最後の新人戦は予選で散る

男子ラクロス

気温は25度に達した晴天の中行われた新人戦あすなろステージ。2年生にとっての晴れ舞台であり、最後の新人戦でもある。昨冬の覇者として望んだ一戦。各グループの首位のみが決勝に進出できるという厳しい条件の中、早大は惜しくも予選敗退という悔しい結果に終わった。

第1戦の相手は大東大・埼玉大・千葉大・国士舘大の合同チーム。早大はフェイスオフを制して主導権を握ると、開始1分でAT長谷優太郎(商2=東京・早実)が先制のゴールを奪う。勢いに乗った早大はそのまま攻め続け、MF樫尾拓斗(政経2=アメリカ・テナフライハイスクール)、AT長谷の追加点でリードを広げて前半を終える。後半開始早々にMF鈴木堪大(スポ2=広島・尾道)が得点を上げた。その後も両チームの攻防が展開されるも得点はなく、早大が勝利を収めた。

点を決め喜ぶ選手たち

続く第2戦は小菅英佑コーチ(平16基理卒)が「山場」と話していた法大との試合。先ほどの試合とは打って変わり、序盤からフィジカルに勝る法大にペースを握られてしまう。開始2分で先制される。その後もボールを奪うことが出来ず何度もピンチを迎える。しかしG日野元太(商2=東京・東京都市大付)の好セーブもあり得点は許さず、1点ビハインドのまま前半を終える。後半に入り法大にすぐに追加点を上げられる。その後早大は何度も敵陣内に攻め込むも得点を奪うことが出来ない。試合時間残り1分で1点を返すも時すでに遅し。1-2の僅差で敗れた。

相手陣内に攻め込むMF樫尾

決勝トーナメントへの進出の可能性がなくなり迎えた慶応高戦。早大は序盤から何度もチャンスを作るも、得点につながらない。前半終盤にMF樫尾が連続得点で突き放し、前半を折り返す。後半では慶応高に隙を突かれ1点を返されるが、そのままリードを守り切り、最後の試合は勝利し、新人戦は幕を閉じた。

新人戦連覇の期待も大きかっただけに、予選敗退は誰もが予想し得なかった。しかし「日本一」を目指すチームにとっても、小菅コーチが「一度しっかりと負けを経験できたのは大きい」と言うようにこの経験は決して無駄にならない。この結果を受け止め、個人としてもチームとしても、さらに成長した姿を必ず見せてくれるだろう。

(記事 田部井駿平、写真 横山勝興)

結果

▽第1試合○4―0 大東大・埼玉大・千葉大・国士舘大合同チーム (得点者:長谷2、樫尾、鈴木)

▽第2試合●1―2 法大 (得点者:長谷)

▽第3試合○2―1 慶応高 (得点者:樫尾2)

コメント

小菅英佑コーチ(平16基理卒)

――今日の試合に向けて主に何に重点を置いて練習してきましたか

チームとしての連携面をしっかりと準備してきました。特に今はA・B・Cチームで別れて活動しており、学年全体として集まれる機会はほとんど取れなかったので、短い時間でいかにチームとして仕上げられるかを意識しました。

――今日の試合通していかがでしたか

やはり2試合目の法政戦が山場で準備はしてきましたが、自分たちの悪いところが出てしまい、相手に流れをつかまれてしまいました。自分たちのやるべきことが出せなかったのが敗因だと思います。

――悪いところが出たとはどの辺りのことですか

ニュートラルなところです。切り替えやグラウンドボールへの寄りなどへの甘さが出てしまった。法大はしっかり出来ていたのでそこの差が勝負の分かれ目だと思いました。

――他に今日の試合で出た課題はありますか

個人技術はまだまだ足りてないと感じました。組織の連携面を意識し過ぎて個人の能力に幅がないと感じてしまったので、それが今後の課題です。

――今日の試合で良かったところはありますか

良いかは分からないですが、ここで一度しっかりと負けを経験できたのは大きいことだと思っています。ただこれは本人たち次第でプラスにも出来るし、このまま引きずることもあると思います。この負けという経験を次に活かしてもらえたらと思います。

DF野口亮学年キャプテン(創理2=東京・早大学院)

――今日の3試合終えて感想お願いします

非常に悔しい結果でした。1試合目は良い雰囲気だったのですが、2試合目で負けてしまい、3試合目で思うように点が取れなかったので自分たちの実力不足を感じました。

――2試合目は法政に主導権を握られましたがどう立て直そうとしましたか

自分たちの中でもどうすれば立て直していけるかのイメージはありませんでした。ダブルで落としに行ったり、接点を強く持つなど試しましたが、法大の勢いのままゲームが進んでしまいました。自分たちで改善案を出せないまま、終わってしまったと感じました。

――ディフェンス面では最小失点で抑えましたが、どのようなことを意識していましたか

基本的にはコミュニケーション、会話で連携を高めていこうと話していました。2試合目の法大にはミーティングで相手の攻撃パターンを共有して対策を決めていましたが、それを実行し切れず攻められてしまったので、もう少し(具体的に)何をするかの共有と練習を増やす必要があると感じました。

――新2年生の強みを教えてください

波に乗れば一気に勢いづいて、強気に攻めることが出来るところです。

――またこの学年の課題もあれば教えてください

流れを持っていかれた時に慌ててしまったり、立て直す力が足りていないところです。

AT樫尾拓斗(政経2=アメリカ・テナフライハイスクール)

――今日のご自身のゴールを振り返っていかがですか

 試合の前からイメージを増やして、自分の得意な一対一で決めようと思っていたので、そのイメージが実ったシーンだと思います。

――チームとしてオフェンス全体を振り返っていかがですか

 敵のスカウティングなどもして、ホットを生かしたオフェンスにしようというふうにしていたのですが、それができずに(ボールを)取られてしまったシーンが結構あったので、そこは課題だと思います。/p>

――今日の試合を通じて課題だと感じた部分はありますか

 チームとして得意な(攻撃の)形というのがあまりなくて、個人で完結してしまうシーンが結構あったので、今後はチームの連携面をもっと磨いていきたいと思います。

――チーム、そして個人としての今後の目標を教えてください

 チームとしてはAチームの全日本(全日本選手権大会)優勝をサポートできるようにしたいですし、A、B、Cチームともにサポートしたいというのもあります。今回の反省として、自分たちの行動で練習がストップして、練習外のところで目標から遠ざかっていた部分もあるので、そういう部分にも気を付けてまずは全日本の予選を突破したいと思います。