【第1回】 運営対談 佐々木健人×潟田泰成×木村彩乃×髙橋茜

男子ラクロス

 ラクロス部の早慶戦は、選手が主体となって企画から運営までを行う。しかし、昨年の早慶戦はコロナウイルス蔓延の影響で中止。引き継ぎもままならないまま、今年は早慶戦を運営しなければならない状況に置かれてしまった。その中でも常により良いものを追求していった運営担当の選手たち。今回は早慶戦男子部・女子部それぞれの実行委員、広報委員である4名、佐々木健人(政経3=東京・早大学院)、潟田泰成(商3=東京・片倉学園)、木村彩乃(法3=東京・早実)、髙橋茜(国教3=東京・大妻中野)にその苦労や意気込みを伺った。

※この取材は5月4日にオンラインで行われたものです。

「全てが自分たちにとって初めてのこと」(佐々木)

――早慶戦を企画するにあたって一番苦労した点を教えてください

佐々木 昨年度の早慶戦は新型コロナウイルスの影響で中止になってしまって、引き継ぎなどもままならないまま今回の早慶戦の企画をすることになりました。そこが一番苦労した点です。私も経験がないことに加えて例年とは開催形式が異なるということで、全てが自分たちにとって初めてのことだったので、手探りの状態でここまで企画を進めてきました。前例がないという点で苦労しましたね。それは実行委員、また広報を含めて共通していることだと思います。

潟田 自分は広報担当なのですが、広報委員は昨年に立ち上げられた役職です。昨年はコロナウイルスの影響で開催するまでにいかなかったので、実際には広報1年目という形ではありました。そのため、どのように動くのかということや、どのようにスケジュールを決めるのかというところで先輩たちに話を聞くということも難しくはあったので、そこは苦労したと思います。

――女子部のお二人はいかがでしょうか

木村 先ほどおっしゃっていたように、昨年は早慶戦のできなかったため、仕事の引き継ぎなどで苦労した点は多々ありました。それに加えて、私たちは1年生の時に見た早慶戦が最初で最後ということで、当日の動きの状況をあまり把握できていないところからのスタートだったので、当日のスケジュールなども曖昧でした。そこが苦労した点ですね。下見なども行ったのですが、やはり当日のイメージがつきにくかったです。

髙橋 私は早慶戦の広報を担当しているのですが、運営方法を決めることが一番大変でした。まずは、今年から早慶戦のInstagramを始めました。初めての試みだったので、その基盤を作るところからスタートして、オンライン配信ということで一人でも多くの人に早慶戦を見てもらえるように、また知名度をあげるために様々な活動を今行っています。自分たちが一から作り上げなければいけないというところが一番苦労した点です。

――コロナウイルスの影響で様々な制約があると思います。その中で気にかけている点はありますか

佐々木 最終的には無観客での開催になってしまったのですが、最近までは一人でも多くの方に観客席から試合を見てもらえるように動いていました。結果的にはそれは叶わなかったのですが、無観客というかたちでも感染対策は徹底していて、現在は部員のPCR検査の導入も検討しているところです。

潟田 無観客になるということで広報としては実際に足を運ばなくても試合を楽しんでもらうために、HPの内容の充実やInstagramの開設など、家で試合を見ていても試合を楽しめる工夫をこれからますます充実させたいと考えています。

ボールを運ぶ潟田選手

――女子部のお二人はいかがでしょうか

木村  一番大きな制約はやはり無観客ということです。早慶戦は毎回各方面の方から協力を得ていまして、早大の放送研究会の皆さんもそうですし、ハーフタイムショーでは応援部の方々にパフォーマンスをしていただいたりしています。そのような外部の方々の協力などもコロナウイルスの影響で制約がかかってしまったというのは、かなり大きいと考えています。応援も声を出すことはできないため、例年の早慶戦はかなり盛り上がるイベントだったので、そういった声出しができないのは、当日試合をする選手にも影響が出てしまうのかなと考えています。

髙橋 広報として気にかけていることは、正しい情報を多くの方々に伝えるということです。コロナウイルスの影響で今後も早慶戦の開始時刻が変わってしまったり、陽性者が出てしまった場合には開催ができなくなったりします。状況が常に変化するので、正しい情報を発信することによって早慶戦を多くの人々に見てもらえるようにしたいということは今一番気にかけていることです。

――今年ならではの取り組みがあれば教えてください

佐々木  無観客開催ということで動画配信をするために今は準備しています。例年とは異なったライブ配信ということと、現地で試合を見る方がいないということで動画のクォリティーを上げるということを今は取り組んでいますね。早大で協力して機材を借りて、例年では違うところに使っていた費用を動画配信のクォリティーを上げるために使っています。

木村 先ほどもお話しした通り、仕事の引き継ぎがうまくできなかったため、例年はどのような動きをしていたのか私たちが詳細に把握できていない部分がありました。その中で先ほど佐々木さんもおしゃっていたように、無観客という対応をしたり、応援の声出しを禁止にしたりということは今年ならではの取り組みだと思います。また直接関係はないかもしれませんが、例年は実行委員やO B・O Gの方々と対面で集まってミーティングをすることによって、円滑に勧められていました。しかし、今年は毎月ZOOMで打ち合わせとなってしまったので、意思疎通などを図るのが運営として難しかったと感じています。/p>

――様々な困難を乗り越えることができた理由などはあるのでしょうか

佐々木  例年にはない苦労が自分たちにはあったと思っているのですが、第29回ラクロス早慶定期戦の伝統というものを守り切りたいという意志は強いと感じています。昨年開催できなかったということもあるので、今年は何としても熱い戦いをお送りできるような運営を目指しています。

潟田 実行委員や広報委員のみんなで仕事を分担して役割を決めて運営しているので、一人ではできないと思います。それぞれ一人一人の頑張りでここまでくることができたと思っています。

木村  私は4年生の存在が大きかったと感じています。昨年一番大きな大会であったリーグ戦も特別大会という形に変わってしまって、日本一を実質的に目指すことができなかったという背景があります。そのようなことも含めて、今年の4年生がチーム作りや日本一を貪欲に目指す姿を間近で見ていて、早慶戦を良いかたちで作りたいというモチベーションを持つことができたことが、このような情勢の中で頑張ることができた要因の一つかなと思っています。

パスを受けにくる木村選手

髙橋 私も木村さんに似ているのですが、O B・O Gの方々のおかげでここまでなんとか進められていると思っています。早慶戦を運営するにあたって、O B・O Gの方に協力をしていただいているからです。そのような方々の情報やアドバイスによって、良いかたちで早慶戦を開催できるように動いている最中なので、早大と慶大、両大学のO B・O Gの方々にはとても感謝しています。

――今回の早慶戦はどのような試合にしていきたいですか

佐々木  男子部に関しましては、学生で一番レベルの高い試合になるのではないかと思っています。昨年行われた特別大会の決勝も早大対慶大でしたし、早大としては早慶戦開催史上初の3連覇に向けて練習しているので、そこに向けて頑張りたいと思っています。

潟田 先日、広報として主将対談を行ったのですが、そのときに早大と慶大それぞれの主将からお話を聞いて、どちらのチームもかなり仕上がっているとおっしゃっていたので、熱い戦いになるのではないかと思っています。

――女子部はいかがですか

木村  伝統のある試合ということで両校かなりの熱量で取り組んでいますし、モチベーションやそこに持っていくための練習メニューを組んでいるので、女子の方も熱い戦いになるのではないかと思いますね。

髙橋 早大も慶大も昨年からこのようなイレギュラーな環境の中で練習や試合ができるように、幹部の方々を中心に動いてきました。昨年は発揮できなかったのですが、1年間と今シーズンで磨いてきた技術を試合で全面的に発揮できるように、私たちも環境を整えたいと思っています。熱い戦いが繰り広げられることは間違いないと思うので、視聴者の方々にはそれを期待していただけたらと思っています。

――最後に、早慶戦にかける思いを教えてください

佐々木 コロナウイルスの影響で昨年の早慶戦が中止になって、今年も様々な制約とイレギュラーなことがある中で、我々実行委員と広報委員は進めてきました。その状況でできる最善の手段をとってきたと思っているので、例年とは形式が異なりますが、歴史に残る試合になるのではないかと思っています。また、動画配信ということもあり、現地に普段足を運ぶことができない方々にとっても見ることができる試合でもあります。早慶戦に限らずラクロスの知名度が上がるように我々も動いていきたいと思いますね。

潟田 広報としては先ほども申し上げた通り、実質広報1年目でもあるので、大会を終えた段階で良い意味で課題を多く出して、来年を良い方向にもっていけるようにできたら良いと思います。失敗しても、多くの課題を見つけて来年以降に引き継げるように、これから様々なことにチャレンジして企画や運営に取り組んで行けたらと思います。

木村  お二人が言ってくださった通り、たくさんのイレギュラーがある中でここまで取り組んできて、伝統のある早慶戦を今年度行えることに感謝してやっていきたいという思いはあります。また、早慶戦を来年度につなげるということも頭に入れて、今年度だけのイレギュラーの早慶戦というだけで終わらないよう、来年度以降にもつなげられるような早慶戦の運営をしていきたいと考えています。熱い早慶戦が今年も開催されるように、裏でサポートしながら盛り上げていきたいです。

髙橋 まだ時間があるので、広報の面からは早慶戦当日までしっかり自分たちが発信するべき情報を発信して認知度を上げると共に、来年度以降にもつながるいい早慶戦にしたいと考えています。

――ありがとうございました!

(取材・編集 山本泰新)

オンライ取材に協力していただいた運営の皆さん

◆佐々木健人(ささき・けんと)(※写真左上)

東京・早大学院高出身。政治経済学部3年。男子ラクロス部のプレーヤーであり、早慶戦実行委員も務める佐々木選手。学生トップレベルの熱い戦いを視聴者の方々にお送りできるように。当日まで委員として駆け回ります!

◆潟田泰成(かただ・たいせい)(※写真右上)

東京・片倉学園高出身。商学部3年。男子ラクロス部のプレーヤーであり、早慶戦の広報を担当する潟田選手。昨年から設立された広報という役職で悩むことも少なくなかったのだとか。来年度以降にもつなげていける早慶戦にするために、日々奔走中です!

◆木村彩乃(きむら・あやの)(※写真左下)

東京・早実高出身。法学部3年。女子ラクロス部のプレーヤーであり、早慶戦実行委員も務める木村選手。運営をしていく上で励みになったのは、日本一を貪欲に目指す4年生の存在があったからだそう。そんな4年生のためにも早慶戦の必ず成功させてくれるでしょう!

◆髙橋茜(たかはし・あかね)(※写真右下)

東京・大妻中野高出身。国際教養学部3年。女子ラクロス部のプレーヤーであり、早慶戦の広報を担当する髙橋選手。正しい情報を発信して、早慶戦の知名度をあげていきたいと話してくださいました。そんな髙橋選手が運営する早慶戦のH PやInstagramは必見です!