無念の敗退。チーム力で再起誓う

男子ラクロス

 寒雨が降りしきる中行われた新人戦ウィンターウインターステージ。1年生にとって、9月のサマーステージに続く2度目の公式戦である。負けたらそこで終わりのトーナメント形式。サマーステージを制した早大は、連覇を目指し、半年間準備をしてきた。成蹊大との1回戦は、難なく突破したが、明治学院大・神奈川大の連合チームに惜しくも敗れ、2回戦敗退という悔しい結果となった。


 勝って勢いをつけたい初戦。成蹊大を相手に、早大優勢に試合は進む。前後半それぞれ7分の短期戦。前半から試合は動いた。AT中口穣(商1=東京・早実)がMF松村賢汰(スポ1=東京・早大学院)からパスを受け取ると、左サイドからクロスを振り抜き先制点を叩き出す。「あの形でのショットはサマーステージが終わってからずっと練習していた形なので、決めたときはすごく嬉しかった」と中口。この得点が流れを呼び込み、後半4分さらにMF杉田瑞起(法1=埼玉・早大本庄)がワンバウンドで追加点。ディフェンス陣も反撃を退け、無失点のまま試合を終えた。

先制点を挙げ喜ぶ中口

 2回戦は、明治学院大・神奈川大との連合チームとあたった。多くの上級生も駆けつけ、早大の全力応援がフィールドを圧倒する。その声に応えたいルーキーたち。両者譲らない中、前半終盤に早大がファールを犯し、1人少ない状況に。このタイミングで相手に先制点を許し、早大は追いかける展開となってしまった。後半に入っても思うような攻撃ができないでいると、中盤に2点目を決められ、さらに引き離される。追いつめられた早大も果敢にシュートを打つが、相手ディフェンス陣の好守により、ゴールが遠い。しかし流れを変えるべく、試合終了まで残り90秒、MF加藤尚貴(創理1=東京・早大学院)がシュートをたたきこみ、1点を返す。だが、反撃が遅かった。相手の勢いを断つことが出来ないまま、無情にも試合終了ホイッスルが鳴り響いた。拳を突き上げ喜ぶ相手の側で、立ち上がれない選手たち。予想外の展開であるがゆえに、早大サイドには重たい雰囲気が立ち込める。5回のフェイスオフは全て奪うことに成功するなど、技術力では引けを取らない相手であったからこそ、悔しさの残る2回戦敗退となった。

2回戦敗退にボックスの雰囲気は重かった

 
 試合後、チームを最も近くで見守ってきた森一輝学生コーチ(スポ4=東京・日大二)は彼らをこう評価した。「チームの強みは総合力。みんなやる気があってラクロスが好きなので、そこがチーム力かなと思います」。一人一人の個性を噛み合わせ、いかに本来の力を発揮できるかが勝利への鍵となるだろう。チームは来年5月、あすなろカップという最後の新人戦を控えている。1年間、二人三脚で励んできた現在4年の学生コーチは引退するため、真のチーム力が試される試合だ。「やっぱり早稲田は強いんだと他チームに見せつけたい」と加藤は決意を語った。次戦はもちろん、その先のラクロス人生にもこの悔しさをぶつけて勝ち進んで欲しい。

(記事 後藤泉稀、写真 中島和哉、長尾佳音)

結果

▽1回戦
○2-0 成蹊大(得点者:中口、杉田)

▽2回戦
●1-2 明治学院大・神奈川大合同チーム(得点者:加藤)

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コメント

森一輝学生コーチ(スポ4=東京・日大二)

――今の気持ちを教えてください

あまりまとまっていないんですけど、勝負の世界なのでそこは厳しいなと素直に思っています。自分たちの甘さが最終的に勝敗を分けたのかなと思います。

――サマーステージからウィンターステージまで、チームとしてどのような部分を強化してきましたか

例年のウィンターは6対6という試合形式だったんですけど、5対5で新しくなったということで、試行錯誤をしながらチームとして色々取り組んできました。練習試合に負けてしまった時などに選手同士話し合ったりさせて、いい方向に持っていくようにしていました。

――このチームの強みはどのようなところだと感じていますか

今回はあまり発揮できなかったんですけど、練習を見ていても、やはり総合力というか。他のところに比べて飛び抜けた選手がいるわけではないんですけど、逆にみんなが上手いというか、やる気があって、ラクロスが好きなので、そこがチーム力かなと思います。それでサマーは勝てたと思うので、そこが一番の強みかなと思います。

――きょうの2試合振り返っていかがですか

1試合目は入りに緊張していて、最初は不安な部分があったんですけど、普段やってきたことをやるだけだという話はしていたので、時間が経つにつれてそれを選手たちが出せて、結果として2−0、オフェンスが2得点でディフェンスは無失点で締めれたので、そこは良かったかなと思います。2試合目は、やはり甘さかなと思います。よくない形で失点して、そこから流れを相手に持って行かれて、2点目決められて。リスクを冒して点を取りに行った1点返したんですけど遅かったという形になっていましました。甘さですね。

――新人戦はあすなろカップが残っています。今後どのようなチームに育っていってほしいですか

もっとチームメイト同士で、同期の中で、厳しく言い合えるチームになっていって欲しいですね。そうしないと、やはり締めるところを締められなくなると思いますし、やはりこういった甘さできょうは負けたと思うので。そういう経験を、同じことを繰り返さないためにも、一人一人が主体的になってできれば、勝つ力はあると思います。そういう部分を極めてほしいと思います。

MF宮野幹洋学年キャプテン(基理1=埼玉・早大本庄)

――今の気持ちを教えてください

正直に悔しいです。サマー(サマーステージ)が終わってからこの大会に向けて、みんなで一丸となって頑張ってたんですけど、その結果やられてしまったので、不完全燃焼というか。出しきれなかったという感じです。

――サマーステージからウィンターステージまで、チームでどのような準備をされてきましたか

サマーの時は早稲田から2チーム出場したんですけど、ウィンターでは一つのチームとして出場した、人数が多い分まとめるのが大変だったんですけど、全員が主体性持ってやってました。(プレーヤーが6対6だった)サマーと違って5対5になったので、考えることも増えますし、見る範囲、視野を広くするレベルが違うと思うので、そういったところを慣らしてきました。

――サマーとの条件の違いや悪天候などで、コンディション面で難しかった部分はありますか

確かに天候は悪かったんですけど、それはみんな同じ条件でこの試合の大会に挑んでいるので、そこは全然いいわけにはならないと思うので、本当に力不足だったなと思っています。

――新人戦はまだ残っています。あすなろカップに向けてどのように成長していきたいですか

この負けをどう捉えて、そこから何を学んで、ということが絶対に大事になってくると思うので、負けは負けでしっかり受け止めて、切り替えて、またチーム一丸となって、あすなろはこの悔しさを晴らせるような大会にしたいと思います。

MF加藤尚貴(創理1=東京・早大学院)

――試合を終えた今の気持ちをお願いします

学生コーチをはじめとするコーチたちに申し訳ないなという気持ちです。あんなに熱心に教えてくださったのに、自分たちが勝ちきれなかったばっかりに、コーチたちが責任を感じておられるのは申し訳ないなと率直に思います。

―サマーステージからこのウインターステージに向けて、どのような準備をしてこられましたか

自分たちはウインターも優勝するという気持ちでやったんですけど、結果として自分たちのミスで負けてしまう形になってしまったのは、準備不足という甘さがあったのではないかなと思います。

――2試合目に苦しい状況での追い上げの得点を決められましたが、そのシーンを振り返っていかがですか

2点差で時間もない中で、ボールが自分の近くに転がってきたので、ここで決めなきゃと思いました。そこで決めれたのは、自分としてはよかったのですが、やはりチームスポーツは結果が全てだと思います。もちろん決めた時は嬉しかったですが、結果には影響せず、負けてしまったので、勝ちたかったという思いが1番あります。

――最後に、5月のあすなろカップに向けて、どのように成長していきたいですか

コーチ陣がいなくなって、自分たちでやっていかなくてはならない中で、キャプテンを中心に変わっていかなくてはならないし、自分たちで練習中から厳しく言い合えるようなチームにしたいです。あすなろでは、やっぱり早稲田は強いんだと他チームに見せつけてやりたいです。

AT中口穣(商1=東京・早実)

――試合を終えた今の気持ちをお願いします

実際に負けたという気持ちを整理できていなくて、自分が決めなくてはいけないところで決めることができなかったという悔しさがあります。コーチたちに良い思いをさせてあげるという風に思ってやっていたので、自分の不甲斐なさを感じます。

――サマーステージを終え、今回のウィンターステージに向けてどのような準備をされてきましたか

自分の中では、サマーでは全然活躍できなくて、点もそこまで取れていなかったので、ウィンターでは自分が取るという気持ちで、1対1の練習を頑張っていました。

――初戦では先制ゴールを決められましたが、ご自身のゴールを振り返っていかがですか

あの形でのショットはサマーステージが終わってからずっと練習していた形なので、決めたときはすごく嬉しかったです。

――今回は悔しい結果となりましたが、5月のあすなろカップに向けてはどのような準備をしていきたいですか

今回は甘い部分があり、前日の練習もそこまで良いものではありませんでした。試合の入りの部分でもあまり良いプレーが出来ず、ミスやファールも続いてしまったので、メンタル的な部分をもう少し整えて…技術は他大に優っているところがあると思うので、やはりメンタル面を整えて挑みたいと思います。

MF斎藤励(創理1・東京=早大学院)

――試合を終えていまの気持ちを教えてください

学生コーチに今までずっとお世話になってきたので、その人たちが今回で終わりだったのですごい申し訳ない気持ちです

――このウィンターステージに向けて夏からどのように準備してこられましたか

サマーの大会ではコーチの方々が中心となって練習を組んでくださったりスカウティングをしてくださってたんですけど、ウインターでは自分たちが自立していかなければいけないなっていうのがあって結局できなかったんですけどなるべく選手主導で自分たちで動いていくっていうのをやってきました

――次のあすなろカップに向けてどのように成長していきたいですか

なかなかすぐに気持ちを切り替えることは難しいんですけど、あすなろカップでは自分たちが実力でどうやっても早稲田には勝てないんだって思われるように努力して強くなって実力で圧倒したいです