日体大に快勝!心を一つに、『日本一』に輝く

男子ラクロス
1Q 2Q 3Q 4Q
早大
日体大
▽得点者
髭本2、櫻井2、近藤、林、池田侑、鈴木陽、伊藤幹

 ついにこの瞬間がやってきた。前日行われた全日本学生選手権準決勝を勝ち抜き、いよいよ迎えた決勝の舞台。覇権を争うのは関東ファイナルで下した日体大だ。試合は先制点を奪った早大がオフェンス時間を長く保ち、主導権を握る展開に。ディフェンス陣も要所を守り切り、相手の攻撃を封じ込めた。最後まで自分たちのラクロスを貫き通した早大。9-3で白星を挙げ、目標としていた日本一をつかみ取った。

準決勝に引き続き得点を決めた林

 頂点まであと一歩。緊迫した空気の中で戦闘の火ぶたが落とされた。MF内藤壮志(政経2=東京・早大本庄)がフェイスオフを獲得して始まったこの試合。日体大にポゼッションを簡単には譲らず、ゴールを狙い続ける。そして、第1クオーター(Q)10分AT近藤直哉(商2=神奈川・逗子開成)がMF平井陽大(人4=東京・成蹊)の好アシストで先制点を奪うと、続いて13分にはMF林祐希(人2=奈良・智弁学園)が豪快なシュートを決める。第2Q3分では、AT陣の核として多くの得点を収めてきたAT髭本慎吾(政経3=東京・早大学院)がこの日も風を切る鋭いショットに成功。その後早大のファウルから相手のオフェンス時間が続き1点を献上してしまう。タイムアウトを取り、軌道を修正すると、AT櫻井勇輝(スポ4=愛知)がゴール裏から回り込んで確実に1点をすぐに取り返した。積極的な攻めの姿勢で順調な滑り出しを見せた早大。4-1で前半を折り返した。

 全員が一体となって頂点だけを見つめていた早大に、恐れるものは何もなかった。後半戦も攻守共に圧倒し、リードを広げていく。第3Q開始7分髭本が5点目のゴール。その後もニュートラルなボールをもしっかりと物にし、相手Gをかわした櫻井が冷静にショットを決めた。取っては取られの攻防が続き、残り20秒で2失点目を許したところで、試合は最終Qへ。第4Q8分櫻井のゴール裏からのパスに反応したAT池田侑大郎(商2=東京・早実)がシュートに成功。直後にはDF鈴木陽介(政経2=神奈川・桐蔭学園)がロングスティックで大胆なショットを見せつけた。好機を逃さない早大は、残り5分でも櫻井のアシストでAT伊藤幹太(国教3=千葉・市川)が9点目の得点。1点を献上してしまうものの、堅守でそれ以上の失点を防いだ早大。そして、リードを保ったまま、運命の瞬間が訪れた。試合終了のホイッスル共に、拳を突き上げる選手たち。念願の『日本一』を達成した。

優勝が決まり喜ぶ選手たち

 Bチームにはさまざまな思いが巡る。Aチームへの憧れ、葛藤、ケガでの苦しみなど、それぞれがラクロスに対してあらゆる感情を持っている。6月のプレシーズンマッチでの敗退、リーグ戦での黒星。当初は不安視されることもあったが、若手が多いこのチームを4年生が中心となってまとめ上げ、この日までに著しい成長を遂げた。「自分一人じゃうまくいかない」(平井)。それぞれの抱える思いは違えども、視線の先に映るのは誰もが一緒だ。互いに支え合い、切磋琢磨(せっさたくま)しながら、頂点を目指し続けた。「最高のかたちで追い風をつくれた」とDF喜多村康平(スポ4=東京・桜修館)が語るように、Bチームでのこの締めくくりは、早大ラクロス部に大きな勢いをもたらしたであろう。すべては『全日本選手権優勝』のために――。心を一つに、いま、Aチームへと『日本一』へのバトンが引き継がれた。

あいさつをするDF田中直祐ゲームキャプテン(スポ4=東京・武蔵)

(記事 後藤あやめ、写真 小川由梨香、後藤あやめ)

集合写真

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コメント

本多俊介コーチ(平24スポ卒=新潟)

――日本一を達成されたお気持ちを教えてください

ただただうれしいですね。僕はあまり何も教えられないのですが、学生のみんながしっかり考えてくれました。1年間ですごくうまくなったので、その成長を目の当たりにできてうれしいです。

――やはり1年間の成長は著しかったですか

著しかったです。特に細かいところは僕が指導したわけではありませんが、考えてプレーしようと言い続けてきました。どうしよう、ああしようとひたすら考えてくれました。本当にうまくなりましたね。

――きょうの日体大との試合を振り返っていかがですか

プレシーズンマッチでは日体大に惨敗していて、Bリーグでは勝ったのですが、油断できない相手でした。きのうの試合で京大が来ると思っていましたが、日体大が逆転しました。とても勢いのあるチームだったので、先制点をしっかり取って勢いを向こうにあげないようにということは常に言っていました。

――最後の試合で理想とするラクロスはできましたか

できました。このチームでやるラクロスは最後ですが、楽しくやっていましたし、4年生を全員出すこともできました。それができて良かったです。

――最後に選手に一言お願いします

本当におめでとうございます。1年間お疲れさまでした。僕が全然指導できない中で自分たちでやって結果を出したので、本当にみなさんお疲れさま、ありがとうと伝えたいです。

DF田中直祐ゲームキャプテン(スポ4=東京・武蔵)

――きょう優勝されての率直な気持ちを教えてください

Bチームにとっては最後の試合だったので、勝って終わることができて良かったです。

――きょうの相手は関東ファイナルで戦った日体大が相手でしたが、振り返って

こちらもミスがあったのですが、要所要所で点を取ることができたり、ファウルをもらったりすることができました。そこがスコアに結びついたと思います。

――理想のかたちで試合を終えることはできましたか

勝てたという意味ではもちろん理想ですが、内容は反省すべき点もあります。その部分は下級生が改善してほしいなと思います。

――いままでキャプテンとしてチームを引っ張ってきていかがでしたか

大変でしたね。不向きなポジションかなと思うこともありましたが、みんなが支えてくれたので、なんとかやってくることができました。

――チームの雰囲気は良かったですか

そうですね。ことしは下級生が元気があるので、その2年生の元気を最終的には良い方向に持ってくることができたかなと思います。

――来週にはAチームのファイナル4が控えています

Aチームの4年生は特に四年間やってきた仲間なので、もちろん勝ってほしいです。Aチームはワセダラクロスを代表しているチームなので、ぜひ勝ってほしいと思います。

AT櫻井勇輝(スポ4=愛知)

――日本一おめでとうございます。いまの率直な気持ちを聞かせてください

とりあえず優勝してホッとしています。嬉しいなって感じです。

――きのうに引き続ききょうも得点を決められていましたが、きょうのご自身のプレーはいかがでしたか

1点目に自分の得意なかたちで得点ができたので、Bチーム最後の試合で自分の得意なプレーで点が取れたことはすごく嬉しいです。

――日体大はことしすでに何度か戦われている相手ですが、きょうはどのような気持ちで試合に臨まれましたか

Bチームではリーグ戦で(日体大に)1度負けていて、関東ファイナルで圧勝したのですが、その圧勝したイメージを持ってチームですごく良い雰囲気で試合に臨めていたのできょうも勝てるなという思いでいました

――いままでのBチームでの活動を振り返って一言いただけますか

苦しいこともあり、後輩が多くて厳しいこともたくさん言ったと思いますが、後輩が成長してくれてここまで来られたかなと。後輩に感謝の気持ちですね。

――来年以降チームを引っ張る後輩に対して期待していることはありますか

ぼくのポジションはATなのですが、ATは2年生が多くて受け身な感じがしたので、もう少し自分から積極的に行ってくれるともっといいオフェンスができるのかなと思います

――11月3日のAチームの慶大戦に対して期待していることなど一言いただけますか

Aチームが大事な試合を控える中で、Bチームがこのような大きな舞台で勝つか負けるかでチームに持って来られる流れも変わってくると思います。ここで勝ってAチームにもいい流れを持って行けたかなと思うのでAチームも勝ってくれると思っています

MF平井陽大(人4=東京・成蹊)

――日本一おめでとうございます。いまの率直な気持ちを聞かせてください

素直にうれしいです。自分はBチームでの負けを経験していたので、ことし勝てて本当にうれしいです

――きょうの試合でのご自身のプレーはいかがでしたか

3、4点くらい決められそうだったのにシュートを外してしまって。でもきょうはアグレッシブなプレーを心がけて、後輩にも(アグレッシブなプレーを)見せられたらと思っていました。その姿勢は見せられたかなと思います

――きょうの相手の日体大は関東ファイナルでも対戦した相手ですが、その時ときょうで違うものはありましたか

プレシーズンと、自分は出ていなかったBチームのリーグ戦で日体大と戦って負けて、関東の決勝で勝ってと負け越した状態でこの決勝があったので、挑戦者じゃないですけど、自分はそういう気持ちが強かったですね。1回勝てているけどうまくプレーできるかなって

――2、3年ではBチームで準優勝という悔しいこともありましたが、これまでのBチームでの活動を振り返って一言いただけますか

今はAチームとの掛け持ちの状態になっていて、自分がAチームで活動してきたことを後輩たちに還元する立場になって、Aチームの経験とかをどう生かそうかというのをすごく悩んだ時期もありました。後輩たちが本当にうまくなっていて。今年は逆に自分が頑張らなきゃなと思わされた1年でした。結局きょねんもおととしも先輩に頼ってしまって、今年も後輩とかに助けられながら、自分1人じゃうまくいかないものだなと。この気持ちを忘れずに生かしてファイナル4も頑張ろうと思います

――最後に11月3日のAチームの試合(慶大戦)への意気込みを教えてください

まだ自分が出られるか分かりませんが、自分の強みというのはAチームでも生かせると思うので、絶対に慶應に勝って畑田峻希(スポ4=福井・若狭)を胴上げしたいと思います

MF永易晃一(スポ4=愛媛・今治)

――日本一を達成してのいまの気持ちを教えてください

最高です。

――きょうの試合を振り返って

前回もいい感じに勝てたので、今回もそのままのイメージで臨みました。良いゲームができたと思います。

――きょうの試合は理想のかたちで終えられましたか

そうですね。最高のかたちで試合を締められたと思います。

――いままでのBチームでの活動を振り返って

最初は負けたりしていて、厳しいスタートでしたが、最後までしっかりチームをまとめ上げることができて良かったです。

――Aチームへかける思いはありますか

Bチームで良い流れができたと思うので、Aチームも優勝してくれると信じています。

MF伊藤幹太(国教4=千葉・市川)

――日本一を達成されたお気持ちを教えてください

きょねんもBチーム出ていたのですが、日本一がかなわずにこの決勝の場で負けたのを見ていたので、そういう思いもあって、特別うれしいです。

――関東ファイナルでも戦った日体大が相手の試合でしたが

その前のプレシーズンでもリーグ戦でも負けていました。この前の関東の決勝で勝てたイメージが根付いていたので、きょうも絶対勝てるとみんな思って臨めました。それが良かったのかなと思います。

――得点シーンもありました

きょうは情けないプレーが多くて、迷惑かけていたので、最後くらい挽回したいなと思っていました。いつもの櫻井勇樹(スポ4=愛知)のパスからの得点だったので良かったなとホッとしました。

――Aチームの関東ファイナル4が控えています

ここで喜びながらも、また気を引き締めて頑張っていきたいと思います。

MF平岩拓也(文構4=東京・錦城)

――日本一おめでとうございます。いまの率直な気持ちを教えてください

やはり日本一になれるか不安でしたけど、最終的にタイトルを取れてよかったです

――対戦相手の日体大はことし何度か戦われている相手ですが、きょうはそのような相手にどのような気持ちで試合に臨みましたか

予選も負けていたので不安な部分はありましたが、関東の決勝で大差をつけて勝つことができて、その分自信はあったのできょうは積極的にやっていきたいと思っていました。負ける気はしなかったですね

――きょうのご自身のプレーについては

Bチームの4年生は最後の試合だったので全力でやることは意識していましたが、その中で点が取れなかったのは個人的な反省点ですね

――Bチームでの今までの活動を振り返って一言いただけますか

ことしのBチームは2年生が多くてまとめたりするのが大変でしたけど、勢いのあるチームだと思いました。今後も1、2、3年生が成長していってくれると思うので下級生のこれからの成長に期待しています

――11月3日にはAチームの試合(慶大戦)が控えていますが、そちらの試合に対して一言いただけますか

Bチームが全日本で優勝できたことはラクロス部全体の流れにもつながってくると思うので、これからはどのようなかたちで部に貢献できるか分からないですけど、自分のできる限りのことをしっかりやって部に貢献したいと思います

MF河原翼(スポ4=大阪・早稲田摂陵)

――日本一を達成された率直なお気持ちを教えてください

うれしいです。

――きょうの試合を振り返って

少ししか出られなかったのですが、ピッチで少しだけ立ちました。感慨深いですね…。

――第4Qの最後に出場されました

後輩たちや同期が時間をつくってくれました。「翼行け」と言ってくれて、うれしかったです。

――Bチームでの活動を振り返っていかがですか

頼りない先輩だったかもしれません。最後も2週間前という重要な時期に膝をケガしてしまって、申し訳なかったです。後輩たちが育ってくれてうれしかったです。

――試合では下級生の活躍も見られましたね

そうですね。下級生が育ったからここまで来られたと思います。

――来週はAチームのファイナル4が控えています

絶対勝ってくれると思います。しっかりスタンドから応援したいと思います。

DF喜多村康平(スポ4=東京・桜修館)

――日本一を達成されての率直な気持ちを教えてください

めちゃくちゃうれしいです!きょねん僕はBチームでメンバーには入っていたのですが、最後の全日本選手権決勝で出番がなくて終わってしまってしまいました。なので、自分がフィールドに立って優勝できたことがとてもうれしかったです。

――きょうの試合を振り返って

オフェンスは時間をたっぷり使ってくれました。ディフェンスは要所を守るということで、自分たちがいつもやってきたことを出せたのではないかと思います。

――Bチームとしていままで活動してきていかがでしたか

僕はBチームの期間が長かったので、人一倍思い入れもありました。最後にこのような最高の結果で終われてうれしいです。

――来週にはAチームのファイナル4が控えています

最高のかたちで追い風をつくれたと思うので、この勢いで全日本選手権優勝に向けて、突っ走ってほしいです。

DF石田眞也(社4=東京・錦城)

――日本一を達成された気持ちを教えてください

日体大に負けたり勝ったりしていて、力の差はあまり無かったので、勝ててうれしかったです。

――きょうの試合を振り返っていかがですか

きょうはオフェンスがしっかりボールをキープしてくれて、ディフェンスの時間を短くしてくれたので、オフェンスに感謝しています。

――ディフェンス面は振り返っていかがですか

要所要所では守れたのですが、細かい連携やミスで失点してしまいました。そこは来年に向けて後輩たちに改善してほしいと思っています。

――いままでのBチームでの活動はいかがでしたか

後輩が一番プレー面で伸びてくれたと思っています。来年背負う身として、それを意識して頑張ってくれたので、その意識を持ったまま来年も頑張ってほしいです。