「早慶戦」に敗れ2度目の新人戦も悔し涙に終わる

男子ラクロス

新人戦ウィンターステージ

12月21日 埼玉・大宮けんぽグラウンド

第1試合

Team 1Q 2Q 合計
早稲田大学
慶応義塾高校

得点者

1Q

若杉泰希、成瀬壮真、大津志響、平山晴亮

2Q

成瀬壮真、岸凛太朗、平山晴亮

第2試合

Team 1Q 2Q 合計
早稲田大学
明治大学

得点者

1Q

平山晴亮

2Q

矢野健明、成瀬壮真、大河原健

準々決勝

Team 1Q 2Q 合計
早稲田大学
慶応義塾大学

得点者

1Q

なし

2Q

平山晴亮

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

 新人戦サマーステージ(サマー)にて早大勢5連覇を逃す悔しい結果に終わった1年生チームはこの日、2度目の新人戦となる新人戦ウィンターステージに臨んだ。サマーでは早大から2チーム出場したが、今回は1チームでの出場。チーム内の競争もさることながら、今度こそ頂点をつかむために他大に負けじと数カ月練習を重ねてきた。ところが、慶応高、明大とのブロック戦は順調に連勝で突破するも、準々決勝で対戦した慶大に力負けを喫してしまう。サマーに続いて決勝進出はならず、再び悔し涙を流す結果になった。

相手選手をかわす平山

 初戦は慶応高との対戦。高校生とはいえども関東学生リーグ戦3部に所属しており油断はできないが、早大は第1クオーター(Q)に1点を先制されてしまう。早速ビハインドを背負うも、ここで負けてはいられないと言わんばかりに反転攻勢を仕掛けた。直後に和田弘都(教1=埼玉・早大本庄)がフェイスオフに競り勝つと、攻撃陣は果敢にゴールを狙い、若杉泰希(政経1=東京・早実)のショットで追いつく。そして、成瀬壮真(商1=東京・早実)の放った流れるようなショットが勝ち越し点になると、大津志響(法1=埼玉・早大本庄)、平山晴亮(教1=東京・佼成学園)も続いて一挙4点を奪うことに成功した。第2Qは、早大がつかんだ勢いそのままに得点を重ねた。成瀬がグラウンドボールを拾い上げてゴールに突き刺し追加点を挙げると、和田、岸凛太朗(政経1=東京・海城)と的確なパスを送り得点までつなげる。その後、平山も得点を挙げて7点目。西島大翔(人1=東京・成蹊)ら守備陣も光り、大差で勝利を収めた。


 第2戦の相手は明大。第1Qから数多くショットを放っていったが決め切れず、両校互いに譲らない展開に。こう着状態にあった試合を動かしたのは、背番号1・平山だった。矢野健明(社1=神奈川・桐光学園)から前線にてボールを受けると、そのまま力強いショットで先制。第2Qは守備陣の奮闘もあり明大の反撃を全く許さず。攻撃では華麗なステップで相手をはがしてボールを流し込むなど多彩なショットを見せ、矢野、成瀬、大河原健(社1=東京・早稲田)で3得点を加えて4-0と完勝。ブロック戦を連勝で突破し、早大は勝負の決勝トーナメントに駒を進めた。

ボールを保持する成瀬

 準々決勝は「早慶戦」となった。慶大は今季、Aチームが全日本大学選手権を制した強豪校。早大が果たせなかった目標を達成した宿敵との対決は、今大会で優勝するためにも負けられない戦いだ。第1Qから先制点を奪いたい早大だったが、慶大の強固な守備陣にはばまれた。岸のショットはゴーリーにセーブされてしまい、なかなかネットを揺らすことができない。ここで、慶大に攻め込まれてゴール裏を活用した攻撃に揺さぶられると、立て続けに2失点を喫してしまう。逆転するためにも大量失点は避けたい第2Qだったが、今度は早大が攻め込んだものの見事なカウンターをくらってしまい、ビハインドは3点に。グラウンドは次第に重苦しい雰囲気となったが、ここでまたも平山がこの日4点目となる素早いショットを決めて2点差に迫り、大きくガッツポーズ。チームを鼓舞し、最後まで立ち向かう姿勢を見せた。しかし、試合の残り時間があと2分となったところで痛恨の失点を喫して1-4に。その後はスコアは動かず、無情にも試合終了。優勝を目指した早大は4強入りすらもかなわず、選手らはぼう然とし悔し涙をこぼした。

試合後あいさつする選手たち

 今年度の1年生チームは、新人戦の2大会とも思うような結果とはならなかった。かつての早大は新人戦連覇を続けるような強さを誇っていたが、ここ数年はその強さが鳴りを潜めてしまっている。だが、この悔しい思いを晴らす機会としては春に行われるあすなろカップが残っている。「本当に悔しい思いはもうたくさんしていると思うので、あとはずっと勝って笑ってほしい」と、今大会にて引退となる船田遼修学生コーチ(政経4=東京・海城)は言う。この敗退を糧に、あすなろカップで1年間の集大成を発揮してくれることを期待したい。

(記事 西村侑也 写真 石澤直幸、辻岡真波、林朋亜)

試合後インタビュー

船田遼修学生コーチ(政経4=東京・海城)、服部将也学生コーチ(政経4=東京・早実)

 

――ウィンター全体を振り返っていかがですか

船田 選手は頑張ってくれていたと思いますし、悔しい気持ちしか今は残っていないのですが、1年間一緒に戦えたことは事実だと思っていて。本当に最後勝って終わりたかったという気持ちでいっぱいです。

服部 ここまで本気にさせてくれた1年生には感謝しかないです。

 

――サマーで敗れてからここまで、どのようなことに取り組んできましたか

服部 9月とか、本当にAチームよりも練習していて、とにかく練習量にはこだわったとは思うのですが、やっぱりそこに対する質が足りなかったのかなという感じですね。

船田 サマーの時にはなかった「勝つ」という気持ちがこの3カ月で一番磨いたところかなと僕は思います。気持ちを高めるための練習量だったりっていうところに取り組んできたのですが、ちょっと足りなかったのかなというところですかね。

 

――ご自身の4年間を振り返ってみるといかがでしたか

服部 やり切れたので楽しかったです。やっぱり高校であまり部活を頑張ってこなかったので、大学生活として文武両道という目標を自分なりに立てて、最後まで本気で挑戦できたのは良かったかなと思います。

船田 自分もケガなどいろいろあって学生コーチになって、自分は途中退部とかを考えたこともあったのですが、本当に4年間やってきて良かったなというのを思いますし、そう思わせてくれた1年生に本当に感謝しかないですね。

 

――1年生にはこれからどのようになってほしいですか

服部 もちろん3年後に日本一は目指してほしいですね。

船田 本当に悔しい思いはもうたくさんしていると思うので、あとはずっと勝って笑ってほしいなという、それだけですね。