伝統の一戦に決着をつける

男子ラクロス
1Q 2Q 3Q 4Q
早大 11
慶大
▽得点者
畑田3、吉田崇2、吉永2、佐藤大2、篠崎、坂口

 3年間引き分けが続いていた早慶定期戦(早慶戦)。ついに歓喜の瞬間が訪れた。試合開始直後に2得点を挙げた早大は1点リードで前半を終えると、後半猛攻を受けながらも、点差を引き離す。勢いに乗る早大は相手に逆転を許さず、11-9で勝利。宿敵・慶大との伝統の一戦に決着をつけた。

 早大が得点を連取した。MF丸山卓郎(スポ4=埼玉・浦和)がフェイスオフを獲得すると、AT篠崎大雅(スポ3=栃木)とMF吉田崇(創理4=神奈川・鎌倉学園)が連続でゴールを揺らす。その後は取っては取られの拮抗(きっこう)した試合展開が繰り広げられるが、早大は常に先手を取り波に乗る。第2クオーター(Q)開始直後AT畑田峻希主将(スポ4=福井・若狭)のアシストからMF吉永佑大(社4=東京・早実)が得点を決め3-2。ラスト5分には主将の畑田が自ら得点を奪取した。終盤は慶大のポゼッションが続くが、リードを守り、5-4でハーフタイムを迎える。

フェイスオフを獲得し、勝利に貢献した丸山

 「自分たちがいつもやっていることをただひたすらやり抜こう」(畑田)。焦ることなく、落ち着いた様子を見せた早大は、後半の勢いも止まらない。第3Q開始2分MF佐藤大(スポ3=東京・調布)が左サイドから得点を挙げると、直後に畑田が7点目のショットに成功。連続で失点してしまうが、再び佐藤大がゴールを放ち、2点差に。慶大の攻撃は第4Qでも止まらない。しかし、早大がそれを上回った。10分にMF坂口賢輔(法4=東京・早大学院)が3点差に引き離すと、慶大に失点を許しながらも、優位に立ち続けた。終盤には畑田が自身3得点目のダメ押しのシュート。残り10秒で1点を献上するが、試合はもう決まっていた。フィールドに試合終了のホイッスルが鳴り響き、11-9で互いに譲らない激闘に終止符を打った。

ショットが決まり歓喜する選手たち

 昨年の慶大との試合では敗戦が続いていた早大。「早慶戦に勝ったことは大きい」と石渡祐介ヘッドコーチ(平18商卒)が語るように、悔しい思いをしてきた分、今回の早慶戦での勝利は大きな自信につながったであろう。ラクロス部の熱き夏はこれからだ。最終目標の『全日本選手権優勝』達成に向け、チーム一丸となって粘り強く走り続ける。

(記事、写真 後藤あやめ)

コメント

石渡祐介ヘッドコーチ(平18商卒)

――きょう勝たれての率直な感想をお願いします

勝ってほっとしています。

――3年連続で引き分けからの勝利でしたね

素直に良かったです。

――きのうの東大戦(東京大学五月祭招待試合)でおっしゃっていた試合の入りというのがきょうも良かったと思いますが、前半を振り返っていかがですか

フェイスオフが取れたというのが良かったです。そこでワセダのペースに引き込めて、得点につながったと思います。

――後半は振り返っていかがですか

1点差に詰められる部分もあったのですが、そこで我慢して、得点して引き離せたというのが、一つのターニングポイントだったと思います。

――オフェンス面はいかがでしたか

積極的に仕掛けられて、常に先手を取れたと思います。

――夏のリーグ戦まで間が空きますが、これからどのように調整を行いますか

社会人との練習試合を重ねていって、それから合宿、リーグ戦というかたちで入りたいと思います。

――リーグ戦に向けて一言お願いします

この早慶戦に勝ったことは大きいと思います。このまま勢いに乗ってリーグ戦につなげていきたいです。

AT畑田峻希主将(スポ4=福井・若狭)

――きょう勝たれて率直な感想をお願いします

うれしいです!

――3年連続で引き分けからの勝利ですが

やっているときの感覚としても、リードはしていましたが、また引き分けになってしまうのではないかというのを自分で少し感じていて、まずいなという危機感を持って臨みました。

――前半先制点を取ったことで波に乗ったのではないでしょうか

最近先制点を取られる試合が多くて、その中できょうは先制点が取れて、試合を優位に進められたということが大きかったと思います。きょうの試合展開に関しては満足のいくものでした。

――後半を振り返って

きのうの五月祭で、勝っていましたが、後半に相手のプレッシャーに対して引いてしまって、流れが相手に行ってしまったという反省がありました。それをきょうはリードしていましたが、自分たちがいつもやっていることをただひたすらやり抜こうということで、変に気負うことなく、後半もいつも通りできたかなと思います。

――夏からのリーグ戦に向けて意気込みをお願いします

目標が全日本選手権優勝なのでリーグ戦は通過点ですが、どのチームも強いですし、どの試合も気を抜くことはできません。目先目先の試合をしっかり対策を練って、しっかり自分たちで練習を追い込んで、最後の最後まで成長しながらチームをつくっていきたいと考えています。

MF佐藤大(スポ3=東京・調布)

――早慶戦ということでしたが、どのような意気込みで臨みましたか

3年連続引き分けというのと、六大戦(東京六大学交流戦)で負けているというのがあったので、相当気合を入れて、この日のために練習してきたので、すごく気持ちが入っていました。

――3年目で初の早慶戦勝利となりましたが、勝利の瞬間のお気持ちは

何とも言えない感じだったのですが、150人くらいいる部員が一体となって喜んでいるというのはすごく気持ちよかったです。

――ご自身はきょう2得点でしたが、ディフェンスをかわしての1点目を振り返って

慶大に追いつかれそうな状況で点数が取れたので、取ってやろうという気持ちもあったのですが、決まってよかったという気持ちが大きかったですね。

――連係プレーが光った2点目を振り返って

あれは9割方84番の伊藤君(皇希、スポ3=愛媛・今治西)の得点で、僕は決めるだけだったので、すごくいいパスが来てよかったです。

――試合を通して課題は見つかりましたか

やはりディフェンスで結構点を取られたというのがあったのと、(点数を)取った後にすぐ取られてしまったので、そこの苦しい状況でどれだけ頑張ってディフェンスして、点を取って離せるかというのが課題だと思いました。

――次のリーグ戦まで時間がありますが、どういった練習をしていきたいですか

きょねんはリーグ戦に少し出たのですが全然点が取れなかったので、個人的には点が取れるように練習をしていきたいのと、今回早慶戦に勝ったということで、慶大がかなり力を入れてくると思うので、それに負けずまたリーグ戦で勝てるようにやっていきたいと思います。

MF吉永佑大(社4=東京・早実)

――3年連続引き分けで今日やっと決着がつきましたが感想をお聞かせください

先輩たちの悔しさも背負ってきょう戦ったので、勝つことができて良かったです

――前半先制して勢いに乗ったと思いますが、振り返っていかがですか

きのうの東大戦も入りが良くて、それからずっとリードしながらの戦いだったので、きょうも同じように前半リードできたので、それは良かったかなと思います。

――後半を振り返っていかがですか

後半、一瞬緩めてしまった場面もありましたが、勝ちきれたので良かったと思います。

――得点を決められていましたが、振り返っていかがですか

あれは畑田くん(峻希、スポ4=福井・若狭)のナイスアシストでした。でも決めきれて良かったです。

――リーグ戦に向けて一言お願いします

近年ワセダは社会人に勝って日本一という目標を掲げていて達成できていないので、自分たちの代でしっかり勝って達成したいと思います。

MF坂口賢輔(法4=東京・早大学院)

――早慶戦ということでしたが、どのような意気込みで臨みましたか

きのうケガをしてしまったので、きょう出られるか不安だったのですが、3年連続引き分けだったので、出たからには絶対に勝とうという気持ちで臨みました。

――最終学年での勝利となりましたが

最後に思い出づくりではないのですが、勝利で終わることができたというのはうれしいことだと思います。

――坂口選手はこの試合でどのような役割を担っていたのでしょうか

やはり4年生なので、責任感のないプレーはできないですし、観客にいる後輩たちに少しでも自分を見て、一人でも多く自分を尊敬してくれる人が増えればいいなという気持ちで臨みました。

――試合も佳境となった場面で貴重なゴールを挙げましたが

自分は点がなかなか取れないので、そういう意味ではあのような重要な場面で点を取れたというのは、奇跡的というかすごく思い出に残る1点になったと思います。

――勝利の瞬間はどのような気持ちでしたか

言葉では言い表せない感じでした。

――いつものリーグ戦の勝利とはやはり違うところがありますか

やはり違いますね。自分の代ということもありますし、3年連続引き分けということもあって、自分も点が取れてチームに貢献できたという意味でこの一勝は重みが違いますね。

――次のリーグ戦まで時間がありますが、どういった練習をしていきたいですか

日本一に向け、社会人ともこれからやっていくこともあるので、やはり社会人に負けないように練習をしていきたいです。体では負けてしまうので、心の問題なのですが、学生らしくガッツを前面に出して、勝負強さにはこだわった練習をしていきたいです。

MF吉田崇(創理4=神奈川・鎌倉学園)

――早慶定期戦を振り返って

初めての早慶戦出場でしたが、その舞台で得点を決めることができ非常にうれしいです。

――相手のOF陣の印象は

ケイオーのOF陣はとても強かったのですが、うまくDF陣がカバーしてくれました。

――具体的なDF陣の良かった点は

具体的な指示を出してくれるためMFとしてどのように動けばいいのかわかりやすくプレーしやすかったです。コミュ二ケーションをとることで、チーム全体に一体感が生まれたと思います。

――4年ぶりに勝敗の決着がつきましたが、試合前から意識していたことは

とにかく得点を決めて、チームに貢献したい一心でした。

――夏からのリーグ戦に向けて挑戦したいことは

Aチームでの試合経験を積んで、スキルを伸ばしいきたいです。

G新町隼人(法4=東京・早大学院)

――早慶定期戦を振り返って

11-9で点差をつけて勝てたことはよかったと思います。しかし、DF陣としてはMFとDFの連携がまだうまく機能していないと感じています。

――ゴーリーとして試合前から意識していたことは

六大戦での課題はすべて対策してきました。

――今日の試合を振り返って良かった点は

前半はなかなかセーブできませんでしたが、後半は相手のシュートをセーブしチームに貢献することができ、チームとしても勝利できたのでうれしいです。

――夏からのリーグ戦に向けて課題は

DF陣の負担をどのように配分していくべきか、どのようなシステムがこのチームに合っているか話し合い中です。