武蔵大との開幕戦で敗退 平野組は次戦、最終戦へ

男子ラクロス
1Q 2Q 3Q 4Q
早大
武蔵大
▽得点者
宮脇、森久、北野

 “まさか”の結果となった。平野組の「日本一」に向けた歩みは開幕戦で断たれた。

 秋晴れの下、「日本一」へつながる関東学生リーグ戦が開幕した。昨年に引き続き試合は無観客。スタッフらが保護者、卒業生に向けたライブ配信を行い、多くの人が画面越しに開幕を見守った。また、今年度のリーグ戦は例年とは異なるトーナメント方式で開催された。早大の初戦は武蔵大。先制された早大は前半を無得点で折り返したが、第3クォーター(Q)で2点をあげる。2−2で迎えた最終Q、AT北野夏飛人(商4=東京・明星)の1点で突き放し、このまま逃げ切るかと思われたが、終盤同点に。さらに試合時間残り5秒で決勝点を許し、3—4で試合は終了した。

 両者、強靭なディフェンスに一点が遠い中、先制したのは武蔵大だった。前半はこの得点のみに終わり、0—1で折り返す。第3Q中盤、さらに武蔵大の追加点が決まり、0—2。しかし早大はQ終了間際の連続得点によって、差を一気に詰める。1点目は、AT宮脇昇汰副将(商4=東京・早大学院)の左からのショット。グラボから取ったボールを受け、空いたスペースに打ち込む。直後の2点目は、枠外になったショットを拾い、MF森久優太(商4=埼玉・早大本庄)がゴールへ押し込んだ。

反撃の口火をきるゴールを決め、感情を爆発させるAT宮脇

 同点で迎えた最終Qは一瞬も気が抜けない長い15分だった。開始5分が過ぎた頃、AT北野のスタンドシュートが決まり、早大は一歩前に出る。昨年から第一線でプレーしてきた4年生の活躍が光った。両チーム果敢にショットを打つも決まらず。このまま早大が守り切ると思われたQ残り4分、武蔵大の粘りの1点が決まる。3―3、試合は振り出しに戻った。誰もが同点で延長にもつれ込むシーンを頭に浮かべていた。試合時間残り1分、武蔵大はチームタイムアウトを取る。タイムアウト明け、ここで試合を決める武蔵大の1点が決まってしまう。早大選手はその場に崩れるしかなかった。残された時間は5秒。試合終了の合図が響いた。

武蔵大にショットを決められ崩れ落ちるAT平野

 早大ラクロス部は昨年、大学ラクロスの激戦区・関東地区で準優勝。決勝で破れた慶大には6月の早慶定期戦で延長の末、劇的勝利を果たし、借りを返した。そんな平野組は、十分に力を蓄えて開幕戦に臨んだはずだった。何が起こるかわからない。スポーツの楽しさである反面、恐ろしさでもある。AT平野義大主将(社4=東京・早大学院)は「(ショットを)決め切ることができずに、相手に流れを渡してしまった」と試合を振り返った。予選突破は阻まれたが、ブロック3位決定戦が残っている。これが平野組として戦う最後の試合だ。AT平野主将は最終戦をこう位置付けた。「そこで自分たち『平野組』の真価が問われる」。『GRIT』というスローガンを掲げた平野組。4年間の全てを懸けて戦い抜く姿を最後まで見守ろう。

 (記事 後藤泉稀、写真 ラクロス協会提供)

AT平野義大主将(商4=東京・早大学院)

――試合から一日経った今の気持ちをお願いします

負けた直後は、正直何が起こっているのか、理解しきれなくて。本当に現実なのか、迷ってしまうくらい混乱していたんですけど、一日過ごしてようやく負けたんだなということと、残っている最終戦に向けてということを認識できるようになってきました。

――試合内容を振り返っていかがですか

DF陣はボールを落として運んでくれて、オフェンスの機会も作れたんですけど、オフェンスでのミスが多くて。どうしても決め切ることができずに、相手に流れを渡してしまって。追いついたけど、また流れが武蔵さんの方に流れてしまったなという印象です。

――試合後のミーティングでは主将としてどのようなことを部員に伝えましたか

素直に自分の気持ちを伝えたのと、何で負けたのかというところ。日々の練習で試合をどれだけ想定してできるかっていうところや試合と同じ緊張感でできていなかったからこそ、こういう結果が生まれたんじゃないかなっていうところを特に後輩に向けて話しました。

――周囲の反応はいかがでしたか

正直試合後すぐだったので、心ここに在らずみたいな人が多かったんですけど、それでもちゃんと目を合わせて話を聞いてくれていたので、自分が話したことがちゃんと伝わっているかなと思います。

――次戦、最終戦に向けた思いをお願いします

予選突破の可能性が無くなったので、本当に最後の試合なんですけど、自分たち「平野組」の真価が問われる時だと思うので、自分たちが何をしてきたのかっていうところ。4年間ラクロスのために時間をかけて、ラクロスにコミットしてやってきたので、最後、全てを懸けて戦いたいと思います。