力の差を痛感。立大に屈し、優勝ならず

男子ラクロス
1Q 2Q 3Q 4Q
早大
立大
▽得点者
野呂、奥町、道本、菊地

 強風が吹き荒れる悪コンディションの中で行われた、プレシーズントーナメント決勝。2年ぶりの優勝を目指すワセダは立大と対戦した。試合は第1クオーター(Q)で2-1とリードするも、第2Qで逆転を許してしまう。続く第3Q開始直後に追い付くが、その後再び立大に連続でゴールを奪われ、反撃の糸口を見いだせぬまま試合終了。4-8で敗れ、優勝にはあと一歩届かなかった。

 今回は相手の巧みな技術と攻撃の鋭さが目立った。試合開始早々、先制ゴールを決めたのは立大。しかしワセダは14分にMF野呂太郎(教3=神奈川大付)がゴールを決めて追い付く。その後さらにAT奥町遼太郎(商2=東京・攻玉社)のゴールを突き刺すようなショットで1点を追加。2-1とリードした状態で第1Qを終えた。しかし、第2Qは終始立大のペースにのまれてしまう。開始直後に速攻を決められ同点に追い付かれると、相手にボールをキープされ防戦一方。G川本祐輔ゲームキャプテン(商4=岡山芳泉)のファインセーブもかなわず、立て続けに得点を決められ前半を2-4で折り返した。

第3Qで同点ゴールを決めたAT菊地智貴(政経2=東京・早大学院)

  後半は相手との技術の差が顕著に表れた。VPを獲得したMF嶋田育巳人(スポ2=米国・ウエストブルームフィールド)のフェイスオフ成功後の速攻からAT道本愛一郎(文構3=神奈川・逗子開成)が点差を縮め、2分後には菊地がフリーでゴールを決めて、4-4と試合を振り出しに戻す。しかし第3Q終盤に連続失点を許すと、続く第4Qも流れを引き寄せられず。なかなかクリアできずにオフェンスにつなげられない中、終盤にも2失点。1点でも返したいところだが、決定機をつくることができないまま試合終了となった。3Qと4Qでの4失点が響き、4-8で立大に敗戦。チームの実力を十分に発揮することができず、精彩を欠く結果に終わった。

連続で相手にゴールを決められ、うなだれる川本

 準決勝に続く劇的な勝利を収めることはできず。グラウンドボールなどの基本的な部分の向上に加え、ディフェンスを長く強いられる状況を打開し、自分たちに流れを引き寄せることの難しさを感じた。しかし「食らいつける力をみんなが持っている」と川本ゲームキャプテンが語るように、準決勝と同様に今のチームはリードされても全員が一丸となって諦めずに走り続け、ゴールを狙うことができるという強みを持っている。Bチームの最終的な目標は、Aチームに上がりもっと高いレベルで戦える選手になること。今大会でそれぞれが見つけた課題を修復し、個人としてもチームとしてもレベルアップを図っていく。本格的なシーズンの始まりは夏。この日の悔しさをバネに、一体どんな成長を遂げてくれるのか、期待が高まる。

(記事 小川由梨香、上野真望、写真 後藤あやめ)

コメント

有村裕次郎アシスタントコーチ(平26先理卒=栃木・宇都宮)

――きょうの試合をご覧になって、どのような感想を抱かれましたか

準決勝のときに出た課題が結果としてそのまま出てしまって、そのせいで負けたのかなという感じがしました。準決勝のときもグラウンドボールが取れなかったり、基礎的なミスが多かったのですが、それが今回多く出て相手にボールが渡ってしまい、好きなようにやられてしまったというのがきょうの敗因だと思いました。

――後半は相手に押されている印象を受けましたが、一方できょうの試合で良かった点は何かありましたか

2点差がついてしまったときですかね。いつもはリードしている状態だったり、差がそこまで離されない試合が多くて。きょう2点差がついたときにずるずるいくのかなと思ったんですけど、追い付けたというのは良かった点だと思いますし、今後もそういうところを伸ばしていけたらなと思います。

――今のBチームは4年生がすごく少ないですが、4年生の存在はやはり大きいものですか

そうですね。オフェンスもディフェンスも4年生が主体となって引っ張っていって、それに後輩や下級生がついていくという形なので、きょうの試合もそうですけど、常にグラウンドの中でも4年生が引っ張っていってくれたという部分はあります。

――一方で、2・3年生についてはどのような印象を受けていらっしゃいますか

元気はあるんですけど、試合の展開の仕方とかに関しては経験が全然ないので。技術はあるんですけど、それをどう生かしてうまく発揮するかというのをできるようになれば、上のチームでも活躍できるのではないかなという思いで教えています。

――やはりグラウンドボールや基礎的な部分の精度を上げていかないと、夏の本格的なシーズンが始まってからも苦しくなりますよね

そうですね。Bチームの最終的な目標としては、Bリーグで優勝するというのもあるんですけど、Aチームで、もっと高いレベルで活躍するというのを念頭に置いてやっています。そう考えると、このレベルだとたとえBチームで勝ったとしても、『日本一』を掲げている、本当の目標であるAチームにはたどり着けないと思うので、もっと高いレベルでやっていく必要があるのかなと思います。

――アシスタントコーチとして、今後体現したいチーム像はありますか

やはり高いレベルでやるというのを意識してもらいたいですね。相手に勝ったとしても、それで良かったのかとか。もっと高いレベルのもっと強い相手を想定したときに、そのプレーが通用したのかとか。そういうところまで詰めていって、内容もある、しかも敵を倒せるチームにしていきたいです。

――夏に始まるBリーグまでの期間に改善していきたい点を教えていただけますか

グラウンドボールが本当に弱いので、そのような基礎的なところを徹底的にやっていきたいと思います。あとはディフェンスからオフェンスに変わったときのフルフィールドのところでまだまだ課題が多く残っているので、Aチームも同じ課題を持っていると思うんですけど、Bチームも含めて全体でレベルアップを図っていきたいと思っています。

――今後への意気込みを聞かせてください

まずはBチームでボトムアップをして1人でも多くAチームで通用する選手をたくさん輩出すること。それとチームとしても今後Bリーグが始まっていくので、もっと有利な展開で試合を進められるような強いチームづくりを意識しながら、CチームからBチームに上がってくる選手もいるのでA・B・Cチーム全部を含めたチームづくりを意識してやっていきたいと思います。

G川本祐輔ゲームキャプテン(商4=岡山芳泉)

――決勝戦を終えられて、今のお気持ちを聞かせていただけますか

悔しいという気持ちでいっぱいですね。それだけです。

――きょうの試合にはどのような意気込みで臨まれましたか

Bチームはこのプレ(プレシーズントーナメント)と秋のBリーグしかないので、その二つは決勝に行って絶対に勝ちたいなという気持ちはありました。

――Gとして後ろからチームメイトを見ていて、どのような印象を受けられましたか

みんな頑張っていたと思いました。頑張って、でもミスとかはあるものなので。誰かのせいで負けたというイメージはないです。こちらの力が足りなかったということを後半になるにつれて、Aチームと比べてみても感じましたね。

――なかなか流れに乗り切れない印象を受けましたが、その原因は何だとお考えですか

向こうの方が試合に慣れているからだと思います。慣れの部分では向こうが一枚上手という感じですかね。一つ前の農大戦もそう感じた部分があったんですけど、すべての試合でそううまくいくわけではないので。技術的な面は確かに圧倒的に足りないんですけど、技術的な面を補えるのがチームスポーツだと思うので、そういう面でも雰囲気やゲームの進め方で技術の穴埋めはできると思います。Bチームなので技術の面で足りないのは重々承知していて、それ以外のところで頑張って食らいついていければなというのは感じています。

――4年生が少ない中で、そのようにチームをまとめたり盛り上げたりする点で苦労はありましたか

ぼくがBチームのキャプテンやっている方針としては4年が引っ張るというよりもみんなでおのおの考えて主体的に取り組むチームをつくっていきたいと考えているので、4年が引っ張ることで苦しむ状態はないように心がけています。逆にみんなが4年に頼らなくても自分自身が良いプレーを出せるようにと考えてくれている点で苦労というよりは助かった場面が多かったかなと思います。

――今大会を通して感じたチームとしての強みは何かありますか

組織力ですかね。試合を通して一体感というのを感じられますし、きょうも先制されて追いかける展開になって一回追い付けたのもそこで諦めずにチームとして誰かが下がっていたら盛り上げようという気持ちをみんなが持っていたからできたと思うので、チームプレーの良さというのを感じられる点ですかね。逆転ができるとか、追い付けるチームってなかなかないと思うんですよ。そういうところで食らいつける力をみんなが持っているところは非常に大きな成果だと思います。

――一方で今大会で感じた課題は

やっぱり技術力だったり試合慣れしていないところですかね。そういうところを強くするのがBチームだと思うので、発展途上でこういう強いチームと試合ができて良かったなと。これを糧に個人の技術であったりとか、組織でどういう風に強くなるかということをさらに考えて、実行してくれたらなと思います。

――Bリーグに向けて強化していきたいと感じた点は何かありますか

Bリーグで勝つことを目指していても意味がないと思うんですよ。チームで改善していくというよりも1人1人がAチームに上がるためにどうやってプレーするかというのを、Bリーグで優勝するんだっていう目標ではなくてAチームに上がるという目標を1人1人が持ってプレーしていかなければいけないと感じているので、そういうところを常に発信していきたいなとは思っています。

――チームとしては今後どのようなプレーをしていきたいですか

Aチームの人だったりAチームとBチームの入れ替えをやっているコーチだったり味方であったり、みんながこいつはリーグ戦(関東学生リーグ戦)でも使えるな、使ってみたいなと思う選手が1人でも多く現れるようなチームにしていきたいです。

――ご自身の今後の目標は

目標はやっぱりAチームに上がること。常々Bチームのヘッドコーチ(嶋田雄二監督兼Bチームヘッドコーチ、平7政経卒)からも言われているんですけど、ゲームキャプテンの自分も含めてAチームに上がること。(キャプテンとして)まとめるのも大事だと思うんですけど、ぼく自身も上を目指して頑張っていかないといけないなと思っています。

DF新美拓郎(政経4=AISS)

――きょうの試合を振り返って

きょうの試合はチームでいつもやっていることができませんでした。あとはクリアが課題だったと思います。

――今回の決勝はどのような気持ちで臨まれましたか

自分はAチームにいて今回Bチームに派遣された身なので、自分の持ち味であるディフェンスをやりながらオフェンス参加というのをやろうと思っていましたが、チームに貢献できなかったので、満足できない結果で終わってしまいました。

――ディフェンス全体としてはきょうのプレーいかがでしたか

試合前に相手選手がどんな選手かということは調べられていたので、準備はできていました。でも、準備通りに忠実にできなかっのが敗因だと思います。最終的にまとまりのないプレーになってしまったと思います。

――今大会で収穫や課題はありましたか

チーム全体で相手がどのようなかたちを取ろうと、しっかりとクリアをし切るということが課題だと思います。個人的には自分の持ち味をもっと出していきたいです。

――今後の目標を教えてください

ここからシーズンに向けて、Aチームは去年の雪辱を、Bチームは連覇を目指して、気を引き締めて、ワセダらしく泥くさくやっていきたいです。

MF野呂太郎(教3=神奈川大付)

――今日の試合を振り返って

途中までは勝てると思っていたのですが、最後に相手に攻め込まれてやられてしまいました。

――後半に相手側に得点を重ねられたことについては

ディフェンスが苦しんだこと、風が強くてボールコントロールがうまくいかなかったことは改善するべきポイントだと思います。

――決勝戦に挑んだ心境を教えていただけますか

去年は予選敗退、今年は決勝戦まで来られて勝てると思っていたので、最後に負けて悔しいです。

―—得点を決めたときはどんな心境でしたか

久々の得点だったので、とてもうれしかったです。

――後半追いかける展開の中でどのようなプレーを心掛けましたか

シュートを結構打たれていたので、チェイスと呼び出しを意識してやっていましたが、結果に結びつかなくて残念です。

――今後へ向けた意気込みは

Bチームにいるので、開幕戦ではAチームに食い込んでいけるような選手になりたいと思います。

MF嶋田育巳人(スポ2=米国・ウエストブルームフィールド)

――きょうの試合を振り返って

勝てた試合で、僕自身フェイスオフで貢献しようと思ったのですが、反則をしてしまったところもありました。そこは反省して、Bリーグに向けて切り替えていきたいと思います。

――今回の決勝戦はどのような意気込みで臨まれましたか

スカウティングもしっかりしていたので、やはり勝てると思っていました。過去にプレシーズンとBリーグ両方優勝した実績がないので、そういう意味ではプレシーズンは大事な大会でした。勝つと思っていたのですが。

――先ほどおっしゃっていたフェイスオフのことも含め、あらためてご自身のプレーはいかがでしたか

フェイスオフブレイクで点を取るというのが一つの僕の目標だったので、それを成し遂げたというのは良かったと思います。ただ、その後に自分のせいでフェイスオフで自分側に流れが来なかったので、自分の反省でもありますし、次から100パーセントを目指していきたいです。

――VP選手に選ばれました

初めてこういった賞状をもらったので、うれしいの一言です。

――今大会でチームの課題や収穫はありましたか

ワセダの攻め方ではないオフェンスを相手にしたディフェンスが崩されてしまったので、東伏見に帰ってまた一から積み直していきたいと思います。

――Bリーグに向けて目標はありますか

フェイスオフが僕の大きな役割なので、それでチームに勢いをもらたして、フィールドでも活躍したいと思います。