Bリーグ 全学FINAL
11月22日 東京・大井ホッケー場サブピッチ
| Team | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 早稲田大学 | 2 | 1 | 2 | 3 | 8 |
| 関西学院大学 | 1 | 1 | 2 | 0 | 4 |
得点者
1Q
大橋陸人、井原幸輝
2Q
大橋陸人
3Q
進藤洸翔、藤田壌
4Q
地曳輝一、岸凛太朗2
あたりがしんと静まりかえる中、コート上には選手らの熱気と仲間の力強い応援が立ち込めていた。ここまで決して楽とはいえない試合を勝ち進み、Bリーグ王者まであと一歩に迫る早大。野澤組として全チーム優勝を狙う中、Cチームがつなげてくれたタスキをここで途切れさせるわけにはいかない。目指すは優勝、ただ一つ。今シーズンの集大成を懸け、関西Bリーグ王者・関学大との負けられない一戦が始まった。

ディフェンス力に加え、スピードも兼ね備える辻
第1Q(クオーター)は、互いに激しいディフェンスが光る展開に。コース取りが難しい中だったが、MF大橋陸人(商4=東京・早実)がキレのあるショットをみせ、先制点を奪う。しかし、今度は相手に同点打を決められ、試合はふりだしに戻る。残り2分半。早大は、G大賀円太(文構4=神奈川・光陵)のナイスセーブから攻撃を作り直す。こぼれたボールを拾ったMF井原幸輝(商3=東京・早大学院)が、そのまま勢いのあるショットへつなげて見事にゴールを捉える。2-1と勝ち越しに成功したところで第1Qが終了する。
第2Qは開始4分で相手に得点を決められ、またしても同点に。厳しいディフェンス時間が続くも、MF大橋の一撃でリードを奪い返す。終盤相手の一打がG大賀に襲いかかるも、確実に食い止めて一点差のまま第3Qにつないだ。

得点を決めて喜び合う選手たち
さらに点差を広げたい早大は、第3Q序盤から猛攻撃を仕掛ける。AT進藤洸翔(国教3=東京都市大附属)が受け取ったパスをすぐに押し込み4-2にすると、オフェンスリーダーのDF藤田壌(商4=東京・早実)もこれに続く。長い距離をものともせずクロスを振り切り、関学大相手に3点差をつけてみせた。しかし、ここで早大にマンダウンがとられ、守備が危機的状況に。一瞬の迷いをうまく突かれ、相手に連続で得点を許すと、その差は5-4と一点差まで詰め寄られる。
緊迫した空気感となるが、早大は自分たちのプレースタイルを貫き通す。全員で相手ディフェンスを崩してチャンスを作り出すと、まずはMF地曳輝一(人2=東京・本郷)の一打がネットを揺らす。6-4と早大に流れが傾いたところでAT岸凛太朗(政経2=東京・海城)が貴重な追加点。トランジションが激しい中でも安定したプレーを続け、ゲーム終了間際にはAT岸の素早いショットが再びゴールを射抜いた。終わってみればスコアは8-4。4点差で勝負を決め、これまでの努力を「優勝」という最高の形に結びつけた。

Bリーグ優勝を決めた歓喜の瞬間
楽な道のりではなかったが、選手一人一人が目の前の課題と向き合い、成長し続けてきた今シーズン。その積み重ねが、Bリーグ優勝という華々しい結果へとつながった。仲間を信じ、自分を信じ、全てのプレーに熱い思いを込めて戦い抜いた選手たち。試合後、彼らの表情には満開の笑顔が広がっていた。これで、Cチームから受け取った優勝というバトンはつながれた。今月末に全日本大学選手権の準決勝を控えるAチームにとっても、大きな追い風となるはずだ。最高の想いを噛み締めた彼らが、次はAチームの一員としてピッチに立つ姿にも期待が高まる。
(記事 高津文音 写真 永吉梨々子)
試合後インタビュー

大賀円太(文構4=神奈川・光陵)
――まずはこの60分間を戦い抜いてみていかがでしたか
Bチームとしても2年ぶりの優勝がかかっていて、野澤組の全チーム優勝というためにも絶対に負けられない一戦でした。優勝することができて、今は安堵の気持ちが大きいです。
――全学FINAL4からこの2週間で、個人としてどんな部分を修正しましたか
関学はかなりオフェンスの強いチームで、ハイレベルな試合展開になると予想していました。そこに対していかに相手にショットを打たせないか、いかに気持ちよくオフェンスをさせないかという部分にフォーカスして練習してきました。
――ゴーリーとして見たコート上の景色は言葉に表すとどんなものでしたか
宝物のような一瞬だったかなと思います。
――いちばん印象に残っているのはどのクオーターですか
優勝した瞬間である第4Qはいちばん印象に残っています。関学が追い上げてきている中で、オフェンスディフェンス共に奮起してくれました。最終的にああいった形で優勝を迎えることができたので、いちばん印象に残るクオーターだったかなと思います。
――最後に4年間を振り返っての思いを教えてください
苦しいことが大半を占める体育会生活でしたが、この日のために全てがつながっていると信じて、頑張ってきて良かったなと思います。

大橋陸人(商4=東京・早実)
――まずはこの60分間を戦い抜いてみていかがでしたか
Bチーム最後の試合ということで、60分通してめちゃくちゃ楽しかったです。
――全学FINAL4から攻撃力がさらに増したように思います。個人としてどんな部分を修正しましたか
もともと強みだったシュートをさらに強化しました。あとは4年生なのでオフェンス全体の統括というか、オフェンスの一体感というところは自分だけではなくてチームを動かせるようになったかなという感じですね。
――先制点を決めてチームに大きく流れをもたらしたと思います。チームの貢献度としてはどう手応えを感じていますか
貢献度ですか!?まあ結構貢献したんじゃないですかね、という感じです。点を取ることを期待されていて、前回の全学FINAL4で点が決められなかったので、今回はいい流れを作ることができてよかったです。
――最後に4年間を振り返っての思いを教えてください
総じてめちゃくちゃ楽しかったです。Aチームの活動はまだ続いてて、今後Aチームに戻ると思います。Aの方でもボックス入りして、今日以上に点をとって、野澤組のABC全チーム優勝にまたさらに明日から貢献したいなと思います。

藤田壌(商4=東京・早実)
――まずはこの60分間を戦い抜いてみていかがでしたか
準決勝が関学Cチームで一点差で勝てたというところで、結構厳しい試合になるんじゃないかと思っていました。その中で序盤から点をとって、常にリードをとりながら勝つことができて本当に良かったなと思います。
――全学FINAL4からFINALまでの2週間で、個人としてどんな部分を修正しましたか
個人としてはBチームのOFリーダということもあって点を取らないといけないというところはありました。ショットの本数を増やして、なるべく決定率を高めることを意識して取り組んでいました。
――集大成となるこの試合で、自分の4年間を出し切るようなプレーはできましたか
第2Qで点をとることができて、そこで3点差つけることができました。大事なところで点を取れたのは、4年間の成長だったかなと思います。
――最後に4年間を振り返っての思いを教えてください
4年間色々大変なことがあったと思いますが、その中でサポートしてくれた方々や今日見にきてくれた先輩たちに対して恩返しができたのかなと思います。本当によかったです。

植野達也(教4=東京・早実)
――まずはこの60分間を戦い抜いてみていかがでしたか
相手が勢いのいいチームだったからこそ、最初は自分たちのプレーがあまりできていませんでした。それでも一個一個のプレーで詰めてきたものを思い出して、それを体現していくことができたかなと思います。楽しくて、いいプレーができました。
――全学FINAL4からこの2週間で、個人としてどんな部分を修正しましたか
やっぱり基本に立ち返ることをこの2週間ではやってきました。そういった点では、チームにもう一度勢いをつけることができたかなと思います。小さなミスが他の試合では続いてしまっていたので、そういうミスで負けたくないという思いがありました。そこを練習で詰めてきて、その結果が優勝という形につながったのかなと思います。
――多彩なクロスワークをこの試合でも発揮していましたが、自分の4年間の集大成となるようなプレーはできましたか
個人的にはミスが結構多い試合だったので、チームへ高く貢献できたとはあまり思いません。それでもまだAチームでの活動は残っているので、そこでしっかり試合に出て、最後に全学優勝できるように頑張りたいと思います。
――Aチームでの活動はまだ残っているとのことですが、ここまでの4年間を振り返ってみてどうでしたか
部活動を通じて苦しいことばかりで、きついと思うこともたくさんありました。でもやっぱりこういう優勝の瞬間とか、試合に勝った時の嬉しさとかが自分の原動力になっていましたし、辛かったことも耐えてやり抜いて良かったなと思います。

中岡秀介(政経4=京都・洛星)
――まずはこの試合を振り返ってみていかがでしたか
自分は4Qの最後から出場する形でしたが、同期とか後輩が自分が出るまでつなげてくれました。そこの部分に関して本当に感謝していますし、最後出場して終わることができたので良かったなと思います。
――全学FINAL4からこの2週間で、個人としてどんな部分を修正しましたか
ディフェンスは相手のショットの打ち切りがいいのに対して、取り切る部分を修正しないといけないと思っていました。そういうところを意識して、今日はプレーすることができたので良かったです。
――大歓声を受けてプレーする時間は自分にとってどんなものでしたか
自分が出た時に「しゅー」と名前を呼んでくれて、すごく後押しされました。最後は自分もいいディフェンスをすることができたので嬉しかったです。
――ここまでの4年間を振り返ってみていかがでしたか
自分は中高と、大きい舞台で歓声を受けながらプレーする経験があまりありませんでした。最後にこういった形で、仲間の歓声を受けながらプレーすることができて本当に幸せだったなと思います。