早大ラクロス部は、Aチームのほとんどを上級生が占める。というのも、ラクロスを始める選手の多くが大学生からであり、競技歴イコール学年の差になってしまうためだ。つまり、下級生は公式戦に出場する機会が極めて少ない。あすなろステージとはそんな2年生のために行われる、新人戦である。また2年後を占う、重要な大会でもあり、実際に2017年にあすなろステージで優勝した早大は、その大会に出場した選手が4年生になった2019年に全日本大学選手権で見事優勝に輝いた。
今年のあすなろステージは、強い日差しが照り付けるなかで行われた。新人戦サマーステージで優勝した早大は、新人戦ウインターステージで東大に敗北し惜しくも3位に終わったものの、その東大が不参加の今大会は優勝候補として臨んだ。予選第一試合は、試合終了間際に逆転し辛くも勝利を収める。しかし、予選第二試合は、先制点を奪ったものの逆転を許し敗戦。これにより、1勝1敗でまさかの予選敗退となった。
※新人戦サマーステージ、新人戦ウインターステージとは、昨年に行われた1年生の新人戦のこと
予選第一試合で貴重な同点弾を決めたAT花井
予選第一試合は、学習院大との対戦。MF藤田壌(商2=東京・早実)がロングシュートを決め、先制に成功する。しかし、相手選手の持ち上がりから、早大DFが1枚はがされ、フリーになった状態でゴールを決められると、更に後半、相手のチェイスから再開後すぐ、早大のディフェンスが整わない間に、追加点を許してしまう。そのまま時間が流れ、結果は決まったかのように思われたが、試合終了間際、奇跡が起きる。AT花井コルトンヘイズ(国教2=アメリカ・マッキントッシュ)がカウンターから強烈なシュートを決め、同点に。そして、AT小川隼人(政経2=東京・早実)が試合終了まで30秒のとこで、ゴールを決め逆転に成功。3-2で試合を終えた。
予選第二試合でパスをするMF辻村征也(政経2=東京・早実)
予選第二試合の相手は関東学院大・専大・玉川大・東京学芸大・横国大の合同チーム。お互いに1勝で迎えたこの試合は、勝ったチームが決勝トーナメントに進める試合となった。先制点を挙げたのは早大。MF小林三四郎(教育2=神奈川・浅野)が相手DFの寄せを受け流しながら、豪快なシュートを決めた。しかし、ゴール裏から回り込んできた相手選手に得点を決められると、後半も同じかたちで失点。逆転を許してしまう。その後も、相手チームにボールを回され、攻撃の機会がなかなか作れない。懸命にボールを追うも、試合終了のホイッスルが無情にも鳴り響く。1-2で敗戦となり、優勝の夢が道半ばで途絶えた。
予選敗退が決定しうなだれる選手たち
優勝を狙っていた中で、思いもしなかった予選敗退。このショックは計り知れないもので、試合を終えた選手たちのしばらく呆然としていた姿が印象的だった。しかし、立ち止まってばかりはいられない。この敗戦が彼らを強くするだろう。2年後とは言わず、今年の秋の関東学生ラクロスリーグ戦から、たくさんの2年生がAチームで活躍していることを期待したい。
(記事 飯田諒、写真 廣野一眞、沼澤泰平)
結果
▽予選第1試合○3―2 学習院大 (得点者:藤田、花井、小川) ▽予選第2試合●1―2 関東学院大・専大・玉川大・東京学芸大・横国大合同チーム (得点者:小林)
野沢想大学年キャプテン(政経2=東京・桐朋)
―あすなろステージに向けてどういった準備をしてきましたか
1.5ヶ月前から練習を始め、ABCチームの練習の合間を縫って練習を続けてきました。
―予選第一試合目の展開を振り返っていかがですか
一試合目は逆転される苦しい展開が続く中、諦めずに試合をものにできました。残り時間短い中で同点に追いつけたことが流れを大きく変えたと思います。
―予選第二試合目の展開を振り返っていかがですか
相手のDFに攻めあぐねながらも幸先よく先制することができました。しかし、2点を決められてしまい勝負が決まりました。
―二試合目の敗因をあげるとしたら、何でしょうか
OF陣の決め切りとDFの綻びです。
―今日の結果について率直にどう思いますか
悔しいと同時に情けないです。応援していただいた方々に申し訳ない気持ちです。