1年生のみが出場する初めての公式戦であるサマーステージでは3年ぶりとなる優勝を決めた早大。しかし、その結果に慢心することなく、このウィンターステージの優勝、最終目標である新人戦三冠に向けて練習を重ねてきた。そして迎えたブロック予選。結果は東海大・成城大合同チームに3-1、獨協大・東大・成蹊大合同チームには2-1でそれぞれ勝利。危なげなく決勝トーナメント進出を決めた。
凍えるような寒さの中で東海大・成城大合同チームとの初戦が行われた。早大は前半2分、AT白井康(文構1=東京・早実)からのパスを右サイドで受けたAT北野夏飛人(商1=大阪・明星)がショットを決める。先制し流れに乗った早大は同7分にMF平野義大(社1=東京・早大学院)が追加点を奪う。2点リードで迎えた後半4分には白井のゴールでさらに得点を重ねた早大は、1点を返されたがそのまま逃げ切り3-1で勝利。「1点目が入った後は結構自分たちのラクロスができた」とMF今井海斗学年キャプテン(教1=東京・早実)が振り返るように、先制した後は終始余裕のある試合運びを見せ、難なく初戦を突破した。
北野の得点後は試合のペースを掌握した1試合目
2試合目は強豪である独協大・東大・成蹊大合同チームと対戦した。両チームに対する熱い応援が飛び交う中、早大は試合開始早々に先制点を献上してしまう。しかし前半2分、平野のショットですぐさま追い付くことに成功。その後、両チームのゴーリーによるビッグセーブなどもあり同点のまま試合は進んでいったが、後半5分に白井から鋭く正確なパスを受けた平野がこの日3点目となるショットを相手ゴールにねじ込む。結局これが決勝弾となり2-1で早大が勝利。ブロック戦を連勝で突破し、決勝トーナメントに駒を進めることとなった。
決勝トーナメントが懸かった一戦で2得点の平野
優勝に向けて幸先のよいスタートを切った早大。だが3得点を決めた平野が「フェイスオフでどのようにボールを出すかが課題」と振り返れば、小柳翔学生コーチ(スポ4=東京・高輪)も「当たり前のグラウンドボールやオフボールの動きで徹底できていないところがある」と語っており、それぞれが試合内容にまだまだ改善の余地がある現状をしっかりと受け止めている。負けたら終わりのトーナメントでここから夏の王者・早大の真価が問われることに違いないが、サマーステージからの進化を見せつけるには絶好の舞台でもある。これからの戦いに期待したい。
(記事 山田流之介、中島和哉、写真 石井尚紀)
※弊会のホームページの不都合により掲載が遅くなり、申し訳ありません
結果
▽予選Bブロック
1試合目
○3-1 東海大・成城大合同チーム(得点者:北野、平野、白井)
2試合目
○2-1 独協大・東大・成蹊大合同チーム(得点者:平野2)
コメント
小柳翔学生コーチ(スポ4=東京・高輪)
――2連勝という結果に対してはどのように感じていますか
予選は2連勝しないとなかなか上に行くのは難しくて、必勝で臨まないといけなかったので、目標を達成できて良かったです。
――サマーステージで優勝したことで他大学から追われる立場になったと思います
追われる立場というところはあるんですけど、その中で自分たちのやることを徹底するというのを特に重視して、隙だけは見せないように相手の隙を突けるようにということに重点を置いてきました。他大学に追われるからどうこうというのはあまり言っていなかったです。
――今大会からロングを使用する選手が出てきたり、フルフィールドになったりしました
ラクロスを始めたばかりでクロスを長いものに変えるというのはかなり難しいところがあるので、そこは同期にも協力してもらって指導に当たったことが大きいです。学生コーチが2人でやっていたんですけど、フルフィールドになってからまた2人教えるようになって、自分たちも盤石のかたちで指導できています。
――1試合目を振り返られていかがですか
1試合目は割と自分たちのやりたいことはできたのかなと感じています。決めていたプレーなどを着実にこなせてはいたので、地に足はついていて、その結果が3-1につながったと思います。相手がいいチームだったので、そこから3点取れて良かったです。
――2試合目を振り返られていかがですか
10分×2という新人戦の中で先制されることはよくあるので、そこは落ち着いて気をとられずに、自分たちのやりたいこと、やるべきことを徹底するところに注視したので、相手の先制点に対して無駄に浮足立って焦ることはあまりなかったです。自分たちのやるべきことをやれば最終的に勝ち状況に持っていけるというのは常に教えていて、自分たちも信じていたので良かったです。
――決勝トーナメントに向けて改善していきたい点はありますか
やりたいことを徹底するという話をしたんですけど、当たり前のグラウンドボールやオフボールの動きで徹底できてないところがあるので、自分たちが意識で変えられる部分というのは常にサマー(ステージ)で優勝したチームとして徹底しなければいけないと思っています。全日(全日本選手権)の決勝も翌日に控えているので、チームに対して勢いを与えられるようにというのと、ラクロスにおいてワセダ自体注目されているので、優勝は必ず成さなければいけないということを意識してやっていきたいです。
MF今井海斗学年キャプテン(教1=東京・早実)
――今のお気持ちを教えてください
ほっとしたのが一番です
――1試合目を振り返っていかがですか
ブロック戦で、2試合目でもし同点になった時とかに得失点が絡んでくるので、1試合目はどれだけ点を取れるかということで、セットプレーを多めにやって得点をすることができました。1点目を取るまでちょっと浮足立っちゃったんですけど、1点目が入った後は自分たちのラクロスができて、1試合目は普段通りできたかなと思います。
――2試合目を振り返っていかがですか
2試合目はヤマ場で、相手も3チーム合同で強いと言われていて、対策とかしていた上で先制点取られちゃったんですけど、すぐに切り替えをして追い付けたのは大きかったなと思います。2試合目は勝ち切ることだけを意識していたので、勝てて良かったです。
――サマーステージから今日まで、チームとして意識したことや変わったことはありますか
基本的にはサマーを優勝しても自分たちでおごることなく、基礎的な、ニュートラルな練習を多めにやってきて、やることをやろうとコーチに言われてきました。サマーまではコーチにおんぶに抱っこで、コーチの方からウィンターは自分たちで主体性を持ってやってくれと言われて、結局おんぶに抱っこだったんですけど、やりたいことをやった結果勝てたので、自分たちが強いということを過信じゃなくて自信にして、一戦必勝で残り(決勝トーナメントまでの)1週間頑張りたいと思います。
――最後に次戦に向けて意気込みをお願いします
自分的にはオフェンス、ディフェンス共にコントロールしないといけない立場だと思いますし、キャプテンとしてチームをどれだけ引っ張れるかが大事だと思うので、次の決勝トーナメントは自分中心となって一戦必勝で頑張ります。
MF平野義大(社1=東京・早大学院)
――サマーステージでの早大は優勝からどのような意気込みでこのウィンターステージに臨んだのでしょうか
自分達の目標がグランドスラム、3連覇することなんですけど、サマー(ステージ)で勝ってウィンターも絶対に負けられらないということで、練習量を増やしてこの大会に臨みました。
――試合を終えた感想は
ほっとしています。
――1試合目の得点シーンを振り返ってみていかがですか
振り切ったので、自分では全然入ったかわからなかったのですが、ボールがゴールにあったので、『あぁ、良かった』みたいな感じでした。単純にうれしかったです。
――2試合目の2つの得点を振り返ってみていかがですか
積極的に行けたので、そこがゴールにつながったのかなと思います。
――フェイスオフを振り返ってみていかがですか
1試合目は全然勝てなくて、修正できなかったというのは反省です。2試合目はある程度勝てましたが、そこでどうやってボールを出すかという課題も出たので、フェイスオフは課題です。
――決勝トーナメントに向けて一言お願いします
もっと組織力を高めて絶対に優勝するので、よろしくお願いします。