東大の守備を崩せず 新人戦連覇を逃す

男子ラクロス

 12月の冬の寒空の下行われた新人戦ウィンターステージ。サマーステージでは劇的な優勝を果たした早大RED BATSは初日の予選を二連勝で突破すると、2日目の決勝トーナメントに臨んだ。準々決勝を大量得点で勝利。準決勝で東大との対戦となったが、東大の守備を崩すことができず敗戦した。しかし、三位決定戦ではしっかりと勝利し、三位で二度目の新人戦を終えた。

 今大会はオールコートで前後半の2Q制で行われた。12月3日のブロック予選初戦の相手は東農大。早大はカウンターからパスを受けた藤田壌(商1=東京・早実)が先制点を挙げる。さらに小川隼人(政経1=東京・早実)がゴール裏から回り込んでシュートを放ち追加点でリードを広げ、試合を折り返す。早大は後半オフサイドで人数不利になり失点するが、今度は藤田がゴール裏からゴール前に切り込み得点し、試合を決めた。予選二試合目は明大β・駒大の合同チームと対戦。第1Q序盤はお互いにシュートが決まらなかったが、辻村征也(政経1=東京・早実)が均衡(きんこう)を破り先制。第2Qで相手のミドルシュートが決まり同点に追いつかれるが、小川が得点で逆転に成功すると、大橋陸人(商1=東京・早実)が敵のプレスに負けずシュートを放ち得点。二連勝で決勝トーナメント進出を決めた。

ボールを持ってフィールドを駆け巡る藤田

 10日に開催された準々決勝。武蔵大・上智大合同チームと対戦した早大は止まらなかった。佐藤孝陽(政経1=東京・早大学院)が先制点を決めると、藤田、佐藤、小林三四郎(教1=神奈川・浅野)らにより大量得点。2Qになっても勢いは衰えず、岡地慶人(政経1=愛知・滝)、藤田の得点で7-1と大勝した。続く準決勝の相手は明大αとの試合を制した東大となった。試合は両校の守備が光る展開となる。早大はG大賀円太(文構1=神奈川・光陵)のナイスセーブなどで何度もピンチを凌ぐが、1Q終わり際に失点で今大会初めて先制を許してしまう。2Qに入って早大は長い時間攻め続けるも決めきれず、逆に失点してしまい万事休す。千葉大との三位決定戦に回ることとなった。千葉大との試合は序盤は両チーム決め手に欠けたが、小川がゴール前でパスを受けるとゴールを決め、これが決勝点となり、三位入賞で大会に幕を下ろした。

相手の圧力に負けず切り込む岡地

 東大の堅い守備を崩すことができず、惜しくも新人戦サマーステージに続いての連覇を逃してしまった早大RED BATS。予選から安定した試合運びを見せていたが、先制された試合で逃げ切りを狙う相手への対応に苦戦した。全体三位という立派な結果でも、野沢想大学年キャプテン(政経1=東京・桐朋)は「優勝を目指してたので、悔しいという気持ちの方が大きい」と口惜しそうに語った。しかし、ここでの敗北はきっとこれからの糧となり、大きな財産となってゆくだろう。今大会戦った一年生も含めた下級生たちが、未来の早大男子ラクロス部を輝かしい栄光の道へと導いて行く。

(記事 田部井駿平、写真 飯田諒、荒井理沙)

▽ブロック予選 ◯3ー1東農大(得点者:藤田2、小川)

▽ブロック予選 ◯3ー1明大β・駒大連合チーム(得点者:辻村、小川、大橋)

▽準々決勝 ◯早大7-1武蔵大・上智大連合チーム(得点者:藤田3、佐藤2、小林、岡地)

▽準決勝  ●0ー2東大(得点者:なし)

▽三位決定戦   ◯1ー0千葉大(得点者:小川)

コメント

予選ブロック

小川隼人(政経1=東京・早実)

――今日の2試合振り返っていかがでしたか

初戦ということでなかなかうまくはいかなかったのですけど、厳しい展開の中で勝ち切れてよかったです。

――サマーステージ以来の1年生の大会はいかがでしたか

サマー終わってから1カ月くらいチームが離れたのですけど、その後はずっと1年生で行動してきて1年生合宿で更に絆を深めてきたのでそこは自信がありました。

――1試合目のゴール裏から回り込んでの得点は普段から取り組んでいることでしたか

練習試合でも決めていて自信のあるプレーでしたので、自信を持ってやることができました。

――2試合目の勝ち越しゴールを決めた時の気持ちはいかがでしたか

同点で追いつかれてチームが暗くなってきた中で自分のプレーで盛り上げることができてよかったです。

――来週の試合に向けて意気込みをお願いします

この2試合の結果で気を抜かずに自分たちはあくまで優勝しか狙っていないのであと1週間詰めて頑張っていきたいと思います。

 

決勝トーナメント

米津圭一学生コーチ(社4=東京・早実)

――今日の3試合を振り返っていかがですか

全体的には選手たちは結構ちゃんとしてくれていたのかなって思ってて。それこそディフェンスもしっかり守れてましたし。取られた失点もしょうがない失点があったと思うので、そこに関してはできたのかなと思ってます。ちょっとコーチ側の面で、やはり相手のライドに対してちゃんと戦術が練れていなかった、もっと違う方法が取れたんじゃないかなって思うので。全体としては最後勝ち切れたことは、悔しくもありますが、良かったと思います。

――1試合目は大量得点となりましたが、どのような練習をされていましたか

相手が崩れた後に得点を取るという練習をしていたのですが、本当にそれが体現できた試合でした。走ってそのまま一人抜いて、誰も飛んでこれずにシュートするだとか。本当に上手くはまった、やりたいことができた試合だと思います。

――2試合目はお互いの守備が固くロースコアなゲームになりましたが、これは想定通りな展開だったのでしょうか

1試合目ほどの得点が取れるとは思っていなくて、3-2くらいで勝てたらいいなと予想していました。そこに対して、ディフェンスは2点以内に抑えていたのですが、オフェンスが取れなかった試合だと思いました。

――2試合目と3試合目でどう立て直していこうなど、話はされましたか

自分たちはプレイヤーじゃないので、コーチとして気持ちが切れてしまうのは仕方ないと思うのですが。決勝行けずにそこに対してしっかり最後の試合勝ち切って終わろうってことを常に言い続けて。 そこで(気持ちを)上げたお陰かなと思います。

――1年生に一言お願いします

今後あと3年間ラクロスあるので、今回の試合を糧にしてもらって。ウィンター(新人戦ウインターステージ)をバネにしてあすなろ、4年生、3年は全日(全日本選手権)とかで優勝して欲しいと思います。

野沢想大学年キャプテン(政経1=東京・桐朋)

――3位という結果ですが、今の率直な気持ちをお願いします

一応最後は3位で終われたのですが、やはり優勝を目指してたので、悔しいという気持ちの方が大きいです。

――1試合目は大量得点でリードしていましたが、いかがでしたか

1試合目は、しっかりオフェンスでやろうと思っていたことができたので、すごい良い試合だったかなと思います。

――2試合目では、お互いの守備が固くあまり得点が動かない展開となったと思うのですが、その時はどのようなお気持ちでしたか

ビハインドになることは想定していたので、逆転しようという声は出していたんですが、やはり東大の守備は固くて崩し切ることはできませんでした。

――敗戦後の3試合目でしたが、何を意識して試合に挑みましたか

悔しいという気持ちはあったのですが、やはり4位で終わるのと3位で終わるのとでは違うので。そこは全員で最後元気出してやろうという風に話し合っていました。

――最後に今後の意気込みをお願いします

あすなろ大会があるので、そこに向けてもう一回全員でやっていきたいなと思います。