【男子ラクロス】夏での悔しさを糧にーー早大ラクロス、新人戦ウィンターカップで頂点に

男子ラクロス

新人戦ウィンターカップ

12月6日 千葉・フクダ電子フィールド

準々決勝

Team 1Q 2Q 合計
早稲田大学
明治学院大学・上智大学

得点者

1Q

綾小路律、塚本健琉、園部友大、秋山翔太

2Q

マッカーシー太陽、秋山翔太

準決勝

Team 1Q 2Q 合計
早稲田大学
青山学院大学・武蔵大学

得点者

1Q

園部心大

2Q

なし

決勝

Team 1Q 2Q 合計
早稲田大学
明治大学

得点者

1Q

園部心大

2Q

山田遥斗、秋山翔太、塚本健琉

 新人戦サマーステージでの悔し涙から早いことに3か月が経過した。初めて味わった敗北感。公式戦での初黒星。勝ち切ることの難しさを痛いほどに思い知らされた。それでも彼らのラクロス人生は始まったばかり。新人戦ウィンターカップ、あすなろとリベンジを果たす機会は十分にある。自分たちが進化したことの証明を、そして入部当初から温かく見守ってくれた学生コーチに報いるために。一年生チーム全員が「次こそは自分たちが優勝の座に立つ」と強い覚悟を決めて、二度目の新人戦、ウィンターカップに臨んだ。

ゴールめがけて走る神戸

 予選一試合目の相手は立大。約3か月ぶりの公式戦となったが、早大は序盤からテンポよく得点を重ね、主導権を握る。前半を2点リードで折り返すと、後半もその勢いは衰えない。点差をさらに広げ、5-1で順当に勝利を収めた。続く二試合目の慶應高戦でも、AT園部友大(商1=東京・國學院久我山)、AT秋山翔太(政経1=東京・早実)らオフェンス陣が躍動。スピード感をうまく活かした攻撃で、5点リードのまま試合は残り1分を迎える。終盤に惜しくも一点を献上するが、それ以外では一切隙を与えない。終始相手を圧倒し、5-1で二戦目も快勝を収めた。この結果早大は、順調に予選を突破。次なるステージである決勝トーナメントへ確実に駒を進めた。

 準々決勝からは負けたら終わりの一発勝負。対戦相手は明学大・上智大の連合チームとなったが、早大はここでも攻撃の手を一切緩めない。チームを勢いづけるAT綾小路律(商1=東京・淑徳巣鴨)の先制点に相手も食らいつき一点を返すが、立て続けにAT塚本健琉(政経1=東京・早大学院)、AT園部友、AT秋山がネットを揺らす。FO森大雅(創理1=東京・海城)が作った攻撃を見事にオフェンス陣が得点に変え、前半を4-1で終える。後半も開始早々ATマッカーシー太陽(商1=埼玉・早大本庄)が長めのショットを打ち切ると、今度はAT秋山がグラボの精度を活かした巧みな攻撃を見せる。一人一人が個の強さを存分に発揮し、6-1で準決勝進出を決めた。

準決勝で勝利を決める劇的な一打を決めた園部心大

 続く準決勝の相手は青学・武蔵大の連合チーム。サマーではここで敗退を喫し、悔し涙を流した。だがこの日の早大は、序盤から果敢に攻める。AT園部心大(商1=東京・早実)が相手ディフェンスをフィジカルで押し切って力強くクロスを振り切ると、ボールは華麗にネットを揺らす。待望の先制点に観客も湧き上がるが、ここからは我慢の時間が続く。両者一歩も譲らない攻撃を見せる中、チームを何度も救ったのがG和田悠汰(政経1=東京・早大学院)だった。一点のリードを守るべく、身を呈して相手のボールに食らいつき、何度も何度もゴール前を死守する。試合終了まで残り2分。相手が意地を見せて攻め寄ってくるが、G和田悠は動じない。冷静に相手の攻撃に対応し、チームの勝利に貢献した。この結果をもって早大は、サマーで叶わなかった決勝への壁を突破。ウィンターカップ優勝に向けて、力強く歩みを進めた。

 待ちに待った決勝の舞台。対戦相手は明大と、互いに意気込んでこの戦いに臨んだ。序盤からAT園部心が準決勝に引き続き先制点を奪うと、今度はその一点から守りに転じる。それでもチーム一丸となって相手の攻撃を封じ込み、相手の得点を無失点に抑える。後半はウィングがうまく機能し、確実に得点への道筋を作り出す。ATマッカーシーが素早くボールを奪うと、的確なパス回しからAT山田遥斗(政経1=東京・早大学院)がスピード感溢れるショットを決め切る。今度はAT園部友とAT秋山の連携プレーが光り、相手との点差をさらに広げる。途中失点を許し2点差となるが、AT塚本がバウンドさせながらも気持ちでボールを押し込み、リードを確固たるものにする。4-1と3点差の状況でも、試合終了のホイッスルが鳴るまで選手は誰一人として集中力を切らさない。サマーで果たせなかった勝利への思いを胸にチーム一丸となって戦い切り、全員の力で頂点の座を掴み取った。

胴上げをする選手たち

 学年キャプテンを務めるATマッカーシーは「サマーで負けたあの悔しさから、ウィンターで優勝して学生コーチを喜ばせることを目標にしてきた」と語る。ラクロスという競技に初めて触れる人が大半の中、それを一から教え、彼らの成長に全てを費やしてきた柴谷祐太朗(政経4=東京・早大学院)と山﨑文也(政経4=東京・早大学院)。最後の最後に優勝という結果で感謝を伝えられたことは、一年生にとっても何より嬉しかったことだろう。そして短期間ながらも、個の力を飛躍的に伸ばし、他大学を圧倒してきた一年生チーム。しかし、ここはあくまで通過点。明日からは再び、新たな目標に向けた練習の日々が始まる。先輩らの姿を見て、背中を追い続けてきた彼らが「強い早稲田」という伝統を受け継ぎ、さらに大きく成長していく姿に今後も注目したい。

(記事 高津文音 写真 辻岡真波、河野紗矢、石澤直幸)

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