背水の陣で挑んだ一戦に大勝! ファイナル4に望みをつなぐ/予選リーグ・立大戦

男子ラクロス

  1Q 2Q 3Q 4Q
早大
立大
▽得点者
松尾3、永岡3、長谷川2

 前節で明大に痛恨の敗戦を喫し、ファイナル4進出には文字通り一戦も落とすことができないRED BATS(早大ラクロス部男子の愛称)。負ければ4年生の引退が決まるという大一番の相手は、東京六大学交流戦で早大が圧倒的な勝利を収めた立大だった。次週の法大戦に弾みをつけるべく、勝利のみを目指して臨んだこの一戦だったが、序盤から自陣へ攻め込まれる場面が続き、第1Q(クオーター)に先制点を奪われる。不穏な空気が漂うも、そのQの間に一気に逆転。流れをつかんだ早大はその後も攻撃の手を緩めず、終わってみれば8-1の大勝を収めた。

 

※9月8日に予定されていた法大戦は台風の影響により、10月7日に延期になりました

 

ボールを保持するAT松尾

 序盤は、立大のペースでゲームが進んだ。第1Q開始から、早大はなかなかボールを保持し続けられず、敵陣へと攻め込むことができない。この日も多く出場していた4年生、引退の二文字がちらつく緊張もあったのだろうか。ついに、相手の枠外に外れたシュートからパスがつながり、早大の守備態勢が整わないうちに先制点を奪われる。痛恨の失点となったが、結果的にこれがRED BATSに火を付けることになった。直後、MF長谷川靖眞副将(創理4=東京・早大学院)が果敢に攻め込み、相手ディフェンスをかいくぐってゴール左へシュート。これが同点弾となり、試合は早大ペースへと変わっていった。勢いづいた攻撃陣は、的確にパスを送り合ってチャンスをうかがう。ここで、動いたのはAT松尾昇太(法4=埼玉・早大本庄)。相手のチェックをかわしながらゴール前にボールを運び、ネットを揺らして2ー1に。貴重な勝ち越し点をすぐさま奪い、早大応援席は大きな盛り上がりを見せた。第2Qに入っても、早大がつかんだ勢いを手放すことはない。相手のツーマンダウン(反則で一定時間、2人少ない状態)でもらったチャンスは得点に結び付かなかったが、その後マンダウン状態となった立大の守備につけこみ、AT松尾が3点目を奪取する。さらに、このQの終盤では、MF長谷川から息の合った連携でパスが送られると、今度は目にも留まらぬ速さの弾丸シュート。AT松尾は前半だけで3得点を奪う活躍で、チームに勝利を一歩一歩手繰り寄せていった。

 

敵陣に切り込むAT永岡

 後半も、早大の攻撃は圧倒的だった。第3Q開始直後こそ一進一退の攻防が続いたものの、MF長谷川が「オフェンスは少しずつ良くなってきた」と語ったように、バリエーション豊かなシュートで魅せていく。AT永岡秀斗(創理3=東京・早実)は、ゴール前でMF杉本衡星副将(人科4=神奈川・桐光学園)からのパスを受けると、4年生に負けじと冷静にゴールに流し込む。すると、ここで再び活躍を見せたのがMF長谷川だ。遠い距離から放ったスタンディングシュートがゴールを突き刺し、6-1。勢いそのままにじわじわと点差を広げていった。敵陣内での攻防が目立ったこのQだったが、迎えた最終第4Qでは、G坂本直追弥(政経3=東京・早大学院)の活躍が光る。再三の好セーブで立大の攻撃を寄せつけず、大差であっても緊張感を失うゲームにはさせない。そして、その間にもAT永岡がこの日2点目、3点目のシュートを決め試合終了。最後は盤石の試合運びを見せ、立大を8-1と圧倒する結果となった。

 

シュートを決め、腕を上げるMF長谷川

 こうして、最終戦にファイナル4進出の望みを託した早大。負ければ終わりという差し迫った状況が続くが、六大学王者・法大との試合は約1週間後に控えている。この日の勝利を足がかりとして、今春で負けた法大に『AVENGE』を果たしたい。オフェンス陣が実力通りに躍動すれば勝利が近づくことは、この日の試合で証明済みである。山﨑組の命運が懸かった天王山でも同様に、チームの持てる力を存分に発揮してほしいところだ。RED BATSの意地にかけて、戦いはまだまだ終わらない。

(記事 西村侑也 写真 近藤翔太、太田咲英、富澤奈央、長屋咲希 編集 飯田諒、廣野一眞、小川ゆりえ)

コメント

MF長谷川靖眞副将(創理4=東京・早大学院)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 相手の強度が高かったのですが、それに対して早稲田も引かずに戦えたことが、勝ちにつながったかなと思います。

――負けたら敗退が決まる中で、プレッシャーはありましたか

 かなりありました。ただ、練習でオフェンスは少しずつ良くなってきていて、最初は失点もしていたのですが、「いけるかな」というのは途中で感じました。

――前節からは1ヵ月以上空きましたが、何か修正してきたことはありますか

 これまではオフェンスの得点力が課題だったので、コミュニケーションや個々の技術を上げることに注力しました。

――今日2得点を挙げた、自身の活躍についてはいかがですか

 まず1点目は接戦の場面で取れたので、チームにいい流れを作れました。途中の2得点目は点差が開いていたのですが、相手との差を更に広げるために、いい活躍だったかなと自分で思います。

――法大戦に向けて一言お願いします

 ここで負けたら引退ということで相手も強いので、1週間でオフェンスを仕上げて絶対に勝ちたいと思います。

AT松尾昇太(法4=埼玉・早大本庄)

――今日の試合を振り返ってみていかがですか。

 立大は去年のリーグ戦で負けていてリベンジしたいと思っていたので、実際にそれを達成できてよかったです。

――今日の試合の攻撃するうえで松尾選手が意識していたことはどんなことでしたか。

 今日の試合はいつも以上に一対一のバトルがすごく重要と話をしていて、その中で自分が最初の得点を一対一で競り獲れたっていうのは良かったです。

――今日の試合3得点挙げられましたがが、そのプレーを振り返っていかがですか。

 自分だけの力で獲った得点じゃないので、周りにも感謝しなくてはいけないなと思います。

――AT陣のプレーをATリーダーとして振り返ってみていかがでしたか。

 今までのリーグ戦ではあまりATが活躍できた試合がありませんでしたが、今日はATが中心で点を獲れたので、ATリーダーとしてやってきて良かったなと思います。

――最後に、次の法政戦への意気込みをお願いします。

 法大に負けたら終わりなので、今までで一番重要な試合で絶対に勝ち越せるように頑張ります。

AT永岡秀斗(創理3=東京・早実)

――今日の試合を振り返っていかがですか

 負けたら終わりという試合だったので勝ち切れてよかったです。

――プレッシャーはありましたか

 頼もしい4年生が盛り上げてくれたので、そこまでなかったです。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

 自分としてはミスもあって満足していないのですけど、得点をしっかり決めきれてよかったです。

――個人として久々の大量得点でしたがそこについてはいかがですか

 3カ月リハビリをしていてしかも復帰後の2試合は点を取れていなくて、かなりみんなにいじられていたのですけど。この波に乗って次戦の法大戦も大量得点します!

――重なりますが最後に法大戦への意気込みをお願いします

 負けたら4年生が引退なので、自分が活躍して勝てるよう頑張ります。