最後まで奮闘するも昨年のリベンジ果たせず、慶大に悔しくも敗北を喫する

男子ラクロス

早慶戦

5月18日 慶應義塾大学日吉陸上競技場

Team 1Q 2Q 3Q 4Q 合計
早稲田大学 2 1 0 2 5
慶應義塾大学 0 2 3 4 9

得点者

1Q

花井コルトンヘイズ、三戸優也

2Q

山口遼真

3Q

なし

4Q

大橋陸人、花井コルトンヘイズ

 今年も伝統の一戦、早慶戦の火蓋がきって落とされた。大観衆が慶應日吉キャンパスに足を運び、今か今かと試合開始を待ち望む。14時きっかりに始まった男子戦。早大は前半から自分たちのリズムを作り出し、うまく試合を進めていく。第2クオーター(Q)を3-2と1点リードで終え、いい流れかと思われたが迎えた後半。ここまで上手く押さえ込んでいた相手のオフェンスが、一気に猛攻撃を見せる。こちら側も対抗し、一進一退の攻防を見せるが、ゴーリーの負傷というアクシデントも生じ、上手く立て直せない。最終第4Qで2得点を入れ点差を縮めたものの、一度勝ち越された相手の背中を最後まで捉えることはできず。選手らの健闘むなしく、昨年のリベンジを果たすことはできなかった。

ショットを放つMF三戸

 第1Q最初のフェイスオフは慶大が勝ち切り、相手ボールに。それでもグラウンドボールを積極的に取りに行き、攻撃権を取り戻す。だが、チームで作り出したシュートチャンスをなかなかものにできない。それでも慶大のファールからマンダウン状態となったチャンスをAT花井(コルトンヘイズ、国教4=アメリカ・マッキントッシュ)は見逃さなかった。ディフェンスを軽やかに突破し、ゴール右へ何なくショットを決める。先制点を獲得した早大はさらに勢いづく。今度はMF三戸優也(商3=東京・早実)が相手ディフェンスのタイミングを見計らい、ここぞという瞬間でゴール裏から飛び出す。そのまま鋭いショットを打ち、見事ゴールを捉えることに成功した。  

 点差をさらに広げたい第2Qだったが、ペースをうまく掴むことができない。5分経過時点で相手のショットがバウンドボールで吸い込まれてしまい、1点差まで詰め寄られる。ここでゴーリーの負傷、さらに早大のマンダウン状態と相手が有利な状態に。惜しくも同点打を打たれたところで早大はタイムアウトを取り、対応を図る。やや不安げな表情がチームの中で見受けられたが、それを払拭したのはMF山口遼真(政経4=東京・成城)だった。ゴール付近まで持ち前のスピードで詰め寄り、流れを取り戻す大きな一点を決めた。

ゴールを決め喜ぶAT花井

 だが、第3Qで慶大が一気に追い上げを見せる。開始2分で再び同点に追いつかれると、その後もロングシュートをコースごとに使い分け、1点2点とじわじわと点差を広げられる。それでもG黒田康希(スポ2=東京・成蹊)はゴーリーとしての意地を見せ、必死に相手ボールに食らいつく。さらにはディフェンス陣もうまく機能し、チーム全体でこのクオーターを2点差で食い止める。

 なんとか追いつきたい第4Qだったが、フェイスオフを得意とする相手チームになかなか歯が立たない。ゴール上ギリギリを狙ったショットが立て続けに入り、3-8と5点差に。さらにはアクシデントでG黒田が負傷し、プレー続行が厳しい状態となる。早大にとっては痛恨の痛手だったが、G黒田の代打にMF辻村征也(政経4=東京・早実)を起用。最後まで試合を諦めない姿勢を見せる。残り5分と刻一刻と時間が迫る中、去年の悔しさを知っているMF大橋陸人(商4=東京・早実)が見事相手からゴールを奪う。4年生がプレーでチームを鼓舞すると、続けてAT花井もショットを決め切り3点差まで詰め寄る。不屈の精神で最後まで立ち向かったが、終盤相手にダメ押しの1点を追加され、さらに点差を引き離される。選手たちは最後まで意地とプライドを見せたが、一度開いた点差を縮めることはできず。去年に引き続き、惜しくも敗北を喫した。

ハイタッチをするAT三戸(画像左)とMF山口(画像右)

 去年の敗戦から1年を経て、成長できた点も多くあっただろう。前半の試合運びはまさしくそれが遺憾無く発揮されていた。それでも早大相手に立ちはだかった慶大の壁は高かった。だが、チームが目指すのは学生日本一。歓喜の瞬間をチームメイトと分かち合うため、まずは今日の悔しさをこれからの原動力にしてほしい。そしてDF野澤想大主将(政経4=東京・桐朋)も言うように、「今日の負けが活かせたと言えるよう」リーグ戦までチーム一丸となって駆け抜けてほしい。

(記事 高津文音 写真 井深真菜、石澤直幸、河野紗矢、辻岡真波、西塚奏琉)

試合後インタビュー

MF野澤想大主将(政経4=東京・桐朋)

――今日の試合を振り返ってみていかがでしたか

 前半は3-2といい試合展開だったのですが、後半ゴーリーの怪我などもあって、慶應にうまく試合展開を持っていかれたなという感じです。

――早慶戦に向けたチームの仕上がりはどうでしたか

 去年の反省を生かして、合宿などを通して準備をしてきました。前半の内容も踏まえてある程度は出せたかなと思いますが、やっぱり慶應は非常に試合運びが上手だなと痛感しています。まだまだ力不足だったというのが率直な感想です。

―― 相手のオフェンスはいかがでしたか

 あらかじめ分かっていたことではありますが、シュートの上手な選手が多かったです。そこは気をつけようと思っていましたが、ファール後のエキストラをうまく使われたり、シュートをうまく決められたりしてしまいました。

――今日見つかった課題や収穫はありますか

 得点力というのは課題かなと思っています。10点を取るというラクロスを目標にしていましたが、今日ははるかに及ばない結果でした。ハーフオフェンスもフルフィールドのオフェンスも、まだまだ磨いていかないと学生日本一というのは厳しいのかなと思います。

――次の目標を教えてください

 チームでは学生日本一を目標に掲げています。リーグ戦が7月から始まりますが、そこまで気を抜かず、今日の負けが活かせたと言えるような結果を出したいと思います。

MF大橋陸人(商4=東京・早実)

――試合を終えた今の気持ちをお願いします

 やっぱり悔しいです。悔しさとむなしさが来ます。1年生から一度も勝ちを見れずに早慶戦を終えてしまうのは悲しいことです。点を決められたことの喜びはあるのですが、色々な感情が混ざりあった複雑な気持ちです。

――早慶戦にかけてきた思いを教えてください

 日本で一番注目されるラクロスのイベントということで、お客さんもたくさん集まります。その舞台でプレーするという目標は果たせましたが、そのさらに先の目標である、勝つということができなかったことが悔しいです。

――第4Qに得点を挙げましたが、そのプレーを振り返っていかがでしょうか

 自分の出番がエキストラだけという結構限定的な起用だったのですが、数少ない出番をものにできたところは自信にはなったかな、評価したいかなと思います。

――本日見つかった課題や収穫などを教えてください

 今はエキストラだけになってしまっていますが、オフェンスミッドフィールダーとして出場機会を増やしてたくさん点を決められる選手になりたいです。リーグ戦で必ず慶大にリベンジを果たして、全日本で優勝したいと思います。

――リーグ戦に向けての意気込みをお願いします

 自分が一番点を取れる選手になって、慶大を圧倒して、必ず日本一になりたいと思います。