【男子ラクロス】リーグ最多の8得点!因縁の相手明学大を大差で下し、見事FINAL4進出を確定させた!

男子ラクロス

第37回 関東学生リーグ戦 1部Aブロック

9月21日 東京・大井ホッケー場メインピッチ

Team 1Q 2Q 3Q 4Q 合計
早稲田大学 1 4 2 1 8
明治学院大学 1 1 0 1 3

得点者

1Q

山口遼真

2Q

岡地慶人2、山田伊織、小川隼人

3Q

辻村征也、花井コルトンヘイズ

4Q

山田伊織

 

 7月に始まったリーグ戦も早2カ月が経過し、FINAL4をかけた戦いもいよいよ最終局面を迎える。早大はここまで勝ち点9、三戦全勝と波に乗っている。その目の前に立ちはだかるのは、同じく三連勝中の明学大。早大は最大のライバルを前に、全てをかけてこの大一番に臨んだ。第1Q(クオーター)は相手に先制点を許すも、AT山口遼真(政経4=東京・成城)の得点からうまく流れを作り出す。その後の第2Qでもその勢いに乗るかのように、MF岡地慶人(政経4=愛知・滝)が連続得点。AT小川隼人(政経4=東京・早実)、AT山田伊織(国教3=早稲田佐賀)もそれに続き、前半だけで5得点を決める。第3QではG長田謙伸(政経3=埼玉・大宮開成)が守護神の名にふさわしいプレーを連発。このクオーターを無得点に抑え、7-2で最終第4Qに突入した。始まってすぐに明学大が反撃の一点を返すも、AT山田がその流れを食い止める。鋭いショットで相手にとどめを突き刺し、この試合の勝利を決定づけた。そしていよいよ歓喜の瞬間。ホイッスルが鳴り響くのと同時に選手らの顔に笑みがこぼれ、8-3での勝利をかみしめた。

ボールを保持するMF岡地

 第1Q最初のフェイスオフを任されたのはFO多田倫太郎(創理4=埼玉・早大本庄)。大観衆の注目が集まる中、その期待を背に安定感のあるプレーでボールを奪い取る。そこから攻撃をつなげたいところだったが、相手に先にタイミングを掴まれ先制点を許してしまう。グラウンドボールのミスが相次いで続き、そのまま流れが持っていかれるかと思われたが、野澤想大主将(政経4=東京・桐朋)のワンプレーから流れが傾き始める。AT山口が強気な姿勢で相手ディフェンスを巧みに突破。器用なクロスさばきで相手を惑わし、同点ゴールを決めてみせた。

 第2QではMF岡地の得点を皮切りに、早大の猛攻撃が始まる。先ほどの力いっぱいのショットとは打って変わって、タイミングを見計らったボールをうまく押し込みMF岡地が連続得点。残り10分で相手がクロス方向のショットを決めるも、AT吉田宗一郎(教3=東京・早実)からパスを受けたAT小川がロングシュートを突き刺し、4-2と相手を引き離す。クオーター終盤間際、フィジカルを活かしたオフェンスを見せるAT山田が追加点を入れ、3点差をつけて前半を折り返す。

指示を出すG長田

 第3Qは最初のプレーが会場を大きく沸かす。フェイスオフを相手に取られるも、再びボールを奪い返したMF辻村征也(政経4=東京・早実)。ネットに向かって一直線に走り、めいいっぱいクロスを振りかざす。ボールは綺麗にゴールに入り、流れを作る大きな一点を生み出した。その後もAT花井コルトンヘイズ(国教4=アメリカ・マッキントッシュ)が至近距離からのショットを成功させ、一気に相手との差を5点に広げる。その後はG長田が圧巻の守備を見せ、相手のショットを何度も食い止める。守りの強度の高さを改めて感じさせるようなプレーで、見事この回を無失点に抑えてみせた。

 7-2とこれまでにない大幅リードで突入した第4Q。相手も執念の意地を見せ一点を決めてくるも、ここでAT山田が渾身の一撃を放つ。フェイスオフに勝ち切ったFO多田からボールを受け取った次の瞬間。相手ディフェンスも手を出すことができない鋭いショットが飛び出し、それが勝利を決定づける大きな一点となる。相手とのコンタクトが多い中でも早大の固い守備はゴールを確実に守り切り、そのまま試合終了のホイッスルが選手たちを包み込んだ。

スタンドに挨拶する選手たち

 こうして因縁の相手、明学大との一戦は早大の勝利に終わった。結果だけ見れば8-3の快勝。ただこの勝利はこれまでの努力なしに語れない。悔し涙も流した、挫折もした、それでも立ち上がった彼らの強さがようやくこの勝利に結びついたのだ。リーグ戦も残すところ中大戦のみ。FINAL4進出は確定させたものの、最後まで気を抜いてはいけない。彼らが掲げる日本一に向け、まずはリーグ戦を全勝で飾り、盤石の布陣でFINAL4に臨んでほしい。

(記事 高津文音 写真 西塚奏琉、石澤直幸)

試合後インタビュー

DF寺田颯一郎(商4=東京・攻玉社)

――試合全体を振り返っていかがですか

 明学は去年のFINAL4で負けた相手で、バイト先の友達も多くて、個人的にもチーム的にも絶対負けられない相手でした。そういう試合を良いスコアで勝てたことは良かったと思います。

――明学大相手に特別な対策はありましたか

 相手のアンダー日本代表にも選ばれたオフェンスのエースにどれだけ好きにプレーさせないかを組織全体で考えていたので、それを発揮できて良かったと思います。

――本日の勝因を挙げるならいかがでしょうか

 ディフェンスがしっかりオフェンスにつなげられて、オフェンスがそのチャンスをしっかりものにしてくれたことだと思います。チーム一丸で勝てました。

――次戦はリーグ最終戦で中大との対戦です。意気込みをお願いします

 Bブロックの1位通過は確定したんですけど、全勝でリーグ戦を終えれば良い流れでFINAL4に行けると思います。中大戦も今日みたいに良い試合展開で勝ちたいです。

MF辻村征矢(政経4=東京・早実)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 昨年、悔しい思いをした因縁のある相手とこのメイン競技場で、たくさんの先輩方が応援に来てくださっていると分かっていたので、絶対に勝ちたいという強い気持ちで今日の試合に臨みました。

――明学戦にかけてきた思いを教えてください

 昨年はAチームにいたのですが、負けた試合は怪我で出れずに一緒に練習してきた先輩方が泣いている姿を見て自分の不甲斐なさを感じていました。今回は自分の武器を明学にぶつけて倍にして返してやろうというくらいの熱い気持ちでした。

――緊張もある中でどんな気持ちで試合に臨みましたか

 僕は4年生で責任ある役職なので、熱い気持ちでやりながらもラフなプレーや軽いプレーをしてはいけない、自分がブレてはいけないという気持ちでいつも通り出来ることをやろうと考えていました。

――第3Q入ってすぐ得点を決め、流れを作り出したと思います。後半修正した点などはありますか

 3点リードしたまま折り返して、チーム内に少し勝てるのではないかというムードがあった中で野澤想大主将(政経4=東京・桐朋)が気を引き締めてくれました。そして最初にフェイスオフの自分がボールに絡むところで、自分が示すということがどれだけ大きいかをこの1年間理解し、体現してきたつもりだったので、それを変わらずやりました。そしてグラボをしっかり取って前まで運ぶことができたこと、点を取れたことは上出来だったと思います。

――リーグ戦最終試合の中大戦に向けた意気込みをお願いします

 これから日本一に向けての試合が少なくなってきて、野澤組がどういうチームだったか、自分たちが何を残せるかということを示せる機会も少なくなってきています。その中でも自分達が出来ることをやって日本一に向けて良い足がかりを作りたいなと思います。

多田倫太郎(創理4=埼玉・早大本庄))

――今日の試合を振り返ってみていかがでしたか

 これに勝てばリーグ戦一位通過で、日本一が見えてくる試合でした。厳しい展開だったとは思いますが、フェイスオフを含めてなんとか勝ててよかったです。

――昨年のFINAL4の試合を彷彿とさせる明学戦、今日の試合はどんな気持ちで臨みましたか

 自分は去年観客席で見ていましたが、先輩たちや同期が泣いている姿を見て絶対にやり返さないといけないなと思っていました。全員が今までのリーグ戦とは違った気合の入り方だったと思います。

――対談でもフィールドのプレーに自信があるとお話しされていましたが、その点はどうでしたか

 4Qの明学が決めた後のフェイスオフで、しっかりとアシストすることができたのはよかったかなと思います。

――ハイスコアなゲームになりましたが、その勝因はなんだと考えていますか

 シーズン初めから、チームとして10対4で勝つということを理想として掲げていました。それを目指してずっとやってきたので、10対4にはなっていない中でもそれに近い試合を体現できたかなと思います。

――リーグ戦最終試合、中大戦に向けた意気込みをお願いします

 最終試合なのでしっかりと勝っていい形でFINAL4に進みたいですし、点も決めたいと思っているのでそこに注目してもらえたらなと思います。