攻守で圧倒され、慶大に完敗 昨年のリベンジならず 

男子ラクロス
  1Q 2Q 3Q 4Q
早大
慶大
▽得点者
森田2、西森

 大観衆の中で行われた、第31回ラクロス早慶定期戦。昨年は惜しくも延長戦で敗れ、さらには大学日本一を達成した慶大にリベンジを果たすべく、早大ラクロス部は日吉陸上競技場へと乗り込んだ。しかしこの日の試合は慶大に先制を許すと、早大も得点を返すが、要所、要所で点を奪われ追いつくことができない。後半に入ると慶大の一方的な展開になり、3―9で完敗となった。

 

敵陣を駆け回るMF長谷川靖眞副将(創理4=東京・早大学院)

 試合開始直後は早大のペースに。しかし、ボールを保持するもなかなか点を奪うことができない。膠着(こうちゃく)を破ったのは慶大だった。AT藤岡凛大(慶大)が、ゴール裏から回り込むと、シュートを決める。すぐさま点を取り返したい早大だったが、またもやAT藤岡が先制点と同じ形で得点を奪う。しかし第1Q(クオーター)終了間際、慶大が2マンダウン状態に。数的有利を活かしフリーになったMF西森大基(商4=埼玉・早大本庄)が、ミドルシュートを放ち得点に成功した。第2Qはポゼッションを慶大が握る展開で始まる。同点に追いつきたい早大だったが、早大ゴール前でこぼれたボールを拾われ慶大に決められるという痛恨の失点を献上してしまう。直後、MF森田翔吾(法3=東京・早大学院)が相手DFを回転しながら交わしシュートを決めるが、ロングシュートを慶大に決められなかなか点差が縮まらない。再度、MF森田がゴール裏から回り込み本日2得点目を挙げる。しかし、食い下がる早大を尻目にまたしても慶大のロングシュートが火を吹き、2点差で前半を終えた。

 

この日2得点を挙げ優秀選手にも選ばれたMF森田翔吾(法3=東京・早大学院)

 早大は同点に向けて、慶大は突き放すためにどうしても次の1点が欲しい。そんな中で迎えた第3Q。両者一歩も譲らず、7分が経過しようとしていた。そして、均衡を破ったのはここでも慶大。AT池田朋史(慶大)が早大DFを二人連続で抜き去り、ゴールを奪った。さらに、立て続けにバウンドシュートを決められ慶大の流れのまま第4Qに。早大も慶大を攻め立てるがパスミスが目立ち、なかなか決定機を迎えることはできない。反対に、慶大は大量リードの余裕からか落ち着いて、攻撃を組み立てる。結局、慶大のロングシュートと、混戦の中からのゴールで2点を失い3―9で試合終了。うなだれる早大の選手たちを、1時間前には降っていなかったはずの雨が叩きつけていた。

 

8失点目を献上し肩を落とす早大DF陣

 2カ月前に行われた東京六大学交流戦では慶大に勝利を収めており、「チームとして驕(おご)っていた部分があった」とAT山﨑大暉主将 (政経4=神奈川・鎌倉学園)は言う。このままでは、チームの目標である全日本選手権優勝は、夢のまた夢だろう。しかし、幸いにも、関東学生ラクロスリーグ戦開幕まであと2カ月ある。この日の試合で、各々が何を思いどう行動するか。2カ月後、パワーアップしたRED BATSを見るのが楽しみでならない。

(記事 飯田諒 写真 廣野一眞)

コメント

AT山﨑大暉主将 (政経4=神奈川・鎌倉学園)

――チームの仕上がりはいかがでしたか

 チームとして、早慶戦までの目標としていたレベルにある程度は到達できていたと思います。しかし、今振り返ると、それを実際の試合で発揮できる各個人の技術力や精神的強さは持ち合わせていなかったと思います。

――ベンチから見て今日のチームのできはいかがでしたか

 良くなかったです。各局面では、皆ハードワークをしていて良かったのですが、踏ん張りどころで自分たちのミスでチャンスを逃してしまっていて、課題の残る試合でした。

――慶大との差はどのようなところだと思いますか

 各個人の技術力と精神力だと思います。やはりまだ慶大とは各個人のスキルに差があると感じました。また、精神力とは試合でどれだけ普段通りのプレーを、自信を持ってできるかということです。早稲田の方が大舞台で自信を持ってプレーできる選手が少ないと感じました。

――今日の試合の収穫と課題を教えてください

 各個人の技術レベルが足りてないという事を、身をもって知れたというのが収穫であり、課題だと思います。六大学戦で慶應に勝利し、どこかチームとして驕っていた部分があったように感じます。悔しいですが、今回の試合でまだまだ自分達は下手くそで上手くならないといけないと全員が心の底から思えたことが何よりの収穫に思います。

――次戦の意気込みをお願いします

 7月の上旬にリーグ戦が開幕します。必ずこの開幕戦に勝利し、リーグ戦全勝に弾みをつけたいと思います。応援のほどよろしくお願い致します!

MF森田翔吾(法3=東京・早大学院)

――ご自身の2得点を振り返っていかがですか

 素直に嬉しいです!

――なかなか攻め下せなかった要因はどこにあると思いますか

 先に失点したことで焦ってしまい、元々やろうとしたことが出来なかったのが大きいと思います。

――チームの結果について、率直な気持ちを教えてください

 これからも当たる可能性が高い相手で、チームとしてこの早慶戦をシーズン前半の目標に設定していたので大きく差をつけられてしまったのは非常に悔しいです。

――次戦の意気込みをお願いします

 この試合で出た課題を修正して、勝利したいです。