【連載】関東ファイナル 直前特集『一心一意』 第3回 MF中小路渉×MF半場涼介×MF小野泰輔×MF本間陽介

男子ラクロス

 オフェンスとディフェンス。一般に攻と守それぞれに特化した2つのポジションとされる。そして、その両ポジションの橋渡し役ともいえるのがMF(ミッドフィルダー)だ。フィールドを縦横無尽に移動できるミッドフィルダーは、攻撃を展開する上で非常に大きな役割を担う。第3回となる今回は、走攻守全てにおいて高いレベルを誇るMF中小路渉(社4=埼玉・川越)、MF半場涼介(スポ4=東京・東大和南)、MF小野泰輔(社4=東京・早実)、MF本間陽介(商4=東京・麻布)の4名にお話を伺った。

※この取材は10月16日に行われたものです。

面白い方が多いというMF陣の対談は盛り上がりました!

「一人一人が特徴を出して頑張っている」(本間)

――今年のMF陣の特徴を教えてください

中小路 去年は個の力が強かったので、個人で打開する場面が多かったのですが、今年は6人で打開して6人で点を取ることが多いです。

本間 僕は普段ディフェンスをやっているのですが、ディフェンスを見ていて、一人一人が特徴を出して頑張っているという印象です。

半場 去年よりは競争が激しいなと思います。シーズンを通して今でも、メンバーの入れ替わりも含めて競争することが多いなと思います。

小野 個人的には、どんどん特徴が出てきたのかなと思います。強みみたいなところが強化してきてそれを理解し合ったからこそ、信頼関係も生まれたのかなと思います。6人で点を取りたいという思いが強いです。

――MFの魅力はどのようなところにありますか

小野 僕はオフェンスとディフェンスがどちらもできるのが魅力だと思います。僕はディフェンスも好きなので。

中小路 マニアックな話になってしまうのですが、ATはマッチアップがロングなんですよ。だけど、MFはショートなんです。ショートである分、結構やれることが多いというのが魅力の一つかなと思います。

半場 個人的には交代できるので好きなときに帰れる、誰かと交代できるというのが魅力です。好きなだけ走れるので。

本間 活躍できる場所がたくさんあることですね。ATだったら得点能力に長けていないといけない、ロングだったら1対1が強くないとできないというのがあるのですが、MFだったら長けていなくても色んな活躍の仕方があるのがいいと思います。僕だったら守備でとか、得点を狙うのもありですし、そこが魅力です。

攻守ともにバランスの取れたプレーが売りの本間

――お互いのプレーの特徴を教えてください。まず本間さんの特徴からお願いします

半場 低い、構えが低いんですよ。

小野 あとディフェンスしながらヘディングでゴールするんです(笑)。僕のショットが走り込んできた頭に当たってそのままゴールということがありました(笑)。

本間 一回事故みたいなのがありました(笑)。

半場 体幹が強すぎて走るときに足だけ動いていて、上半身全くブレないというのが彼の面白いところでもあります。

中小路 イケボです(笑)。試合中も落ち着き払った低い重低音で、「おい」と言っています。

本間 これめっちゃいじってくるんですよ(笑)。

小野 あとだいたい三単語で言葉を話します(笑)。

中小路 例えば、「俺、陽介、本間」、「俺、疲れた、寝る」とかですね(笑)。

本間 すごく言ってくるのですが、そんなに意識ないです(笑)。

――次に小野選手の特徴をお願いします

半場 オフェンスとディフェンスの両方をMFトップクラスでできるのが一番すごいです。ディフェンスだけだったら日本代表にも選ばれているので、彼がいると任せたと思って安心して戻れますね。両方できるところが特徴です。

中小路 パスがうまいです。パスの出し方もそうですし、視野も広いので、ラクロスIQというか、スポーツIQが高いなと思います。話し合いの時の出す意見とかも、IQが高いなと感心することが多いですね。

本間 僕は、すべてのプレーを卒なくこなすというのと、安定して調子がいいなという印象です。これというところがずば抜けているというよりは、すべてが高いレベルでバランスがいいですね。

――中小路さんお願いします

小野 ショットを打つときに鼻の穴が大きくなります(笑)。

本間 一番野生的です。頭使うよりも本能に従ってプレーしている印象ですね。

中小路 いや、そんなことないけどな(笑)。

半場 身体が強いので、きょうの練習でもディフェンスのクロスを体当たりして折るくらい、すごいパワーの持ち主です。

小野 ラクロスとか自分の身体に一番向き合っていますね。基礎技術もすごく高いですし、これをやるぞという時は一番一生懸命やって伸びるタイプです。

本間 勝負強いですね。早慶戦もショットを決めたし。

小野 反復練習の成果ですね。

中小路 いいね、これ(笑)。

――次に半場さんお願いします

本間 通称ゴキブリなので、(肌が)黒いです。

小野 プレーの話(笑)。

本間 夕方になってくるとだんだん見えなくなってきますね(笑)。

半場 合宿で全身黒い服着て本当に検証しました。

本間 そんな感じです。

半場 終わり?(笑)。

中小路 真面目な話をすると、柔軟性があって彼もIQが高くて、すごく考えてプレーしているなと思います。柔軟性の説明が難しいのですが、プレーの幅が広いかなと思います。相手が嫌がることをできると思うシーンが多いです。

本間 考えながらプレーしていますね。練習でも新しいことを試している印象があります。事実、シーズン最初よりプレーの幅が広がっているので、どうやったらうまくなるか考えているのがいいところです。

小野 一番MFらしいなと思います。特質してアジリティがすごいわけではなくても、走り込んでのランシューがうまかったり、見習わないといけないなと思います。

――5月の早慶定期戦を振り返っていかがですか

半場 悔しかった思いもあります。もちろんうれしかったのですが、もっとできたなという思いもあります。

中小路 よく勝ったなと思います。去年の主力がほとんど抜けた中で、新チーム指導して4カ月でなんとかかたちにして、最後ギリギリだったのですが、底力が見えたなと思います。2年連続でけがとかで出られなくて悔しい思いをしていたので、最後点も決められてよかったなと思いますね。

――試合後のインタビューで「スポーツっていいな」とおっしゃっていたのが印象的でした

半場 新聞に載ってた(笑)。

中小路 例えば、最後決まったシュートの一本は、そのため何十万回も練習している成果じゃないですか。そういう場面はすごく多いと思っていて、大観衆の前の一つ一つのプレーの裏には、練習してきた膨大な時間があって、それが結果につながるというのがスポーツの良さだなと。プレーの背景にある懸けている思いを感じることで、感動が生まれると思うので、そういった意味で出た言葉でした。

高い技術と勝負強さを誇るMFリーダー・中小路

「全部がいい経験」(半場)

――ブロック戦5試合を終えた感想をお願いします

本間 安心しましたね。初戦負けてしまって、リーグ戦の厳しさを感じたので、その後全勝できたのはうれしかったです。「負けても勝っても頑張ることには変わらない」という声掛けはしてもらったのですが、ギアを全員で上げないと、という共通認識ができたので、いい流れでファイナル4にいけたのかなと思います。

小野 同じく安心したという気持ちはありましたね。去年強いチームで、14年連続ファイナル4に出ていて、進出当たり前の環境で育ってきたので、まず一安心でした。初戦負けた後は、どうなるかという不安があって毎日考えてしまっていたのですが、ディフェンスコーチからの「過去にこだわる者は未来も失う」という言葉も毎日胸に持ってリーグ戦を戦ってきました。スマホのホーム画面もこの言葉にしています。毎日これを見て未来を頑張ろうという気持ちでやってきました。

中小路 二人と同じで初戦負けた後はブロック戦は怖いなと思いました。ただいい教訓になって、ブロック戦を通してチームで成長できたので、あそこで負けたのが財産になったなと思います。

半場 自分は楽しかったです。去年は頑張り切れなくて、来年こそチームに貢献したいという思いでシーズンを迎えたので、それがしっかりと頑張り切れて、微力ながら貢献できたのがうれしかったです。全部がいい経験でした。メンバーを固定してきた中で、6人の中で他大から見て自分が一番狙い目だと思われていると感じる場面もあったのですが、そこでの悔しさが頑張るきっかけになりました。

――ファイナル4振り返っていかがですか

半場 オフェンス面で言えば、すごい成長が見られた試合だったなと思います。しっかり点を取り切って勝ち切ったという意味で、うれしかったです。

中小路 今までの試合とか、今までスポーツをしてきた中で、自分が活躍しないと楽しくなかったんです。ただファイナル4に限っては、とにかく何でもいいから勝ちたいなというのが強くて、自分は活躍できなかったと思うのですが、勝利がすごくうれしくて、自分の中の変化を感じることができて面白かったですね。心の底からうれしかったというのが一番です。

小野 僕は中小路と反対で、地味なところで貢献できていれば点を取れなくても勝てたらうれしいタイプでした。ただそれが自分の弱みだとも感じていて、そこを変えたいなと思ったので点を取れるようになってきて、変化を感じていました。それが成果として表れたのがファイナル4でした。もともとのチームが勝てればうれしいというのも同時に味わえたのがうれしかったですね。

本間 オフェンスに助けられた試合だったなというのが正直なところです。序盤からオフェンスが点を取ってくれてリードをくれた中で、ディフェンスのミスなどで失点して結果的にああいうかたちになって接戦にもつれ込んでしまったので、ディフェンスサイドの人間としては反省が残りました。オフェンスが仕上がっていて頼もしかったなというのは本当に思うことです。シーズン最初は今年のディフェンスのメンバーは去年から出ていて、逆にオフェンスは一からつくり上げていくという中で、練習でもディフェンスが圧倒するという場面が多くありました。ただ個人的には最近逆転されてしまったかなという印象を抱いています。チームとしてはいいことなので、これからも切磋琢磨(せっさたくま)していければなと思います。

――ここからはプライベートな話もお聞きします。他己紹介をお願いします

小野 本間からいこう。マクドナルドが好きです(笑)。

本間 結構体に悪いものが好きです(笑)。アメリカに行っても食生活には困らないと思います。真面目な人からは怒られてしまうかもしれないのですが、ラーメンとかマクドナルドをあまり控えないですね(笑)。

小野、中小路、半場 控えろよ(笑)。

――どちらのラーメン屋さんに行かれますか

本間 高田馬場にある『ピコピコポン』ですね。ひばりヶ丘の『ラーメン二郎』を愛する部員が多いのですが、僕の中では『ピコピコポン』が一番です。

中小路 あとは計算がめちゃくちゃ速い。

半場 めちゃくちゃ頭いい。

小野 関西遠征に新幹線で行った時にアプリでオセロをやったら、3回全部全滅させられました。打つ手がなくなるんですよね。

――独学ですか

本間 中高の時にサッカーをやりながらオセロ部に入っていて、暇な日に顔を出してやっていたらはまっていました。

――小野選手はいかがですか

中小路 はたから見たら爽やかな好青年に見えるかもしれないですけど…(笑)。

半場 ATの岡田康平(教4=東京・早実)とか、くだらないことが好きな人がいっぱいいるのですが、(小野も)くだらないことが死ぬほど好きで、客観的には何が面白いのかわからないようなことでも本人たちは死ぬほど面白がっています(笑)。

小野 お前も同じだろ(笑)。

本間 悪いところが出てこないな…。人付き合いがうまくて、先輩から好かれていますし、後輩とも仲が良いですし、いいやつなんでしょうね(笑)。

中小路 ラクロスのプレースタイルともかぶるところがあって、器用ですよね。自分が不器用なタイプなので、うまいことこなしているのを見て、いいなと思うときがあります。就活とかも泰輔と僕で軸が似ているところがあって、泰輔がするっといくところを自分は不器用にぶつかりにいって痛手を負うみたいな感じでした(笑)。

半場 一番女の子受けがいいと思います。清潔感に気を使っていたりするので、女の子だったら一番好きになるようなタイプです。

中小路 多分、こういう風に言ったら喜ぶんだろうなというのを分かっていて…(笑)。

小野 それは良くない(笑)。

――中小路選手はいかがですか

小野 家族の仲が良いですね。お姉ちゃんのツイッターにこいつが一人で歌っている動画が上げられたりする間柄です。試合とかに来ていて、終わった後に話したりしているのを見ると、家族の仲が良いんだなと思います。

本間 ラクロス漬けの人生を歩んでいるなと思います。家にテレビがないのですが、よく生きていけるなと思います。東伏見に住んでいて、朝から晩までラクロスしています。

半場 テレビのニュースが入ってこなくて、時事問題とかも全然知らないんですよね。この前令和に変わってことも全然知らなくて、数日たってから「時代変わったの?」と言っていました(笑)。

中小路 令和は知っていたのですが、いつから施行されるのか知らなかったです。

小野 そういうのでだませるんですよ(笑)。天皇が代わったとか、総理大臣が代わったとか。僕とかは最初に嘘だと言うのですが、そういうのを最初は受け入れてしまうのが彼なんですよね。

半場 彼の強みはなんと言っても、目の前のことに120%の力を注げることです。不器用なのですが、のめり込むととことん追求しますし、そういうところでラクロスでも周りから信頼を得ていて、MFリーダーを任せられていると思います。

小野 本が好きですね。

――息抜きに読書をされるのですか

中小路 息抜きという感覚はあまりないのですが、めっちゃ好きです。『坂の上の雲』とか『竜馬がゆく』とか、司馬遼太郎が大好きです。最近は『峠』も読んでいます。『宇宙兄弟』とか、漫画も読みます。

――半場選手はいかがですか

中小路 一途ですね。

小野 一途で恥ずかしがり屋なので、いじりがいがあります(笑)。僕から見ると、こいつも不器用だなという感じがします。あと僕と一緒で千鳥が好きで、『相席食堂』という番組が僕らは本当に好きです。モノマネをしたりしています。

本間 二人でモノマネをずっとやり合っています。

小野 そのモノマネをずっとしていたら、オフェンスで集まって円陣をするときにも採用されました。

半場 みんな何か分かっていないで、やっている(笑)。

本間 普段はもっと喋りますね。ずっと喋っているので、僕と足して割れば平均になるくらい喋っています。まだ本領発揮していないですね。

小野 食べるのも遅いんですよ(笑)。

本間 俊汰(AT青木俊汰主将、法4=東京・早大学院)と半場は遅いね。

小野 『サウスカフェ』に行って食べるのですが、僕とか中小路と行くと、僕らが食べ終わってもまだ3分の2くらい残っていて、一口食べて置いて休むんですよ。

半場 休んでいない、ずっと持っている(笑)。めっちゃかんでいるだけ(笑)。

小野 一口食べて置いて休んでいるか、ずっと一人だけ喋っています。昼飯が1時間くらいかかるんですよ。

中小路 合宿とかでもいつも最後まで食べています。

小野 1年生が片付けるのですが、ちらちら見ながらまだ半場さん終わらないかなみたいな感じになります(笑)。

相手の隙を突いた攻撃が魅力の半場

――オフの日は何をされていますか

小野 マック食べているだろ(笑)。

本間 マックは平日しか食べていない。オフは結構寝ていたり、授業を入れているので学校に行ったりとか、YouTubeを見たりして、有意義な時間の使い方はしていないです。昼前くらいに起きて、ちょっと学校に行って壁当てをして、YouTubeを見て寝るような感じです。

小野 佐川急便のバイトで宅配とか集荷とかをしています。個人的なのですが、ラクロス部に入ってからラクロスしかしてこなくて、世の中から置いていかれたなという後悔がありました。単純に遊びに行くとかをこの二年くらいしていなくて、それはそれで後悔だなというところがあって、ラクロス以外のこともしないと駄目だなと思いました。兄がいるのですが、「お前はもう少し遊んだ方がいいぞ」というのをよく言われるので、最近は意識して家の外に出て、どこかに遊びに行ったり、練習をしたりしています。本間とは違って割と充実していると思います(笑)。

中小路 変わっているのかもしれないのですが、1日何もしないとすごく嫌なんですよね。罪悪感にさいなまれちゃう性格で、何か一つ達成したいという性格なので、ウエイトとか壁当ては絶対にしますね。コンディションを見ながらシュートを打ったりします。さっき言ったように本を読むことも多いですし、友達と遊ぶことも好きなのですが、一人で遊ぶことも好きなので、一人で温泉に行ったり、たまに遠出をして山に登ったりします。低い山なのですが、手軽に日帰りで行くことができる御岳山と日の出山にこの前は登りました。

半場 授業期間は授業に行くのと、東伏見で授業を受けることが多いので、その前に泰輔とかとシュートを打ったりします。あとは一人で車に乗っているのが好きで、あてもなく運転をします。家が八王子の方で自然が多いので、それを見ながらドライブしています。おいしいご飯屋さんを見つけてそこに行くとかもします。結構一人でいることが多いかもしれません。

――私生活で仲が良い選手はどなたですか

本間 中山巧(AT、スポ4=長崎東)ですかね。スポ科なので本当は所沢にいるはずなのですが、彼は本キャンに憧れを持っていて、授業を受けに来ていて、来る時に一緒にご飯を食べたりしました。あとは、去年僕はシーズン途中までBチームだったのですが、Aチームが海外遠征に行っている間にちょっとしたオフの期間が与えられて、その時に二人で青森に旅行に行きました。

小野 僕はこの辺(この対談のメンバー)が…(笑)。昼ご飯を一緒に食べたり、オフ練に行くとこの二人(中小路、半場)がいるので、一緒にショットを打っています。副将の青木秀斗(DF、人4=東京・早実)とFOの鈴木雄大(社4=東京・国立)は家が同じ西武池袋線沿いで近いので、仲が良いです。鈴木雄大とはバイトも一緒なので、バイト後に二郎を食べに行ったり、たまに飲んだりとかはします。

中小路 いろいろな人と仲が良いですが、この辺(この対談のメンバー)とかですね(笑)。琴野(DF琴野大輝、社4=東京・早実)とか半場とかとは、温泉に行ったり、たまに遊びますね。Aチームの4年生仲良いよね?

一同 うん。

中小路 練習後ご飯食べに行ったりしますね。

半場 ポジションの壁を越えてね。自分も中山巧と一緒に遊ぶことがあって、2年生の最後の夏休みに二人で高尾山に登りに行ったのですが、登ることを伝えずに唐突に行ったら、服装が半袖短パンにサンダルで、白のハットだったんですよね(笑)。走って先に登って行くので歩いて追い掛けるのですが、すれ違う人たちに「今の人やばくない」と言われていて、それを連れの自分が聞いているという(笑)。その時に彼は携帯を持っていなかったので、連絡がつかなくてなかなか会えなかったのですが、頂上に行ったら会えました。

――ラクロスを始められたのは、どのようなきっかけでしたか

本間 僕は最初はサッカー部に入りたくて、入ろうかなとも思ったのですが、受験生活もあって動けない体になっていて、サッカー部は入る時にランテストがあって、ランテストに合格をした後に練習生として練習に参加をする権利が得られて、そこで1カ月くらい見られて入部するというかたちだったので、そのプロセスが面倒臭そうだなと思ったのと、普通にレベルが高かったので他のスポーツを始めるのはありだなと思ったのがきっかけです。練習とかに参加をしないで新歓から行ったのですが、その時に中山巧と勝本(G勝本勇人、社4=東京・早大学院)と同じ席でずっと喋っていたのがすごく面白くて、それまで見ていたサッカーサークルの雰囲気が違うなと思っていた中で、体育会で日本一を目指す人たちと話をして、こういう環境でスポーツを続けたいなと思いました。本当にたまたまラクロス部の新歓に最初に行って、次の日には体験練習に行っていました。

小野 主観的な意見が入ってしまうのですが、サークルとかに入って、ちゃらぽらんした大学生活を過ごしたくなくて、体育会に入ることは高校の時から決めていて、4年間一生懸命できることがいいなと思っていました。中高でガチガチの体育会でやってきて、多分サークルの生活は自分には合わないなと思っていたので、高校の時からラクロス部には目を付けていて、初心者からでもできるスポーツですし、新歓に行って、日本一を狙っている人たちや日本代表の人たちの熱い話を聞いて、めっちゃかっこいいなと思って、自分も日本一に向かって4年間頑張りたいなと率直に思ったので、ほぼ迷う隙もなくすぐに入りました。

中小路 高校までずっとやっていた野球であったり、受験勉強であったり、何かに一生懸命になっているときが一番楽しいなと思っていて、何か大学でも一生懸命やりたいと思っていました。肩とか肘が結構ダメだったので、野球以外で大学から始められるスポーツを考えた時に、ラクロスとアメフトで迷って、ラクロスにしました。一生懸命やることができる環境であればどこでも良かったのですが、正解だったなと今では思います。

半場 きっかけは新歓で声を掛けられたのと、同期の言葉ですね。今まで本気でスポーツをやったことがなかったので、自分は体育会に入っていい存在だと思っていなくて、サークルに入るんだなと思っていたところで、新歓とかでみんな一から始めるスポーツだと言われて、それでも体育会に入っていいのかなと思ったのですが、体験に行った時のスポ科の同期とかが優しくて、「やらないの?」と言ってくれたので、入ろうと思いました。その時に渉とも話したのですが、考えが似ているなと思って、高校の頭が良いわけではない中で入りたいと思っていて入ることができた早稲田の部活が強いことは知っていたので、その名前を背負って4年間本気でスポーツをやったら楽しいんだろうなと思いました。今までやってこなかった分、自分がどれだけ通用するのかというのも知りたかったというのもあります。

持ち前の器用さで攻撃の起点となるクリアライドリーダー・小野

「やれる準備をやり切って、自分の力を全て出し切りたい」(中小路)

――関東ファイナルの相手が東大に決まった時はどのような心境でしたか

本間 去年も同じカードだったので、今年も負けるわけにはいかないです。東大も去年負けている分、すごい姿勢で来ると思いますし、東大は今年公式戦で一回もやっていないので、最後に去年と同じようなかたちで戦えるのは楽しみです。

小野 決まった時は去年と同じカードだなと思って、去年のことを思い出させられた気がしました。その時に一番最初に浮かんだのが、去年の主将の後藤功輝さん(平31政経卒)が、僕らに「ありがとう」と言ってくれたことで、ラクロスがすごくうまい人でストイックで、チームに対しても厳しく接する人がちょっと涙を潤ませながら、「ありがとう」と言ってくれたのが、本当にうれしかったです。本当に楽しみだなというのがあるので、いい準備をしたいなというのがあります。

中小路 すごく楽しみです。東大とは切っても切れない何かがあるなという感じです。決まった時は、やっぱり東大は避けては通れなかったかという気持ちでした。絶対に勝って、決着をつけたいです。

半場 昨年のファイナルと同じカードか、開幕戦と同じカードかということで、どちらに決まっても面白いと思っていました。東大も早稲田もブロックを2位で通過してきたチームなので、2位同士の戦いで面白いかなと思いました。

――キープレーヤーになる方はどなたとお考えですか

本間 山田信平(DF、商4=東京・渋谷教育渋谷)を挙げたいと思います。今年からウエイトを頑張っていて、部内でもトップクラスで上がるようになってきたのですが、それをラクロスの方で生かせていないので、それが開花すればと思いますし、今積極的で、調子も良いからです。結構DFはシーズン最初から出るメンバーが決まっていて、そこの入れ替えの部分がないので、練習中からも彼が刺激を与えることによって、ディフェンスも良くなると思います。彼自身まだ試合に出られるチャンスがあると思っているので、同じ商学部で仲が良くて、よくご飯にも行くので、頑張ってほしいです。

小野 僕は1個下の丸田くん(MF丸田敦司、商3=埼玉,早大本庄)です。去年ずっとDMFでやっていて、今年リーグ戦の途中でOMFに切り替わったのですが、僕たちと遜色がないオフェンスをするので本当にすごいなというところと、単純に一番かわいがっている後輩は彼かなと思っていて、去年DMFで一緒で、バイトも一緒なので、よく会話もするので(笑)。仲が良い後輩が活躍するとうれしいので、丸田くんを推したいです。

中小路 大村(AT大村雄太郎、政経4=東京・早大学院)と清水(MF清水俊克、商4=東京・早大学院)の二人です。彼らとは1年生の頃から夜練を一緒にやってきた仲で、そういう過去をみんな知っているからこそ、二人が結果を出すとチームに勢いがつくと思います。個人的にもチーム的にも二人が仕事をしてくれるとぐっと勝利が近づくと思うので、すごく期待しています。

半場 3年生の平塚くん(DF平塚弘喜、政経3=東京・早大学院)に期待しています。彼はディフェンスも強いのですが、ずっとオフェンス面でもどうすれば点を取れるのかと悩んでいるので、頑張ってほしいです。

――個人として力を入れたいプレーは

本間 僕はディフェンス面での1on1と、クリアからフルフィールドでオフェンスにつなげる部分に力を入れたいと思います。東大のオフェンスは特徴的で、去年ファイナルで当たった時に個人的な出来はそんなに良くなくて、苦手意識を持っている部分があるのですが、今年は練習の中でも対策してきたところなので、1対1の部分はまず意識したいです。チームとしては、しっかりとクリアをしてフルフィールドで得点を取る部分は、この先勝ち進んでいく上で大事になってくると思うので、自分からしっかりと試合で体現できるようにやっていきたいです。

小野 MFなので、オフェンスもディフェンスも頑張りたいです。フライで普段は入れ替わってしまうのですが、残らなければいけないときは残らなければいけなくて、ディフェンスは得意ではあるので、そこでしっかりとディフェンスをして、その後に自分でオフェンスをして、MFのかがみのようなプレーをしたいです。

中小路 自分は1on1とシュートです。ずっと4年間通しての強みなので、集大成を見せられればいいなと思います。

半場 1on1やオフボールの動きは自分の強みだなと思っているので、そこです。

――最後に意気込みをお願いします

小野 去年と同じカードで、拮抗(きっこう)した展開になると思うので、今から試合当日までできる準備をやって、本番は楽しみたいです。

中小路 ファイナル4の前はあまりコンディションが良くなかったのですが、ファイナルではいい調子で臨めそうなので、やれる準備をやり切って、自分の力を全て出し切りたいです。

半場 チームが勝つことができればそれで良いので、そこまでにできる準備をしっかりとして臨みたいです。

半場 一人一人が自分が主役だと思って、試合までにどれだけ準備をできるかが勝敗に関わってくると思うので、しっかりと準備をした上で楽しんでいきたいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 村上萌々子、石井尚紀、中島和哉)

お茶目な一面が見られました(笑)。

◆半場涼介(はんば・りょうすけ)(※写真右)

1998(平10)年2月20日生まれ。身長174センチ、68キロ。東京・東大和南高出身。スポーツ科学部4年。何事にも『一途』だという半場選手。家に帰ってもラクロスのことをずっと考えているというその情熱も、とどまることを知りません!その熱い心で、相手ディフェンスを圧倒します!

◆中小路渉(なかこうじ・わたる)(※写真中央右)

1996(平8)年9月4日生まれ。身長173センチ、体重73キロ。埼玉・川越高出身。社会科学部4年。自他共に認める『平成生まれの明治男児』だという中小路選手。元号が令和に変わったことも数日たってから知ったというエピソードにも表れています!日頃のストイックな練習が結実することに期待です!

◆本間陽介(ほんま・ようすけ)(※写真左)

1997(平9)年6月29日生まれ。身長167センチ、体重70キロ。東京・麻布高出身。商学部4年。本間選手が「ラクロスよりも得意かも」と語るのはオセロ。なんと世界ランクを持っているそうです!その頭脳で守りきるディフェンス、さらに狙っていくと宣言する得点、攻守どちらからも目が離せません!

◆小野泰輔(おの・たいすけ)(※写真中央左)

1997(平9)年5月2日生まれ。身長170センチ、体重72キロ。東京・早実高出身。社会科学部4年。迷わずラクロス部に入部したという小野選手。最近になってラクロス以外のことでも充実感をにじませます。『器用』だと周りから評価されるそのバランス力でチームを勝利へと導きます!