1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 計 | ||||||
早大 | 2 | 2 | 0 | 2 | 6 | |||||
東大 | 0 | 2 | 2 | 1 | 5 | |||||
▽得点者 森松2、尾花2、後藤、菊地 |
---|
試合終了のホイッスル––。早大が関東ファイナル4、関東ファイナルで東大と慶大に敗れし者として、その音を聞くこと4回。現役部員の中には関東王者を経験したことがある者はいなくなっていた。だが、第31回関東学生リーグ戦ファイナル、ついにそのホイッスルは早大が関東王者であることを告げる音として駒沢の地に鳴り響いた。フィールドの選手たちに駆け寄るボックスの選手たち。スタンドで手に持つエンジのメガホンを高らかに掲げる部員たち。誇らしそうに拍手を送る、エンジのグッズを身にまとい応援に訪れた家族やOB。まさにそこは早大男子ラクロス部に関わる人々の笑顔であふれていた。
関東最強攻撃陣と関東最強守備陣を擁する二校の戦いであったが、序盤はワンサイドな展開となった。中をしっかりと固めて守る東大に対して、早大はその外側でパスを回しながら好機をうかがう。すると第1クオーター(Q)3分、ボールを受けたMF森松達副将(国教4=東京・麻布)が東大DFの寄せが甘くなったところを見逃さず、ゴール前に侵入していき先制点を奪取。13分にはMF後藤功輝主将(政経4=東京・早実)がマークをうまく外して左サイドからショットを成功させる。第2Qに入っても早大のペースであることは変わらず、東大が自陣に侵入してきた場面ではディフェンスがボールを落としてクリアにつなげる。12分、後藤の相手を引き付けたパスから東大のG大嶋省吾と1on1になったAT尾花一輝(国教4=東京・早実)が駆け引きに勝利して冷静に決めると、2分後にはAT菊地智貴副将(政経4=東京・早大学院)がゴール裏から回り込んでショットを打ち込んだ。しかし4連続得点を奪った早大がこのまま試合を優位に進めると思われたが、ここから東大のオフェンスが躍動。第2Q残り2分、ミドルレンジからのランシューで1点を返すと、その1分後には追加点を決め、東大が押せ押せムードとなったところで前半は4−2で終了となった。
森松の先制点を皮切りに早大が4連続得点を奪った
第3Qは早大にとって我慢の時間が続くこととなった。東大にさらに2点を積み上げられると、攻撃陣もショットまでは持ち込むものの、東大守備戦術の要である大嶋からネットを揺らすことができず。悪い流れのまま試合はとうとう第4Qへ。「一球入魂で何が何でも簡単には取らせないし、取り切るという思いで挑みました」とMF及川翔太郎(政経4=米国・ライネック)が振り返ったように、開始直後のフェイスオフではMF浜田雄介(人4=東京・穎明館)がリーグ戦のベスト12にも選出されたMF星名辰信(東大)と激しい競りを見せ、ウイングのDF本田丈夫副将(政経4=東京・早大学院)と及川もポジショニングのために相手とフィジカルコンタクトを繰り返す。結果的に1分間に及んだフェイスオフは本田がポゼッションし、早大に流れを引き寄せると、2分に森松がまたしても東大の守備網を切り裂いて、勝ち越しゴールを決める。7分にはマンダウンとなりピンチを迎えるもDF平塚弘喜(政経2=東京・早大学院)がボールをカットして流れを渡さない。その1分後には尾花がまくりシュートで6点目を挙げて、リードを2点に広げた。しかし残り時間3分に東大のAT矢野皓大をフリーにしてしまい、1点差に詰め寄られる。そして残り18秒で東大が早大陣地に攻め込み、すかさずタイムアウトを要求。早大の勝利か、はたまた同点となりサドンビクトリーへと突入するのか。会場中の人々が固唾を飲んで見守ったが、最後は東大のパスミスを早大が拾って6−5でゲームセット。この瞬間、早大が5年ぶりに関東王者の座に返り咲いた。
第4Q開始直後のフェイスオフでは両校の意地がぶつかり合った
『関東代表として』。試合後に選手たちは口々にこう語った。大学ラクロス界の最激戦区として知られる関東地区。例年リーグ戦を勝ち上がった大学は、全日本大学選手権で優勝を果たし、全日本選手権(全日)でも社会人相手に善戦を演じている。当然ながら早大も最終目標は全日優勝であり、選手の表情から『慢心』という二文字は一切感じられなかった。日本最強チーム・FALCONSを全日決勝で倒すその日まで。早大男子ラクロス部・REDBATSが成長を止めることはない。
(記事 石井尚紀、写真 岡田静穂、今山和々子、村上萌々子、栗林真子)
試合前に行われた写真撮影
☆尾花がMVPを獲得!
関東ファイナルでの尾花
ブロック戦では9得点、関東ファイナル4慶大戦と関東ファイナル東大戦の大一番でも2得点ずつを奪うなど、勝負強さを見せた尾花が同大会のMVPを受賞した。攻撃に関するプレーを高い次元でこなすオールマイティープレーヤーは、これからの戦いでも輝きを放つはずです!
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コメント
MF後藤功輝主将(政経4=東京・早実)、MF柳沢哲(スポ4=東京・駒場東邦)、MF菅原惇司(法4=東京・早実)
――関東学生リーグ戦、優勝おめでとうございます
柳沢 うれしいです!
菅原 5年ぶりなので本当にうれしいです!
後藤 最高です!
――慶大戦から切り替えていくという話でしたが、どのような準備をしてきましたか
後藤 東大のディフェンスをしっかりと分析して、自分たちがどういうオフェンスをすればいいかというのをみんなでミーティングをして考えて準備してきました。
――試合にうまく入れていた印象です
菅原 いい感じで入れたんですけど、東大も0点で終わるチームではないと思っていたので、自分たちのオフェンスをして、点を重ね続けるというのを意識していました。
――追い付かれてしまった場面ではチームとしてどのように戦っていこうとされましたか
後藤 4連続得点をしたことで慢心が生まれるかなと思ったんですけど、向こうもペースを上げてきたので、油断せずに最後までできたのかなと思います。
――きょうのご自身のプレーは振り返られていかがでしたか
柳沢 試合を通して悪かったところもあったんですけど、変に落ち込まずに自分ができることをやれたので、そこは良かったです。
菅原 自分も結果というかたちは残せなかったんですけど、関東を勝てたということが何よりも大事だと思うので、チームが勝てて良かったです。
後藤 所々でバスミスをしてしまったり、いつもよりミスが多かったんですけど、やるべきことに集中をしてできたと思います。
――関東学生リーグ戦を全体的に振り返っていかがでしたか
後藤 最初のブロック戦はワセダの強いところと弱いところが浮き彫りになってしまったんですけど、ファイナル4とファイナルで修正して戦えて、チームとして成長していると感じています。
柳沢 厳しい試合が続いたんですけど、勝ち進めたというのは自分たちにとって自信にもなって誇りにもなったので良かったと思います。
菅原 粘り強く勝てていると思います。これも自分たちの代の持ち味だと思うので、これを継続してやっていければと思います。
――最後に次戦の名大戦に向けて意気込みをお願いします
後藤 足が速い哲さんから…(笑)。
一同 (笑)。
柳沢 名古屋でもやることは同じだと思うので、全力を出し切って戦いたいと思います。
後藤 他の名古屋大とか向こうで勝ち上がっている京都大とか強いチームはたくさんあると思うんですけど、関東の力、ワセダの力を全国に見せれればなと思います。
菅原 大丈夫です(笑)。
AT菊地智貴副将(政経4=東京・早大学院)、MF森松達副将(国教4=東京・麻布)、AT尾花一輝(国教4=東京・早実)
――今の率直なお気持ちはいかがですか
尾花 うれしいです!
森松 うれしいです!
菊地 最高です!
―― ファイナル4から2週間空きましたがどのような準備をしてきましたか
尾花 東大のディフェンスからどう点を取るかをオフェンス全員で話し合って対策してきました。
森松 ゴーリーの大島くんがすごくうまくて彼を中心に小さく守ってくるのは分かっていたので、どうやってそこを引き離して自分たちのオフェンスにつなげるかを意識して練習してきました。
菊地 うまくいったときと上手くいかなかったときのパターンをやって、うまくいったときに対策してきたパターンを出せるように、いろいろなシチュエーションで対策してきたのでそれが結果につながったのかなと思います。
――きょうの試合は振り返っていかがですか
尾花 結果的に6点しか入らなかったという意味では、自分たちが体現しようとしていた攻めるラクロスはできていなかったのかなと思うので、今後の試合で体現できるようにしていきたいです。
森松 こういう試合は結果が全てだと思うので、結果が出せたのはいいと思います。でも内容的に詰められるところは結構あると思うので今後につなげていきたいです。
菊地 先制点を取れて自分たちの流れで入れたので、試合の入りとしてはすごく良かったし、最後のところもしっかりベンチの指示を聞きながらオフェンスに関してはその指示通りに動けて、試合通して結構良かったかなと思います。
――オフェンスで良かった点は具体的にどこでしたか
尾花 東大の狭いディフェンスを引き出して点を取るというのを意識していた中で、それができて点が取れたところは良かったかなと思います。
森松 おのおのがやることがしっかりしていて、それをある程度遂行できたというのは収穫のある試合だったかなと思います。
菊地 ディフェンスが強いチームに対して、相手の強いゴーリーにもできるだけセーブされない場面もありましたし、こちらのオフェンス時間がたくさん取れたのは良かったと思います。
――先制点は振り返っていかがですか
森松 ディフェンスが強いのは分かっていたのですが、第1Qから臆せず攻めていこうと思っていたのでその姿勢がいい結果につながって良かったと思います。
――チームとして、リーグ戦を振り返っていかがですか
尾花 リーグ戦通じて全チームで最多得点だったのは、自分たちが『攻』というのを体現できている証拠だとは思います。ただ今回6点しか取れなかったというのは、どんな相手でも点を取るというのができていないと思うので、今後相手が強くなっていく中でも点を取れるように『攻』ということを意識したいと思います。
森松 予想外に苦しい試合もあったリーグ戦でしたが、最後の最後のところで組織としての強さが出たというか、小手先の技術だけではなくて一組織としていい集団ができ上がっていると思うので、これからも全員ラクロスで勝ち上がっていきたいと思います。
菊地 早慶戦で勝ったことでチームが一致団結して、チームで試合に臨めていたというのはあります。リーグ戦中盤からは一人一人がやりたいプレーをやり若干ばらばらになってしまったのですが、ファイナル4、ファイナルともう一度チームとして一致団結して、誰がというより6人で点を取れればいいところを確認できて、早慶戦のようなまとまりが出てきたと思います。
――個人としてはいかがですか
尾花 ATで点を取ることが重要視される中でコンスタントに点を取り続けられて良かったかなと思います。
森松 リーグ戦最初の方から自分が思うような結果を残せていなかったのですが、組織として点を取るということにフォーカスし始めてから個人のプレーも良くなってきたので、これは続けていきたいと思います。
菊地 リーグ戦は自分が点を取ろうとしてしまったのですが、それが良くない方向にいってしまったので、ファイナル4、ファイナルとチームで点を取れれば良いという意識に立ち直れてすごく良くなってきているなと思います。
――全日本大学選手権の準決勝への意気込みをお願いします
尾花 スローガンであ『攻』を体現して勝ちたいと思います。
森松 関東代表ということでいろんな人の思いを背負っていると思うので、自分たちの力を出し切って勝ちたいと思います。
菊地 名古屋で名古屋の大学と戦うということで、アウェイだと思うのですが、自分たちがみていて楽しいラクロス、応援したくなるようなラクロスをしていきたいと思います。
DF本田丈武副将(政経4=東京・早大学院)、DF石関航平(商4=埼玉・早大本庄)、G西谷光平(社4=東京・早実)
――優勝おめでとうございます
西谷 うれしいの一言しか言い表せないという感じです。
石関 うれしいというのと、FALCONSを倒すことに向けて気が引き締まりました。
本田 やっとここのカベを越えられたというか、あとはどれだけ僕たちが1カ月頑張れるかだと思います。
――4連続得点後に東大に追い上げられましたが、DF陣はどのような心持ちで戦っていましたか
石関 これまでの練習試合を通して、接戦になる試合が多かったので、絶対にそういう時間帯が訪れるというのは試合前からみんなで話せていたので、そんなに動揺している人はいなかったです。『我慢しよう』という声掛けが全体的にあったと思います。
――第4Qでは一時2点差をつけましたが、東大の反撃がありました
本田 欲張らずに、謙虚に、謙虚に、奪えるところは奪うという攻める意識は持っていました。オフェンスが点を取ってくれていたので、それを信じて自分がやれることをやろうというクオーターでした。
――きょうのご自身のプレーはいかがでしたか
西谷 やりたいことはやろうと試合前から言っていて、やりたいことはやれたのかなと感じていて、その通りにできたことが勝利につながったと思います。
石関 ファイナル4のケイオーとの試合よりは落ち着いてできたかなと思っています。違った緊張感があって、試合を楽しむことができたのかなと思います。
我慢の時間は自分を我慢させつつ、とにかく『謙虚に』というのを忘れずにできました。最後第4Qで集中してできたのは良かったと思います。
――関東学生リーグ戦を振り返られていかがでしたか
本田 結果的に勝ち切れたので良かったと思うんですけど、これからは学生相手より1段、2段上げないと社会人相手には話にならないと思います。残りの学生との試合もしっかりと戦うんですけど、その先も見据えつつやっていこうと思います。
――次週に控える名大との試合に向けて意気込みをお願いします
西谷 今回掲げている『攻』というのをゴーリーから体現して、名古屋の人たちにも今までと違うようなラクロスを見せつけたいと思います。
石関 関東の代表となったからには、今まで戦ってきた学校のためにもしっかりと勝って次に進みたいと思います。
本田 関東代表として責任のあるプレーで『謙虚に』頑張りたいと思います。
MF浜田雄介(人4=東京・穎明館)、MF及川翔太郎(政経4=米国・ライネック)
――今のお気持ちをお願いします
浜田 率直にうれしいです!この2週間東大を倒すためだけに練習してきたので、1点差という厳しい試合でしたけど、関東制覇することができてうれしいです。
及川 去年、まさにここで秋山組が負けてすごく悔しかったので、その雪辱を果たしたことはうれしかったし、浜田が言ったようにこの2週間、本当にきついぐらいスカウティングしたので、それが試合に出たのかなという感じです。
―― 今回の試合を振り返ってみていかがですか
浜田 僕はフェイスオフというポジションで、相手の東大のフェイスオフは関東で一番強いと言われていて、これまでの練習試合も苦戦してきたんですけど、ベスト12だった彼相手にスカウティングをして、相手の弱点だったり、自分の武器をどう生かすかを考えてきて、それがしっかりはまったのもとても良かったと思います。
及川 僕はチームのメンタルトレーニングを率先してやっているんですけど、ケイオー戦、東大戦を経てチームのメンタルのコントロールというのがうまくなってきていて、第3Qの苦しくなった場面でも、自分たちや仲間を信じたり、今やるべきことに集中して流れを持っていかれないようにするという心のコントロールの技術というのは付いてきたなと思いました。これは今まで1年間やってきたこだわりだったので、すごくうれしいです。もちろん技術の面もみんな頑張っていたので、うれしいです。
――ご自身のポジションとしてのプレーの中で良かった点を教えてください
浜田 一番厳しい第3、4Qのところのフェイスオフでポジションできたのはとても大きいと思っていて、特に最後の、また点を取られたら厳しいという場面でこっちのボールにできたということはとても大きかったと思います。
及川 やっぱり第4Qの初めは厳しい点差で、絶対に浜田と僕でここでボールを取って自分たちに流れを変えるんだって思いました。僕はウイングメインでやっていたんですけど、1分ぐらいあそこで粘ったのはすごく楽しかったし、相手を完封できたのかなと思います。
――4-4で東大に流れが来ていた際のフェイスオフはどのような心境で挑まれていましたか
浜田 第4Qの最初で主導権を握るという上で、絶対ポジションする必要があって、1分間以上競って本当にどっちに転ぶかわからないところだったんですけど、前回のケイオー戦でウイングで圧勝できたようにワセダはウイングを武器にしていて、ウイング勝負になれば勝てるという自信があったので、あそこで粘れて勝てたというのはよかったと思います。
及川 これは海外遠征でも学んだんですけど、一球入魂というか。向こうのチームは本当にグラボとかニュートラルとかフェイスオフとか、大事な場面で絶対手を抜かないで自分の身を削って取り切るという。丈武(DF本田丈武副将、政経4=東京・早大学院)と浜田と僕で、一球入魂で何が何でも簡単には取らせないし、取り切るという思いで挑みました。こういうスポーツだと取ると流れが変わるので、そういうことは意識していました。
――チームとして関東学生リーグ戦を振り返ってみていかがですか
浜田 リーグ戦から1点差だったり引き分けだったりと厳しい試合があったんですけど、徐々にチームも成長していって、関東ファイナルも1点差、2点差という厳しい試合だったんですけど、接戦をとれたというのは大きいと思います。
及川 ケイオー戦と法大戦と1点差、2点差の厳しい試合が続いていたんですけど、こういう試合が続くとチームとしてすごい成長するので、次の東海とか関西地区も油断しないでワセダとして誇りを持って戦いたいと思います。
――個人として関東学生リーグ戦を振り返ってみていかがですか
浜田 自分は嶋田育巳人(MF、スポ4=米国・ウェストブルームフィールド)というとても心強いフェイスオファーと一緒にやっているんですけど、その二人でこのリーグ戦はフェイスオファーとして成功することができましたし、二人で得点することも出来たので、これから名古屋で始まる全学(全日本大学選手権)、あとは全日(全日本選手権)で社会人とのチームとでもフェイスオフから流れを持ってこようと思います。
及川 自分はやっぱりオフェンスのように華やかなポジションじゃないんですけど、チームの支えとなれるように泥臭く、時にはチームの流れを変えてやるという思いでやってきて、その積み重ねだと思うので、今後ともその思いは変わらず頑張っていきたいと思います。
――最後に、全日本大学選手権の準決勝への意気込みをお願いします
浜田 名古屋の試合ということで、アウェーにはなると思うんですけど、自分たちは遠征でアウェーを経験しているので、その経験を生かして名古屋でワセダらしいラクロスをして、ワセダは本当に強いというところを見せつけたいと思います。
及川 関東1位という称号は重みがあると思うので、油断せずにしっかりと誇りをもって戦い抜きたいと思います。
DF中島大介(社3=東京・早実)、MF小野泰輔(社3=東京・早実)、MF本間陽介(商3=東京・麻布)
――関東を制した今の気持ちは
小野 うれしいです。ただそれだけです。
本間 僕はうれしいと同時に安心している部分があって。僕は途中からAチームに呼ばれて活躍できるか不安な部分もあったんですけど、チームの力になれて良かったです。
中島 単純に今はうれしいです。でもここから先も続くのでしっかり反省すべき点はしないといけないと思います。
―― 第2Q途中まで4点をリードするかたちとなりました
小野 オフェンスがいい感じに攻めてくれていて、ディフェンスもやることやれば大丈夫という感じでした。でもそこから同点までいくことは予測できていたので、特に動揺せずやることをやりました。
本間 僕はうまくいきすぎているなと思いました。4-0になった時ここでディフェンスを引き締めないといけないと思っていたんですけど、結果的に詰められてしまったのは甘い部分もあったのかなと思います。
中島 ディフェンスとしては0点に抑えられていて自分たちのリズムはつくれていたんですけど、途中追い付かれてしまって、そこから立て直すことを意識してできたのは良かったと思います。
――東大に追い付かれた時の心境の面はいかがでしたか
小野 ロースコアな展開になることは練習試合してる時から予測していたので、ボックスのメンバー、コーチ含めて今に集中しようというのは言い合ってやっていたので、心境的には負けている、勝っているとかはなく、平常心でいれました。
本間 僕も同じ感じで、そのぐらいのスコアになるだろうなと思っていたので、そこから自分たちのいつもやっていることを出せるのかが大事だと思っていたので、もう一回気合いを入れ直してやっていました。
中島 正直追い付かれた時はまずいと思いました。去年とかのことも頭によぎったんですけど、第3Qで断ち切ることができたので、自分たちのペースにできたのは良かったと思います。
――きょうの試合の収穫と反省点を教えてください
小野 ミスしたところは反省しないといけないですし、自分の良かったプレーは結構あったので、そこは自信にしていくというか、その自信をもとにいいプレーをしていきたい気持ちがあるので、失敗反省することも大事なんですけど、きょうの試合で得た自信は強く意識してやっていきたいです。
本間 良かった点は自分たちの思い通りのプレーができない時にそこから崩れず立て直せたのが良かったと思います。それでもさっきも言ったように相手のペースに持っていかれた時間帯もあったのでそういう時間帯を減らせるように一人一人気を引き締めないといけないと思います。
中島 点を決められても自分たちのやらないといけないことを明確に分かっていて一つ一つの判断もできていたので、ディフェンスとしては良かったと思います。関東優勝できたのはいいことなんですけど、自分たちに謙虚になって相手のチームをリスペクトし、スカウティングをして勝っていきたいと思います。
――きょうのご自身のプレーはいかがでしたか
小野 失敗と成功もあったんですけど80分通してそれはあることなので、試合の中で自分で整理して取り組めたというのは、自分の中でいい経験値になったと思います。次からの試合もいい悪い関係なく自分のできることをやるだけかなと思います。
本間 僕は反省ばかりで、周りの応援してくれていた人からは良かったと言われたんですけど、個人的にはやろうと思っていたことができていなくて。東大戦に向けて相手の分析もしてきたんですけど、してきた分変に自信がついてしまったというか。そこはかみ合わず課題が残ってしまったので、やるべきことだけに集中して謙虚にやっていきたいと思います。
中島 きょうは調子も良くてあまりミスもなかったんですけど、詰められるところはあって、失点するシーンだったり自分が関われるシーンもあったので、これにおごらずやっていきたいです。
――今後に向けてお願いします
小野 チームとしても個人としてもシーズン当初よりいい方向に向かっていると思うので、これまでやってきたことを積み上げていきたいと思います。
本間 僕はポジション上そんなに目立たないんですけど、目立とうとせずやるべきことをしっかりやっていければと思います。着実に仕事をこなしていきたいです。
中島 個人的にはDFなので、点を取られないようにしつつ悪い流れを断ち切れるように準備していきたいです。自分たちの力を出し切れるようにしたいです。
MF丸田敦司(商2=埼玉・早大本庄)、DF平塚弘喜(政経2=東京・早大学院)、DF奈須由樹(文2=東京・早実)
――優勝おめでとうございます。今の率直な気持ちをお願いします
丸田 ずっと目標にしてきたところのですごくうれしいのと、自分たちの代として初タイトルなので、それも合わせてうれしいです。
奈須 (丸田と)同じなんですけど、自分たちの代の初タイトルが取れたので、それがすごくうれしいです。
平塚 東大という強い相手にこの大舞台で勝つことができてうれしいです。
――きょうの試合の意気込みはどのようなものでしたか
平塚 今までやってきたことをやるだけだと思って臨みました。
丸田 東大はオフェンスの中心がMFだったので、ディフェンスプランとしてMFの攻撃をいかに抑えられるかというか、自分の役割をいかに徹底できるかというのを意識してやりました。
奈須 ライドをはめてやろうと思っていたので、はまって良かったです。
――慶大戦から2週間空きましたが、どのように準備をしてきましたか
平塚 本当に、頭がぐるぐるしちゃうくらいスカウティングを…相手の個人のスカウティングを徹底的にして、あまり出ない人でも特徴を頭に入れて試合に臨みました。
奈須 スカウティングを結構したので、どんなディフェンスがいいのかを考えていて、結構序盤はうまくいかなかったのですが、最終的にはいいかたちのディフェンスが見つけられました。
丸田 同じくスカウティングなんですけど…。
奈須 本当にしたんですよ(笑)。
平塚 本当にしたんです。ミーティング何十時間も(費やして)。
丸田 (相手の攻撃は)MFが中心だったんですけど、そのMFの攻撃のパターンを頭に入れたり、個人個人がどういう風に(攻撃を)かけてくるのかを頭に入れたりして、徹底的にやっていました。
――ディフェンスとしてのゲームプランはありましたか
平塚 あんまり最初は攻め過ぎず、相手もあんまりガツガツくるオフェンスではないので、ストーリングがかかってから自分たちが攻めてボールを奪おうという作戦は立てていました。
奈須 ディフェンスプランというよりも、オフェンスが長い時間をかけてオフェンスをしてくれて、ディフェンス時間をできるだけ短くするというディフェンスプランでした。
丸田 オフェンス時間を長くするというので、ディフェンスで相手のボールを落とした後のクリアをしっかりオフェンスにつなげるというのを意識して、結構何回も練習していました。しっかりやろうとしていたことはできたと思います。
――試合全体を振り返っていただけますか
平塚 最初に4点取ってくれたのが本当に大きかったかなと思います。点を取られても一度もリードされることはなかったので、心理的には楽にできたかなと思います。
奈須 最初に4点取ってくれたから、相手のキーマンにやられても大丈夫でした。フェイスオフが案外取れたので良かったなと思います。
丸田 最初は守れている感じがしてどんどん自分のやれること以上をやろうとしてしまいました。他のマークマンに関与しようとして、自分のマークマンに(ボールを)出されちゃったりしたので、中盤でそういう気持ちの変化というか、自分やれているという感じがしてしまったのでそれがよくなかったかなと思います。最終的には切り替えてやろうとしていたことはできたので、そこは改善できてよかったなと思います。
――リードした状態でハーフタイムを迎えましたが、どんな話をしましたか
平塚 第2Qがオフェンス的に内容が良くなかったので、その改善をみんなで話し合いました。前半は全体的にチーム的には良かったので、このままの流れでいこうという話もしました。
――同点に追いつかれたシーンを振り返っていただけますか
平塚 ラクロス的なことを言ってしまうと、他の人のマークマンと自分のマークマンを両立させようとして、自分のマークマンにされてショットを決められてしまいました。相手のホーム側のコートで点を取られて、相手の歓声がすごく嫌でした。
奈須 俺は同点になったなという感じがしませんでした。オフェンスが点を取ってくれるだろうなと思っていたので、あんまり気にならなかったです。4失点しかしていないので、気にならなかったです。
丸田 俺も(奈須と)同じような感じです。オフェンスがそんなに攻めあぐねている感じではなくて、しっかりプランを立てて攻めている感じだったので、同点になってもそんなに動揺はしませんでした。
――きょうの自身のプレーでよかったと思うところはどこですか
平塚 自分はきつい場面でのエキストラでパスカットができたのが自分的にもチーム的にも楽になったなと思います。
奈須 ライドが良かったなと思います。自分はライドを動かす立場にあるんですけど、結構いい感じに落とせてオフェンスに(ボールを)供給できたのが良かったかなと思います。
丸田 自分は相手のMFにそんなに仕事をさせなかったというか、起点となるMFに対してしっかり自分の役割を果たして、自分のやることはできたと思うので、それは良かったと思います。
――関東学生リーグ戦を振り返っていかがですか
丸田 1、2戦目は第4Qの最後の数分しか出ない感じだったので、中大戦からだんだん出場時間が増えてDMFとして結構自分のできることを増やして試合に出られるようになったので、そこは良かったなと思います。試合を重ねるごとに自分の中では成長できたと思いました。
平塚 自分も最初の方の試合よりも後の方の試合のほうができることが多くなったことと、反対に課題となる点も多く上がったので、それを日々薄くして次の試合につなげられたらなと思います。
奈須 3人とも2年生で、一戦一戦みんな成長しみんな出場時間が伸びて、(自分は)最後の2戦はスタメンにもなれたし、成長したなと感じますが、まだまだ甘い部分もあるのでこれから頑張りたいです。
――来週の全日本大学選手権の準決勝に向けてお願いします
平塚 じゃあ学年キャプテンが…。
奈須 まとめてどうぞ(笑)。
丸田 (会場が)名古屋で(相手も名大で)アウェーなので、感じたことがないような雰囲気になると思うのですが、自分たちの役割を果たしてしっかり圧倒して、関東代表として精いっぱい頑張れればいいと思います。あと(自分たちは)2年生なので、思い切りやれることをやっていきます。