関東学生リーグ戦(リーグ戦)5戦全勝と勢いに乗る早大ラクロス部。ファイナル4以降の激戦を勝ち抜くためには、攻守双方をこなせるMFの存在は欠かせない。AチームのMFをけん引するMF大橋正幸(政経4=東京・早大学院)、MF伊藤皇希(スポ4=愛媛・今治西)、MF池田侑大郎(商3=東京・早実)と、MFからATに転向したAT鈴木潤一(教3=東京・城北)の4人に今シーズンを振り返るとともに今後の意気込みをお聞きした。
※この取材は10月18日に行われたものです。
昨年とは違う雰囲気
学年の隔たりを感じさせない、和気あいあいとした対談になりました(左から伊藤、大橋、池田、鈴木)
――リーグ戦5試合を終えての感想を聞かせていただけますか
大橋 全部勝てたことは良かったと思います。明大戦とか、日体大戦とかは1点差の試合でしたけど、勝ち切れたことは良かったと感じています。
伊藤 個人としてはリーグ戦全勝と1試合1点取ることを目標にしていて、それを両方達成できたので、ことしのリーグ戦は自分としては納得のいくものかなと思います。
鈴木 リーグ戦を通して調子を落とすことなくやってこられたのは大きかったかなと思います。でも点を取り切れなかったシーンが多くて、ファイナル4ではそういったことが許されないので、ファイナル4ではしっかり点を取ってチームを盛り上げる一員として頑張っていきたいと思います。
池田 僕はリーグ戦前がすごく調子が良くて、リーグ戦もその調子のままいけるかなと思っていたんですけど、リーグ戦初戦あたりから調子が落ちて、点が取れないのが自分としても良くないなというか。大事なところで点を取れないというのがことしのリーグ戦の印象だったんですけど、ここ最近でやっと点が取れるようになってきたので、ファイナル4に向けてこれからさらに上げていければいいなと思います。
――具体的に、印象に残っているシーンはありますか
池田 法大戦の自分の1点目、チームの4点目ですね。シュートは打っていたんですけど、リーグ戦でずっと点を取れなかった中で取れた点だったので、自分の中では思い出深いというか、(調子が上がり始めた)きっかけになったシュートだったと思います。
鈴木 僕が一番印象に残っているのは法大戦で侑大郎からパスを受けて決めたシュートです。それまで点を取ったときは自分でいってスタンシューとか捲り(まくり)シューとかだったんですけど、今まで自分ができていなかった仲間からアシストしてもらう得点というのができて、新しい世界が広がったというか。ちょっと幅が広がってきたかなと思えたので、これからはもっと幅が広がるような得点ができたらいいなと思います。
――明大戦での決勝ゴールが挙がるかと思っていました
鈴木 それも良かったんですけど…。いや、それも印象に残っていますね(笑)。あのときは厳しいディフェンスの中で(決勝点が)取れたので、気持ちの面では自分が少しでかくなれたかなと感じる部分はありました。でもぱっと頭に思い浮かぶのは、侑大郎からフリーで(パスを)もらってクリースで自分がすぐにシュートを打ったシーンですね。
池田 ゴールを決めた後の写真を早スポのHPで使ってもらったんですけど、そのときの俺がふにゃってなっててすごくダサいんです(笑)。
一同 (笑)。
――4年生のお二人はいかがですか
大橋 自分は千葉大戦で1本シュートを打ったところです。いつも自分が練習でやっている形で打って、それを相手に止められたというのは悔いが残りますね。ファイナル4ではその形が自分の得点となるようにしていきたいです。
伊藤 自分は開幕戦の日体大戦で、ワセダの1点目を自分が取れたというのが印象に残っています。2点先制されてチームが苦しい状況の中で自分が1点目を取れて、試合にも勝つことができたので良かったなと思っています。
大橋 あのときの写真も早スポで使われてたけど(Twitter速報で使わせていただきました!)、めっちゃかっこよかった。
池田 めちゃくちゃかっこいいですよね!
鈴木 相手が倒れ込んでるのもいい感じだったし。
池田 あの時点で勝ってたよね。
鈴木 うん、勝ってた(笑)。
――みなさん、よく早スポのことを見てくださっているのですね
池田 そりゃ見ますよ。
鈴木 毎回見てます!
――Twitterのリツイートやいいねの数がいつも多くてびっくりします
鈴木 人数が多いからね。
池田 みんなすぐ追加するんですよ(笑)。
リーグ戦全戦で得点を決めた伊藤
――チームとしても初めからリーグ戦全勝を掲げていたと思いますが、それが達成できると確信した試合はありましたか
池田 最初の2試合(日体大戦、明大戦)じゃないですかね?
鈴木 最初の強豪2校が倒せるかどうか。
池田 でもやっぱり開幕戦を乗り越えられれば、みたいな話はしていましたね。そのあと結局ここもやばい、ここもやばいってなったんですけど(笑)。でも開幕戦で勝てればあとは勢いでいけるんじゃないかって話は最初にしていましたね。
――開幕戦の相手が日体大に決まったときの心境を覚えていらっしゃいますか
大橋 日体大なら…。
池田 確かにへたに東大とかケイオーとかよりも日体大ならって感じはありましたね。
鈴木 ここ使われるのあれですけど(笑)。でも2点先制されたときに皇希さんが1点返してくれたのがやっぱり大きかったですね。あの得点がなかったら、あのままズルズルいって負けるかもしれなかったので。
――終盤も相手に1点差まで詰め寄られました
鈴木 俺がオフサイドで…。
池田 あ、そうだったね(笑)。
一同 (笑)。
――やはり初戦が大事だったということですね
一同 そうですね。
――リーグ戦以前の話になりますが、5月の早慶戦は6-7での敗戦と悔しい結果になりました。改めて早慶戦を振り返っていかがですか
大橋 クリアとかライドはいい形でつくれていたので、こちらが不利になることがあまりなかったです。そういった部分は試合の中ではうまくやれていたんですけど、最後の最後で詰め切れなかったという感じですね。でも逆にそれがリーグ戦に入っていくにあたって、日体大戦とかで踏ん張れたかなというのはあります。
一同 確かに。
大橋 いい経験というか…。
池田 いい経験にせざるを得ないって感じですよね(笑)。
伊藤 早慶戦はチームで6点しか取れていなくて、そもそもオフェンスがそんなにうまくいっていないというのと、ベンチワークもあまり良くなかったことも敗因だと思います。ファイナル4、ファイナルはそこで失敗してしまうと負けてしまう感じがするので、そこの失敗がないようにあと2、3週間取り組んでいきたいと思います。
池田 早慶戦は第2Qまではワセダがすごく勝っていて、第3Qでやられるっていうのが毎年の流れで。ことしは大丈夫だろうと思っていたんですけど、案の定ことしもなってしまいましたね。
鈴木 3点くらい勝ってたんですけどね。
大橋 でもことしもそうなるのかなと感じる部分はありました。ケイオーってウチと違って速く点を取るので。ポンポン点を取られるのは想定内ではあったかなという風に思っています。
鈴木 それ以上に点が取れなかったというのが悔しいですね。オフェンス力が…。
池田 どうやったら点取れるんでしょうね。
――それは永遠の課題ですよね
鈴木 点を取れれば勝てるよね。
池田 絶対に点が取れる方法ってないのかな(笑)。
――続いてことしのチームの特徴についてお伺いします。
伊藤 例年と比べると4年生の数が少ないので、下級生が活躍するかどうかが試合にも影響するのかなと思います。
池田 本当にのびのびやらせてもらっています!去年だったら絶対に怒られるようなプレーも、意図があれば許してもらえるというか。
――逆に昨年はどうだったのですか
鈴木 僕は去年は今とポジションが違ったんですけど、シュートに関してはことしは結構自由に打たせてもらっている感じですね。去年は結構打ったあとに、「そのシュート、何%入るの?」って言われて「すみません」って感じだったんですけど(笑)、ことしはしっかり狙って打っているならそれでいいみたいな。チェイスとかをしっかりやればあとは好きに打っていいというのがことしの大雅さん(篠崎、AT、スポ4=栃木)の方針なので、後藤(功輝、MF、政経2=東京・早実)とか後輩たちが好きなタイミングで好きなように打てているのは、そこが要因かなと。チームとしてもシュートが多くなっていい雰囲気になると思うので、縮こまらないでプレーできるのがこのチームのいいところかなと思います。
――チームの特徴は4年生によって左右される部分も大きいのですね
池田 そうですね。
鈴木 去年も去年でこだわりがあって、峻希さん(畑田、平28スポ卒)とか(絶対的なエース)がいて、その中で正確なラクロスが求められていました。けどことしは峻希さんがいなくて4年生も少ないので、自分たちがどれだけ成長できるかというのを考えてくれて、自分たちがのびのびできる環境をつくってくれているのかなと思います。もちろん、峻希さんたちの代も尊敬していますよ(笑)。
MF・クリアライドリーダーを務める大橋
――大橋選手はことしのチームの特徴についてはどうお考えですか
大橋 (下級生がのびのびプレーできることとは)逆に4年生が怒れていないのかなと思うところはあります。人数も少ないので目も行き届かないし、強く言う人もいないので。それが原因かなとは思います。でもそれがいい雰囲気になってくれればとも思います。
――4年生であまり強く言う人はいないのですか
大橋 いないよね。
鈴木 オフェンスは、意図があるプレーなら大丈夫という感じでやらせてくれているので。
池田 強いて言うなら大雅さん、大さん(佐藤副将、MF、スポ4=東京・調布北)が立場的にも言わないといけないという感じで言ってくれるくらいですね。ディフェンスの方がいろいろ言っている気がします。
――鈴木選手と池田選手はことしポジションを変更されたのですか
鈴木 僕はことしMFからATになって、逆に侑大郎はATからMFになったんですけど、ATを経験することでMFとしての幅も広がったというか。MFとATでプレーの雰囲気とかが違うので、違うポジションをやることで幅が広がるんだなと感じました。あとは何だろう…。ブレイクバックが大変とか?
池田 うん、大変(笑)。
鈴木 MFはディフェンスになったときに頑張って(自陣に)戻るのに対してATは戻らなくて。でもそこでサボったらMFとかにも申し訳ないし、チャンスをつぶすことになるので、戻らない分あとで休めるから相手に突っ込んでいくダッシュの部分だけでも頑張るとか、ライドで最後まで追い掛けるとかは意識してやっています。
池田 僕は逆にATからMFになったのでブレイクバックが大変ですね。ディフェンスになったときの切り替えの早さよりも大きさが印象的だったのと、トイメンがショートというのがATの時はあまりないことだったので、それにやりやすさを感じているからAチームに入れているという感じです。でもATの経験がゼロになったわけではなくて。どっちかって言うとATっぽい動きしてますよね?
大橋 MFではない(笑)。
池田 MFでもなくてATでもない中間あたりにいるので。他にいないんじゃないですかね、こんなはざまにいる人。
鈴木 MFとしてポジションにつくとMFっぽくない動きをするし、ATとしてつくとまた違うというか。でも逆にそれがいい方に働いて、他にいないようなプレーヤーになっているのかなと思います。
――4年生のお二人から見て、ことしのMFの特徴は
大橋 神奈川大戦のときに、それまで全然はまっていなかったライドが突如はまり出して。そのあたりからインバウンズのライドがうまくなってきました。MFとしてライドする意識とか、ライドの仕方とかが定着してきて、これからインバウンズのライドとかをオフェンス陣がいい感じでできれば、ファイナル4とかでも通用する機会が増えるかなと思います。インバウンズのライドがうまくなったのはことしの良かった点かなと思います。
伊藤 Aチームのこと?
大橋 Bでもいいんじゃない?
伊藤 いや、Bのことよく知らないけど。
池田 じゃあなんでBの方に手を出そうとしたんですか(笑)!
一同 (笑)。
伊藤 ことしのAチームのMFは例年と違ってオフェンスとディフェンスで分けているので、僕としては結構やりやすいかなと思っています。そもそもラクロスのMFはオフェンスもディフェンスもやるポジションなので、(オフェンスとディフェンスで分けることは)良く言うとオフェンスに特化している選手もいるけれど、悪く言えばオフェンスができなくてディフェンス中心の選手もいるし、ディフェンスができない選手もいることになるのかなと思います。
池田 特化しすぎちゃう可能性もあるにはありますね。
次々と明かされる本性
――ここからはプレー以外のことについてもぶっちゃけていただきたいと思いまして
鈴木 ベールに包まれた皇希さんの私生活を…(笑)。
伊藤 基本的にまず携帯ゲームを家でやっていました。いまは休みの日は卒論をやっています。
池田 卒論がなかったら何やってます?あとゲームは何を?
伊藤 バイトとか。ゲームはパワプロとモンストかな。
池田 皇希さんもモンストやってるんだ!いろいろあって最近みんな始めたんですよね。もともと先輩たちでやっている人がいて、自分のゼミもやっていたのでじゃあやろうかなといって、髙杉(昂生、文構3=東京・桐朋)とかこいつ(鈴木)とか宇野(達朗、人科3=東京・桐朋)とかを誘って始めてみたところです。まだ始めたばかりですけど大さん(佐藤副将、スポ4=東京・調布北)とか光太郎さん(山岡、社4=神奈川・サレジオ学院)とかと通信対戦してるんですよ。
大橋 あいつらいつもLINEやっていて。
池田 LINEが来るんですよ、やろうぜって(笑)。
――皆さんは休みの日は何をやっているのですか
大橋 自分は休みの日はウエイトしに行ったりとかですね。昼まで寝て昼からウエイトしに行って一日が終わるっていうのが多いですね。
伊藤 僕は最近吉本新喜劇見るようになって、はまっています。筋トレして寝る前にストレッチをしながら吉本新喜劇っていうのが最近の流れですね。
池田 僕は授業は割とまじめに受けて、細々した副務の仕事もやりつつ、Youtubeは見ます。最近アカペラを見るのが好きで、それこそ髙杉といつも「こいつやばい」とか言いながら見ています。よく髙杉と車で練習場とか試合場とかに行くんですけど、その車内で「これ見つけたんよ」とか言って流して、後ろに潤一(鈴木)とかも乗ってるけどそいつらは全然分からず聞いているみたいな(笑)。アカペラ面白いんですよ。聞いたことあります?
大橋 ないないない。アカペラ甲子園ぐらい。
池田 アカペラ甲子園よりは海外のやつとかすごいですよ。「こんな音人間から出るんだ!」って思います。
大橋 皇希はとんかつ屋行ってんじゃん、とんかつ屋。
伊藤 それは毎日行ってる。
大橋 とんかつ屋3個ぐらいローテーションしてるよね。
伊藤 一人暮らしなので、大体全部外食なんですよ。自炊は1年の秋学期ぐらいから一回もしてないです。お金はやばいです(笑)。
――お互いの印象についてお聞かせください。みなさんは鈴木選手にどんな印象をお持ちですか
池田 あごが強い(笑)。あごのクセが強い。あごキャラって感じですね。
大橋 自分たちが2年生のときに1年生として入ってきたときはもう運動神経がやばすぎて。1年生のときは(ラクロスは)あんまり上手くないんですけど、運動神経が良いという感じでしたね。
伊藤 2年からAチームにいるというのはそれだけですごいと思うんですけど、ことしからATをやってリーグ戦でも10点以上取っているのはめっちゃすごいと思います。
池田 家が近いので割と一緒にいることが多くて。一緒に帰ったり飯食ったり車乗ったりすることが多いんですけど、あんましゃべらないんですよね、電車の中とかでは。
鈴木 ある程度仲良くなったら(しゃべらなくなるのは)あるじゃないですか。もうそれを超えてしゃべらないことも気まずくなってしまったので。
池田 もうなんかそんな感じだよね。何キャラだろう?
鈴木 適当っちゃ適当。
――続いては池田選手の印象ですが皆さんいかがでしょう
鈴木 爽やかぐらいですね。以上(笑)。
池田 もうちょいあるよ。もうちょい。
大橋 自分的にはサッカーのフォワードですね。点を取らなきゃいけないというエゴをすごく発揮しているので、それはサッカーのフォワードっぽいのかなというのはありますね。
池田 実際サッカーのフォワードだったんですけどね。
伊藤 侑大郎の印象?…特にないです。
一同 (笑)。
池田 マジっすか!何かしら下さいよ(笑)。何でもいいですよ。
伊藤 プレーの面で言うと、他の人とちょっと違う動きがあるので、それはオフェンスとしてはアクセントになるのかなと思います。
リーグ戦後半から調子を上げてきている池田
――次は大橋選手についてです
池田 まずはイケメンってところから入って、あと結構ドSです。
大橋 お前らにはそんなに言わないだろ。
鈴木 言われないんですけど言うときは言うみたいな。言うんですけど結局は優しいんですよね。そういう所がギャップがあっていいですよね。いい先輩です。
池田 皇希さんも正幸さんも自分が1年のときは2人ともAチームにいらっしゃったのであんまりしゃべる機会がなくて。本格的にしゃべるようになったのは去年、ことしですね。いままで別のチームだとしゃべりづらかったんですけど、ちゃんとしゃべるとすごく優しくて、面白い返しもしてくださいます。正幸さんはジャニーズ好きで…。
大橋 それは(内緒で)。
池田 第一印象といまの印象は大分違う先輩方だと思います。
伊藤 正幸は、1年のころから結構真面目なのかなと思っていました。けがをしたときとか人一倍ウエイトしていましたし。リーダーになってからは、チームが勝つためにどうすればいいかをずっと悩んで考えていたので、かなり真面目な人だとは思います。
池田 超照れてるじゃないですか(笑)。
大橋 そんなこと言うんだと思って(笑)。
――最後は伊藤選手です。みなさんどうでしょう
鈴木 ベールに包まれている…。でもすごく面白い先輩だと思います。
池田 言い方があれかもしれないですけど、人見知り的な感じなのかなという印象があって。最初話しかけたときはそっけない感じがしたんですけど、ずっと一緒にいてどんどん話しかけていると仲良く話してくれたりします。
――話しかけに行けば話してくれるのですね
鈴木 そうですね。逆に皇希さんから話しかけてくれたときはめちゃくちゃ(気分が)上がりますね。「とうとうそのレベルまで来たか!」と思ってしまいます。一回けがをしたときに、「けが大丈夫か」みたいに聞かれたときは「ああ、来たわ!」って(笑)。
伊藤 全然覚えてない(笑)。
――大橋選手は同学年から見て伊藤選手にどのような印象をお持ちですか
大橋 1年の夏ぐらいまで全くしゃべった印象がなくて。冬ぐらいから皇希が頭角を現し始めて、「なんかヤバいやついるぞ」みたいに突如出てきた感じでしたね。2年生のときにずっとBチームで一緒にやっていて、そのときMFに下級生が自分たち2人しかいなかったのでずっと2人でしゃべるようになって、そこからめちゃくちゃ仲良くなった感じですね。ずっと2人でウエイトしていました。
――同学年のことを言うのと、先輩後輩を言うのではどちらが言いやすいですか
鈴木 同学年は印象を出すのが難しいですね。
池田 もうなんか日々更新されているので。
大橋 1年生のときはあまり話さないから、2年生からだよね、関わるのは。1年生のことを知っているのは同学年しかいないから、それがちょっと違う所だよね。
鈴木 1年生のときは逆にもう印象とかないという感じですね。
池田 1年生のときの潤一ってどんなんだったかな?
鈴木 侑大郎は始め(新人戦)サマー(ステージ)のときにβだったんですけど、それでめちゃくちゃ点を取っていて。最後の決勝で俺と丸山(将史、DF、政経3=東京・早大学院)でダブったときにボールダウンせずに決めてくるという感じで、パスミスとかボールダウンとかちょいちょい多いんですけど、悪く言えば諸刃の剣、良く言えばとんでもないというか、ここぞというときに決めてくれたりするので、やっぱいいプレーヤーだなと思います。
池田 (鈴木選手に関しては)さっき正幸さんも言っていたんですけど1年生のとき運動神経ヤバかったんですよ、上級生に伝わるぐらいだったので。「あいつにああいう形で持たせたら絶対点入る」という感じだったので、対戦相手としては「あれだけはやらせるな」とずっと言っていた思い出があります。
打倒東大、そしてその先へ
リーグ戦でチームトップの得点を決めた鈴木
――ファイナル4の相手が東大と決まったときのお気持ちは
大橋 順当。
池田 でしょうねって感じでした。開幕戦の前に組み合わせを見たときから。
鈴木 最初からまあ勝ったら東大だなって。
池田 決してうれしくはないですけどね。
鈴木 ケイオーでもうれしくないですけど。どちらも強いので。
――東大とは東京六大学交流戦、五月祭招待試合でも競っていて、今度も僅差の戦いが予想されますが、勝つためには何が必要だと思いますか
鈴木 先制点と、やはりオフェンス陣が点を取るというのが大事になります。ディフェンス陣が結構頑張ってくれるので、オフェンス陣も頑張らなきゃなという感じです。あと東大のMFがめちゃくちゃ強いので、対MFのディフェンスとか対MFオフェンスがやはりみそになってくるかなと思います。相手には各セットに2人ずつぐらいキーマンがいて、その片方にはショートが付かないといけないので、野呂(太郎、MF、教3=神奈川大付)とか、丈武(本田、MF、政経2=東京・早大学院)とか、林(祐希、MF、人3=奈良・智弁学園)とかがそいつらをどれだけ止められるかが勝負のカギになるのかなと思います。
伊藤 東大、ケイオー両方なんですけど、海外遠征に行っていて強いところとかなり試合していると思うので、それらに勝つためには六大戦でも五月祭でも自分たちの小さいミスで点を取られたりしているので、ミスをどれだけ防ぐかというのが東大に勝つのに一番必要なことだとは思います。
池田 強い相手なので、五月祭でも辛くも勝って、その後2回練習試合をやったんですけど、そのときは惨敗でした。6対10とかで割とがっつり負けていて、しかも相手は1人キーマンがいないという状況で、このままじゃ(ファイナル4で)負けると自分の中では思っていて、何かが変わらないといけないなという思いがあります。あとやはり東大は頭が良いのでスカウティングがすごくて、俺と大雅さんの1on1は見切っているみたいなことを言い張ってくるので、そんなこと言われたらこちらとしては新しいことやるしかないじゃないですか。なのでちょっとずつ練習はしているんですけど、相手が知らない、「お前そんなことしてくるのかよ。それ知らないわ!」というプレーをしてやりたいなと思います。たぶんそれがないと自分個人としても点を取れないし、チームとしても勝てないと思います。
――他の皆さんも池田選手のように「こんなプレーがしたい」というのはありますか
伊藤 4年になってから最初から言っている、1試合で1点取るというのをファイナル4でもできればチームも勢いづくと思います。
大橋 千葉大戦で打ったようなランシューが打てれば点は入るのかなと思うので、それを打てる場面を多く作れるようにしたいと思います。
鈴木 新しいプレーというよりは自分のいままで持っているプレーで圧倒するというのが目標なので、相手がどんなディフェンスだろうと自分のエゴじゃないですけど、負けずに点を取っていきたいと思います。
――ファイナル4での注目選手を挙げるならどなたでしょう
池田 順当なんですけど、やっぱり大雅さん。いままで練習試合を含めて、大雅さんがしっかり点を取れる試合は負けなくて、逆に負ける試合は大雅さんが封じられているという印象があります。この間の東大戦も大雅さんが封じられちゃって惨敗したというのがあったので、大雅さんが1点目も2点目も取るぐらいの勢いがもしチームにあったら、そのまま行けそうな気がします。大雅さんが何点取れるかがカギなんじゃないかなと思います。
鈴木 自分は後藤です。すごい努力家でいまめちゃくちゃうまくて、自分が2年のころよりも全然レベルが違うくらいになっているので、彼がどれだけ相手のディフェンスを崩してくれるかですね。スカウティング的にも侑大郎とか皇希さんは見られ尽くされていると思うので、いま伸び盛りの後藤が軽めのスカウティングをどれだけ超えてくれるかがチームとしての勝負のカギになるのかなと思います。
大橋 俺は髙杉かなと。セーブだけじゃなくてクリアという面で髙杉が重要になってくると思うので、そこで相手を翻弄(ほんろう)できれば完全に勝てるかなと思います。
伊藤 同じMFから結構期待しているのは2年生の本田丈武かなと思っていて。練習中からずっと献身的なプレーもしてくれているし、クリアをする上でやはり丈武の力はかなり必要かなと思います。
――最後にファイナル4への意気込みをお願いします
大橋 チームとしての東大戦への課題というのは自分の中で明確になっていて、それをこの3週間ぐらいでいかに詰められるかが勝負のポイントになると思うので、死ぬ気で練習していきたいと思います。
伊藤 きょねんはこのファイナル4で負けて4年生が引退していて、やはり点を取れないと勝てないと思っていて。ここ最近の練習試合ではオフェンスが点を取れずに負けているので、オフェンスの得点力をあと少しでも上げていければファイナル4も勝てるんじゃないかと思います。
鈴木 言い過ぎかもしれないですけど、自分が1点2点3点と点を取れば、チームは絶対勝てると思います。自分で相手を圧倒して点を取るというのがファイナル4での目標で、それがオフェンス陣の先輩方への恩返しになると思うので、点を取って恩返ししたいと思います。
池田 あくまで矢野組としての目標はFALCONSを倒して全日本(選手権)で優勝するということなので、もちろんファイナル4で勝つのも大事ですし、関東ファイナルで勝つのも大事だと思うんですけど、その先にもちろん行く気でいるので、「(打倒)東大」、「(打倒)ケイオー」となるのではなく、視野を広げて後にもつながるプレーを増やしていきたいと思います。「東大に向けて頑張ります」というよりは、自分が成長するのが後につながることだと思うので、とりあえず自分はこれからも1試合1ゴール1アシストを目標に頑張ります。
――ありがとうございました!
(取材・編集 名前 小川由梨香、高橋豪)
色紙をつなぎ合わせて四字熟語を書いてくださいました!
◆大橋正幸(おおはし・まさゆき)(※写真左上)
1994年(平6)10月16日生まれ。身長179センチ、体重68キロ。O型。東京・早大学院高出身。政治経済学部4年。常に冷静な口調で、盛り上がって横道にそれそうな対談を、リーダーらしく的確な発言で収拾する姿が印象的でした。ジャニーズ好きという意外な一面があるようでしたが、本人のストップにより深く掘り下げられず…。少し心残りです!
◆鈴木潤一(すずき・じゅんいち)(※写真右上)
1995(平7)年4月2日生まれ。身長180センチ、体重76キロ。O型。東京・城北高出身。教育学部3年。対談が始まる直前までスマートフォンを片手にモンストをやっていた鈴木選手。1人だけ違うポジションながら、MFの経験を生かしてうまく話を合わせてくださいました。恵まれたフィジカルを生かして貪欲にゴールを狙いにいくプレーに注目です!
◆池田侑大郎(いけだ・ゆうたろう)(※写真左下)
1995(平7)年5月8日生まれ。身長170センチ、体重60キロ。B型。東京・早実高出身。商学部3年。色紙の四字熟語、『協心戮力』は池田選手が提案してくださったもの。「心を合わせて助けあう」という意味(出典:角川類語新辞典、角川学芸出版)で、日本一に向けて一丸となって戦うチームにぴったりの一言を選んでくださいました!
◆伊藤皇希(いとう・こうき)(写真右下)
1994年(平6)9月27日生まれ。身長173センチ、体重65キロ。A型。愛媛・今治西高出身。スポーツ科学部4年。得点を量産する名プレイヤーである一方、部内では謎多き存在のようで、伊藤選手に話しかけてもらうことが後輩のステータスになっているそうです。対談中もクロスを肌身離さず持ち続けていて、寡黙ながらもあふれ出るラクロス愛が伝わってきました!