1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 計 | ||||||
早大 | 0 | 4 | 1 | 1 | 6 | |||||
慶大 | 0 | 1 | 4 | 2 | 7 | |||||
▽得点者 篠崎3、田口、池田、伊藤 |
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「ただただ悔しい」(石渡祐介ヘッドコーチ、平18商卒)。快晴という絶好の気候の下で行われた早慶定期戦(早慶戦)。第2クウォーター(Q)に先制点を許すが、その後一挙4得点を決めて逆転し、前半を折り返す。しかし後半、相手の勢いに押されて連続失点を喫すると試合終了間際に逆転を許し、敗戦。伝統の一戦は、慶大に軍配が上がった。
試合開始のフェイスオフを取ったワセダは、序盤から果敢にショットを放つが決め切れない。均衡が破れたのは第2Q。10分にワセダゴール付近のグラウンドボール(グラボ)を取った慶大がフィールドを駆け上がり、そのままゴールを決める。しかし、ここからワセダのゴールラッシュが始まった。12分にMF伊藤皇希(スポ4=愛媛・今治西)からパスを受けたMF田口一希(法3=東京・早大学院)がゴール正面に回り込みショットを決めると、その2分後にはAT池田侑大朗(商3=東京・早実)が右サイドから走り込みゴールを決める。17分にはAT篠崎大雅(スポ4=栃木)がランニングシュート(ランシュー)。篠崎は第2Q残り1分でもゴールを奪い、4-1で前半を終えた。
1点目を決めて追いつき、喜ぶ田口
さらにリードを広げたい後半だが、まさかの展開を迎える。開始のフェイスオフを取られた直後に失点すると、慶大オフェンスに火が付く。G高杉昂生(文構3=東京・桐朋)がナイスセーブを見せるも再び失点を許し、さらに第3Q7分にもショットを決められ4-4。なんとか流れを引き寄せたいワセダは篠崎がゴールを決め、一歩前に出る。しかし3分後に1点返され、同点で第4Qへ。得点を奪うしかない最終Qで先にゴールを決めたのはワセダ。10分に伊藤がランシューを決め、ワセダスタンドは歓喜に沸く。しかし、戦いはここで終わらなかった。「詰めの甘さが出てしまった」(DF丸山将史、政経3=東京・早大学院)。意地を見せた慶大が怒とうの攻撃でワセダゴールに襲い掛かる。高杉を中心にDF陣が決死の守りを見せるが、相手の勢いに押され残り1分でショットを決められると、残り15秒で再び失点し、万事休す。最後の1分の連続失点で逆転を許すというまさかの展開。勝利が見えていた試合だっただけに、試合終了のホイッスルが響き渡ると選手はみな肩を落とし、顔をうつむかせた。
ファインセーブを連発した高杉はVPの活躍を見せた
「相手に流れが行ってしまったところで止められるように力をつけていかないと」と語るDF矢野博主将(商4=神奈川・逗子開成)。前日の東大戦、そして六大学交流戦(六大戦)の東大戦と同様に、前半はリードするも後半に逆転を許す展開となった。決して気が緩んでしまったわけではない。しかし、前半は取れていたグラボが後半には取れなくなるなど、メンタル面での弱さが出てしまっているのは事実だ。後半、いかに自分たちのペースを維持し、あるいは悪い流れを絶ち切り立て直していけるか。次の大舞台であるリーグ戦(関東学生リーグ戦)に向けて、後半の戦い方という課題を痛感した試合となった。「悔しい思いを忘れず練習していく」(DF山岡光太郎、社4=神奈川・サレジオ学院)。この借りはリーグ戦で。気持ちを新たに、次こそ必ずや勝利をつかみに行く。
試合後、悔しさを露わにする選手たち。リーグ戦での雪辱を誓った
(記事 小川由梨香、写真 後藤あやめ、高橋弘樹)
コメント
石渡祐介ヘッドコーチ(平18商卒)
――残念ながら勝利をつかむことはできませんでした。今のお気持ちを聞かせていただけますか
ただただ悔しいです。
――きょうはどのような試合にしていこうと考えていましたか
拮抗(きっこう)した試合になるとは思っていたので、ワセダとしては出だしは好調だったと思います。
――前半は先制点こそ許しましたが、第2Qが終わった時点で4ー1とリードしていました。ワセダの攻撃が上手くハマったのでしょうか
そうですね、オフェンスが上手く機能したと思います。あとは個々の力のところでエンジンがかかっていたなという印象です。流れは良かったと思います。
――一方で第3Qから押され始め、最終的には逆転を許してしまいました。後半は一体何が起きたのでしょうか
そのあたりのQになると毎回このチームは緩みが出てきて。そこの流れを切らさないようにしなければとは思っています。
――きのうの東大戦でもリードしていたところを逆転されるという流れでした。後半に失速してしまうのはスタミナなどが原因なのでしょうか
スタミナもあるとは思います。でもどちらかと言うと体のというよりは心のスタミナですかね。
――そのような精神的な部分は改善していけるのでしょうか
今までは練習試合とかで3Q、4Qあたりでメンバーを落として色々な選手を使っていたので、4Qを通して(同じ選手を)あまり使っていませんでした。今後はそのようなところ(精神的な部分)をもう少し意識していきたいと思います。
――きょうはほぼ同じメンバーで4Q戦いました
それでもダメだったというのが客観的な意見だと思います。
――今のチームの課題としては、後半の戦い方になるのでしょうか
そうですね。あとオフェンス、ディフェンスそれぞれいくつか課題があるので、そこをつぶしていかなければいけないなと思います。
――きょうは前半の戦い方は良かったとおっしゃられていましたが、具体的にどのような部分が良かったと思いますか
オフェンスで言ったら点を取れるポイントが分かってはきたと思います。でもまだまだそのポイントを生かし切れていないので、起点になるというか、シュートポイントとなるところを増やさなければいけないと思います。ディフェンスはきょうはGも含めて結構まとまっていて、連携も取れていたので良かったと思います。
――Gの高杉選手(昴生、文構3=神奈川・桐朋)はきのう、きょうと大活躍だったと思いますが、DF陣は安定感が出てきているのでしょうか
そうですね、形は見えてきていると思います。ただまだまだのところもあるのでもう少し詰めていければと思います。
――早慶戦を終えて、次の大きな試合はリーグ戦(関東学生リーグ戦)になるのでしょうか
来週日本代表との試合があって、他にも社会人との試合を増やしたりして、そのような経験を積み重ねて合宿を経てリーグ戦に臨むという流れになると思います。
――そのようなスケジュールの中で、このようなチームにしていきたいというチーム像は何かありますか
最終的に見据えるのは(全日本選手権を)連覇しているFALCONSに勝つことなので、そこに向かって逆算して課題をつぶしていきたいと思います。
――ではまず改善していきたい部分というのは
まずは試合の流れを変えていくことができたらなと。あとは点を取れなければ始まらないので、攻撃力を高めていけたら良いと思います。
――今後への意気込みを聞かせてください
正直に言って悔しいので、この悔しさをバネに必ずリーグ戦は勝ちたいと思います。
DF矢野博主将(商4=神奈川・逗子開成)
――試合を終えて、今のお気持ちを聞かせていただけますか
悔しいの一言ですね。4Qでリードしていて、あと数分我慢すれば勝てるところをこちらでミスが出てしまって2点取られて逆転されてしまったというのはチームとして弱さが出てしまったと思いますし、本当に悔しいの一言に尽きますね。
――きょうはDFとしてはどのようにプレーしていこうとお考えでしたか
ケイオーの攻め方は共有していて、その人その人に合わせてスカウティングはやっていたので一人一人に対応していこうという話はしていました。
――六大戦(東京六大学交流戦)で対戦したときはケイオーがキーマンを欠いていたこともあり9-2での勝利でした。キーマンがいるいないでは大きく変わってくるものなのでしょうか
キーマンはDFの中心人物で、彼がいたことによってディフェンスも隙がないというのは感じていましたし、OFも少し攻めあぐねていた部分もあったのではないかと思います。オフェンスに関しては前回と変わったところは特になかったと思います。グラボを取られて失点だったり、相手の思うようにやられたというわけではなかったと思うんですけど、結構もったいないシーンが多かったと思います。
――自分たちが集中力が切れてしまったり、自分たちのミスでやられてしまったという感じでしょうか
集中力が切れてしまったというか、自分たちのファウルとか、こちらから崩れてしまったというイメージがあるので、そういう弱さが出てしまったかなと。ファウルが大きかったと思います。
――前半はワセダがリードしていて良い流れだったと思いますが、後半は逆転を許してしまいました。チームとして前後半で何か変化はありましたか
意識するところは前半とは特に変えずに、グラウンドボールというのはずっと言っていましたし、後半もそれを継続していこうという話はしていたんですけれども、前半は取れていたグラウンドボールが取れていなかったりして。前後半で10分空いて流れも変わりやすいので、そこでうまく流れをつかめなかったところが大きかったかなと思います。その流れがつかめなかった要因としてはやっぱりグラウンドボールが大きかったかなと思います。
――きのうの東大戦に続き、リードしていたけれども逆転を許すという展開になってしまった要因は何だとお考えですか
そこが自分たちのこれからの課題でもありますし、僕としては精神的な弱さとかもあると思っています。苦しい場面で相手の流れを止めることができるプレーを個人としてできるように、チームとしてそこが力の入れどころなのだということを共有していければ。チーム全員で自分たちの弱みというか、相手に流れが行ってしまったところで止められるように力をつけていかないと、今後また同じような試合になってしまうと思うので、練習からそのような厳しいところを意識して、悪い流れのときこそ全員で一丸となってその流れを止められるように頑張っていきたいと思います。
――早慶戦を終えて、社会人との試合などはあると思いますが、次の大きな舞台はリーグ戦(関東学生リーグ戦)になると思います。それまでの期間でどのようなチーム作りをしていきたいですか
きょうの試合が自分の目指しているところの対極にあるというか。苦しいときにのまれてしまう展開だったと思うので、苦しいときにこそ全員でカバーしあえるチームは実際の試合でどういう展開になろうと最終的には勝てるチームだと思いますし、そこは練習の厳しさとかにつながってくると思います。なので目指すチーム像としては、抽象的なんですけど苦しいときにチーム一丸となって、その流れをプラスに変えられるようなチームですかね。
――ご自身の今後の意気込みを聞かせていただけますか
三年連続で引き分けた後きょねん勝って、でもことし負けてしまったのは主将として本当に申し訳なく思っていますし、もうこういう思いは絶対にしたくないので、リーグ戦・プレーオフと公式戦では1回も負けないという強い気持ちを持ってチーム作りをやっていきたいと思います。
AT篠崎大雅(スポ4=栃木)
――この試合への意気込みは
去年勝てて、その時試合も出させてもらっていて。あの感動というか、あの感情をまた味わいたいというのもありましたし。二年連続で早慶戦で勝つということが今まで無かったと聞いていたので、なんとしてもそれを成し遂げたいという気持ちで挑みました。
――本日の試合全体を振り返っていかかですか
勝てる試合を落とすのが僕たちのチームの悪い癖で、攻めきれないというところが一番弱いチームなので。それを今後変えていかなくてはいけないと思いました。
< p>――結果を受けてお気持ちをお聞かせください
これだけたくさんの方が応援に来てくださっているので、皆さんに喜んで帰っていただくことができなかったこと、純粋に負けたということが本当に情けないと。自分たちの力不足だったと思います。
――ご自身のプレーとしては3得点されていますが、得点されたときの状況を振り返っていかがですか
1点先制されて、追いつけた後もう1点とれたその2点目の時はなんとしてでも差は離したいという思いで、結構強引にとったんですけど。2点目も自分が点を取らなくちゃ勝てないんだという意識で取りにいきました。
――今回の後半での失点の原因は何だとお考えですか
OF陣が攻めあがれなくて点差がつけられなかったとこが、結局DFを苦しめてしまって、それが原因なのかなと思います。
――今後に向けて意気込みをお聞かせください
今回負けてしまったので、しっかり反省して、何が原因だったのかなどしっかり突き詰めて。これからどうやっていくのか、どういう練習をしていくのかしっかり考えて、それを社会人を含め日本一というところまでの目標の中でどう歩んでいくかしっかり組み立て
て実行していきたいなと思います。
MF田口一希(法3=東京・早大学院)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
前半はDFが高杉(昂生、文構3=東京・桐朋)中心に頑張ってセーブしてくれていて、OFはそこで先制点を取りきれればもっと試合を優位に進められたと思います。2Qで相手が先制して、そこで一点取り返したっていうのがでかくて、そこから一気に点を取れて、2Qまでで見れば、多分1QにDFがしのいでくれた分を2QはOFで返したって感じでした。ハーフタイムで3Qで勝負を決めるというように言っていたんですけど、そこはケイオーも意地があるので、攻めてくるのは分かってたんですけど、その攻めに対して耐えることができなくて逆に僕らはオフェンスも焦ってしまってこんなリズムになっちゃって。4Qでは結局踏ん張れずに逆転されちゃったという感じでした。やっぱり、最後に取りきるべきグラボを取れなかったのが敗因だと思います。
――慶大のプレーについてどのような印象を持ちましたか
ケイオーは多分、17番の河村(剛志)さんを中心に守ってくると思っていたので、河村さんをなるべくプレーに関与させないようにしたり、わざと河村さんにかけて攻めてみたりとか。ケイオーも個では強いので、それでも個で負けないようにまずは仕掛けて、色んな所から攻めようというふうにしていました。
――プレッシャーや緊張はありましたか
特に、緊張とかはしてなかったです。
――先制点を決めたときのお気持ちは
伊藤皇希(MF、スポ4=愛媛・今治西)さんがシュートを打って、自分の中ではリバウンドを若干狙っていて、そしたらちょうど来てくれたっていう感じですかね。
――きょうの試合の課題や収穫はありますか
課題はやっぱり2Q終わりではリードしていたのに、そのリードを広げることができずに、縮められたあとも離すことができなかったっていう、そこを分けるのはグラボだと思うので、ずっと言ってきてるんですけど、これからリーグ戦に向けて、練習でも試合を意識してグラボ一個で勝負を分けるというように意識して練習していきたいと思います。
――今後の目標をお願いします
あと2、3ヵ月でリーグ戦が始まると思うんですけど、リーグ戦では絶対ケイオーを倒して、全日(全日本選手権)も優勝したいと思います。
DF山岡光太郎(社4=神奈川・サレジオ学院)
――惜しくも敗れてしまいましたが今の心境は
負けは負けなので、実力が全てだと思います。
――前半は堅い守りが印象でした
試合でやるべきことが全員できていて、Gの高杉君がスーパーセーブを見せてくれてディフェンスのいい流れを攻撃に持っていくことができました。
――試合終盤で立て続けに失点しましたが、前半と後半で何か変更点はありましたか
いや、特に変えていません。相手の勢いにやられてしまいました。失点してもOF陣が取り返してくれるという雰囲気だったのですが、最後まで粘りきれなかったです。
技術的な話ですが、ゴール前でのグラウンドボール取りきろうという中で実際のグラウンドボール率が32%ということで、相手に拾われて攻められた印象です。
――きょうの試合でたくさんの課題が見つかったと思います、具体的な課題は
前の六大戦で東大に負けた時も4Qで逆転されて、今回も4Qで逆転されました。気を抜いているつもりはないのですが、最後まで集中して戦うのが課題です。
――今日の敗戦を次につなげていかなければならないと思います。今後の意気込みをお願いします
悔しい思いを忘れず練習していくことが大切だと思うので、ここで負けた思いをバネにして明日の練習から集中してやっていきます。
DF丸山将史(政経3=東京・早大学院)
――1点差での敗戦となりました。いまのお気持ちを教えてください
試合の最後の最後で自分がファウルをしてしまいました。そういうところで自分の甘さが出てしまったかなあと。悔しいですね。
――最初の方はディフェンスのかたちがうまくはまっているような印象でしたが、この試合のディフェンス面はいかがでしたか
相手の特徴によってディフェンスのかたちを変えることは、スカウティングなどで共有していました。それが最初ははまっていましたが、途中から疲れでグラボ(グラウンドボール)などで負けてしまって、ごてごてになってしまって、点を取られたという印象です。
――この試合を総括していかがですか
詰めの甘さが出てしまったかなと思います。きのうの東大戦も追い付かれて最後は逆転できましたが、きょうの試合は追い付かれてそのまま逆転されてしまいました。この反省を生かして、今後のリーグ戦(関東学生リーグ戦)に勝っていけるようにしたいです。
――早慶戦の実行委員長も務められていましたが、今大会振り返っていかがですか
試合に出る身で実行委員長を務めるということで、いろいろ大変なこともありましたが、きょうはスタンドを埋め尽くすくらいのたくさんの人が来てくれたので、そういった意味でやって良かったなと思いました。
――ケガでなかなか試合に出られない中で、昨年の途中から復帰してプレーされていますが、改めてチームで戦っていていかがですか
きょねんは2年生ということでAチームの中でも個の強さの部分で先輩方に選んでいただいていたと思いますが、 ことしはスタメンなので、ただ自分個人のことよりももっとチームのことにフォーカスして、かつ、自分の仕事ももちろんこなせるようなプレーヤーになっていかなければいけないなと思いました。
――リーグ戦まで少し間が空きますが、今後詰めていきたい部分は
最後は社会人のFALCONSと戦うイメージでいます。組織として守っていくといことをもっと意識してやっていきたいと思います。
――最後に今後の目標を教えてください
スタメンで出ることになると思うので、どんな相手にも抜かれない、かつ、チームを動かせる、そのようなディフェンスの選手として活躍していきたいなと思います。