいかがでしたか

 今日は試合開始からすごく調子が良くて、ボールも見えていたので4Qも1Qと変わらず集中してやることを意識していました。

――僅差の場面が続く中、どのような気持ちでゴールの前に立っていましたか

 とにかく今のプレーに集中するということを意識していて、あまり先のことや過去のことは考えないようにしていました。

――2月には学生王者として川崎ファルコンズとの一戦が控えています。意気込みをお願いします

 対戦相手のFALCONSはショットが上手い選手が多いので、1本でも多く止めて早稲田の勝利に貢献できるように頑張ります。

富田隼平(商3=神奈川・大和)

―― 優勝した今の気持ちを教えてください

 やっぱり一年間苦しいシーズンだったので、早慶戦とかは全然勝てないで、フェイスオフのせいで負けたといわれてもしょうがない試合をしてきました。リーグ戦を戦う中で倫太郎(多田倫太郎、創理4=埼玉・早大本庄)さんとどう勝つか、どういった練習をするのか、こだわり抜いた結果が今日出たかなと思うので、素直に嬉しいです。

――第1Qで自分が取ったボールを得点につなげましたが、その場面を振り返って

 これも一年間の集大成かなと思っています。ヘッドコーチの半場さんがとにかく点を取るラクロスをする中で、リーグ戦最初の方は結構適当に打っちゃうとかもあったんですけど、フェイスもフィールドメニューに入って1on1をする中でなんとか点を取るまでになりました。そこを最後、試合で出せたのは良かったなと思います。

――フェイスオフの強さがこの勝負の鍵となったと思います。今日のご自身のプレーに点数をつけるとしたら

 来年もあるのでそこを見据えて90点で。

――残りの10点はどういった部分ですか

 1個ポゼッションを落としているのと、もっと圧倒的な勝ち方もできたのかなと思います。あと10点は来年も見据えて頑張っていきたいと思います。

――2月には学生王者として川崎ファルコンズとの一戦が控えています。意気込みをお願いします

 個人的にはファルコンズの田村統馬さんと結構つながりがあります。関東ユースの選考会でもお世話になってますし、U20の日本代表の時も1月から6月まで一緒に練習をして、いろいろアドバイスをもらって、最終的にU20は補欠になっちゃったんですけど、その時に日本のFOを高めようっていう言葉をもらいました。それを国立競技場で、自分の師匠とも言えるような深い関係の人と戦える機会なので、一緒に高めていけたらなと思います。自分はチャレンジャーというか、当たって砕けるだけなので、そこは胸を借りるつもりで本気で戦いたいと思います。

(編集 高津文音 写真 石澤直幸、土橋俊介、永吉梨々子、西塚奏琉、大竹瞭、小畑萌)